計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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LEDユニット(えるいーでぃゆにっと)

発光素子にLEDを使用している安定化光源。測定器が本体(メインフレーム)と光源ユニットになっている場合は測定器機能はユニット側にある。LED=Light Emitting Diode の略。

LD(えるでぃー)

Laser Diode (レーザーダイオード)の略記 。電流に比例したレーザー光を出す、発光素子。電気を光に変えるE/Oコンバータに使われる電子部品。日本語では「半導体レーザー」。 発光素子のPD(フォトダイオード)と共に、光ファイバ通信システムに使われる基幹部品。 光通信測定器の光源には、LD光源とLED光源がある。 LDは、オーディオ・映像機器のLaserDisc(レーザー・ディスク)の略記でもある。 参考記事:「光スペクトラムアナライザの基礎と概要 (第1回)」 ・・光ファイバ通信システムの構成図がある。 計測器情報(品名にLDが付く製品の例):光測定器、半導体測定器

LD光源(えるでぃーこうげん)

発光素子にLDを使用している安定化光源。LD=Laser Diode の略。

LDユニット(えるでぃーゆにっと)

発光素子にLDを使用している安定化光源。測定器が本体(メインフレーム)と光源ユニットになっている場合は測定器機能はユニット側にある。LD=Laser Diode の略。

O/Eコンバータ(おーいーこんばーた)

光信号(Optical signal)を電気信号(Electrical signal)に変換する機器。別名:O/E変換器。光ファイバ通信システムは電気信号を光信号に変換して光ファイバを伝送する。信号の送信部はO/Eコンバータといえる。計測器としてのO/Eコンバータは、アンリツや安藤電気がつくっていた。光信号をオシロスコープで観測するための光プローブもO/Eコンバータの1種といえる。

O/E変換器(おーいーへんかんき)

(Optical signal / Electrical signal converter) 光信号を電気信号に変換する機器。別名:O/Eコンバータ。光ファイバ通信 システムは電気信号を光信号に変換して光ファイバを伝送する。信号の送信部はO/Eコンバータといえる。逆の変換をするのがE/O変換器である。計測器としてのO/E変換器やE/O変換器は、アンリツや安藤電気がつくった。光信号をオシロスコープで観測するための光プローブもO/E変換器といえる。 1970~1980年代に電電公社(現NTT)が日本の基幹通信網に光通信を導入する際、電電ファミリーのアンリツと安藤電気は多くの光通信用の計測器を開発した。O/EとE/Oもラインアップしたが、通信網が完備された2000年代以降は2社とも従来のO/EやE/Oは生産終了している。 アンリツは光電融合デバイスをネットワークアナライザで評価するソリューション(Opto-Electric Netwerk Analyzer ME7848A)を提案している。MN4775A(110G E/O)とMN4765B(110G O/E)を使い、光信号を電気に変換してME7838AX(VNA)で測定を行う。そのために高速のO/EとE/Oをラインアップしている(2023年11月のマイクロウェーブ展に出展)。 同じ光電融合の評価でもキーサイト・テクノロジーは偏波シンセサイザなどの光測定器で偏波依存性損失(PDL)を測定して評価するので、O/EやE/Oは使わない。このように、電気の測定器で光信号を評価する際に、併用計測器としてO/EやE/Oが使用される。

ONU(おーえぬゆー)

(Optical Nertwork Unit)光回線の終端装置。NTTの光通信サービスであるフレッツ光などに契約すると、家にONUが必要になる。従来の電話電(銅線の加入者線)を使ったアナログ通信ではモデムが使われたので、ONUのことを光モデムと呼称しているケースが散見されるが、それは正しい表現ではないと筆者は考える。一方で「変復調はしているが、デジタルとアナログの変換をする装置がモデム」だから、「ONUは技術的にはモデムである」という主張もある。この説は間違いではないが、大変乱暴な主張と思える。モデムとは変復調装置である。ONUは変復調装置ではない、またモデムは電気で、通常は光ではない(余談だが、一部のメーカの商品に光モデムなるものがあり、定義を混乱させるので私は困ったネーミングだと思っているが、他社の商品名に文句はつけられない)。ONUとモデムについてはネットのQ&Aでも「両者は違う」という見解が多いが、上記のように「ONUはモデムである。違うというのは素人の間違った回答」という自信に満ちた書き込みもある。 2000年頃にFTTHを推進する方式として考案されたPON(Passive Optical Network)で加入者宅(契約をしているユーザ)側の装置としてOMUということばが使われるようになった。

