計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

91

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

embedded(えんべでっど)

翻訳すると「組込み」。計測の世界で「エンベデッド」とは、組込みシステム(Embedded System)のこと。2010年代は組込み機器の総合技術展示会を指す言葉でもあった。2013年に一般社団法人組込みシステム技術協会がパシフィコ横浜で開催した組込み総合技術展(Embedded Technology)は、出展分野・展示会出展企業の多さから、当時としては世界最大級の組込み技術展であった。世界中の主要なICE(アイス、開発支援装置、エミュレータ、デバッガー)メーカが出展し、国産ではYDC(横河デジタルコンピュータ)、ソフィアシステムズなどが大きなブースを構えた。Embedded以前にあった組込みシステム開発技術展(ESEC、イーセック)では、ミドルレンジのオシロの帯域が500MHzからGHzになり、I2Cなどの高速シリアル通信に対応するため、ICEと共に使われてきたロジックアナライザから、ミックスドシグナルオシロスコープ (MSO )に信号解析の主役が移行するなど、展示会場には新しい計測器が出展された。このようにESECやEmbeddedはICEを中心にした最先端の計測器を体感できる展示会を意味する言葉だった。2021年11月に組込みシステム技術協会がパシフィコ横浜で開催した「ET&IoT~産業DXを実現する要素技術と応用分野」という展示会では、第58回組込みシステム研究発表会を併設している。ソフィアシステムズは2013年にソーワコーポレーションに吸収され、現在は株式会社Sohwa&Sophia Technologiesであるが、定期発行しているMail Newsの冒頭には、「Embeddedシステム関連を中心とした当社の最新情報をお届けしているメルマガ」と書かれている(2022年4月現在)。

オンチップエミュレータ(おんちっぷえみゅれーた)

(on-chip emulator)CPUチップに内蔵したデバッグ回路を使うエミュレータ(ICE)のこと。従来、ICEはターゲットのCPU実装部にICEをつなぎ、ICE内のデバッグ回路を使うが、ターゲットにCPUを実装した状態(On Chip)で、デバッグ用インタフェースにICEをつなぐ。歴史的には簡易検査用のインタフェースであるJTAG(ジェイタグ)がその走りで、オンチップデバッグ機能やオンチップエミュレータと呼ばれた。2000年以降にこの方式がデバッガ(ICE)の主流になり、従来のICEをフルエミュレータ(オンチップエミュレータでは実現できないフルのICE機能がある、という意味)やフルICEと呼び、区別するようになった。デバイスメーカによってはJTAGという名称を使っていないなど、統一されていない。現在の主流はJTAG ICEなのは間違いないが、顧客のターゲットのCPUによっては、 JTAG をデバッガのインターフェースとして利用しない製品もある(たとえばDAPなど)。そのためICEメーカのlauterbach(ローターバッハ)は「JTAG ICE」とは記載せずに「デバッガ/トレース」と表現している。あえてインターフェースを記載する場合は「JTAG/DAP デバッガ」のように「どちらのインターフェースにも対応している」ことがわかるような表記にしている。ICEはマイクロプロセッサという日進月歩の世界の話なので、時代とともに今も変化していて、最先端の現役のICE製品群については、(数少なくなってはいるが)全ICEメーカ、と各デバイスメーカの情報を精査しないと正確な説明は難しい。当サイトのカテゴリー(機種分類)ではJTAGエミュレータという表現はせずオンチップデバッグツールとしている。

オンチップデバッガ(おんちっぷでばっが)

(On Chip Debugger)測定対象の機器の基板上にマイクロプロセッサ(MPU/CPU)を実装した状態 (On Chip) でデバッグを行うことのできるICE(エミュレータ、開発支援装置)のこと。別名:オンチップエミュレータ。JTAG(ジェイタグ)など、現在のICEの主流の方式。On Chip以前のICEを対比して、フルエミュレータやフルICEと呼ぶ。

オンチップデバッグ機能(おんちっぷでばっぐきのう)

