計測関連用語集

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ピアツーピア(ぴあつーぴあ)

(peer to peer) 端末同士が直接通信すること。peerは「地位や能力が同等の人」。通信ネットワークは交換機やサーバ、ルータ、スイッチングハブなど、端末間の接続を仲介し、制御している機器がたくさんある。基幹システム(コアネットワーク)は、遠距離を通信するので、端末同士が直接会話することは不可能である。そのため、ピアツーピアは近距離無線の規格などで実現するものである。たとえば、Wi-Fiルータを使うレスキューリンクや、工場内のネットワーク(フィールドバス)規格の1つであるEtherCATなどが、ピアツーピアを行っている。 日本語のカタカナ表記は「ピア・ツー・ピア」や「ピア・ツゥー・ピア」もある。略記:P2P。

P2P(ぴあつーぴあ)

(peer to peer) ピアツーピアの略記。端末やデバイスがネットワークの制御機器(ルータやスイッチなど)を経由せず、直接つながって通信すること。ネットワークに接続されたコンピュータ同士がサーバなどを介さずに直接通信する方式もP2Pといわれる。英語のPeer to PeerはPtoPとも略される。日本語では「ピア・ツー・ピア」の表記もある。P2Pではなく、コンピュータ同士がサーバを介して通信する方式は「クライアント/サーバ方式」と呼ばれる。

光伝送 400G/800G(ひかりでんそうよんひゃくじーはっぴゃくじー)

光ファイバ通信は日本全国のコアネットワーク(基幹通信網)にすでに導入され2000年頃にはWDMによって高速通信を実現している。最近は各家庭にWi-Fiが普及し、アクセス網でも光ファイバが完備し、各家庭のそばまで光化された。GAFA(ガーファ)などの大型のデータセンタ間の通信も光ファイバが導入されコアネットワークに匹敵するような最先端の高速通信を導入している(IoTの普及、ビッグデータ解析などが影響している)。2020年代には通信速度は100Gbpsから400Gbpsに更新され、さらに高速の800Gも視野に入った。2024年のInterop(インターネットの展示会)やCOMNEXT(光通信などの次世代通信技術展)のテーマは「400G/800G」だった(共に6月に開催)。400Gや800Gは光伝送の最新規格を象徴することばである。具体的な規格は複数の種類がある。以下に2019年~2024年の動向の例を3つ示す。 ・2x400G FR4は400Gの光伝送規格である400GBASE-FR4を2組用いて、最大伝送距離が2kmの800Gの光伝送規格である。(株式会社マクニカ、2024年3月27日、光トランシーバーモジュールの伝送規格~800G編、より) ・400G光トランシーバの普及につれて、800Gネットワークの導入・移行が積極的に行われている。米国サンディエゴで開催されたOFC2020(光ファイバ通信国際会議)において、800Gネットワークの普及とその将来性が話題の中心となり、400Gの次代を担うという今後の活躍が期待されている。(Qiita、2022年01月19日) ・様々な400G規格がある中でFinisarが先行してリリースを開始するのは、2km以下を伝送する400GBASE-FR8と、10km以下を伝送する400GBASE-LR8となる。(OPTCOM、2019年10月19日、光トランシーバに見るデータセンタ市場の400Gトレンド、より) 400G/800Gの通信を担うのは光トランシーバや光トランスポンダと呼ばれるUSBメモリサイズの光半導体(部品)で、国産ではNECや三菱電機のデバイスが展示会の測定器メーカブースで見かける(2024年のCOMNEXTやKeysight Worldなど)。ただし世界の主流は海外メーカで、SiPhx(サイフィックス、2024年につくばに研究所を設立)とInnoLight Technology(イノライト、中国)が大手。InnoLightの方式はIMDD(Intensity Modulation-Direct Detection、強度変調-直接検波)で、データセンタに導入されている。他方、コヒーレント方式を主につくっているのがNEC、三菱電機、ciena(シエナ)などの光伝送装置(ROADMなど)と光トランスポンダのメーカである(IMDDとコヒーレントの違いは以下のKeysigh World 2023で簡単に触れられている)。 光トランスポンダの名称は、たとえば400G QSPE-DD SR8は、400Gが伝送速度、QSFP-DDがモジュール規格(フォームファクタ)、SR8が光伝送規格である。モジュール規格には400G/800Gに対応するQSFP-DDとOSFP、400GのQSFP112などがある。光伝送規格は400GBASE-SR8、400G-ZR/ZR+、800G-DR8、800G-2x400G FR4などがある。光トランスポンダにはLCコネクタやCSコネクタなどの光ファイバを2本接続できる構造になっている。光伝送の計測器の入出力コネクタには光トランスポンダを差し込むことができるようになっていて、その先に光ファイバが2本つながる。計測器に刺さった光トランスポンダの先は400G/800Gの光通信が行われる。このような光半導体(光トランスポンダ)の普及によって、計測器や伝送装置は、別筐体の光トランシーバではなく、機器の入出力端子に光トランスポンダを差し込むだけで400G/800G通信を実現できるようになった。

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