計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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fps(えふぴーえす(ふれーむぱーせっく))

(frames per seconds) 1秒間あたりに表示される画像(フレーム)数。数が大きいほど1秒間の動画を構成する画像が多いため、滑らかな動画になる。「フレームレート」や「撮影速度」と呼称され、表記は「コマ/秒」もある、動画の代表的な指標(単位)。 フォトロンやナックイメージテクノロジー(nac)の高速度カメラは、VGA解像度(画素数640×480ピクセル)で10,000(1万)fps以上のモデルが多い。2社はハイスピードカメラの代表的な国産メーカである。ハイエンド製品は米国のVision Research社(Ametekグループ)がトップブランドである。一般にハイスピードカメラというと高速で高額な製品であるが、数千fps以下の低速域で使われるモデルもあり、株式会社ディテクトは産業用途からスポーツまで幅広く販売し、売上を伸ばしている。同社の一番の売れ筋モデルHAS-U2のメーカ価格は95万円である。ハイスピードカメラは1千万円するモデルも珍しくはないので、ディテクトの低速域の製品群はフォトロン、nacとは位置づけが異なるハイスピードカメラといえる。 撮影速度は「フルHD(Full HD)で○○コマ/秒」、「最高撮影速度△△fps」など、前述のVGA解像度とは別の表現がハイスピードカメラメーカ各社のカタログには書かれている。各メーカは(他社と簡単には比較できないように)自社モデルの優位な仕様が目立つような表現をしている、と筆者には思える(一般に商品はそのように特長をPRするのは普通であるが)。fpsの定義は明瞭で、動画撮影の代表製品であるハイスピードカメラの仕様を示す最も基本性能の1つだが、各社製品の比較にはfps以外の基礎知識が必須である。 余談だが、ローデ・シュワルツ(R&S)のスペクトラムアナライザの主力モデルの形名はFPSxx(xx:数字)である。

MWE(えむだぶりゅいー)

(Microwave Workshop&Exhibition) 電子情報通信学会 APMC国内委員会が主催する、マイクロ波技術の学術、産業、教育に関する国内最大級のイベント。MWEと略記されることが多い。パシフィコ横浜の展示ホール/アネックスホールで開催され、マイクロウェーブワークショップ(マイクロ波工学の初学者を対象にした基礎・入門講座、一流研究者が先端技術の発表を行う特別セッションなど)とマイクロウェーブ展 (Microwave Exhibition)で構成される。 展示会には主要なRFの計測器メーカが出展する(キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツ、アンリツ、森田テックなど)。計測器としてはスペクトラムアナライザ、デジタル信号発生器、ネットワークアナライザ、RFパワーメータなどが出展する。無線給電や5G、6Gなどの最新の無線通信方式も技術展示される。当サイトでは2回、展示会を取材している。 MWEのHPによると、古くは1990年に池袋サンシャインシティで開催された記録がある。コロナ禍で2020年~2022年はオンライン開催(リアルな展示会などは中止)となった。

MPEG(えむぺぐ)

Moving Picture Experts Group の略。映像データの圧縮方式の一つ。

LXI(えるえっくすあい)

(LAN eXtensions for Instrumentation) 計測器向けに規格化された通信インタフェース。国内メーカでは菊水電子工業がLXIと表記したモデルを見かける。菊水電子工業の製品総合カタログの用語集には次の記述がある。「LXI:Ethernetを利用した計測器向けに標準化された通信規格。この規格に従った計測器にはLXIのロゴ表示がなされている。規格化はLXIコンソーシアムという測定器業界の大手企業を中心とした非営利法人によって推進されている。」

LPWA(えるぴーだぶりゅえー)

(Low Power Wide Area)低消費電力、低コスト、長距離通信が可能(10 km~)、小データサイズ、低スループットという特徴がある。その中で大きく分けるとセルラー系のLTE-M、NB-IoTという規格と、携帯電話事業者でなくても誰でも使えるLoRa(ローラ)という規格の2種類がある。2018年から携帯電話事業者がサービスを開始した。

LVDS(えるぶいでぃーえす)

(Low Voltage Differential Signaling) 翻訳すると「低電圧差動伝送」。漢字の日本語よりLVDSという表現のほうがよく使われる。短距離のデジタル伝送技術。省エネ型のシリアル通信。低消費電力で比較的高速なインタフェースである。 1994年にANSI/TIA/EIA-644として標準規格となり、コンピュータ関連から採用が始まった。 LVDSは現在流行りのシリアル通信の基礎的な技術で、他の高速規格にも参考にされている。そのためシリアル通信の歴史を切り開いたといわれる。

LVTTL(えるぶいてぃーてぃーえる)

(Low Voltage Transistor Transistor Logic) 現在のICの主流である3.3Vを基準にしたデジタル電圧レベルのこと。TTL(5V)よりも動作電圧が低いという意味。2000年代まではでは電圧はTTLレベルが多かったが、ICの低消費電力化で、2010年代には3.3Vに移行した。LVTTLはCMOSレベルに近い電圧である。

