計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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リーディング(りーでぃんぐ)

(reading)デジタル表示する測定器の確度で使われる。デジタル表示された測定値の読み取り値の意味。計測器の製品カタログの仕様覧ではrdgと略記されることが多い。詳しくは用語「確度」を参照。

rdg(りーでぃんぐ)

readingの略記。和訳すると「読み値」、「読み取り値」。計測器が表示する測定値のことを指すので「表示値」とも呼ばれる。デジタル表示された測定値のこと。この表記は確度の仕様で使われる。読み取り値に対する誤差を±X%rdg(Xは数字)と表記して、読み取り値のX%の誤差がある、と確度を規定する。詳しくは用語「確度」を参照。

RS(りーどすけーる)

(read scale) 測定値(読み取り値、指示値)に対して%で精度を規定するやり方をRS(リードスケール)精度と呼び、その略記。「読み取り値(read out)」とも呼ばれる。表記は「%RS」「%RD」「リーディングスケール」などもある。デジタル表示の測定器の確度を規定する際に使われている。「reading」や(その略記の)「rdg」という表記も計測器の仕様覧に良く使われる。 アナログ表示の計測器(指示計器)の確度規定ではフルスケール精度(FS精度)が採用されている。

リードスケール(りーどすけーる)

(read scale) 測定値(読み取り値、指示値)に対して%で精度を規定するやり方をリードスケール精度と呼ぶ。略記:RS。デジタル表示の測定器の確度を規定する際に使われている。具体的には「reading」や(その略記の)「rdg」(RDと略記するメーカもある)、「digit」や(その略記の)「dgt」という表記が、計測器の製品カタログなどの仕様覧に良く使われる。 アナログ表示の計測器(指示計器)の確度規定はフルスケール精度(FS精度)が採用されている。最近の計測器はマイクロプロセッサ(MPU/CPU)の普及によって7セグメントLEDを使ったデジタル表示が主流だが、パネルメータなどの工業計器にはアナログ表示も多くある。

リード線(りーどせん)

測定器のアナログ出力端子と記録計を接続するための電線。

力行(りきこう)

商用電源からモータや電池へ電力を供給(または充電)している状態。反対にモータの回転エネルギーが電力供給側である商用電源に流れ込み、モータが発電機になっている状態や、電池から商用電源へ電力を放電している状態を回生という。インバータ制御で使われる用語。

離散データ(りさんでーた)

(discrete data)私たちの世界の変化は連続的(analog、アナログ)だが、コンピュータの扱うデータは離散的である。整数1と2の間にデータはなく、0か1のdegital(デジタル)なので連続データと比較して離散データと呼ばれる。自然界の物理現象(電流や周波数などの電気量)は連続データ(アナログ)だが、コンピュータは離散データを扱うのに適しているため、計測器も測定値を連続データ(アナログ)から離散データ(デジタル)に変換してメモリに記録し、表示したり、解析などの後処理を行う。連続から離散に変換することをサンプリングと呼ぶ。現在計測器で主流になっているデジタル表示の機器は内部にマイクロコンピュータを内蔵して、必ずサンプリングを行っている。針が振れるアナログ電圧計などの指針式の指示計器で測定値を表示するメータ式の計測器はサンプリングはしていない(たとえば双興電機製作所の製品など)。サンプリングとは、連続データをある時間間隔で間引くことである。間引く時間(サンプリング時間)が遅いと正確な離散データが得られず、エリアシング(折返しひずみ)が発生することがある。離散データは計測データとも言われ、1個・2個・・と数えられる。連続データは計量データとも言い、身長、面積、時間など整数で表すことができず、身長178.13・・cmというように無限に続く連続量になる。 参考用語:サンプリング定理

Listen Only(りすんおんりー)

コンピュータと計測器とのインタフェースとして開発されたGP-IB(General Purpose Interface Bus)で、計測器が自分から出力をせず、PCからの指示を「だた聞いているだけ」の状態をListen Onlyモードという。逆をTalk Onlyモードという。

リチウムイオン2次電池(りちうむいおんにじでんち)