従来、ICE上に搭載していたデバッグ回路の一部を、実CPUチップ上に内蔵することでシステム評価時に実デバイスを使用して簡易エミュレーションを実現する事が可能となった。このチップ上に載せるデバッグ機能を、オンチップデバッグ機能と言う。通常、JTAGエミュレータ機能を示す事が多い。本機能は、メーカによって呼び方や仕様などが異なる。INTEL、ARM はJTAG。日立 はAUD/HUDI(Adbanced User Debugger/Hitachi-User Debug Interface)。NEC は N-Wire。三菱 は SDI (Scalable Debug Interface)。富士通 は DSU。フリースケール・セミコンダクタ ーはBDM (Background Debug Monitor)。その他の呼び方として、UDI (User Debug Interface)、ETMなどもある。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)参照用語:JTAG ICE、フルICE  

オンチップデバッグツール(おんちっぷでばっぐつーる)

ICEの1種。JTAGなどを、フルエミュレータと区別して呼ぶ。現在のICEの主流の方式。

開発支援装置(かいはつしえんそうち)

マイコン(マイクロプロセッサ、CPU)を使った組込みシステムの開発・デバッグを行なう測定器。マイコン開発支援装置や、ICE(In Circuit Emulator、アイス)、デバッガなどとも呼ばれる。

機械語(きかいご)

(machine language)マイクロコンピュータ(マイコン、CPU)を動かすソフトウェアに関連する用語。マイクロコンピュータが理解して実行できる命令が書かれたプログラム(言語)。0と1の2進数の文字列。別名:マシン語。人間は機械語は書けないので、C言語などでプログラムを記述する(ソースファイル)。それをアセンブリ言語を経由して機械語に変換する。ソースファイルはコンパイラによってアセンブリ言語に変換される。アセンブラ言語はアセンブラによってオブジェクトファイルに翻訳される。オブジェクトファイルはリンカやコンバータによって機械語(データファイル)に変換される。プログラマが書いたソースファイルは、このような流れでオブジェクトファイルを経由してマイクロコンピュータが実行できるデータファイル(機械語)になる。この一連の作業工程(ソースファイルからデータファイルを作る)をコンパイルと呼んでいる。参考記事:「車載マイクロコンピュータの基礎~車載システムを支える頭脳」。マイクロコンピュータの構造と動作原理を解説。

逆アセンブラ(ぎゃくあせんぶら)

(disassembly)マイクロコンピュータ(マイコン、CPU)を動かすソフトウェアに関連する用語。(マイクロコンピュータが実行している)機械語で書かれたプログラムをアセンブり言語表示に変換する機能のこと。ICE(インサーキットエミュレータ)に標準装備されていることが多い。一般に、高級言語(C言語など)で書かれたプログラムから生成したアセンブリ言語を、アセンブラが機械語に変換するが、その逆の機能のため、こう呼ばれる。逆アセンブラによって、機械語が正しいかを(人間が理解できる)アセンブリ言語で確認することができる。

キャッシュメモリ(きゃっしゅめもり)

(cache memory)CPUを高速に実行するには、CPUがアクセスするメモリデバイスが高速であればあるほど良い。ただし高速なメモリは高価で容量も少ないものが多いので、それを補うためにキャッシングというシステムを使う。キャッシングには、キャッシュメモリという高速で小容量のメモリを補助的に使う。このキャッシュメモリに対して実際にプログラムなどが収められているメモリをメインメモリという。CPUがアクセスしようとしたプログラムがキャッシュメモリ上に無いと、メインメモリからそのプログラムをキャッシュメモリにDMA転送し、それを実行させる。キャッシュメモリは高速なメモリなので、CPUは高速な実行が可能となる。ただし、このキャッシュメモリは、容量が少ないので、キャッシュメモリ上に無いプログラムが度々発生する。このプログラムが無い状態を、ミスキャッシュしたという。この時、またメインメモリからDMAでミスキャッシュしたプログラムをキャッシュメモリに転送して実行させる。近年、キャッシュメモリはCPUに内蔵されているものもある。内蔵されていないものを外部キャッシュメモリという。CPUを高速に実行させ続けるにはミスキャッシュをなるべく少なくする事が重要である。そのために、どのようにミスキャッシュを防ぐかなどに各種アルゴリズムやキャッシング回路技術がある。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)

