計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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PathWave(ぱすうえーぶ)

キーサイト・テクノロジーが2019年に提唱したソリューション(ソフトウェアプラットフォームの総称)。計測器はR&Dから生産現場、保守メンテナンスまで広範な用途で使われ、また、精度維持管理が必要な精密機器である。同社はハードウェアの販売とサポートだけではなく、ユーザの様々なニーズに合わせて選択できる、サービスレベル契約や生産性向上ツール、ナレッジデータベースなどを提供していて、2020年以降この方向性をより鮮明にしている。PathWaveはそれを象徴することばである。具体的にはEDA(電子機器の設計の自動化)から計測器の管理(使用環境)までを包含する新しいコンセプト。PathWave TESTなどのいくつものソフトウェアがある。ユーザの保有する計測器の有料校正サービスもPathWaveの一環である。同社はEDA製品を古くからラインアップしてきたが、2021年6月には「PathWave Design 2022」をリリースしている。

PIO(ぴーあいおー)

(Programmable Input/Output)入出力インタフェースをソフトウェア(プログラミング言語)で設定できるデバイス、またはその入出力のこと。「プログラマブルI/O」と表現されることも多い。

PHEV(ぴーえっちいーぶい)

(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)プラグインハイブリッド自動車。PHVという表記もある。xEVと呼称される、電動車の1種。参考記事:電動化システムの主要技術と規制動向~進展するxEVの現状と今後・・・記事の後半で各種のxEVについて解説。参考記事:電動化の進展~カーボンニュートラルに向けた動向・・・テクノフロンティア2021で展示された中国の格安EV、「宏光EV mini」についてレポート。

PHV(ぴーえっちぶい)

(Plug-in Hybrid Vehicle)プラグインハイブリッド自動車。最大のメリットは、HVとEVの良いとこ取りができること。バッテリに電力が残っているときは、モータだけで駆動するEVとして走り、バッテリがなくなったらエンジン併用のHVとして走行できる。PHEVという表記もある。xEVと呼称される、電動車の1種。参考記事:電動化システムの主要技術と規制動向~進展するxEVの現状と今後・・・記事の後半で各種のxEVについて解説。参考記事:電動化の進展~カーボンニュートラルに向けた動向・・・テクノフロンティア2021で展示された中国の格安EV、「宏光EV mini」についてレポート。

PLL(ぴーえるえる)

(Phase Locked Loop) 日本語では「位相同相ループ」だが、PLLの方が良く使用される。入力と出力の位相を同相にする回路や機器のこと。RFなどの無線通信にはシンセサイザを使った高精度のPLLが使われる。アナログ回路の最も基本的な1つ。Analog Devices(アナログデバイス)社などの半導体デバイスメーカはPLLの電子部品をラインアップしている。 参考用語:VCO

PCS(ぴーしーえす)

(Power Conditioning Subsystem) パワーコンディショナ(パワコン)の別名。

PC接続型(ぴーしーせつぞくがた)

計測器の分類の1つに、機器の動作の形態(他の機器との接続状態など)による表現がある。単体で動作するものをスタンドアロンというが、PCなどに接続して使用する前提のものをPC接続型という。PCのインタフェースとしてUSBが普及したため、最近はUSBで接続するタイプが増えた。従来からオシロスコープは、箱型でPCに接続する機種が多くあったが、最近はRFの高額な測定器(スペクトラムアナライザやネットワークアナライザ)もUSB型が各社から発売されている。

PCB(ぴーしーびー)