エレクトロニクスショー(えれくとろにくすしょー)

毎年秋に開催される「IT技術とエレクトロニクスの国際展示会」CEATEC(シーテック)の2020年以前の展示会名。1960年代の高度経済成長期から始まったエレクトロニクスの大きな展示会で、エレクトロニクスを支えたマザーツールである電気計測器も毎年、多数出展された。「エレショー」と呼称され、1980年代には秋に開催するエレショーと12月開催のセミコンショー(現在のSEMICON Japan、半導体業界の展示会、デバイスから材料、半導体製造装置まで最新技術を展示)が2大展示会だった。エレショーは水曜日から土曜日まで4日間開催し、土曜日には家族連れで見学する社会人もいた。 CEATECなどのJEITA(社団法人電子情報技術産業協会)が主催するイベントの運営を行う独立した組織は、一般社団法人日本エレクトロニクスショー協会(JESA:Japan Electronics Show Association)という。ここにはまだエレクトロニクスショーという名称が残っている。

AUTOSAR(おーとざー)

(AUTomotive Open System Architecture)自動車メーカや部品サプライヤの他、電機業界、半導体業界、ソフトウェア業界などで構成される団体。また、ソフトウェアの共通化を図るための仕様の総称でもある。このことから、ソフトウェアプラットフォームとも言われている。

OBD(おーびーでぃー)

(On-board diagnostics)自動車の自己診断機能。自動車各部に取り付けられたECU(Electrical Control Unit)にプログラミングされている機能のひとつ。運転席ダッシュボードのコンソールの下にあるOBDコネクタに接続すると、OBD情報を収集することができる。ODBコネクタを使ったデータロガーやプロトコルアナライザなどの計測器が発売されている。

カーエレクトロニクス技術展(かーえれくとろにくすぎじゅつてん)

RX Japan株式会社(旧リードエグジビションジャパン)が開催する「オートモーティブワールド」は毎年1月に開催される自動車関連の展示会で、複数の併設展がある。2024年の展示会構成は、国際カーエレクトロニクス技術展(カーエレJAPAN、出展品:電子部品や半導体など)、EV・HV・FCV技術展(EV JAPAN、出展品:電池、モータ、FCV技術など)、コネクテッド・カーEXPO(セキュリティなど)、自動運転EXPO(センサ、LiDAR、半導体など)などで、合計8つの展示会が併設される。 カーエレJAPANには計測器メーカが出展するので、TechEyesOnlineは取材して、展示会レポートを公開している。その他の自動車に関する技術展示会では、毎年5月にパシフィコ横浜で開催の人とくるまのテクノロジー展が盛況である。自動車の技術展としてはカーエレクトロニクス技術展よりも、人とくるまのテクノロジー展の方が技術者には人気がある。計測器メーカは2つの展示会の両方、または片方に出展している(人とくるまのテクノロジー展の方が計測器メーカが多い)。

関東電気保安協会(かんとうでんきほあんきょうかい)

1966年設立。経営理念:電気を安全で効率的にお使いいただくためのサービスを通じて、快適で安心できる社会の実現。4つの業務:調査・保安・電気工事・広報。(以上、関東電気保安協会のHPより) 正式名称は一般財団法人関東電気保安協会。略号はKDH(Kanto Denki Hoankyoukaiの略記)。英称は「Kanto Electrical Safety Services Foundation」。首都圏(1都7県)と静岡県の50Hz地域の、電気設備の安全点検などの保安業務を主にしている(HPの拠点住所から推測)。企業と個人の両方を対象とし、個人の電気工事技術者が協会の作業員として多く登録している。現場用のハンドヘルドの計測器をつくるメーカは、この協会に自社製品の採用を働きかける(PRする)。ただし、この協会の採用(お墨付き)の効果は不明。多くの計測器を保有し、保守用の電気計測器についての精査などもしている様子がうかがえる。 ウィキペディア(Wikipedia)には次の説明がある。「全国に10ある電気保安協会の中で業務連携先の電力会社と唯一先頭名称が一致していない(即ち東京電気保安協会と称していない)。」

Keysight World(きーさいとわーるど)

