計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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バーコードリーダ(ばーこーどりーだ)

縞模様状の線の太さによって数値や文字を表すバーコードを、読み取る機器。バーコードスキャナとも呼ばれる。レーザー光やLEDをバーコードに当てて走査し、認識する。読み取り器であり、計測器ではない。

パーツ・パー・トリリオン(ぱーつぱーとりりおん)

1,000,000,000,000分(一兆分)の1を1とする単位。単位の略記は「ppt」。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

パーツ・パー・ビリオン(ぱーつぱーびりおん)

1,000,000,000分(十億分)の1を1とする単位。単位の略記は「ppb」。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

パーツ・パー・ミリオン(ぱーつぱーみりおん)

1,000,000分(百万分)の1を1とする単位。単位の略記は「ppm」。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

バーティポート(ばーてぃぽーと)

(vertiport)垂直離着陸できる航空機が離着陸する飛行場のこと。vertical(垂直)とairport(空港)を合成したことば。日本語では「垂直離着陸用飛行場」。vertiportの頭文字をとってVポートとも呼ばれる。 eVTOL(電動垂直離着陸機、イーヴイトール)や空飛ぶクルマが流行りなので、従来はヘリコプターなどの離着陸に使われてきたバーティポートも話題になることが多くなった。

パーミル(ぱーみる)

(per mille)1000分の1を1とする単位。千分率。単位の略記は「‰」(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)。各単語の意味は、per:〜につき、mil:千。 鉄道の勾配の単位に使われている(40パーミル:水平距離1000mに対し40mの高さがある勾配)。

パームトップ(ぱーむとっぷ)

(palmtop)手のひらの上で操作できる小型のコンピュータのこと。据え置き型のパソコンはデスクトップ(机上)である。以前はノートパソコンのことをラップトップ(ひざ上)と呼んでいた。計測器は、持ち運べる可搬型をハンドヘルド(ハンディ)やポータブル、実験室などの机に置く据え置き型をベンチトップと呼んでいる。

バイアス(ばいあす)

(bias) 日本語に訳すと「かたより」、「偏向」。電気工学ではたとえば「DCバイアスをかける」、というと「交流信号に直流を重畳(ちょうじょう)して、DC成分を付加する」ことを意味する。電圧や電流の値を高くすることを「かたよらせる」という意味で「バイアスをかける」と表現する。一般の会話でも偏向することをバイアスと呼んでいる。 LCRメータには「バイアスカレントソース(電流を重畳する電源、とでもいう意味)」、DCバイアステストフィクスチャなどの品名のアクセサリがある。 同じ「かたより」の意味のことばに「オフセット」(オシロスコープ)や「デビエーション」(無線)、「ポラリゼーション」(光測定器)などがあり、それぞれのカテゴリーの計測器に使われている。

ハイアラーキ(はいあらーき)

(hierarchy)階層構造のこと。「ヒエラルキー」ともいわれる(ドイツ語のHierarchieから)。日本語の表記は「ハイアラーキー」「ハイアラキー」「ヒエラルキー」「ヒエラルヒー」など統一されていない。電気工学の通信分野だけでなく、社会科学(経済や哲学など)でも使用例がある。

バイナリ(ばいなり)

(binary)「2進法の」の意味。CPUは全てHIGH(たとえば5V)とLOW(たとえば0V)の電気的な信号で示す機械語の命令を実行するが、それを人間の理解できる形の0と1の数字で示したものをバイナリデータという。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)

波形(はけい)

(waveform) 波形は、辞典によれば「波のような形。波のように上下にうねる形(なみがた)。波動の伝わり方を示す図。周期的な現象が描く図形。波が進行する時、一定の位置での物理量の時間的変化。」などの説明がある。英語のwave(波) form(形)を正確に日本語にしたことばである。意味は広範にわたるが、電気や計測器の世界では時間とともに大きさが変化する電気信号を指していることが多い。波形の代表的なもの(種類)に、正弦波(サイン波)、三角波、方形波などがある。このような色々の種類の信号をつくって出すことができる計測器に、ファンクションジェネレータ(略記:FG)や任意波形発生器(AWG:Arbitrary Waveform Generator)がある。 波形を測定して画面に表示するものを波形測定器と呼称し、オシロスコープやレコーダなどの時間軸の測定器を指していることが多い。同じように画面に図形(グラフ)を表示するが、スペクトラムアナライザやFFTアナライザのように周波数軸の図形は、通常スペクトルと呼ばれ、あまり波形とはいわない。 「波形:時間と共に変化する電圧を表すグラフ(テクトロニクス オシロスコープのすべて 2017年発行)」という説明もあるが、これはオシロスコープの波形についての説明といえる。オシロスコープを「波形測定器」というタイトルで掲載している計測器メーカもある。

