計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ISVM(あいえすぶいえむ)

(Current Source Voltage Measure)SMUの機能の1つ。電流を印加して電圧を測定する。参考記事:高精度な電子部品の評価に貢献するSMU〜エーディーシー6253直流電圧・電流源/モニタSMUの概要や、ISVMのアプリケーション例を解説。

I0r(あいぜろあーる)

「抵抗分漏れ電流」のことで、「有効漏洩(ろうえい)電流」と表記することもある。I0rとは「I0(漏れ電流、アイゼロ)のr(抵抗)成分」、という意味。漏れ電流測定器(漏れ電流計)のことをI0rと略記していることがある。「I0r測定器」とは漏れ電流計のことを指す。I0R(3文字目が大文字)やIor(2文字目のゼロが下付き小文字)の表記もある。 本来、零相電流(※)のことをIoと記述し、抵抗成分によるものなのでIorやIoRと記述するのが正しいと思われるが、ゼロを通常表記の「0」にしている場合も多い。これらの記述は間違いではないが、間違えて「アイオーアール」と発音すると、低周波の電力測定の基礎知識がないことが露見してしまう。2文字目が英字のO(オー)ではなく数字の0(ゼロ)であることに注意が必要。「or」と表記されているとつい「オーアール」と読みたくなる。 Io(漏れ電流)はIorとIoc(容量分漏れ電流)の合計になっている(cはcapacitor、静電容量)。Iocが大きいと高調波が多いということで、機器の誤動作を起こす原因になる。Iorは機器や配線の劣化により流れる漏れ電流で、感電や火災の原因となるため、正確にIorを測定することが電気機器の維持管理(定期点検などの保守)では求められ、漏れ電流測定器がIorを測定するのはそのためである。I0rは、電気回路上の機器や電線の損傷など、抵抗成分により流れ出る漏れ電流で、「対地絶縁抵抗漏洩電流」とも呼ばれる。経産省の法令で絶縁性能の判断基準に規定されている。 計測器メーカの名称や形名、仕様の記載例は次の通り。日置電機の「Iorリークハイテスタ3355」は「漏洩電流(Io)や有効漏洩電流(Ior)を測定」と記載されている。三和電気計器の「I0RロガーI0R700V」には「測定モード:Iorモード/モータモード」の記述がある。そのほか、共立電気計器の「Ior用リーク電流検出型クランプセンサKEW 8177」、マルチ計測器の「非接触Io/IorクランプリーカーMCL-500IRV」などがある。三和電気計器の形名は直球(そのものズバリ)である。 漏れ電流とリーク電流は同義。 (※)Io(アイゼロ、ゼロの電流)とは零相電流のこと。多相の不平衡交流回路で、各線に同相で流れる電流を「零相電流」という。零相電流は通常は存在しない(大きさが0である)。各相のバランスが失われていると零相電流が流れる。クランプメータ(クランプ電流計)で各線を一括して測定する(各相の線をすべて挟む)と測定値は0になる。ただし回路に漏電があると、零相電流が流れるので0以外の値になる。これを利用し漏電の有無を調べるのが漏れ電流計である。特に災害の原因になるIor(抵抗分漏れ電流)を測定している。

I0r測定器(あいぜろあーるそくていき)

R(抵抗)成分に起因する漏れ電流だけを正確に測定する漏れ電流計の呼称。漏れ電流には容量負荷に流れる高調波成分もあるが、それを除いた測定ができる。「リークカレント」や「リーク電流」を品名にするメーカもあり、I0r測定器の呼称は様々である。 2文字目のゼロを小さく書いたり、3文字目のアールを大文字にするという表記も見かける。メーカによって表記は違っている。「アイゼロアール」でなく「アイオーアール」と素人は間違いやすい(特に2文字目のゼロがこの表題のように大きな文字で書かれていると)。

I-Vチェッカ(あいぶいちぇっか)

太陽電池の性能を評価するために、電流-電圧特性(I-Vカーブ)を測定する測定器。PV(太陽光発電)用のI-V特性の測定器。英弘精機には品名「I-Vチェッカー」という製品がある。同社は日射計が有名だが、PV関連の計測器にも早くから参入し、MP-11、MP-170などの形名のモデルがある。 参考用語:カーブトレーサ 参考記事(会員専用):【展示会レポート】スマートエネルギーWeek春展(FC EXPO/二次電池展/スマートグリッドEXPO)の3ページ目・・英弘精機の太陽光発電関連の測定器を取材。今後の再生可能エネルギーの動向も解説。 計測器情報:英弘精機の製品の例

I-V特性(あいぶいとくせい)

(current–voltage characteristic) 半導体デバイスの電流(I)-電圧(V)特性(※)。「横軸が印加した電圧、縦軸がそれによって流れる電流」のグラフで視覚的に特性を示す。半導体の評価に使われるもっとも基本的な仕様。半導体デバイスのデータブック(仕様書)にはI-V特性が記載されている。I-Vカーブ、I-Vグラフとも呼ばれる。半導体関連測定器のカーブトレーサの品名はここに由来する。太陽電池の変換効率測定にも使われるため、太陽光発電関連測定器にIVカーブトレーサ、I-Vチェッカなどの品名の製品がある。菊水電子工業の総合カタログの用語集によれば、「電池などの電気化学関係ではターヘルプロットとも呼ばれる」。カーブトレーサや半導体パラメータアナライザなどの高額な測定器を使わないでも、高性能なSMUでもI-V特性を測定することができる。 (※)電気の世界では電流は「I」で略記される。Cはcapacitor(キャパシタ、コンデンサ、静電容量)の略号として使われている。I(大文字)やi(小文字)が電流を表すので、複素数の虚数部(Imaginaly Part)は、通常は数学ではi(小文字)だが、電流と混同されるため、電気ではj(小文字)で表記する。

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