組込みシステム(くみこみしすてむ)

(embedded system)組込みソフトウエアを含めた組込みシステム技術全般を指す言葉。組込みシステムとは、電子機器などに組込まれ、その機器特有の機能を実現するコンピュータシステムを指す。今や炊飯器から携帯電話まで身近にあるあらゆる電子機器にはマイクロプロセッサ(MPU/CPU)とそれを動かすソフトウェアが組込まれている。電子機器を動かしているこれらハードウェア(マイコン)とソフトウェア(プログラム言語)を総称して「組み込みシステム」やembedded(エンベデッド)と呼ぶ。組込みシステムの開発・試験をするツールがマイコン開発支援装置(In Circuit Emurator:ICE、アイス)やデバッガーと呼ばれた計測器群だった。adviceの愛称で一世を風靡したICEメーカの横河デジタルコンピュータは現在は横河電機とは資本関係が無いが(現会社名:DTSインサイト)、顧客への定期DMには今も「組込みメールニュース」というタイトルのものがある(2021年10月)。ICE市場は2000年頃に比べたら激減して多くの国産ICEは撤退してしまったが、今でも「組込み(embedded)」は計測(ICEなどのエミュレータ関連)の用語として健在である。ベンチャーで1980年代にはICEのNo.1メーカだった株式会社ソフィアシステムズは今は株式会社Sohwa&Sophia Technologiesで、ICEは主力製品ではないが、いまでも「Embeddedシステム関連を中心とした最新情報のメルマガ」を定期配信している(2021年12月)。

コンパイラ(こんぱいら)

(compiler)マイクロコンピュータ(マイコン、CPU)を動かすソフトウェアに関連する用語。マイコンに格納するプログラム(データファイル)が完成する一般的な工程を述べる。製品の仕様書に基づいて技術者(プログラマ)は高級言語(C言語など)でプログラムを作成する。これをソースプログラム(ソースコード)という。マイコンが直接実行できる機械語に翻訳するには、まずアセンブリ言語に変換する。アセンブリ言語からアセンブラがオブジェクトファイルを生成し、最終的に機械語(データファイル)に変換される。ソースプログラムからアセンブラ言語をつくる機能(プログラム)をコンパイラという。ソースプログラムからデータファイル(機械語)を作る一連の行程(設計作業)をコンパイルと呼んでいる。コンパイラやコンパイルはマイクロコンピュータを動かすソフトウェア設計を象徴することばである。 compile(コンパイル)は「編集」の意味。 参考用語:インタープリタ 参考記事:車載マイクロコンピュータの基礎~車載システムを支える頭脳・・マイクロコンピュータの構造と動作原理を説明。

ザイログ(ざいろぐ)

(zilog) 1980年頃に世界的に一世を風靡した8ビットマイクロプロセッサ (マイコン)Z80(ゼットハチマル)を開発したデバイスメーカだが、計測の用語としてはマイコンの開発ツール(ICE: In Circuit Emulator)で、一番一般的なモデルとしてラインアップされたのがZ80である。Z80は1974年に、インテルの8ビットマイコン8080を設計した技術者が開発に携わり発売された。そのため8080の上位互換がある、8080の改良モデルとして、1980年頃には世界中のパーソナルコンピュータ(現在のパソコン)に採用されていた。 1980年代はより高機能の16ビット、32ビット製品が開発されたが、最先端の高性能CPUではなく、実績のある安価な8ビットの汎用CPUとして、多くの電子機器に使われた。ICEは最先端のCPUに対応することで他社と差別化して延命したので、Z80に対応するICEは時代とともに少なくなった。1970年代後半にインテル、ザイログと競ったフェアチャイルドはすでになく、モトローラも現在の主力は通信機器になったが、ザイログはZ80の生産をまだ続けていると伝わっている(2021年現在)。