PathWave(ぱすうえーぶ)

キーサイト・テクノロジーが2019年に提唱したソリューション(ソフトウェアプラットフォームの総称)。計測器はR&Dから生産現場、保守メンテナンスまで広範な用途で使われ、また、精度維持管理が必要な精密機器である。同社はハードウェアの販売とサポートだけではなく、ユーザの様々なニーズに合わせて選択できる、サービスレベル契約や生産性向上ツール、ナレッジデータベースなどを提供していて、2020年以降この方向性をより鮮明にしている。PathWaveはそれを象徴することばである。具体的にはEDA(電子機器の設計の自動化)から計測器の管理(使用環境)までを包含する新しいコンセプト。PathWave TESTなどのいくつものソフトウェアがある。ユーザの保有する計測器の有料校正サービスもPathWaveの一環である。同社はEDA製品を古くからラインアップしてきたが、2021年6月には「PathWave Design 2022」をリリースしている。

バスタブ曲線(ばすたぶきょくせん)

(bathtub curve)別名:故障率曲線。機械などの故障時期は、初期不良と、使用時間が経過して摩耗しての故障が多く、故障率-時間のグラフが浴槽(バスタブ)の形状に似ているために、そう呼ばれる。 故障率以外にもバスタブカーブになる物理現象は多くあるので、それらを表現するときにも「バスタブ曲線」と呼称している。たとえば、TIA方式の電流-電圧変換では、周波数に対する雑音電圧密度の特性はバスタブ曲線になっている。低周波では1/fノイズ(周波数に反比例して大きくなるノイズ)であるピンクノイズ(フリッカ雑音)があり、周波数が高くなるとピンクノイズが減り、機器自体のノイズであるホワイトノイズ(白色雑音)だけになるので雑音レベルは低くなる(バスタブの平らな底の部分)。さらに周波数が高くなると分配雑音によって、また雑音レベルは高くなる。 一般に周波数特性(f特)は、利得などが一定の数値を保つ周波数範囲を示すグラフ(カーブ)のことで、その範囲ではグラフは水平の直線で、低い周波数と高い周波数では利得が落ちていく。グラフの形状はバスタブ曲線と逆のカーブになっている。

波長(はちょう)