OFC(おーえふしー)

(Optical Fiber Communication Conference & Exhibition)世界的な光通信の会議&展示会。毎年、3月下旬に米国カリフォルニア州(サンフランシスコやサンディエゴなど)で開催される。OFCの公式サイトには「光通信およびネットワーキングの専門家向けの最大のグローバル会議および展示会。テレコムおよびデータセンターオプティクスのプレミアイベント」とある。世界中の通信機器メーカが最新の商品を出展する。2021年には光伝送装置の最新のモデルであるOpen ROADMが出展されている。

OLTS(おーえるてぃーえす)

(Optical Loss Test Sets)光ロステストセット、光ロステスタのこと。光源と光パワーメータが一体となり、光ファイバの損失測定が1台で可能な光通信測定器。国内光通信測定器メーカの安藤電気(現横河計測)、アンリツは以前は「光ロステスタ」や「光ロステストセット」を品名にしていたが、現在の現役モデルは2社ともOLTSという表記がされている。つまりOLTSは光計測器業界の最近の流行りの表現といえる。ただし、同様に光ファイバの工事で使うOTDRほど認知された用語とは思えない。通信・IT用語のOLT(Optical Line Terminal、光回線終端装置 )のほうが知名度が高く、グーグル検索ではこちらのほうが上位に表示されている(2021年9月現在)。

OCC(おーしーしー)

(Ocean Cable&Communications) 株式会社OCC。日本唯一の海底通信ケーブル専業メーカ。ケーブルの製造から敷設までを行う。OCCと呼称される。株主:日本電気株式会社、住友電気工業株式会社。日本の大手電線3社(住友電工、古河電工、フジクラ)が設立したが、2000年以降にNECが資本参加し、子会社にした。光海底ケーブル敷設の世界3社のうちの1社はNECだが、それはOCCが子会社だからである。光海底ケーブルの敷設には多くの光通信測定器が使われる。 2000年初頭の光海底ケーブルバブル以降、新設は減少していたが、2010年代後半から増え始めている。インターネットの普及・拡大で、通信される情報量は増大し(ビッグデータ)、データセンターが増設された。携帯電話やSNS、ネット通販などが増加し、GAFA(ガーファ、Google、Apple、Facebook、Amazon)が台頭した。世界第2位の経済大国になった中国やGAFAは(既存のキャリアを抜きに、国なども無関係に)自前で光海底ケーブルを敷設して、世界中の情報通信を手中にしようとしている、といわれている。OCCは海外資本に買収されるような、価値のある企業である。

OCCR(おーしーしーあーる)

(Optical Component Coherence Reflectometer)光コネクタなどの光部品の断線を検出する試験器。原理はTDRなので、光ファイバのは断点検出をするOTDRが数km先を測定するのに対して、mm単位という近端の測定を行う測定器。株式会社オプトゲートの製品はTD-OCT(Time Domain Optical Coherence Tomography)の光干渉技術を応用して、測定レンジ:20mm、最短測定時間:2.2秒。反射レベル:-85dBを実現している。HP(現キーサイト・テクノロジー)も光部品用測定器に力を入れていて、モデル8504Aプレシジョン・リフレクトメータ(精密反射計)のカタログには「75dBのダイナミックレンジと25ミクロンの2イベント分解能で、測定スパンは40cmから1mmまで変化し、1300または1550nmのシングルモードファイバで測定される」とあるが、すでに生産中止である。TDRやOTDRは認知された用語だが、OCCRはオプトゲート社の製品名称(いわゆる方言で、まだ共通の用語ではない)ともいえる。

OTN(おーてぃーえぬ)

(Optical Transport Network)日本語では「光伝達網」。国際標準化機関ITU-Tで規定される通信規格。長距離(国内/国際:数百~数千km)にわたって大容量の情報を伝達する光伝送装置で運用されている。 従来は世界中の通信規格は地域(国)別のPDH(Plesiochronous Digital Hierarchy、非同期多重化階梯)だったが、技術革新で光増幅器などが生まれて1990年代にSDH(Synchronous Digital Hierarchy、同期多重化階梯)が導入された。日本でも新同期網と呼ばれ、SDH/SONETアナライザなどの測定器が活躍した。2000年以降になるとWDMの技術を使い、SDH/SONETやイーサネットなどはOTNに収容されて、高信頼な広域転送を実現した。OTNは「現在のコアネットワークを構築している技術」、とも説明できる。 通信計測器の雄、アンリツには2000年頃にMP1570A SONET/SDH/PDH/ATMアナライザがあったが、2022年の同社HPには「OTN/SDH/SONET関連測定器」のタイトルページに MT1040A ネットワークマスタ プロなどが掲載されている。2000年頃の通信の規格はPDHやATMなどがまだ残っていたが、2022年にはPDHやATMという表記は無くなり、HPのタイトルにはOTNが真っ先に記述されている。通信の規格は10年単位で様変わりしていることがわかる。なので、通信の規格に対応した測定器は寿命が短い専用器であり、基本測定器(汎用器)とは別のものである。