2つの意味を紹介する。 PCBはポリ塩化ビフェニル(polychlorinated biphenyl)の略記である。PCBはいままで電気機器や電子部品に使われてきたが、近年、使用しないようになった。ただしまだ使用した機器が多く残っている。廃棄時の処分方法について、法律で規定されている。近年、「計測器内部にPCBを含有したコンデンサなどの電子部品を使用していないか」、とユーザが廃棄時にメーカに確認することが増えている。特に古い計測器を長く使っている学校など教育機関の廃棄担当者は確認作業に苦労している様子が伺える。 もう1つ、Printed Circuit Boardのこと。日本語にすると「プリント回路基板」。「プリント基板」や「プリント板」と呼ばれることが多い。電気機器に電子回路を実現するために使われる機器である。プリント基板はパッケージと呼称され、PKGと略記されている例を見たことがある(大変例外的な例であるが)。

PCU(ぴーしーゆー)

(Power Control Unit) モータを利用して走る自動車の電力を適切に制御するための装置。自動車の電動化にモータ、バッテリと共に重要な機器。

PCリモートモード(ぴーしーりもーともーど)

計測器を単体で(完結して)使用する(スタンドアロン)のではなく、PCにつなぎ、PCから操作して使うモードのこと。従来は「自動計測」といわれてきた。USBインタフェースの普及などによって、多くの機種がこのモードを持つようになった(以前はGP-IBなどを使い、限られた高機能モデルだけが可能であった)。制御や測定以外に、測定後のデータ収集、解析など多様なソフトウェアが各計測器メーカから用意されている。機種によってはスタンドアロンではなく、PCにつないで使用することを前提にした機種群もある(USB接続型計測器がその代表)。そのようなモデルはPCリモートモードでしか使用できないので、あえて「PCリモートモード」などとは説明しない。操作ボタンや表示画面があるスタンドアロンの機種で、PCでリモート制御できる機能がある場合に「PCリモートモードもある」、と説明される。東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」には次にようにある。PCリモート(PCリモートコントロール)モードは、ROMプログラマとUSB接続したPCにてコントロールソフトを使用して、書込み等の制御や各種設定を行うことができる機能。データの書き換えが頻繁に発生する設計・開発部門でのデータ書込みに便利。PC制御の生産設備への組み込み、制御、管理にも応用できる。

PSIM(ぴーしむ)

パワーエレクトロニクス(パワエレ)に特化した回路シミュレータ(ソフトウェア)。パワエレの開発用では業界標準といえる。PSIMは北米で開発・製品化されたが、日本ではMywayプラス株式会社が有名。同社によれば「累計2000ライセンス以上を販売し、国内120以上の研究室で使用されている」と、高シェアである。 同社は以前からPSIMトレーニングセミナーを開催してきたが、毎年秋にPSIMユーザ会を催すようになった。またパワエレ技術者の育成などを目的に一般社団法人日本パワーエレクトロニクス協会(PWEL)を設立し、2017年のPSIMユーザ会は「パワエレ技術者育成フォーラム」(技術者セミナーなど)を併設した。2018年はPWEL主催のパワエレ技術者育成フォーラムがメインイベントとなり、併設展示会場にはテクトロニクス、岩崎通信機などパワエレ向け計測器をラインアップするメーカ10数社が並んだ(以下の参考記事にイベントレポートあり)。 2019年はPWEL主催の「パワエレフォーラム」となり、協賛:Mywayプラス、キーサイト・テクノロジーなど、後援:日刊工業新聞社、一般社団法人エレクトロニクス実装学会など、となった。パワエレ関連の大学教授が司会して、パワー半導体メーカ、自動車車体メーカ、インバータメーカなどが議論するセッションは、パワーデバイスの作り手、ユーザ、教育関係者、というパワエレ業界の民間企業・大学関係者が年に1回、集まる場となった。2020年はコロナ禍でリアル展示会は中止され、現在はオンライン開催でセッションが毎年続いている(2023年現在)。 Mywayプラスは早くから電力回生型双方向電源という(現在では自動車などのインバータ・モータ評価の標準となった)特殊なDC電源を発売した計測用電源メーカでもあるが、元はパワエレ機器の開発ベンチャーである(以下の展示会レポートに説明あり)。PSIMの販売から、パワエレユーザのトレーニング(セミナ)を定期開催するようになり、PSIMユーザ会を経て、PWELを設立してパワエレ業界に確固たるポジションを築いたといえる。いわばPWELはパワエレ業界の1つの極である。 PSIMはpower simulator(パワエレ シミュレータ)の略記という説があるが、真偽は定かではない。

pp(ぴーぴー)