(wavelength) 波で、「隣り合った同じ位相(山と山、谷と谷)の間の距離」を一般には波長という。電気の世界では「電磁波の一つ分の波の長さ」を意味する。「波が1回振動したときの距離」や「波動の周期的な長さ」とも説明される。 人間の目が光として感じる電磁波(可視光)の波長は、下限:360~400nm(ナノメータ)、上限:760~830nmで、下(短い波長)の紫色から上の赤色まで虹のように色が分布している。可視光より短い波を紫外線※(波長10~400nmあたり)と呼ぶのは、波長軸で「可視光(紫色)の外」の電磁波というネーミングである。紫外線の英語、ultravioletは「周波数が紫(violet)を越える(ultra) = 高い」という意味。さらに10nmより短いとX線などになる。同様に波長が700nm~1mmの範囲を赤外線と呼ぶ(紫外線と同じく、「波長が赤色の外」というネーミング)。波長が1mmより長いと電波の領域になり、1mm~10mm(1cm)はミリ波と呼ばれる。ミリ波は波長がミリメートル(mm)の電波である。 ※ 電磁波は○○線や△△波と呼称される。例:紫外線、赤外線、X線、ミリ波、マイクロ波。 DVDに使われるブルーレイディスクの青紫色の波長は405nm、CDなどの赤色の波長は650nm(ともにLEDやレーザー光)。光ファイバを使った光通信で使うのは830nmや1130nm、1550nmなどの波長である。1970年代から1990年代に基幹通信網に光ファイバが普及したときは800nm~1600nmあたりの波長をカバーする光測定器が開発されたが、その後ブルーレイディスクなどが登場し、光パワーメータや光スペクトラムアナライザも400nmくらいまでの短波長に対応するようになっている(光測定器は通信用途の波長を測定するために開発されたので、通信ではなく音響・映像機器の用途に対応した場合は、「短波長のモデル」と表現される)。光ファイバを使う光通信は実は赤外線なのだが、あまりそのことに触れないのは赤外線が他の用途に使われるためである。たとえば放射エネルギー(熱放射)を利用して非接触で温度を計測する(放射温度計、サーモグラフィ)など、赤外線は熱エネルギーの利用が活発なため、光通信で使う電磁波を赤外線と呼んで混乱させることを避けている、と筆者は解釈している。 赤外線の波長範囲は広く、3000nm(3μm、0.003mm)~1mmは遠赤外線と呼ばれる。これも波長軸で見て「可視光(赤色)から遠い赤外線」というネーミングである。多くの物質・材料(水、プラスチック、塗料、食品など)が波長2μm~20μmの赤外線を良く吸収する性質がある。そのため遠赤外線はこれらに熱を良く伝える。この原理を応用したのが遠赤外線ヒータ。遠赤外線が当たると物質の中の分子の振動が大きくなり、温度が上がる。温度が上がると、それに相当する赤外線が放射される。ストーブ、ハロゲンヒータ、こたつなどは発熱体から放出される赤外線で体が温まる。発熱体に触れている空気も伝導で熱が伝わって暖まり、対流が発生して部屋全体の空気もゆっくり暖まる。遠赤外線の波長は人の皮膚の分子の振動周波数に合っているため、人体表面で良く吸収され熱となり、体が温まる。このように赤外線は熱エネルギーとして利用されている。 以上のように、電磁波の名称は日本語では波長から命名されていることが多い(ミリ波はまさに、波長がmmオーダの波のことである)。 電磁波の波長と周波数は反比例する(波長が長いほど、周波数は低い。以下の参考記事に関係図がある)。一般にRFと呼ばれる電波の周波数はMHz帯域で、波長は数10cm~数100mである。波の高い位置と低い位置では電磁波の状態(エネルギーなど)が異なる。MHz以下の周波数の波長は数100m以上なので、電子機器の大きさに比べて大きいため、波の位置による影響はほとんど無視できる。ところがMHzより高いGHzになると波長がcm単位に短くなり、電子機器にとって無視できなくなる。マイクロ波やミリ波では電磁波を通す導波路に、特別な高周波の理論が使われる(導波管やセミリジットケーブルなどがある)。波長は電磁波の振る舞い(扱い方)を理解する上で重要な項目といえる。 電気エンジニアは、周波数・時間・波長の値や、電圧・電流・電力の値などを自然に頭の中で把握して仕事をしている。特に波長は高周波で重要な数値といえる。

発電機(はつでんき)

(generator、power generator、electrical generator、dynamo) 機械エネルギーから電気エネルギーを得る電力機器。屋台や工事現場などで、燃料を使ってエンジンを稼働させ、交流の電気を得る(交流電源になる)可搬型の発電機から、原子力発電所のような発電所(power plant)でタービンに連動して回転して電気をだす大型の発電機まである。 英語のgenerator(ジェネレータ)は計測器の発生器の意味もある。そのためpower generatorやelectrical generatorという表記もされる。自転車のタイヤに取り付けてライトなどを点灯する機構をdynamo(ダイナモ)と呼ぶ。これも発電機の1種である。

バッファ(ばっふぁ)

