計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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バードン電圧(ばーどんでんあつ)

(Burden Voltage) 電流を測定する時、入力端子間に現れる電圧降下。下図のようにシャント抵抗、ヒューズ抵抗、接触抵抗などによって発生する。

倍率器(ばいりつき)

直流電圧計の測定範囲拡大に使われる直流用測定範囲拡張器で、電圧計に直列に接続し電圧計にかかる電圧を低下させる抵抗器。

バインディングポスト(ばいんでぃんぐぽすと)

(binding post)デジタルマルチメータ(DMM)や電流電圧発生器、アナログの電圧計・電流計・電力計などの入力端子に使われているコネクタの名称。直流安定化電源の出力端子にも使われている。DMMは埋め込み型が一般的。勘合する相手はバナナプラグ。屋外で使用する可搬型の現場測定器など、主に低周波の計測器に使われる。バインディングポストではない計測器としては、ファンクションジェネレータやオシロスコープの出力端子や入力端子はBNC。低周波の測定器のコネクタとしてはBNCは一番多い。データロガーの入力部(端子台)はネジ止め(や圧着端子)が多い。可搬型の小型モデルは多チャンネルだと省スペースにしたいこと、また温度センサ(熱電対や測温抵抗)からのケーブルはリード線なのでネジ止めしやすい、などの理由からと思われる(スタンドアロン型のデータ集録機器はBNCが多い。またひずみ測定に力点を置いたデータロガーはDINコネクタを使っている。)。オーディオ機器のアンプとスピーカを接続する端子はバインディングポストが一般的。(埋め込み型以外の)一般的なバインディングポストは、金属の支柱の中央に穴があり、線材を通してキャップを回転させて締めると線材を固定できる。また、支柱の幅に相当するY型の端子でも接続ができる。つまり簡便に抜き差し可能なバナナプラグ以外にも2つの接続方法がある。ケーブルを機器に接続する際、互いに接触する金属部分を触って感電するなどの事故が無いように、安全性を考えてバインディングポストやバナナプラグは設計された。参考記事:技術情報・レポート/コラムの“「接続ケーブル、コネクタ」 その2(低周波編)” https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Basic-Topics-035/

波形率(はけいりつ)

実効値の平均値に対する比。波形率=実効値/平均値。(共立電気計器株式会社の用語集より)

波高率(はこうりつ)

最大値の実効値に対する比。 測定器の入力のレンジの何倍の入力まで線形に動作するかを表す。波高率=最大値/実効値。正弦波の場合、波高率=√2 / 1=1.41。別名:クレストファクター。(共立電気計器株式会社の用語集より)

発生器(はっせいき)

(generator) 電気的な物理量を出力する機器のこと。計測器としての代表的な発生器としては信号発生器(signal generator)がある。具体的にはパルス発生器(パルス信号発生器)や任意波形発生器、RF信号発生器 、映像信号発生器、ファンクションジェネレータ、白色雑音発生器、デジタル信号発生器、掃引信号発生器、FG、SGなどたくさんの機種群がある。必ずしも「信号発生器」という名称ではない。 信号以外には、圧力発生器や直流電圧電流発生器、SMUなどがある。 電源(計測用電源としての安定化電源)や光源も発生器だが、「源(source)」という漢字を使い発生器とは呼ばれない。信号発生器と電源では信号かそうでないか(電源は電力を発生する源)で区別されるが、圧力は圧力発生器ではなく「圧力源」でもおかしくないが、源でなく発生器と呼ばれている。光通信測定器の光源は「光信号発生器」であるが、あまり「光信号」という表現はせず、光源と呼称されている。使い分けの正確な定義は難しい。電流電圧発生器と安定化電源(CV/CC電源)との違いは、SMUなどの電流電圧発生器は安定化電源より出力精度が高いことで、交流電圧電流発生器は標準器も多い。SMUとCV/CC電源の違いは以下の記事を参照のこと。 参考用語:発信器・・発振器とは違う。

バナナ端子(ばななたんし)

バナナプラグ(オス)やバナナプラグ(メスソケット)などを総称して、バナナ端子と呼ぶ。オスであるバナナプラグは通常はケーブルの先端にあり、機器側にあるメスのコネクタはバインディングポストと呼ばれている。バナナプラグ(メスソケット)はバナナケーブル(バナナプラグが付いたケーブル)を延長したいときに使われる。バナナ端子はこのようにオーディオから低周波の計測器まで幅広く使用されるので、ネットの通販サイトでも数多く販売されている。参考記事:技術情報・レポート/コラムの“「接続ケーブル、コネクタ」 その2(低周波編)” https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Basic-Topics-035/

バナナプラグ(ばななぷらぐ)

(banana plug)デジタルマルチメータ(DMM)のテストリード(DUTとDMMをつなぐ測定ケーブル)でDMM側のコネクタに使われている。DMM側でバナナプラグ(オス)に勘合するメス側コネクタはバインディングポストと呼ばれる。直流安定化電源の出力端子やコンパクトキャル(プロセス用の電流電圧発生器&モニタ)の入力端子もバインディングポストなので、バナナプラグの付いたケーブル(バナナケーブルと呼ばれる)で接続する。プラグの形状がバナナに似ているためこの名前がある。オーディオのスピーカの端子も通常はバナナケーブルでつなぐ。低周波の計測器ではBNCと並び、よく使うコネクタである。バナナクリップというと主に女性が髪を束ねるバナナ形状のヘアーバンドで、計測器などの機器に使うコネクタではない(クリップも計測器で使用されることがある用語なので勘違いしやすい)。参考記事:技術情報・レポート/コラムの“「接続ケーブル、コネクタ」 その2(低周波編)” https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Basic-Topics-035/

