計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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LIB(えるあいびー)

Lithium-Ion Batteryの略。リチウムイオン2次電池。正極と負極の間をリチウムイオンが移動する仕組みの2次電池。従来の電池より小型で大きな電力を出せるので、現在の携帯機器や電気自動車の主力の電池(バッテリ)になっている。略して「リチウムイオン電池」と表現されることも多い。

LNG(えるえぬじー)

(Liquefied Natural Gas) 日本語では「液化天然ガス」だが、LNGという表現がTVニュースでも頻繁に使われているので、もはやLNGは日本語といえる。天然ガスを-162℃まで冷却し液化させると体積が約600分の1になるため、タンクにつめて船や鉄道で輸送でき、大量貯蔵が可能になる。石炭・石油に比べて燃焼時のCO₂やNOx(窒素酸化物、ノックス)の発生量が少なく、SOx(硫黄酸化物)も発生しないクリーンなエネルギー源として近年、世界的に需要が高まっている。 LNGは社会インフラであるガスの供給源に使われるほか、火力発電所で石油に代わりに使用されている(特に近年、石油の価格高騰によって日本はLNGの輸入量を増やしている)。社会インフラに使われるので、工業計器の会社である横河電機はホームページの「業種/ガス・LNG」というページで解説をしている。つまりプラントなどで使われる計装の計測器は間接的にLNGに関係しているのである。 2011年3月の東日本大震災と福島第一原発の事故を受けて、当時の菅(かん)首相が全原子力発電所を(法的な根拠もなく)停止させたため、日本の電力需給は狂い、明確な電源構成の展望がないまま、原子力規制委員会の厳しい稼働基準により、ほとんどの原発は稼働できずにいる。代替のために火力発電所を稼働させるのに、日本は高額なLNGを海外から輸入し続けるしか方法がなく、税金が無策に(長期的な戦略ビジョンがないという意味)使われている事態がもう10年も続いている。電力会社間の融通をしても電力需要が発電所の発電量を超えるという予測から、経済産業省は2022/3/22に初めての「需給ひっ迫警報」(電力需給が厳しくなる見込みのため東京電力管内で節電の協力をお願い)を発令する事態も、とうとう発生してしまった。ロシアのウクライナ侵攻(2022年2月)が長期化して、LNGの輸入に頼る日本の電力事情はさらに悪化している。日本の安定的な電力供給は太陽光発電(PV)ではなくLNGによる火力発電で凌いでいるという現実がある。 2022年7月14日に岸田総理は「今年の冬には最大9基の原発を稼働、火力も10基増」を表明したが、実現できるのかはまだ不透明である(2022年7月31日現在)。

LPF(えるぴーえふ)

(Low Pass Filter)特定の周波数以下の信号だけ通過させるローパスフィルタ。LPFの略記で測定器や文献に記載される。フィルタにはほかにHPF(ハイパスフィルタ)、BPF(バンドパスフィルタ)、BEF(バンド阻止フィルタ)がある。用語「フィルタ」に図解があるので、参照されたい。

エレキ(えれき)

エレクトロニクス(electronics)の略称。電気・電子をエレキ、機械をメカ(mechanics、メカニクスの略)と略称される。「エレクトロニクス」が長いので、会話では「エレキ」と短く言う。 たとえば月刊誌の日経エレクトロニクスは電気エンジニアは「日経エレキ」や「日経エレ」と呼称する。月刊誌の「トランジスタ技術(通称:トラ技)」の2021年11月号のトップ記事タイトルは「特集 エレキ工学超入門」である。エレキの代表的な大手企業というと、ソニーやNECだった。メカ選考の学生が就職希望するメーカにはホンダやトヨタなどがあったが、自動車の電動化(EVなど)で今後はエレキ技術者が増えるといわれている。リコー、CANONなどの複写機メーカはエレキとメカの両方の技術者がいる。 エレキの技術者をエレキ屋、メカの技術者をメカ屋と呼ぶことがある。メーカには必ず、電気の設計をするエレキ屋と機構設計をするメカ屋が存在する。ソフトウェア技術者は(ソフトウェアの比重が大きい会社でなければ)、どちらかというとエレキに分類されている。

演算機能(えんざんきのう)