(Lithium-Ion Battery)リチウムイオンが電解液を介して正極と負極を行き来することで充放電が行われる2次電池。略して「リチウムイオン電池」といわれたり、「LIB」と略記される。現在の携帯機器や電動車のバッテリに採用されている主力の方式。リチウムイオン電池を世界で初めて商品化したのはソニーのグループ会社で、命名も同社である。

利得(りとく)

(gain)電気工学で、入力と出力の比のこと。日本語でゲインという表現・表記もされている。増幅器(アンプ)やアンテナなどの仕様になっている。

リニアモータ(りにあもーた)

(Linear Motor)可動部分が回転でなく直線運動をする、軸のない電気モータ。

リバースエンジニアリング(りばーすえんじにありんぐ)

(Reverse Engineering)機械の分解や製品の構造分析によって、製造方法などを調査すること。

リモートセンシング(りもーとせんしんぐ)

(remote sensing) 一般には、遠隔地にいて離れた場所の状態をセンサを使って検知(センシング)すること。計測器の用語としては電圧の正確な検知機能という説明がされている。計測器メーカ2社の例を示す。 菊水電子工業の製品総合カタログには、計測用電源で「出力端子から電圧検出される点までの出力線による電圧降下分を補償する機能」とある。日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」には「ケーブルが長くなる場合に出力電圧がケーブル長に影響されないようにする手段」とある。 リモートセンシングは分野によって様々な意味で使われる。たとえば日本リモートセンシング学会のHPでは「人工衛星で地球表面を観測する技術や科学」である旨が書かれている。「衛星画像販売・ソリューション提供」の一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)のHPにもリモートセンシングとは何か、が解説されている。これら2つの事実は、この用語は第一には(一般的には)衛星関連のことばということになる。ただし、計測用電源メーカの高砂製作所の用語集には長文の解説があるので、以下に抜粋を紹介する。 電源の出力端子において出力電圧安定度が良好でも、負荷までの距離が長くなると、負荷の変動により出力ラインに電圧降下が生じ、負荷端での電圧安定度が悪化する。これを防止するため、出力電圧検出点を任意に移動できるようにしておき、実際の負荷端で出力電圧を検出するようにして、電源と負荷をつないだリード線(配線)の線間電圧降下を補償する。安定化電源の良し悪しの指標の一つにラインレギュレーション(商用電源側からの入力電圧の変動に対する出力安定度)やロードレギュレーション(出力に接続した負荷の変動に対する出力の安定度)などがある。高安定の電源装置の機能の1つが、電源装置から出力された高安定の電力をできるだけ良い状態で負荷装置まで伝えること。リモートセンシング機能は高砂製作所のほとんどの電源装置に標準装備され、背面などの出力端子やその近くなどでショートバーやジャンパー線などで+S,-Sなど刻印されている。出力配線以外にもセンシングの配線が別途必要なため、工場出荷時は封印された状態で出荷される。そのまま封印された状態で使っていたら、大変もったいない機能である。

量子技術(りょうしぎじゅつ)

ニュートンの万有引力の法則など、自然界の物理現象を支配する原理を古典力学とすれば、それでは説明がつかない電子や光子などのミクロな世界のふるまいを説明する物理学を「量子力学」とよび、近年のコンピュータや半導体の進歩に貢献している。量子力学をコンピュータの高速演算や通信の暗号化などに応用することを量子技術と総称している。2021年4月の米バイデン大統領と菅総理の首脳会談でも、安全保障や中国への対応で日米が連携する分野の1つに取り上げられている。政府はNEC、トヨタ自動車、東芝など50社と量子技術の協議会を立ち上げる(2021年5月発表)。計測器は主に電子を扱っているが、量子コンピュータが実現する時は、その開発・試験用のツール(計測機材)が必須である。

リンギング(りんぎんぐ)

(ringing)電気回路で、信号の反射やリアクタンス成分の共振により、波形が振動する(ひずむ)現象。Wikipediaには「(設計では意図していない)望まない電圧(または電流)の振動」と説明されている。菊水電子工業の製品総合カタログ(電源・電子負荷に関する用語)には「リンギング:機器内配線によるインダクタンスや静電容量により、電流急変時に発生する共振」とある。

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