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- IXIA(いくしあ)
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2000年代にIxia Communications(イクシアコミュニケーションズ)社のIP負荷試験装置はSPIRENT(スパイレント)社のスマートビットと共に、ルータなどのネットワーク機器をつくる通信機器メーカやキャリア(通信事業者)に採用されていた。XGS2などの形名の製品があった。当時、IP負荷試験装置といえば、Smartbits(スマートビット)かIXIAが有名だった。 IXIAはコンセプトから運用まで、ネットワークとセキュリティ製品をサポートするソリューションを提供した。製品のリリース、アプリケーションの導入、運用中の製品の管理など、ネットワークにおけるテスト、可視化、セキュリティに関する幅広いソリューションである。 IXIAは計測器(ネットワークの評価装置)である負荷試験機だけでなく、ネットワーク機器もつくった。2018年にキーサイト・テクノロジーはIXIAを買収した。当初は社内カンパニーの扱いでIXIAの企業ロゴも使われていたが、2022年現在、IXIAという名前やロゴはまったく姿を消して、旧IXIAのネットワーク機器はキーサイト・テクノロジーのネットワーク ソリューションとして同社ホームページに掲載されている。
- Interop(いんたーろっぷ)
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インターネットテクノロジーの国内最大のイベント。ネットワークにつながるモノのInteroperability(相互接続性)を検証する場として、日本では1994年から毎年開催されている。Interoperability(インターオペラビリティ)の略が展示会名 Interopと思われるが(推測)、読み方は「インターオプ/オンターオペ」ではなく「インターロップ」である。幕張メッセで2024年6月5日~7日に開催されたInterop 2024には光伝送の関連メーカ(通信キャリア、光部品、伝送装置、計測器メーカなど)が出展した(会場の約20~30%はデジタルサイネージ)。2025年もほぼ同等の内容だった。 計測器メーカとしては ・Viaviソリューションズ(OTN関連の光伝送の通信計測器、光パワーメータなど) ・メインテクノロジー(VeEXの現場測定器の光測定器、OPMや数値表示の簡易OTDRなど) ・原田産業(EXFOの販売店)。ただしEXFO製品は展示していない。PTP時刻同期の機器をPRしている。平河ユーテックのL2スイッチなどの放送業界がIP化によって必要になった機器をPR。時刻同期の発生器では国産のSEIKO(セイコーソリューションズ株式会社)が有名だが、原田産業は海外の相当品を輸入している。つまり通信ではなく放送の機器展示である。 ・光関連の部品や計測器の商社である(株)ハイテックはEXFOの販売店である。光総合技術室という組織があり、2025年のInteropではEXFOのBER測定器(ビット誤り率測定器)を展示している。BA-4000-L2 Traffic and Bit Analyzerで、DSPを使わない省エネのLPOに対応し、競合であるキーサイトとCoherent社(Wave Analyzer 200A OSA、販売店:マクニカのクラビスカンパニー)にはないオンリーワンをPRしている。 ・東陽テクニカ(Spirentの負荷試験機など) ・キーサイト・テクノロジー(IXIAの負荷試験機など) ・データコントロルズ(製造ライン向けの負荷試験機など)。データコントロルズはメディアコンバータなどの通信機器のメーカだが、生産向けの負荷試験機(30万円~100万円代)もラインアップし、SpirentやIXIAのようなR&D向けの高額・高性能モデルとは違う市場で実績を出している。 ・クオリティネット・ソリューションズ(株)(QualityNet Solutions)は米国のApposite(アポジット)社の負荷試験機を取り扱っている。東陽テクニカやキーサイト・テクノロジーのような高機能・高額ではなく、安価で使い勝手が良いのが特長(データコントロルズとの違いは不明)。 独立行政法人 情報処理通信機構(IPA)のブースでは、通信機器を使ったデモをしているが、2024年の負荷試験機はTestCenter(Spirent)ではなくIXIAが使われていた。