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- EDLC(いーでぃーえるしー)
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(Electrical Double Layer Capacitor) 日本語では「電気二重層キャパシタ」。通常のコンデンサより充電時間が短く、大きな電気を蓄えられる特徴があるコンデンサ(電解コンデンサに対して容量が千~1万倍大きい)。コンデンサの「蓄えた電気を放出する」機能は、バッテリ(二次電池)も同じである。ただし放電(電気を供給し続ける)時間が全く異なる(コンデンサは短時間で放電して終わる)。EDLCは通常のコンデンサをバッテリに近づけた特殊なコンデンサで、コンデンサとバッテリ中間に位置する。通常、日本語ではコンデンサというが、EDLCはキャパシタと表記している。コンデンサとキャパシタはほぼ同義だが、EDLCのキャパシタはコンデンサとバッテリの中間にあるという意味で使われているように思われる。 バッテリが数時間かかる充電をEDLCは数秒で行える。また、充電回数がバッテリは有限だが、EDLCは原理的に限界がない。二次電池と比較すると、エネルギー密度(単位重量または容積あたりに蓄えられるエネルギーの量)では劣るが、出力密度(単位重量または容積あたりで瞬間的に取り出すことができる電力の大きさ)では優れていて、大電流での充放電の繰り返しによる性能劣化が少なく、寿命が長い。そのため、近年のインバータやEVなどを使ったパワエレ機器にも採用が広がっている。 電気二重層の原理は19世紀にドイツの物理学者が発見したが、日本の電気部品メーカは1970年代にEDLCを商品化している。アルミ電解コンデンサ(ケミコン)を国産初でつくった日本ケミコン株式会社や、MLCCなどの電子部品が得意なTDK、などがつくっている。
- インサーキットテスタ(いんさーきっとてすた)
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(In Circuit Tester) 電子部品が実装されたプリント基板に多ピンの治具(コンタクト、フィクスチャ)で接続して、電子部品とプリント基板の接続状態を評価する試験器。別名:ボードテスタ。略記のICTも、表記として良く使われる。 国産メーカでは日置電機や協立テストシステム、海外ではキーサイト・テクノロジーやTERADYNE(テラダイン)などがある。キーサイト・テクノロジーは半導体テスタは別会社に売却したが、インサーキットテタはラインアップに残っている(計測器という位置づけ)。テラダインは1970年代に世界初の半導体テスタをつくったが、ラインアップにはインサーキットテスタもある。
- インダクタ(いんだくた)
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(inductor) 電磁エネルギーを蓄える受動素子。電子部品としては「コイル」がある。別名、インダクタンス (inductance)、単位:H(ヘンリー)、回路記号は「L」。 回路上のふるまいは、直流は通すが交流は通しにくい。また、電流の位相は電圧に対して90°遅れる。この性質はC(静電容量、キャパシタ)と全く反対である。 単位の由来は、電磁誘導を発見した米国の物理学者ジョセフ・ヘンリーによる。
- インダクタンス(いんだくたんす)
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(inductance) 【電子工学で使われる電気に関する量】 コイルに流れる電流の大きさが変化すると誘導起電力が発生する電磁気現象のこと。別名、インダクタ(inductor)。量記号は「L」。単位は[H](ヘンリー)。たとえば「トロイダルコイル(200μH)」のようにコイル部品の値を示すのにH(ヘンリー)は使われている。 米国の物理学者ジョセフ・ヘンリーは英国のマイケル・ファラデーとほぼ同時期に(別々に)電磁誘導を発見した。ヘンリーはコイルの単位に、ファラデーはコンデンサの単位「F:farad、ファラッド」になり名を残した。電荷の単位が以前は(ファラデー由来の)「Fd:faraday、ファラデー」だったが、SI単位ではC(クーロン)になった。
- インピーダンス(いんぴーだんす)