バルボル(ばるぼる)

アナログ(指針型)の電圧計の1種。真空管電圧計(valve voltmeter)の俗称。日本語では電子電圧計。キーサイト・テクノロジーなどのデジタルマルチメータの主要な計測器メーカはすでに生産中止している。参考記事:「デジタルマルチメータの基礎と概要 Part2 (第1回)」様々な電圧測定器の1つとして電子電圧計を解説している。参考用語:ミリバル

パワーアナライザ(ぱわーあならいざ)

(Power Analyzer) デジタルパワーメータの中で、電力の解析機能に優れたモデルのこと。「パワーアナライザは、デジタルオシロスコープの技術を応用したデジタルサンプリングにより、従来のパラメータに加えて、位相角、力率、電力積算値、電流積算値、周波数など、同時に多くのパラメータを応答性よく測定することができる(横河レンタ・リースの「最新計測器の動向、便利な測定機能~パワーアナライザ編~」より)。 主要な計測器メーカの製品を述べる。横河電機(現横河計測)はデジタルパワーメータを形名WT○○というシリーズにしているが、1990年代にPZ4000パワーアナライザというモデルを(WTシリーズ デジタルパワーメータとは別に)発売している(現在は生産中止で最新のWT1500などをデジタルパワーメータではなくパワーアナライザと呼称している)。トルク計測が有名なHBM(現HBK)はGenesis HighSpeed高速高分解能データ収集システム/データレコーダというパワーアナライザがある。トルク測定を含めた自動車の電力解析では優れたモデルである。クランプ式電力計(デジタルパワーメータ)のラインアップが多い日置電機は、近年、センサ直結式(クランプ式ではなく、横河計測が得意な方式)のモデルを増やし、従来の品名はパワーメータだったが、3390パワーアナライザ以降、PW6000、PW8000などのパワーアナライザを発売して横河計測と競合する機種が増えている。英国Newtons4th(N4L)と国内独占販売契約を結んでいる岩崎通信機は、2013年にN4L社のパワーアナライザを国内で販売開始している(ブランド名を「IWATSU-N4L」としている)。 従来のデジタル式電力計である「デジタルパワーメータ」の最近の呼び方(品名)はパワーアナライザが多くなっている。無線通信の基本測定器であるスペクトラムアナライザが、シグナルアナライザという品名が増えている(主流になっている)のと似ている。

パワーセンサ(ぱわーせんさ)

(power sensor) パワーメータと一緒に使用するセンサのこと。汎用計測器:商用周波数などの低周波用、と通信計測器:無線(RFなどの高周波)や光通信用、の2種類がある。 パワーメータは用途によって「デジタルパワーメータ」、「RFパワーメータ」や「光パワーメータ」などの品名があるが、それぞれのパワーセンサは単に「パワーセンサ」という名称のモデルが多い。そのため、何に使うパワーセンサかは単に品名からは判別がつきにくい。 「通過形パワーセンサ」というとRFパワーメータと併用するモデル、「オプティカルヘッド」というと光パワーメータ用のパワーセンサだが、2つとも特殊な表現で、多くのパワーセンサに使われる名称ではない。Birdの通過型電力計で、周波数や電力のレンジを決めるセンサに相当するアクセサリをエレメントと呼んでいる。横河計測のWT5000用の測定モジュール(パワーセンサをつなぐ機器)の品名はエレメントである。パワーセンサはエレメントと呼称されることがある。

パワーマルチメータ(ぱわーまるちめーた)

保護リレー試験器の代表的なメーカであるエヌエフ回路設計ブロックの2721の品名。3相のデジタルパワーメータで、位相測定の機能がある。同等品に近計システムのPHAシリーズデジタル電圧電流位相差計がある。これらは、保護リレーの試験に使われる特殊なデジタルパワーメータであるが、品名からそれを理解することは素人にはむずかしい。品名の「光パルス試験器」と「光ファイバアナライザ」が同じ製品(OTDR)であることが素人にはわからないことと同じように、品名からその測定器の実態を知るのが難しい1例といえる。計測器情報:2721

パワーメータ(ぱわーめーた)

(power meter) 電気機器や電力設備の消費電力を測定する機器。別名、電力計。通常は低周波電力(50Hz/60Hzなどの商用周波数の電力)の測定器を指すことが多い。高周波のときは「RFパワーメータ」や「高周波電力計」、「光パワーメータ」などの呼び方をして、低周波ではないことを示している(無線通信の計測器メーカ、たとえばキーサイト・テクノロジーやアンリツなどは高周波パワーメータしかつくっていないので、わざわざ高周波だとはいわず、単に「パワーメータ」と呼称している。“高周波パワーメータの老舗である”という自負が感じられる命名である)。 低周波のパワーメータの製品名は「デジタルパワーメータ」や「パワーアナライザ」が一般的になっている。パワーメータだと古くからあるアナログの電力計(指示計器)との違いがわかりにくいのでデジタル表示するパワーメータであるという命名といえる。また、単に電力を測定するだけではなく、測定後の演算や解析ができるように機能を進化させているためアナライザという名称も増えている。低周波パワーメータのメーカは国内では横河計測と日置電機が高シェアだが、海外のHBM(現在はB&Kと一緒になり会社名はHBK)やDEWETRON (デユートロン)も高機能でユニークなパワーメータをつくっている。 パワーメータはパワーセンサと組み合わせて使用される。RFパワーメータではパワーセンサだけで単独の計測器になっているモデルもある。光パワーメータのセンサはオプティカルヘッドとも呼ばれる。

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