2025年は東陽テクニカ取り扱いのSpirentとVeEXのやOTN測定器やプロアナ。 ・Teledyne Lecroyが、大きなブースではないが有線プロアナを並べている。日本法人のテレダイン・ジャパン株のプロトコル・ソリューション・グループが出展。PCI Express、HDMIなどのプロアナで、2025年は新製品として、主にストレージエリアネットワーク(SAN)で使用される高速データ転送方式であるFibre Channel(ファイバチャネル)に対応したモデルを展示している(※)。最先端の高速インタフェースに対応した各種プロアナをラインアップしているので、いまやテレダイン・レクロイはオシロスコープとプロトコルアナライザの2枚看板になったといえる。 ・丸文(株)のアントレプレナー事業本部にはIRIS CANPANY(イーリス カンパニー)という組織があり、通信機器や通信計測器を取り扱っている(EXFOの販売店として「データセンターソリューション」にEXFO製品を展示)。測位タイミング課ではPendium(ペンディアム)社の周波数カウンタを数年前から取り扱っていて。「電力/放送ソリューション」として展示。同社のカタログのタイトルは「丸文ICT」である。ICTはInformation and Communication Technologyの略で、日本語では「情報通信技術」。 ・放送・映像用測定器のトップベンダ、リーダー電子も2025年から出展している。放送インフラのIP化によって、Interop見学者が自社ユーザに増えたことを物語っている。前述のSEIKOもTPT対応グランドマスタークロック(放送IPの基準信号発生器)をメインにブースを構え、Shownetで実演をしている。つまり、放送IPもInteropのキーワードの1つである。 このようにInteropは計測器としては主に光測定器/光伝送測定器、負荷試験機が出展される展示会である。海外の通信計測器がメインでアンリツやラインアイなどの国産計測器メーカは出展していない(2024年/2025年の実績)。EXFOの出展ブースはないが、Shownetで原田産業の関連会社として計測器を提供している。つまり、ViaviとVeEX、EXPOのOTN測定器/光測定器と、Spirent(東陽テクニカ)、IXIA(キーサイト・テクノロジー)の負荷試験機が競う展示会である。アンリツのOTN測定器/光測定器やラインアイのRS-232C系の低速プロアナ(オンラインモニタ)は、少なくとも2024年/2025年には出展していない。 Interopではメディア(プレス)に対してプレゼンテーションや会場ツアーを行っている。プレスルームのテーブル席は(2024年には)20席程度で、部屋は広くはないが、冷蔵庫には各種飲料が並び、ホットコーヒーやお菓子の無料提供がされ、プレスに対するサービスが充実している。最近は大規模な展示会でもプレスルームに無料の飲食物の提供がない場合が多いが、Interopは報道機関を巻き込んだ華やかな大型イベントである。 旧電設工業展のJECA FAIRは毎年5月頃に東京ビッグサイトで開催される大きなイベントで、来場者も多く賑わっているが、プレスルームはなく、会場は撮影禁止である。つまり報道機関に取材してもらうことを拒絶している。そのためほとんどメディアでは取り上げられないが、それでも来場者は多い。2024年は5/29~31に東ホールで開催されたが、同時期に西ホール(4F)で開催のワイヤレス展よりも出展社が多い。 InteropとJECA FAIRはプレス(報道機関)に対するスタンスが180度違っている。 (※) 余談だが、Teledyne LecroyはBlutoothプロアナのFlontline(フロントライン)社を傘下に収め、無線のプロアナはEllisys(エリシス、販売店:ガイロジック)かテレダイン・レクロイの2択だが、Flontlineは日本の販売店は長らくコーンズテクノロジーで、現在も変わっていない。つまりテレダイン・レクロイはプロアナを有線から無線までラインアップしているが、日本法人であるテレダイン・ジャパンが販売するのはInteropに出展しているような有線モデルだけで、無線モデル(Flontline)は販売権が無い。海外メーカはM&Aが盛んだが、日本の販売店は従来通りで変わらないことも多く、このような例は稀ではない。
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