計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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正弦波(せいげんは)

(sine wave) 電気の分野で使われる最も一般的な交流信号の波形。サイン波ともいう。サインを正弦と記載するのは sinusoid(正弦曲線)に由来する。「正弦波:数学的に定義された一般的な曲線波形の形状(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)」。 正弦波以外の交流波形を非正弦波と呼称する。

清浄度測定器(せいじょうどそくていき)

食品製造現場で清浄度を測定する機器。(=ルミテスタ)

製造番号(せいぞうばんごう)

(serial number) 個々の製品を識別するための情報(文字列)。形名、品名、シリーズ名、ブランドなどはその製品(商品)を表す名称だが、同じモデルでも個別の製品(個品)を識別する番号(文字列)が製造番号である。別名:シリアルナンバー。製品ごとに固有の1つだけの番号なので、「個品番号」と称しているメーカもある。製品を購入して資産として登録時には、資産番号に製造番号が明記される(ユーザによっては製造番号を資産番号にするケースもある)。通常は、製品に貼られる銘板に製造番号が明記(刻印、印刷)される。 計測器に限らず、製造番号は大変重要な情報である。たとえば環境試験器(恒温槽)のトップベンダー、エスペックのホームページで製品問合せ覧には製造番号の項目があり、この項目の記載(入力)は大変重要である旨が明記されている。使用中の製品の技術質問を、単に形名だけで同社にすると、必ず「製造番号をお知らせください」と聞き返される。同社の製品は形名が同じでも製造時期によって違いがあり、公表していない仕様については、製造番号によって違っている場合がある(形名が同じでも内部の構造などが同じではない)ことを示唆している。 生産現場では、製品の生産単位毎にロット番号がある。ロットとは1回の生産で何個つくるかを決めている単位である。同じ商品でもその個品が、いつ、どのラインで製造されたかを特定できるので、出荷後の製品(食料品など)に異物が混入していると、ロット番号から回収対象の商品を特定する。ロット番号は銘板などには通常は明記されず、メーカの内部資料でしかわからない。

整流(せいりゅう)

(rectification)交流を直流に変換すること。電流を一方向にしか流さない素子であるダイオードなどの半導体を使って整流器をつくる。整流器は AC-DCコンバータである。ダイオードなどの整流素子で、電流の流れる方向を順方向、流れない方向を逆方向とよぶ。交流はプラスとマイナスが一定周期で変化する。プラスの信号だけを通過させるのを半波整流、マイナスの交流信号もプラスの信号にするのを全波整流という。全波整流の回路は4つのダイオードを使いブリッジを構成してつくる。

積算電力量計(せきさんでんりょくりょうけい)

電気の総量値(積算値)を測定する電力計。積算電力計とも呼ばれる。通常は一般家庭の屋外に設置されている電力メータをさしている。計測器である電力計と同じく電力を測定しているが、電子計測器の範疇ではない。設置された電力の測定・表示機器であるため、電力関連の機器といえる。圧力を測定する計測器である圧力計と、工場に設置されて圧力値を表示しているアナログ圧力計の関係と同じといえる。なので、計測器としての電力計(メーカは横河計測や日置電機)と積算電力量計(メーカは大崎電機や富士電機、東芝など重電機器メーカ)は、用途もメーカも異なる。

石炭火力発電所(せきたんかりょくはつでんしょ)