単にpp(またはPP)と記載すると各種の意味の略語として使われるが、電気工学の分野では正弦波のような交流の値(大きさ)を示す記載方法の1つで、ピークピーク値のこと。ピークツーピーク、ピーク値、ともいわれる。 交流は直流のように一定値でないため、その値を表すのに実効値、平均値、最大値(ピーク地、ピークピーク値などがある。電気信号は正弦波などの波のため、最大値と最小値がある。その差を「ピーク(最大値)ともう一方のピーク(最小値)の間の値」という意味でピークピーク値(peak-to-peak value)と呼んでいる。表記はpp、p-p、p.p.などがある。実効値(rms)や平均値、ppは用途によって使い分けられる。 オシロスコープのピーク間電圧の表記を各メーカの機種で調べたら、Vp-p (横河電機 、横河計測やテクトロニクス)、Vpp (アジレント・テクノロジー、現キーサイト・テクノロジー)だった。これはある範囲のモデルでの表記の例で、同一メーカでも同じ表記とは限らず、モデルによって違っている場合も多々ある。つまり、略記は同一メーカですら不統一である。 化学分野では、代表的なプラスチック樹脂であるポリプロピレン(polypropylene)をPPと略記し、PE(ポリエチレン)と区別している。ゲームやX(旧ツイッター)、YouTubeでは「P-P」という表記が多く使われている。一般的には電気や計測器のppはマイナーな存在(ニッチな用語)である。ただし、計測器の仕様覧では電圧にppやrmsなどの、ピークピーク値や実効値であることを示す記号が記載される。製品カタログを見る電気エンジニアはその記号の意味を理解している。ppは電気の基礎用語で、これを知らないと計測器の仕様を理解することはできない。

PPAモデル(ぴーぴーえーもでる)

(Power Purchase Agreement Model)初期費用0円で太陽光発電システムを導入できる方式。自社でシステムを購入し自社の土地に設置して発電した電力を使う、従来方式を自家消費型と呼ぶ。それに対してPPAモデルはPPA事業者がシステムを購入し設置する。電力はPPA事業者から購入する。2012年から始まったFIT制度による新設に代わり、2022年からはPPAモデルによる新設が増えている。

ppm(ぴーぴーえむ)

parts per millionの略。百万分率。100万分のいくらかという割合を示す数値。

ppt(ぴーぴーてぃー)

parts per trillionの略。1兆分率。1兆分のいくらかという割合を示す数値。

ppb(ぴーぴーびー)

parts per billionの略。10億分率。10億分のいくらかという割合を示す数値。

PV(ぴーぶい)

(PhotoVoltaic) 太陽光発電。太陽電池パネルを使った発電。日本では全量買取制度(FIT、フィット)によって2012年から敷設が加速して広まった。 PVの保守・運用には日射計やPV用カーブトレーサであるI-Vチェッカが使われる(英弘精機が有名)。またパワコンなどの電力変換効率を確認にはデジタルパワーメータが使われる。PV用の保守測定器としては、電力関連機器&探査・試験器メーカの戸上電機製作所が、PVドクターシリーズという機種群をつくっている。 参考記事(会員専用):【展示会レポート】スマートエネルギーWeek春展(FC EXPO/二次電池展/スマートグリッドEXPO)の3ページ目・・英弘精機の太陽光発電関連の測定器を取材。今後の再生可能エネルギーの動向も解説。 計測器情報:品名に「太陽光」が付く製品の例、英弘精機の製品の例、戸上電機のPVドクターシリーズの製品例

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