計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

182

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

i.Link(あいりんく)

IEEE1394規格のソニーの商標。オーディオ・ビデオ関連のストレージ用の規格として、SCSI(スカジー)の後継としてAppleが設計したFireWire(ファイヤーワイヤー)が、1995年にソニー、IBMなどと共同でIEEE 1394として標準化された。ソニーは1995年以前から、自社のビデオカメラ製品などに搭載したIEEE 1394端子をi.Linkの商標で発売していたため、現在もIEEE1394ではなくi.Linkと呼んでいる。計測器としては1990年代後半のIEEE1394普及期に、横河電機(現横河計測)はIEEE1394用のプロトコルアナライザをラインアップしていた。新しい通信規格の黎明期には必ずプロトコルアナライザが必要だが、その製品需要は長くはない。ATMアナライザ、ISDNプロアナなどとともにIEEE1394プロトコルアナライザも現在はほぼ生産中止。

ARIB(あらいぶ)

(Association of Radio Industries and Businesses) 無線通信分野の国内標準化機関。日本語名は「一般社団法人 電波産業会」。通信・放送分野の電波利用について、調査、研究、コンサルティングなどを行っている。 設立:1995年(平成7年)。財団法人電波システム開発センター(RCR)と放送技術開発協議会(BTA)の事業を引き継ぎ、1995年に郵政省(現総務省)の許可を受けて設立(電波法の規定により「電波有効利用促進センター」として郵政大臣から指定され)、2011年に内閣府の認可を得て一般社団法人へ移行。 設立趣旨:通信・放送分野の新たな電波利用システムの研究開発や技術基準の国際統一化等を推進し、国際化の進展や通信と放送の融合化、電波を用いたビジネスの振興などに迅速、的確に対応できる体制の確立を目指す。 会員数:正会員 191、賛助会員 64、規格会議委員所属法人 12(2023年10月2日現在) 日本語正式名称の「電波産業会」よりも略称であるARIB(アライブ)の方が大変よく使われている。似た名前の団体に「一般財団法人 電波技術協会」(REEA)があり、両者を並べると、産業会より技術協会のほうが格式や権威ある名称のように素人には思えるが、ARIBの方が有名で権限がある。

ANSI(あんしー)

(American National Standards Institute)米国国家規格協会。米国で工業規格の標準化を行う機関の一つ。米国の国内規格作成団体である電子工業会(EIA)や電気通信工業会(TIA)などが作った仕様を承認して、ANSI規格となる。EIAがつくった規格の例ではRS-232C(Recommended Standard 232 version C)がある。LANケーブルのコネクタ8P8CはANSI/TIA-1096-Aである(ANSIとTIAの名前がついている)。ANSI規格は日本のJIS規格に相当する。ANSIは連邦政府機関ではなく民間の非営利法人だが、権威がありANSI規格が国際標準のISO/IEC規格になることが多い。読み方は「あんし」「あんじ」もある。

EIA(いーあいえー)

(Electronic Industries Alliance)米国電子工業会。主に電子機器や通信に関する標準化、規格化、電子産業の調査を行っている。EIAが策定した規格をEIA規格と呼ぶ。シリアル通信のRS-232C(Recommended Standard 232 version C)などはEIA規格。 米国政府のエネルギーに関する公的統計を発表する機関である、エネルギー省/エネルギー情報局もEIA(Energy Information Administration)と呼称している。

EN(いーえぬ)

(European Norm)EUの統一規格(normは規範、標準の意味)。3つの組織がEN規格を策定している。電気工学の分野は欧州電気標準化委員会(CENELEC)、電気通信全般は欧州電気通信標準化委員会(ETSI)、それ以外の分野は欧州標準化委員会(CEN)。「European Standards」とも呼ばれる。EUに電気製品などを輸出するにはEN規格に準拠しないといけない。EN規格に準じた製品をつくったメーカはメーカ自身で「CEマーク」を表示することができる。マークは認証機関での取得もできるが、マーク自体に安全認証や品質証明の役割は無い。EN規格への適合証明の責任はメーカが負う。

EtherCAT(いーさきゃっと)