OTDR(おーてぃーでぃーあーる)

(Optical Time Domain Reflectometer) 光通信測定器の1つ。光ファイバの破断点(何km先が不具合か)を検出する。光ファイバケーブルの敷設、保守には必須で使われるハンドヘルド(可搬型)の測定器。光パルスを入射して、光ファイバの各位置から反射するわずかな光が入射口に戻る時間とパワーから、距離に対するロス(パワー)のグラフを画面に表示する。つまり測定原理はTDRである。OTDRを翻訳すると「光・時間領域・反射計」である。TDRは電気の測定器なので、「光通信のTDR」という説明もできる。使用される光通信の波長(850nmや1,310nmなど)によって光源がユニット化され、本体(メインフレーム)と組合せるモデルが多い。 測定原理から「光パルス試験器」とも呼ばれる。横河計測(旧安藤電気)の品名は「光ファイバアナライザ」、アンリツの品名は光パルス試験器だが、両者はまったく同じ測定器(品名からは同じOTDRであることを想像するのが困難。計測器の名称はメーカが自由につけるという格好の例である。)。現在の横河計測の現役モデルは「OTDR(光パルス試験器)」、「マルチフィールドテスタ」などの名称で、光ファイバアナライザという品名のモデルは無くなった。 日本では電電公社(現NTT)が1970年代から光ファイバを基幹通信網に導入を始め、アンリツと安藤電気の2社(電電ファミリー)にOTDRをつくらせた。そのため、国内のOTDRは2社が強く、EXFOなどの海外メーカはシェアが低い。光ファイバの敷設や保守では、「光ロステスタ(OLTS)」や「光ファイバ心線対照器(IDテスタ)」も使われる。 本稿ではOTDRは計測器の名称として説明したが、Optical Time Domain Reflectometry(光のTDR測定手法)の略記という解説もできる。

OPM(おーぴーえむ)

(Optical Power Meter) 光測定器の1つ、光パワーメータのこと。光通信の測定器と分かっている範疇ではOPMと略記されることが多い。日本の光通信網は1970年代から日本電信電話公社(現NTT)によって基幹ネットワークに導入されていった。そのときの光通信用測定器は電電ファミリーであるアンリツと安藤電気(現横河計測)が担った。光パワーメータ、各種光源(安定化光源、可変光源)、O/E変換器・光ATT・光切替器、光スペクトラムアナライザ、光波長計という光通信の基本測定器だけでなく、光ファイバの研究開発~敷設工事用の偏波測定器、波長分散測定器、OTDR、ロステスタ、心線対象器など、ほとんどを製品化した。2000年頃までは海外計測器メーカではHP(現キーサイト・テクノロジー)が最も品揃えの多いNo1光測定器メーカであった(現在も8163シリーズのOPMを販売)。 基幹網(コアネットワーク)に光の敷設が終わると、アクセス回りや家電製品などのインタフェースに光は拡大した、そのため、可搬型の現場測定器の計測器メーカも現在はOPMに参入している(たとえば三和電気計器や日置電機など)。また計測器メーカとしては名の知れないメーカのOPMもAmazonなどの通販サイトに数多く掲載されている。現在の電気(銅線、カッパーケーブル)による有線通信網がすべて光に置き換わったときには、電気工事会社の作業員はハンディOPMを電気のテスタやメガーのように使って工事・保守をすることになる。そのときにはOPMはさらに低価格になっていると推測されるが、光部品の低価格化が停滞しているため、そのような光景がいつ実現するかは不透明である。ともあれOPMは光通信測定器のもっとも基本の製品である。

Open APN(おーぷんえーぴーえぬ)