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(impedance) 【電子工学で使われる電気に関する量】 直流におけるオームの法則の「抵抗 」の概念を交流(あるいは高周波)領域に適用し、電圧と電流の比として表現される基本量である。単位としてはオーム[Ω]が用いられる。インピーダンス(z)は下式のように複素数の形で表され、周波数に依存しない抵抗成分を実数(r: 抵抗分と呼ぶ)で、周波数に依存する成分を虚数(x: リアクタンス分と呼ぶ)で表し、その両者の和の形で表される。 通常、数学では複素数の虚数(imaginary number)は記号「i」(アルファベットの小文字のi)で表記されるが、電気工学ではiは電流の略記に使われるため、混同を避ける理由で、「j」(アルファベットの小文字のj)を使用する。 英語のimpedeは「妨げる」の意味で、「電流を妨げる」→「電流の流れにくさ」をimpedandeと呼称した。 インピーダンスは周波数に依存する(f特がある)オームで示される値のため、交流信号を扱う電気の基本用語の1つである。周波数の変化によるインピーダンスの変化をスミスチャートで示すのがネットワークアナライザである。一般的な電子部品(コイルやコンデンサなどの受動部品)のインピーダンスは、LCRメータやインピーダンスアナライザで、等価回路で測定する。
- インピーダンスアナライザ(いんぴーだんすあならいざ)
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回路部品のインダクタンス・静電容量・抵抗などのインピーダンス等を測定する機器。周波数を変えて測定できる。直流成分の重畳機能もある。等価回路によるインピーダンス成分の測定が可能。インピーダンス計測はキーサイト・テクノロジーが高シェアで、世界的に業界標準(低周波~高周波まであり、ネットワークアナライザはほぼ独占状態)。測定周波数がKHz帯域のものはLCRメータと呼ばれることが多い。MHz帯域を境に品名がインピーダンスアナライザになる(メーカによって不統一)。
- インピーダンス測定器(いんぴーだんすそくていき)
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(impedance measuring instrument) 交流インピーダンスの測定器を指していることが多い。 1. 回路素子測定器 1)LCRメータ、ブリッジ、Qメータ、Cメータなど。この内、現在はLCRメータが元も使われている。L(コイル)、C(コンデンサ)、R(抵抗器)という素子(電子部品)の値を測定する。メーカはキーサイト・テクノロジーと日置電機のラインアップが豊富。形状はベンチトップ(またはポータブル)が多く、周波数が固定のものと可変のモデルがある(100Hz~1MHz)。ハンドヘルドのモデルもある(三和電気計器、LCR700など)。 2)インピーダンスアナライザ。周波数を掃引(スイープ)して、L、C、Rの値を求め、グラフ表示する機能がある。周波数が高いモデルを中心にキーサイト・テクノロジーが世界的なデファクトだったが、最近は日置電機が日本ではシェアを伸ばしている。同社の3570インピーダンスアナライザなどは2つのモード(LCR/ANALYZER)があり、LCRメータにもなる。LCRメータとインピーダンスアナライザは似た製品なので、日置が両者を1台にしたのはリーズナブルである。 2.回路素子測定器でない物の代表例 1)FRA(周波数応答アナライザ)。電池、生体、腐食などの電気化学の分野で周波数特性を測定する。基本的にはインピーダンスアナライザと同等の機能がある。FRAはエヌエフ回路設計ブロックが有名でラインアップが多い。そのため同社は古くからLCRメータも(モデルは少ないが)継続してラインアップしている。最近はFRAのシリーズでインピーダンスアナライザを品名にするモデルもある(ZA57630、ZGA5920など)。 電気化学の測定には交流インピーダンス法が良く使われる。電気化学測定に必要な測定器として、ガルバノスタット/ポテンショスタットと、FRAが紹介されている(東陽テクニカの物性/エネルギーの製品ページ)。 2)ロックインアンプ。ゲイン(利得)と位相から物性などのインピーダンスを求める。 3)各種の抵抗測定器はインピーダンスの実数部(抵抗成分)を求めることができる。ミリオームメータ、接地抵抗計、ガウスメータ、ひずみ計測器、一部の温度計などである。テスタ(回路計)の付加機能でも交流インピーダンスを測定できる場合がある。
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