(buffer) 翻訳すると「緩衝器」、「緩和物」。鉄道の車両間の衝撃を緩和する装置をbufferという。電気機器(システム)では、あるユニットの出力を次のユニットに直接つなぐと影響が出て好ましくない場合に、2つの間にバッファ(緩衝箇所)を入れることがあり、バッファに貯める、などと表現される。 情報処理関連用語としては、ソフトウェアの処理行程でデータを一時的に保管しておくことを意味する(バッファメモリ)。また、電子回路で増幅に使われるICをバッファと呼んでいることもある。電気機器である電力増幅器の利得を1倍に設定する使い方をバッファアンプという。「利得が1倍では増幅器の役目をしていない」と思われるが、電圧は変えずに電流だけを増幅する、増幅器の基本機能の1つである。アンプがバッファの役目もしているために「バッファアンプ」と呼ばれる。 HDDなどのコンピュータ周辺機器で有名な株式会社バッファロー(BUFFALO)の社名は、プリンタバッファ」に由来している(同社ホームページ、会社の理念-バッファロー)。1990年頃は、企業内にはまだLANが普及しておらず、パソコンはプリンタに直接つながっていた。プリンタが印刷を完了するまではPCは次の処理ができないので使えず、印刷終了まで待たされて、大変不便だった。そこでPCからの印刷指示をいったんメモリに蓄えてPCをすぐに開放し、印刷中でもPCを使用できる画期的な商品としてプリンタバッファが開発され、OA化が始まった企業内でおおいに重宝された。バッファローだけでなくマイコン工業の「でぶ」が有名である(LANが普及してネットワークプリンタが標準になった現在では、「でぶ」のようなコンピュータ周辺機器は不要で使われていない)。このようにバッファは電気やコンピュータで使われることばである。 バッファは元来、「余裕」や「ゆとり」の意味で、IT業界で「スケジュールや予算に余裕を持たせること」だったのが、他の業界に広まった、という説明を見かけた。筆者は理工系の学校から電気業界に就職したら、技術資料にバッファとあり、意味が分からずに調べた経験があるので、冒頭の電気機器での説明がまず思い浮かぶが、IT業界ではスケジュールや予算のことを洒落たカタカナとして使ったのかもしれない。業界が異なると同じ用語が全く違う意味で使われることはよくあるが、本稿は計測関連の用語集なので、バッファとは電気機器や電気部品間に緩衝目的で挿入される機器や部品である。

ハブ(はぶ)

スター型LANで使われる集線装置。

バラントランス(ばらんとらんす)

平衡と不平衡の整合を取る機器。

パルス(ぱるす)

(pulse) 電気の用語としては、急激に立ち上がり、短い継続時間で急激に降下するような電圧(電流)波形。方形波(矩形波、くけいは)のことをパルスと呼ぶこともある。電気以外の一般には「脈動」の意味で使われている。 電気回路でパルスの役割は広範である。何かを動作させるきっかけ(トリガ)に使ったりする。そもそもデジタル信号は1(high)と0(low)の組み合わせが続くパルス列によってつくられている。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「パルス:一般的な波形で、急激な立ち上がりエッジ、幅、急激な立ち下がりエッジを持つ」と説明されている。 「短い継続時間で急激に」や「急激な立ち上がりエッジ、幅」でわかるように、数値で何秒がパルスかは定義されていない。これがミソである。パルスになるかどうかはその電子機器や電子回路の扱う仕様によって決まる。たとえば1ms(1ミリ秒、0.001秒、10-3乗秒)程度で動作している機器にとって1μs(1マイクロ秒、0.000001秒、10-6乗秒)の幅の方形波の信号は十分に短く、急激な(オシロスコープで観測したら、まるで針のように鋭い波形の)信号なので、パルスである。「高周波」(RFなど)が具体的に何Hzの範囲か定義されていないことと同じで、電気や計測の世界では、使用者や対象にしている機器にとって、パルスや高周波であるかどうかが決まる。基礎知識のない素人には何がパルスや高周波かは難しい。 参考用語:パルス発生器、PAM4、パターンジェネレータ、パルスオキシメータ 計測器情報:品名にパルスが付く製品の例・・信号発生器を中心に多数ある。

パルス幅(ぱるすはば)

(pulse width) パルスが低い電圧から高い電圧まで移った後、再び低い電圧に戻るまでの時間の長さで、通常は最高電圧の50%で測定される(2017年4月発行、テクトロニクス「オシロスコープのすべて」より)。 2進数の1/0で表されたデータは、デジタル回路ではH(High、ハイ)とL(Low、ロー)の2つのレベルのパルス列となる。パルス幅は大変重要で、この値が変動すると動作不良が起きるため、高い精度が要求される。そのため、電子機器(電子回路)の動作検証や不具合原因の解明(デバッグ)のさいには、パルス幅の確認は必須である。デジタル伝送の品質評価に使われるアイパターンは、パルス波形を重ね書きして、時間(パルス幅)とレベル(電圧値)の変動の具合を視覚的に確認する手法である。 オシロスコープで、パルス幅をキーにした「パルス幅トリガ」はトリガ機能の中でエッジトリガの次によく使われる基本機能といえる。