世界的な総合計測器メーカのキーサイト・テクノロジーが毎年開催する自社イベント(個展)のこと。日本だけでなく世界中で開催している。日本では古くは2016年7月に東京で開催された記録が残っている。 2~3日間の日程で、カンファレンス(最新技術の講演)と計測器の展示(カンファレンスで紹介した機器以外も展示)で構成される。時代に合ったテーマの講演、セミナーと、同社の新製品や、今後発表予定のソリューションを知ることができる。キーサイト・テクノロジーだけでなく同社のパートナー企業も参加し、個々に展示ブースを設けることもある。Tech Eyes Online取材班は、展示品の中から目利きして選んだ製品群を、イベントレポートで紹介している。世界最高速の広帯域オシロスコープの世界初披露や、小型・軽量になった53GHzのベクトルネットワークアナライザ(USB計測器)、オール・フォトニクス・ネットワークを目指すNTTのIOWNなどで使われる、近未来の光電融合デバイスの評価ソリューション(偏波シンセサイザなど)、など毎回、最新のソリューションが紹介される。同社の強みである高周波の新製品の数々が展示される(以下の参考記事を参照)。 計測器の展示会というと古くはJEMIMA(ジェミマ、日本電気計測器工業会)が開催する計測展(現IIFES、アイアイフェス)があるが、海外の計測器メーカはいつの頃からか参加しなくなった(効果がなくなった為と推測される)。国内の計測器メーカも30周年や100周年などの節目に個展を開くことはあるが、原則、大きな総合展示会に参加している。オシロスコープのトップベンダー、テクトロニクスも同様に毎年、個展を開いている(TIF、テクトロニクス・イノベーション・フォーラムと称している)。 テレビ・オーディオ測定器の2トップ(逆にいうと唯一の国産2社)である、リーダー電子とアストロデザインも、計測展には出展せず、映像関連の展示会に参加し、2015年頃から毎年プライベートショー(個展)を開催している。小野測器は人とくるまのテクノロジー展(会場:パシフィコ横浜)の常連だが、同時期に会場近くのホテル上層階の大会場で個展を開き、招待状を送付した特別の顧客だけに情報提供をしてきた(2020年からコロナウイルスの蔓延で中止している)。 当サイトは2017年8月に開設し、2018年と2019年の7月に開催されたKeysight Worldを取材して、新製品などを記事で紹介した。2020年はコロナ対策で開催は中止され、2021年と2022年は10月にオンラインで開催された。2023年8月には、4年ぶりの対面での開催が御茶ノ水駅近くの会場で催された。

ギガビットLAN(ぎがびっとらん)

(gigabit LAN) 企業内に広く導入された10/100 BASE-Tの延長線上にあるデータ伝送速度が1G/10GbpsのLANで、2000年代に構想された。LANとイーサネット(ethernet)はほぼ同義。ギガビット・イーサネット(GbE)と言うと伝送速度1Gbpsを指し、ルータなどに装備されている。また10ギガビット・イーサネット(10GbE)は最大40Kmの伝送距離があるため、基幹網に導入されている。 GbEには1000BASE-LX/SX/CX/Tの4規格があり、LX/SXが光ファイバ、CX/Tが銅線。10GbEは7規格がありすべて光。それぞれ用途によって使い分けされる。ギガビットLANは1Gbpsまでは普及したが、10Gbpsは業務用までで、一般家庭にはまだ普及していない。なお10GbEはイーサネットの根幹であるCSMA/CD技術を採用していないし、LAN向けとWAN向けの2種類の仕様があるため、厳密にはイーサネットでもLANでもない。 2020年頃には通信速度は100Gbpsに進み、アンリツのネットワークマスタ プロ MT1040Aはデータセンタ内で導入が進む400Gイーサネットの物理レイヤを測定できるため、品名の後に「400Gテスタ」と但し書きされている。

GigE Vision(ぎぐいーびじょん)

工業用カメラの国際規格。イーサネットのIPネットワーク上で動作するカメラ・インタフェース標準。準拠したものはロゴが使用できる。

技適(ぎてき)

技術基準適合証明。日本の電波法令で定められた特定無線設備に対する認証。技適マークの表記が義務付けられている。

Cat(きゃっと)

(category)カテゴリー。LANケーブルの種類の名称。対応する規格や通信速度を規定している。たとえばカテゴリー5は100BASE-T、100Mbpsなので社内LANに多く使われている。ケーブルテスタの仕様には対応するカテゴリーが記載されている。表記は「CAT」もある。読み方は「カテゴリ」もある。

CAN(きゃん)

Controller Area Network の略。センサやアクチュエータをつなぐシリアルバス規格の一つ。自動車内の通信規格として広く普及している。日本や欧米で生産されている車両のほとんどに適用されているので、自動車では標準の規格といえる。

CAN XL(きゃんえっくすえる)

第三世代CANと言われる次世代のCAN規格。2018年頃から開発が開始されている。CANとはController Area Networkの略で、ドイツのBosch社(Robert Bosch GmbH)が2012年に開発した通信プロトコルで、現在は自動車内の通信の標準として導入されている。

CAN FD(きゃんえふでぃー)

(CAN Flexible Data rate)自動車の標準プロトコルであるCAN(Controller Area Network)の拡張仕様。従来よりも通信速度を速くし、送受信データを大容量にできる。自動車の電動化によるECUの増加などで、CANではスピードやデータ量が足りなくなり、より速速の規格として発表された。2012年にCANを開発したボッシュ社(Robert Bosch GmbH)が発表した。最大通信速度:5Mbps(CANは1Mbps)。既存のCAN 2.0プロトコルと互換性があり、同一ネットワーク上にCANと共存できる。