(Ethernet for Control Automation Technology) ドイツのベッコフオートメーション(Beckhoff Automation GmbH)が開発したリアルタイム性のある産業イーサネット技術。産業用ネットワークのフィールドバス規格。プロトコルがIEC 61158規格で公開され、オートメーション技術、試験・計測で活用されている。最近のオシロスコープはシリアル通信などの規格の解析ができ、EtherCATに対応したモデルもある。

イーサネット(いーさねっと)

(Ethernet) コンピューターネットワークの規格の1つ。オフィス・家庭で普及している有線のLAN (10Mbps)に最も使用されている技術規格のため、ほぼLAN(ラン)と同義語になっている。有線LANは、OSI参照モデルの下位2層に相当するイーサネットとその上層の「TCP/IPプロトコル」の組み合わせで使われるため、「TCP/IPプロトコルのネットワークインタフェース層に対応する有線の規格」とも説明される。 高速イーサネット(高速LAN)としてGbpsの速度の規格(ギガビットLAN)があるが、イーサネットの根幹であるCSMA/CD技術を採用していなかったり、LAN向けとWAN向けの2種類の仕様があったり、厳密にはイーサネットでもLANでもない。 イーサネットの語源は「エーテル(Ether)」。20世紀始めまで物理学者は「空間には目に見えないエーテルという物質が充満していてそれが光を伝搬する」と考えていた。

Ethernet(いーさねっと)

コンピューターネットワークの規格の1つ。オフィス・家庭で普及している有線のLAN (規格名:IEEE 802.3)に最も使用されている(最近普及した無線LANは別の規格:IEEE 802.11)。「空間には目に見えないエーテル(Ether)という物質が充満していて、それを伝搬して情報が伝わる」という概念が20世紀初頭まであり、それが語源。つまりエーテル・ネットワークがイーサネットになった。

EtherNet/IP(いーさねっとあいぴー)

産業用のネットワークプロトコルの名称。標準的なイーサネット規格のTCP/IPはCIP(Common Industrial Protocol)と呼ばれるプロトコルを使用する。 CIPはDeviceNet、ControlNet、CompoNetなどで使用され、ODVA(Open DeviceNet Vendor Association)が管理し、多様な産業用機器に採用されている。

イノベーション・ジャパン~大学見本市(いのべーしょんじゃぱんだいがくみほんいち)

(Innovation Japan) 大学や研究機関の展示会。主催:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(JST)。大学や公的研究機関、ベンチャー・中小企業等から創出された研究成果を展示し、技術移転の促進や、実用化に向けた産学連携のマッチング、ビジネスマッチングを促進するイベント。毎年8月末に東京ビッグサイトで開催され、2020~2022年はリアル展示は中止(コロナウイルス蔓延による)、2021/2022年はオンライン開催された。2023年の第20回は、「大学見本市2023~イノベーション・ジャパン」の名称で8月24日(木)、25日(金)に対面開催される(リアル展示会)。 大学の取材は2017年11月の計測展などでも行い、記事にしている。 参考記事: 【展示会レポート】SCF 2017 /計測展 2017 TOKYO 大学特集(Part1) ・・東京工業大学(SRモータ)、長岡技術科学大学(自動車用 急速充電器)、電気通信大学(ホワイトリスト式サイバー攻撃検知)、慶応義塾大学(ネットワーク学習支援ロボット) 【展示会レポート】SCF 2017 /計測展 2017 TOKYO 大学特集(Part2) ・・新潟大学(MEMS非接触型液体センサ)、神戸大学(サブサーフェスイメージング)、三重大学(巡回監視ロボット)、神奈川工科大学(計測器の新しい校正方法) 【展示会レポート】MWE 2017 マイクロウェーブ展(会場:パシフィコ横浜) ・・東京工科大学(電磁波伝搬解析・実測)、埼玉大学(フィルタとアンテナの一体化、フィルテナ)、国士舘大学(高周波電磁界可視化センサ)

INTERMEASURE(いんたーめじゃー)

