計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ザイログ(ざいろぐ)

(zilog) 1980年頃に世界的に一世を風靡した8ビットマイクロプロセッサ (マイコン)Z80(ゼットハチマル)を開発したデバイスメーカだが、計測の用語としてはマイコンの開発ツール(ICE: In Circuit Emulator)で、一番一般的なモデルとしてラインアップされたのがZ80である。Z80は1974年に、インテルの8ビットマイコン8080を設計した技術者が開発に携わり発売された。そのため8080の上位互換がある、8080の改良モデルとして、1980年頃には世界中のパーソナルコンピュータ(現在のパソコン)に採用されていた。 1980年代はより高機能の16ビット、32ビット製品が開発されたが、最先端の高性能CPUではなく、実績のある安価な8ビットの汎用CPUとして、多くの電子機器に使われた。ICEは最先端のCPUに対応することで他社と差別化して延命したので、Z80に対応するICEは時代とともに少なくなった。1970年代後半にインテル、ザイログと競ったフェアチャイルドはすでになく、モトローラも現在の主力は通信機器になったが、ザイログはZ80の生産をまだ続けていると伝わっている(2021年現在)。

ZAX(ざっくす)

1980年代~1990年代にあったICEメーカ(計測器メーカではなく、ICE専業メーカ)。製品に印刷されている表記は「ZAX Corporation」、日本語の正式な会社名は今では不明。 ロゴは「ZAX」で、コアなファンがいた。製品の名称は以下のような命名。IN-CIRCUIT DEBUGGER(ICD) 178 for i8048、ICD 178 FOR Z80、ICD 278 FOR Z80 Emulatable up to 8MHz、ICD 378 FOR 68000/68010、IN CIRCUIT EMULATOR PROBE ERX318P FOR 80186/80188、IN CIRCUIT EMULATOR PROBE ERX318P FOR 68000/68010。本体(ICD)の形名は178、278、などがあるが、対象CPU(インテルの8048、ザイログのZ80、モトローラの68000など)ごとにERX318Pなどのプローブがあった。当時のICE(フルICE)は本体とCPUごとにつくられたオプション(ポッドやプローブと呼称)で構成された。ZAXの本体外観はただの箱で、操作部や表示部は無いので、PCにつないで制御した。それまでのICEは本体に表示画面やボタンがあるスタンドアロン型が主流だったため、ZAXは早くからPC制御モデル(PC接続型)を開発したといえる。計測器メーカとして早くからICE(形名AE-4132B/4133Cなど)を手掛けていた安藤電気は、1990年頃にZAXと提携していた時期がある。安藤電気はZAXと似たようなコンセプトの新シリーズICEを発売したが、ヒットしなかった。 同時期の1990年に横河電機が横河デジタルコンピュータにICE事業を移管してadviceシリーズを発表した。ICEは計測器メーカではなく、ICE専業メーカが主流となり、ベンチャー企業のソフィアシステムズのMultiSTAC、UniSTACとadviceが2強として競う時代になっていった。ZAXも安藤電気も2000年頃にはICEを生産中止(消滅)している。ZAXより後発ながら、大手電機メーカに採用されていたICEに岩崎技研のPROICE(プロアイス)があるが、ZAX同様にもう会社は無い。他にBITRAN(ビットラン)社もユニークな製品をつくっていた(同社の現在の主力は画像処理などの映像関連機器だが、JTAG製品の現役モデルが2022年現在もある)。

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