ZAX(ざっくす)

1980年代~1990年代にあったICEメーカ(計測器メーカではなく、ICE専業メーカ)。製品に印刷されている表記は「ZAX Corporation」、日本語の正式な会社名は今では不明。 ロゴは「ZAX」で、コアなファンがいた。製品の名称は以下のような命名。IN-CIRCUIT DEBUGGER(ICD) 178 for i8048、ICD 178 FOR Z80、ICD 278 FOR Z80 Emulatable up to 8MHz、ICD 378 FOR 68000/68010、IN CIRCUIT EMULATOR PROBE ERX318P FOR 80186/80188、IN CIRCUIT EMULATOR PROBE ERX318P FOR 68000/68010。本体(ICD)の形名は178、278、などがあるが、対象CPU(インテルの8048、ザイログのZ80、モトローラの68000など)ごとにERX318Pなどのプローブがあった。当時のICE(フルICE)は本体とCPUごとにつくられたオプション(ポッドやプローブと呼称)で構成された。ZAXの本体外観はただの箱で、操作部や表示部は無いので、PCにつないで制御した。それまでのICEは本体に表示画面やボタンがあるスタンドアロン型が主流だったため、ZAXは早くからPC制御モデル(PC接続型)を開発したといえる。計測器メーカとして早くからICE(形名AE-4132B/4133Cなど)を手掛けていた安藤電気は、1990年頃にZAXと提携していた時期がある。安藤電気はZAXと似たようなコンセプトの新シリーズICEを発売したが、ヒットしなかった。 同時期の1990年に横河電機が横河デジタルコンピュータにICE事業を移管してadviceシリーズを発表した。ICEは計測器メーカではなく、ICE専業メーカが主流となり、ベンチャー企業のソフィアシステムズのMultiSTAC、UniSTACとadviceが2強として競う時代になっていった。ZAXも安藤電気も2000年頃にはICEを生産中止(消滅)している。ZAXより後発ながら、大手電機メーカに採用されていたICEに岩崎技研のPROICE(プロアイス)があるが、ZAX同様にもう会社は無い。他にBITRAN(ビットラン)社もユニークな製品をつくっていた(同社の現在の主力は画像処理などの映像関連機器だが、JTAG製品の現役モデルが2022年現在もある)。

C言語(しーげんご)

(C language)1972年に米国のAT&Tベル研究所で開発されたプログラム言語(当時のOSであるUNIXを開発するために作られたといわれる)。汎用性が高く、ハードウェアに密着した処理(ハードウェアの制御など)に適している。マイクロコンピュータのソフトウェア開発では最も良く使われる。C言語の改良版で上位互換のあるC++も良く使われている。

CPU(しーぴーゆー)

(Central Processing Unit)日本語では「中央処理装置」だが、CPUと表記されることの方が多い。半導体チップであるマイクロプロセッサの別名。計測器だけの用語ではないが、インサーキットエミュレータなどでは「対応プロセッサ」や「対応CPU」などの表記がある。また計測器内にも多くのCPUが使われているので、性能の記述にCPUがある場合もある。

GPU(じーぴーゆー)

(Graphics Processing Unit) 画像処理を主に担うプロセッサのこと。3Dグラフィックスなどの画像描写を行うための計算処理を行う。「画像処理半導体」とも表現される。CPUとGPUを両方手掛ける米国の半導体デバイスメーカのAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイス)は、同じく米国の大手FPGAメーカ、Xilinx(ザイリンクス)を買収することを発表した(2020年10月)。2015年にはIntel(インテル)がAltera(アルテラ)を買収しているので、FPGAの大手2社がCPUメーカに吸収されることになった。米国NVIDIA(エヌビディア)も、2020年12月にイスラエルMellanox Technologies(ネットワーク分野で強いFPGAメーカ)を傘下に収めた。NVIDIAはGPUのNo.1半導体メーカである。 つまり、CPU、GPU、FPGAは現在の半導体デバイスの主力3製品群で、GPUに強いNVIDIAはFPGAやCPU(2020年にソフトバンクからARM社を買収することを表明したが、欧州での規制をクリアできず2022年に断念)を強化しようとしている。CPUに強いIntelやAMDはFPGAに参入して半導体市場でNo.1になろうとしている。