「計量計測展」、「インターメジャー」と呼称され、隔年秋に開催される、計量法に関係する展示会。日本メーカだけでなく世界の計量メーカが出展しいている。総合検査機器展(JIMA)、センサエキスポジャパン(SENSOR EXPO JAPAN)との併設で開催。センサエキスポジャパンは毎年開催で、INTERMEASUREと測定計測展(Measuring Technology Expo)が交互に開催される。 国内の計量法に関連するイベントでは、日本NCSLI技術フォーラムが、毎年秋に開催されている。こちらは日本の計量関連企業の総会といえる。

ATA(えーてぃーえー)

(AT Attachment、advanced technology attachment 読み方:えーてぃーえー、あた)。PCと外部記憶装置(ストレージ、HDなど)を接続するためのインタフェース規格。従来、標準的に使われていた規格のIDE(Integrated Drive Electronics)を1989年にアメリカ規格協会(ANSI)が正式に標準化した名称がATA。

ADSL(えーでぃーえすえる)

(Asymmetric Digital Subscriber Line)既存の銅線電話加入者線を使って高速データ伝送をする技術。直訳すると「非対称デジタル加入者線」。上り(端末から局への通信)と下り(局から端末への通信)の通信速度が異なる事から非対称といわれる。ADSLは固定電話のサービスとして1999年に商用開始され2000年代前半に普及が進んだ。ソフトバンクのブロードバンド・インフラ事業のひとつであるYahoo! BB(ヤフービービー)は2002年にADSLを使った格安通信サービスを開始した。それまでの日本の通信料金は北米・韓国などに比べて高く、世界一高額といわれてきた。「日本に安価で高速なネットワークができなければIT(情報技術)ビジネスは広がらない」という信念のもと、ソフトバンクは自らがキャリア(通信事業者)となってその様なネットワークの普及に邁進した(いまでこそソフトバンクはNTT、auに次ぐ携帯電話の通信事業者だが、当時はそうではなかった)。街頭でのADSLモデムの無料配布、NTT回線初期費用無料、などの過激なキャンペーンで、ヤフーBBの加入者は激増し、基幹通信の通信料金の価格破壊の元となった。普及から20年を経た2024年にはADSLはサービスを終了し、後継は(同様に普及が進んだ)光通信(正式には光ファイバ通信)となる。ソフトバンクは2018年5月に、ADSL各種サービスを2024年3月末で終了すると発表した。NTT東日本とNTT西日本も2018年11月に「フレッツ光」の提供エリアで「フレッツ・ADSL」を2023年1月に終了予定と発表している。 ADSLに限らずIPネットワークの普及を推進した通信サービス(FTTHやCATVなど)は、2000年代前半までの(SDHに代表される)高安定高額方式(ギャランティ型)とは異なりベストエフォート型と呼ばれた。そもそもインターネットは、送信したデータが確実に相手に届く事を保証していない典型的なベストエフォート型の通信システムとして導入された。これはキャリア側がすべての加入者に一定の仕様を保証する(その見返りが応分に高額な回線使用料金となる)のではなく、「最大8Mbps」などベストでの仕様を提示し、全ユーザにこれを保証しない。そのためキャリアはギャランティ型のように高額測定器を常時設備せず、全営業地域で最大通信速度を保証する訳ではないので加入者料金が安価になる、という構造である。これは昨今の金融商品の自由化で謳われている利用者の自己責任でサービスを選択する事に類似している。2000年代前半に導入が始まったベストエフォート型のサービスは現在では当たり前で、家庭のパソコンをWi-Fiにつないでも、日々の状況など環境によって通信速度は変化して遅くなる場合がある。 有線の通信計測器も、インターネットの普及によって(以前のように)高額な専用器を通信インフラの保守会社が設備しなくなった(というかできなくなった)。無線通信でも、2021年に商用開始した楽天モバイルは、無線通信や電話の装置は高額なため導入せず、パソコンとソフトウェアでその機能を行うことで、格安な契約料金を実現しているといわれる。計測器だけでなく、高額な通信機器も導入が見送られる時代となった。2022年現在、楽天モバイルの品質は決して良くない(筆者は2021年4月から使用している)が、今後知見を積んで、品質改善や新サービス開始につながることが期待される。 参考用語:SDH/SONETアナライザ 計測器情報:ADSLが品名につく製品の例

