計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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USB計測器(ゆーえすびーけいそくき)

計測器の種類として、スタンドアロン(計測器が単独で動作する)とPC制御型に分ける分類がある。ほとんどの計測器はスタンドアロンだが、PC制御型は計測器の外観が画面の無い箱で、PCに接続して動作する。昔からあるが、最近のUSBの普及によってその大半がUSB接続型になった。「USB計測器」をネット検索するとAmazonを筆頭に多くの通販サイトで取り扱っている。USBの通信速度などの制約から、ミドルクラス以下のオシロスコープが多い。PC制御計測器というと、従来は安価で低性能というイメージがあり、品質面でも不安があったが、最近は改善されている(ネット販売では名の知れないメーカも多いので注意)。英国のPico Technology(ピコテクノロジー)が1991年創業でPC制御型計測器の草分けだが、最近はテクトロニクスやキーサイト・テクノロジーという大手メーカもUSB計測器をラインアップし始めた。2019年にキーサイトはネットワークアナライザPNAの後継モデルに相当するUSBタイプのP5000AシリーズVNA(ベクトルネットワークアナライザ)を発売している。USB計測器は高機能、高額製品が出現し、計測器の1ジャンルとして定着する傾向と言える。そこで、従来はスタンドアロンに比べてマイナーであったPC接続型計測器とは別に、USB計測器という呼び方がされるようになっている。計測器の中心回路の1チップ化が進んだため、オシロは計測器メーカ以外でも作れるようになった。たとえばアナログ半導体のトップデバイスメーカであるアナログデバイス社も、2chタイプのUSBオシロ製品を出している。オシロの機能を半導体が実現できるようになったので、中国メーカだけでなくデバイスメーカまでもがオシロを商品化している。また、スマートフォンの普及により、(PCでなく)スマホにつなぐ「ポケットオシロ」なる超小型の製品もある(性能の有無、校正対象かなどは不明)。

Uボート(ゆーぼーと)

英語U-boat。ユーボート。第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて華々しい活躍をしたドイツ海軍の潜水艦のこと。独語U-bootはUnterseeboot(ウンターゼーボート、水の下の船)の略語。Uボートに搭載されていた無線機はローデ・シュワルツ製品だった。現在、ヨーロッパのNATOに配備されている戦闘機のユーロファイターも無線機はローデ・シュワルツ製が使用されている。同社はドイツの無線測定器メーカとしてキーサイト・テクノロジーやアンリツとともにひきあいに出されるが、元々は無線機メーカである。

ユニコーン(ゆにこーん)

時価総額が10億ドル以上で、株式未公開(未上場)のベンチャー企業を指す。投資家から高い評価を受ける新興企業として、2013年に著名なベンチャー投資家が言い出した。滅多に現れないという意味で伝説の一角獣であるユニコーンになぞらえた。当時は約40社だったが、いまは1000社以上に増えている(2022年9月現在)。有望な新興企業が現れ、産業の新陳代謝が進んでいる指標にもされている。国別順位は1位が米国(641社)、2位が中国(174社)、日本は18位(6社)(米国の調査会社、CBインサイツの報告による)。世界や日本で多くの計測器メーカが起業した50年~100年前なら、計測器メーカも何社かは確実にユニコーンだったと推測する。半導体やコンピュータ、通信技術の進歩によって計測器が伸び盛りの最先端機器だったのは1980年~2000年代のICEの興亡が最後であったように筆者には思える。計測器は今でも最先端のハイテク製品で、工業製品のマザーツールとして決して無くなることはないが、計測器メーカがユニコーンになることはない。計測器はベンチャービジネスではなくなった枯れた(円熟した)製品といえる。

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