(arithmetic function) 計測した測定値を使い、使用者の目的にあった物理量を計算によって算出し、表示する機能。オシロスコープ(オシロ)やデジタルパワーメータ(パワーアナライザ)などに標準装備されている。たとえばオシロのFFT演算機能を使うと波形を周波数軸で観測できるので、観測した信号にノイズが重畳している場合、ノイズ成分からノイズ発生源を特定できることがある(ただしオシロのA/D変換器は分解能が高くないので高ダイナミックレンジの観測はできない)。 デジタル電力計では、電流・電圧の実効値や位相から、各種の電力(皮相電力、有効電力、無効電力)を算出する機能がある。 自動車の電動化の進展などで、オシロのソフトウェアオプションに電源解析などが増えた。オシロに標準装備されている演算機能以上の解析機能が各オシロメーカから発売されている。

オイルコン(おいるこん)

エアコンは空気を冷やすが、機械の油を適切な温度に冷やす装置がオイルコン。

応答周波数(おうとうしゅうはすう)

(Response Frequency)機器が対応できる最大周波数のこと。測定器によって何を意味しているかは様々。株式会社東京測器研究所の用語解説では「応答周波数:正弦波負荷に対し変換器の出力が一定の範囲で応答できる最大の周波数(Hz)(ひずみ測定用の変換器の用語より)。応答周波数範囲(Frequency Range):周波数が変化する正弦波入力に対し、出力が仕様を満足する範囲で応答できる周波数範囲。出力が-3dB(出力の約70%)となる周波数で示している。(測定器の概要と主な用語より)」とある。「周波数応答」というと全く別の意味で、「応答の度合いの周波数特性(周波数によって応答がどう変わるか)のこと。

O&M(おーあんどえむ)

(Operation&Maintenance)発電所などの保守・運用のこと。2010年頃から普及が加速したPV(太陽光発電)では建設から、保守、運用を行うO&M事業者が多数生まれた。毎年春に開催される大きな展示会(PV EXPO 太陽光発電展)には数多くのO&M事業者が出展している。

OEM(おーいーえむ)

(Original Equipment Manufacturer) 自動車業界では一般的に完成車メーカをOEMと表現(表記)する。通常はOEMとは、他社ブランド品を製造する委託業者や委託生産のことだが、自動車業界では完成車メーカのことを意味する。 Tier1(ティアワン)はOEMに直接納品するメーカ、Tier2はTier1に納品するメーカを指す。TierXは本来、流通の用語だが、自動車業界で良く使われるため、「トヨタに納品するデンソー」のように、車体メーカと直接の取引ができる「車載部品のメガサプライヤー」を指すことばと認識されている。Tier1の下には次々と下請け企業があり、自動車産業の大きなピラミッド構造を象徴する用語である。Tier1には日立Astemo株式会社(日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社ショーワ、日信工業株式会社が2021年1月に経営統合。読み方:ヒタチアステモ)などがある。 自動車業界のOEMも通常のOEMと同じOriginal Equipment Manufacturerの略記である。Original Equipment Manufacturerを直訳すると「独自・装備(or装置)・製造者(orメーカ)」である。巨大産業である自動車業界には独特の用語が多くあるが、最近の世界的な急速な電動化(EV化)によって、日立Astemoのようにピラミッド構造の企業群に変化が起こっている。 当サイトでは2020年10月から自動車市場の技術解説を毎月掲載している。 自動車市場の解説 以下の参考記事欄に代表記事4つをリンク。

OCXO(おーしーえっくすおー)

(Oven Controlled Xtal Oscillator)温度制御型水晶発振器。外気温にまったく関係なく水晶の温度を一定にするオーブンが内蔵されている。 TCXOの温度特性を更に改善したもの。

OTA(おーてぃーえー)

(Over The Air)従来の有線による機器を経由するのではなく、無線通信による手段のこと。SOTA(Software update Over The Air)やFOTA(Firmware update Over The Air)などがある。自動車のソフトウェアのアップデートや、次世代無線通信規格の5Gなどで話題になる用語。

オートレンジ(おーとれんじ)

測定器のレンジが、測定入力信号の大きさに応じて自動的に切り換わること。(共立電気計器株式会社の用語集より)

オームの法則(おーむのほうそく)