APN(All Photonics Network)は従来の電子技術(エレクトロニクス)ではなく光技術(フォトニクス )を使い、通信網のすべてを光化(フォトニクスに)するというNTTの構想(IOWN )。Open APNは既存の光伝送装置であるROADM (Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)を機能分離し、その一部をユーザ拠点の近くまで伸ばすという新しい提案で、2022年1月に「IOWN Global Forum」が発表した(機能が分離してマルチベンダーになると仕様がオープンになる必要がある)。これは2015年設立の団体Open ROADM MSMの方向とも一致していて、2022年はIOWN構想の進展する年となった。 通常APNというと「Access Point Name」(アクセスポイント名)の略。「アクセスポイント」とはスマホをインターネットに接続するための「中継地点」のこと。今後ROADMの機能分離やIOWNの進展が進むとAPNはフォトニクスネットワークの略記としてWeb検索上で地位を得るかもしれない。

オプティカルヘッド(おぷてぃかるへっど)

有線通信測定器の1カテゴリーである光測定器(光通信測定器)で、光パワーメータのセンサのこと。キーサイト・テクノロジーの光パワーメタ用センサの品名。8153、8163光パワーメータなどに使う815xx、816xxなどのモデルがある。国産メーカの安藤電気(現横河計測)やアンリツは光パワーセンサ、センサモジュールなどが品名。最近の横河計測のモデルにはAQ2200-232 光センサヘッド 、というように「ヘッド」の品名もあるが、普通はセンサと呼んでいる。キーサイトは昔からオプティカルヘッドといっていた。2000年当時、光通信は全世界の基幹通信網として整備・拡充され、光測定器の需要は倍増していた。キーサイト・テクノロジーは北米とドイツに光測定器の事業部(工場)があり、ほとんどの光測定器の機種群をラインアップする世界No.1メーカだった。No.2として安藤電気がキーサイトを追い上げていた。ところが2001年の光通信バブルによって両社は大打撃を受け、安藤電気は横河電機(現横河計測)に身売りし、キーサイトはほとんどの光測定器を製造中止にした(工場を売却した)。現在のキーサイトは光パワーメータと光源などがラインアップに残っているが、当時のような主力製品群という位置づけではない。光スペアナやOTDRはやめたが、パワーメータと光源はオプティカルヘッドなどのモジュールオプションを共有して、測定システムを構築できること、共に光の基本測定器であることから残したと思われる。横河に吸収された安藤電気は多くの通信測定器から撤退したが、光測定器だけは守り通し、AQ6370などの光スペアナは世界No.1モデルである。

カップラ(かっぷら)

(coupler) マイクロ波で、信号と信号を結合させる機器。日本語では方向性結合器だが、マイクロ波の機器(部品)としては「カップラ」や「カプラ」という表現がされ、カップラはすでに日本語といえる。 キーサイト・テクノロジー、アンリツなどがつくっている。 高周波の通信の1種である光通信で、信号を結合させる機器を光カプラやフォトカプラ と呼称する。

コアネットワーク(こあねっとわーく)

(core network) 通信回線の中で、基幹通信網のことを指す。通信網の中枢で大容量の回線の部分のこと。背骨の意味でbackbone(バックボーン)とも呼ばれる。コアネットワークは光ファイバや光伝送装置によって運用されている。通信容量(トラフィック)を増加させるときにコアネットワークの仕様が話題になる。コアネットワークの先につながる各ユーザに近い回線網をアクセス網や、足回りと呼ぶ。アクセス網を光ファイバにして高速にしたのがPON(Passive Optical Network、ポンと呼称)である。 この用語は、2010年以降に使われるようになったと記憶している。それ以前は基幹通信網とか、基幹回線などの表現がされていた。通信網の一番最速で通信容量が大きい箇所(通信網の最大速度など、仕様を決定している回線)のことである。2000年以降にWDMなどの光伝送技術が導入されて、現在のコアネットワークは光ファイバと光伝送装置によるOTNになっている。

光源(こうげん)

(light source) 光を発生するもの。光通信測定器としては安定化光源と波長可変光源がある。光・色の測定器では白色光源、ハロゲンランプなどがある。 光通信測定器と光・色の測定器を合わせて光測定器と呼称する。ただし光通信測定器メーカは自社製品を「光測定器」と呼んでいることが多い。そのため当サイトのカテゴリーでは光通信測定器を光測定器と表記している。 参考記事:光スペクトラムアナライザの基礎と概要 (第3回)・・光通信用の光源を中心に一覧にしている(図39)。

光電子増倍管(こうでんしぞうばいかん)

(photomultiplier tube)光電効果を利用した高感度な光センサ。微小な光を光電効果によって増幅して、電気に変換する光検出器。陰極が光電面である真空管。日本では浜松ホトニクスが有名で、1959年の開発以来、主力製品として作り続けている。