SPI(えすぴーあい)

(Serial Peripheral Interface) コンピュータ内部で使われるデバイス同士の通信に使われる規格の1種。モトローラ社によって提唱されたコンピュータ内部で使われる低速シリアル通信で4本の信号線を使ってデータを伝送する。 参考記事:自動車ECUのインターフェイス・・ECU内部で使われるSPIやI2C、情報系のLVDSなどを概説。シリアル通信についてはCAN、LINから最近のPSI5まで解説。

HDMI(えっちでぃーえむあい)

(High Definition Multimedia Interface) 家電やAV機器向けの映像・音声のデジタル・インタフェース規格。1本のケーブルで映像・音声・制御信号を送受信する。PCとモニタとの接続にも採用が進んでいる。

HP-IB(えっちぴーあいびー)

(Hewlett Packard Interface Bus)計測器の自動計測を目的として、HP(現キーサイト・テクノロジー)がコンピュータと計測器を接続するためのインタフェース仕様として開発した。後に正式な規格として認証され、現在のGP-IB(General Purpose Interface Bus)の元となった。今ではHP-IBという呼び方はほとんど聞かないが、HPが計測器の世界的No.1メーカであり、最先端の開発をしていたことを伺わせる。

NICT(えぬあいしーてぃー)

(National Institute of Information and Communications Technology) 「国立研究開発法人 情報通信研究機構」。情報通信分野を専門とする日本で唯一の公的研究機関。JAXA(宇宙航空研究開発機構、ジャクサ)と同じく総務省が所管する、「研究開発の最大限の成果の確保」を目的とする「国立研究開発法人」である。 総務省が2020年から推進しているBeyond 5G(5Gの次、つまり6Gのこと)の研究などを行っているが、味覚センサ(バイオセンサ)の研究などもしている。 本部は東京都小金井市(JR中央線の武蔵小金井駅と国分寺駅の中間で線路より北側)だが、複数の事業所がある。たとえばワイヤレスネットワーク研究センターはNTT DoCoMoの研究部門がある横須賀リサーチパーク(YRP)内にあり、HAPS(携帯電話の基地局を高高度を飛ぶ無人飛行機に搭載し、従来より広範な移動体通信をする仕組み)などを研究している。 略語であるNICTの正式な読み方は「エヌ・アイ・シー・ティー」だが、世間では「ニクト」や「情報通信機構」と呼称されることも多い。

NCSLI(えぬしーえすえるあい)

(National Conference of Standards Laboratories International) 直訳すると国際国立標準研究所会議。 計量・計測標準や計測器校正分野の国際団体。日本NCSLIが毎年秋に開催する総会は、日本の計量・校正の大会で、東京・蒲田の大田区産業プラザで行なわれている(新型コロナウイルスの感染対策で2020年のNCSLI技術フォーラムは中止になった)。 日本NCSLI(National Conference of Standards Laboratories International - Japan)は、計量・計測標準、計測器校正、試験・計測分野の技術と管理を進歩させることを目的に、会員のボランティアにより技術フォーラムの開催を中心に活動を行っている団体である。 計量法に関係する国内のイベントは、隔年秋に開催されるINTERMEASURE (計量計測展、インターメジャー)がある。

FR2(えふあーるつー)

5Gの周波数帯域は、4G以前から使ってきた6 GHz以下(FR1:Frequency Range1)と24 GHzからミリ波を含むFR2の2つがある。

FCC(えふしーしー)

(Federal Communication Commission)日本語では、「(米国)連邦通信委員会」。米国では大統領直属の独立政府機関。通信・電波の規制を行う連邦政府の組織。米国の電話、TV、ラジオなどの事業の許認可権限をもつ。1934年に通信法によって設立。大統領が指名し上院議会が承認する5人の委員によって構成され、5年の任期で改選される。日本では総務省が行っている「周波数の割り当て」や、「無線機器・電子機器の規制」をする。EMCの内エミッション(電子機器からの電磁波の放出)は米国ではFCC規格に準じないといけない。国際的なエミッションであるCISPR規格とは別に、米国にはFCCがある。