( Ohm's law) 「電流 の強さは電圧 に比例し、抵抗 に反比例する」という法則。電流(A:アンペア)=電圧(V:ボルト)/抵抗(Ω:オーム)。電気回路の1丁目1番地の法則。中学校の理科で習う。電気工学の最も基本の公式。ドイツの物理学者、ゲオルク・オームが1826年にこの法則を発表したことによる。 電気業界にはオームを冠した会社がある。オーム出版は電気を含む自然科学の書籍を出版していて、理工系の学生が教科書として使う本が多い。オーム電機(Ohm Electric)は照明を始めとする電気器具のメーカである。

オペアンプ(おぺあんぷ)

(Operation Amplifier)2つの入力と1つの出力がある増幅器で、2入力端子間の電圧差を増幅する。出力端子を抵抗を介して入力端子に反転入力(NF:ネガティブ・フィードバック)すると、抵抗の値から増幅率を設定できるので、電子回路では多用されている。積分回路、発信回路、コンパレータなど様々に応用される。日本語は「演算増幅器」だが、オペアンプという表記や呼び方のほうが圧倒的に多く使われる。「OPアンプ」という表記もみかける。

温度係数(おんどけいすう)

温度が1℃変化すると物質の特性(たとえば膨張係数、金属の比抵抗、マイクロホンの感度など)が変化する割合。計測器メーカの高砂製作所の用語集には以下の記載がある。電源機器が動作中、温度変化により出力電圧または出力電流が変化する割合を百分率あるいはP.P.M(百万分の1)の単位で表したもの。

温度ドリフト(おんどどりふと)

(temperature drift) 外部の温度が変化することに影響されて機器の出力などが変動すること。計測器は精密機器なので、使用環境の温度変化に敏感である。driftは「漂う、流される」という意味。 周囲温度が変化することにより生じる出力の変動分(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)。 放射温度計やサーモグラフィでは温度ドリフトを補正することを環境温度補正と呼んでいる。つまり環境温度による機器の動作状況の変動(環境温度の影響によるドリフト)が「温度ドリフト」である。

オンボードチャージャ(おんぼーどちゃーじゃ)

(On Board Charger)日本語では「車載用充電器」。EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)のバッテリを、住宅などの商用電源を使って充電するためのもの。充電のために「プラグイン」が必要な自動車の内部に設置されている。単相(または三相の)AC電源に対応し、交流を整流しバッテリに適した充電電圧に変換する(400V、あるいは最近では800V)ことで、最速の充電を行うAC/DCコンバータである。OBCと略記される。 参考記事:電動化の進展~カーボンニュートラルに向けた動向・・充電の規格や、充電スタンドについて説明。

オンラインビデオ会議(おんらいんびでおかいぎ)

ネットワークを使ったオンラインの会議システムは、2020年初からの新型コロナウイルスの蔓延(コロナ禍)によってテレワークが広がったことも普及を促進した。通信を使った会議システムとしては以前は「TV会議」の名称で、大画面のモニタやカメラ、マイク、スピーカと画像装置や通信機器を組み合わせた製品群が、企業の拠点間に配備され活用されていたが、つなぐ拠点間の数の制約など、インフラの進歩によるシステムの陳腐化があった。PCにカメラやマイク、スピーカが完備されたことで、各人が保有するPCをインターネットに接続し、ツールをインストールするだけで(特殊なハードウェア不要で)、ビデオ会議が簡便に実現できるようになった。 ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(米)が提供するビデオ会議のツールZoomが、コンシューマユースではシェアが高いとされる。Zoom以外には、マイクロソフトのteamsやCisco(シスコ)のWebex(ウエベックス)などが企業で導入されている。国内計測器メーカはteamsやZoomの使用実績が多いが、海外計測器メーカはWebexの導入例がある。

ガードバンド(がーどばんど)

(guard band) 測定の不確かさに相当する幅のこと。校正用標準器の代表メーカ、フルークキャリブレーションのセミナーでは「校正結果の適合性と不確かさの関わりについての考え方」と解説している。

カーネル(かーねる)

(kernel)オペレーティングシステム(OS)の基本機能を担うソフトウェアのこと。ハードディスクやメモリなどコンピュータの資源(リソース)管理や、アプリケーションの実行の許可などを行う。ハードウェアとソフトウェア(アプリケーションなど)の連携を管理しているといえる。