現在の日本の火力発電所は石油(やLNGガス)が主力だが、まだ古い時代の石炭発電所(石炭発電や石炭火力と略記される)が多くある。東日本大震災(2011年3月11日)以降の原発の停止分を補うため、老朽化して停止していた石炭発電も稼働を余儀なくされた。 日本の三菱重工などは世界に誇れるCO2の少ない火力発電施設をつくる優れた技術がある。政府はエネルギー基本政策に基づき石炭発電を輸出する企業を支援することを2018年に閣議決定して、インフラ輸出の柱の1つにしてきた。ただし、温暖化ガス抑制の機運の中でCO2を排出する火力発電所は世界的に減少方向にある。2020年に発足した菅(すが)内閣は脱炭素を政策にしているため、石炭発電の輸出支援の新規案件の全面停止を決定し、方針転換となった。脱炭素が遅れている日本には、地球温暖化対策を推進する国連から「石炭発電は2040年までに全廃する」ような要望もでた。2021年11月のCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)では石炭火力発電所の段階的削減に日本は合意した。経済成長している東南アジアでは火力発電の新設があり、日本企業は大きなビジネスをしているが、現地政府の政策変更によって、重工メーカや商社の売上は激減した。 火力発電所の保守には計測器が使われている。石炭火力発電所が再生可能エネルギー(太陽光や風力の発電所)に置き換わっていくと、使用される保守用の計測器もモデルが変わっていくが、メガー(絶縁抵抗計)やテスタなどは引き続き使用される。 ロシアのウクライナ侵攻(2022年2月勃発)によって、世界中のエネルギー政策は一変した。脱原発、カーボンゼロを標榜していたドイツは、経済安全保障としてロシア産のガスに依存しないために、火力発電所の完全廃止を撤回し、一部の火力発電所を温存する方向で検討を始めた。「日本は高効率の(CO2排出量が少ない)火力発電所の技術があるので、それを輸出することは、インドなどの非効率な火力発電所を置きかえてCO2削減に貢献する方策である」という意見も出ている。 稼働させてきた老朽火力発電所の廃止などにより、2022/3/22に「需給ひっ迫警報」が経済産業省から発令されるなど、日本の安定的な電力供給について、岸田内閣の長期的なエネルギー政策が期待される。

接地(せっち)

地中深く埋めた銅板などと電気器具とを導線でつなぐこと (=アース)。漏電した場合でも漏電した電気はアースを通じて大地へ流れ、事故を未然に防ぐ。

セミログ(せみろぐ)

横軸(または縦軸)が対数目盛になった図表のこと。縦軸と横軸の両方が対数目盛のものを「ログーログ」と呼び、半分ログなので「セミログ」と呼称している。対数は英語でLogarithmで、log(ログ)と略記される。片対数グラフとも呼ばれる。対数目盛りは何乗もの広い範囲を示すときに便利で、周波数特性や利得(dB)などの表記に良く使われる。

ゼロエミッション(ぜろえみっしょん)

(zero emission)CO2などの環境を汚染する排出物をゼロにする構想、取組み。世界の多くの国が「2050年にCO2排出を実質ゼロにする」ことを目指している。欧州が進んでいて日本は遅れている。日本の発電所の電源構成は東日本大震災(2011年3月11日)までは原発を主力電源として比率を増加させていた(再生可能エネルギーである太陽光は導入が進んだが、発電が不安定で大きな比率になるのは根本的に難しい)。ところが3.11によって原発の稼働率は激減し、火力の比率が高まってしまった。再生エネはCO2を排出しないが、代表格である太陽光は買取価格の低下などで、導入が大きく鈍化している。日本の重電メーカには、CO2排出量が少ない、世界に誇れる複合型の火力発電システムがあり、これを国策として世界に輸出したいが、世界の流れは脱火力発電に加速した。そんなことが日本がゼロエミッションに積極的でなかった背景といえる。ただし、菅首相は国会での所信表明演説(2020年10月26日)で「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」と発言し、大きな方針転換となった。東京都は12月に「2030年までに都内で販売される新車を電動車(xEV)にする」方針を発表した。自動車の電動化と発電所の再生エネ化などのCO2削減の記事が12月の新聞1面トップにいくつも並んだ。しかし、2022年2月の東北地方の地震で東京電力の火力発電所は被害を受けて停止し、3月の寒い日(電力需要が高まる)には、電力需給ひっ迫警報が発令された。ゼロエミッション政策に従って古い火力発電所を廃止し、原発を稼働させない状態を続けたツケが回ってきたのだ。おりしもロシアとウクライナの戦争が2月に始まった影響で、石油や石炭などの価格が高騰し、世界各国のエネルギー政策は一変した。経済安全保障の観点からも、日本の発電所の電源構成の再見直しが必要、という意見も出ている。参考用語:カーボンニュートラル

線形応答(せんけいおうとう)

ある物理量の変化ともうひとつの物理量の変化が比例関係のとき、2つをグラフにすると直線になり、ある物理量からもうひとつの物理量を計算することができる。この関係を線形応答という。

全固体電池(ぜんこたいでんち)

一般に電池の電解質は液体だがこれを固体にしたもの。Li-Ion電池の次世代として期待されている。すでに実用化されているものと、今後実用化に向けて研究開発されているものがある。

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