C++(しーぷらすぷらす)

C言語をオブジェクト指向に改良した言語。C言語の機能がほとんどそのまま使えアッパーコンパチといえる。機能的には、C言語より変数宣言の位置の自由度が高くなり、スコープ解決演算子、オーバーロード、クラスなどが拡張された。組込みシステムでも使われるようになってきたが、一般的には機能が拡張された分コード効率がC言語より悪い。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)「C++」と表記して、「しーぷらぷら」と呼ばれることが多い。

JTAG(じぇいたぐ)

(Joint Test Action Group)マイクロプロセッサ(MPU/CPU)内部に内蔵したデバッグ機能のインタフェース規格のことだが、この機能を使うICE(JTAGエミュレータ)のことを指していることが多い(略してJTAGと呼称している)。オンチップエミュレータの代表機種である。1990年代以降にICEの主流となった。JTAGエミュレータ(などのオンチップエミュレータ)以前のICEをフルICE、フルエミュレータと呼称する。RISCマイコンの多くがCPU内部にデバッグ機能を搭載している事から、この内蔵デバッグ回路を利用したICEとしてJTAGエミュレータは生まれた。現在はJTAGエミュレータがICEの主流で、それまでのモデル(フルICE)はICEの中ではマイナーになった。ただし、初めてのチップを採用時にはオンチップエミュレータでは機能不足で、従来のICE(フルエミュレータ)が使われることも多い。参考用語:JTAG ICE

JTAG ICE(じぇいたぐあいす)

JTAGとは、元々はJoint Test Action Groupの団体名の略称である。近年はこの団体で規定された機能をJTAG機能と呼んでいる。一般的なJTAG機能とは、ボードテスト用に用意された機能を示す。ICEメーカで呼んでいるJTAGエミュレータとは、この機能を拡張し、デバッグができるように機能拡張されたものを使ったエミュレータを、JTAG-ICEまたはJTAGインサーキットエミュレータ、JTAGエミュレータと呼ぶ。各メーカでは、HUDI(日立)、BDM(フリースケール・セミコンダクタ)、DSU(富士通)、SDI2(三菱)など様々な名称で、JTAG拡張部分のデバッグ機能を呼んでいる。JTAGエミュレータは、簡易エミュレータであり、実行、ブレーク、ステップ、メモリ/レジスタ変更機能をベースにしている。外部バストレースやエミュレーションメモリ機能が無いため、ある程度ファームウェアが完成した後のアプリケーションソフトウェアのデバッグに向いている。JTAGには、更に進化した簡易トレース機能を内蔵したものがある。 AUD、DSU、SDI2、ETMなどがそうであるが、メーカーによって能力に差異がある。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)

CISC(しすく)

(Complex Instruction Set Computer) 和訳すると、複雑命令セットコンピュータ。マイクロプロセッサ(MPU、CPU)の命令の作り方を規定する命令セットアーキテクチャ(ISA:Instruction Set Architecture)の分類の1つ。1つの命令で複雑な処理をするが、命令の数が少ないことで最終的な処理速度を向上させるという設計手法。RISC(Reduced Instruction Set Computer、最小命令セットコンピュータ、読み方:りすく)の反対の設計思想である。株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集には次の説明がある。CISC:1命令あたりで複雑な処理を実行できるプロセッサ。ただし、複雑な命令を実行できる分プロセッサ内の回路が複雑になり、1クロックあたりの処理時間を短縮するのに無理が生じてきた。近年はRISCプロセッサ方式により1クロックあたりの処理時間をあげる事が可能になってきた。