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- LiDAR(らいだ)
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(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging) 日本語に翻訳すると「光検出と測距」、または「レーザー画像検出と測距」、「光による検知と測離」と解説されている。光を使ったリモートセンシング技術の一つ。近赤外光や可視光、紫外線を使って対象物に光を照射し、その反射光を光センサでとらえ距離を測定する。自動運転での導入が有望で、実用化が進んでいる。 日本メーカの製品開発の一例(2023年現在)。 京セラ(LiDARと画像センサを一体化)、小糸製作所(ヘッドランプ内蔵型の小型LiDAR)、コニカミノルタ(光学技術をLiDAR開発に応用)、東芝(高解像度の長距離測定技術を開発)、デンソー(トヨタの車種にLiDARを供給) また、京都大学ではLiDARに使えるフォトニック結晶レーザー(PCSEL)を研究し、ほぼ実用化(量産化)に目途がついた(以下のテクトロニクス・フォーラムが詳しい)
- ラリアント(らりあんと)
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(Ralliant Corporation) フォーティブ(Fortive)の精密技術部門が、2025年6月30日に独立(スピンオフ)した企業体の名称。 オシロスコープの世界的ベンダであるテクトロニクスはラリアントに含まれる。 フォーティブ傘下の計測器メーカであるテクトロニクスとフルークはラリアント設立によって親会社が別になった。計測器はprecision(プレシジョン、「精密」、「精度」)と呼称されることが多い。フォーティブ経営陣は「テクトロニクスはプレシジョン(精密機器)」で、「フルークはオペレーティング(運用、操作)」とした。つまりフルークの現場測定器(マルチメータやクランプなど)は工場やビルなどの電気設備の運用(保守・点検)のための機材(パーツ)と認識されたので、フルークはラリアントではなく新生フォーティブに留まることになった。フォーティブ経営陣にとってフルーク製品は計測器ではなく「運用のための機器(重要なパーツ、ハードウェア)」である。 日本ではテクトロニクスとフルークは1つの持ち株会社の下の組織(社内カンパニー)になっている。会社名は株式会社テクトロニクス&フルークである。株式会社テクトロニクス&フルーク フルーク社にはフルーク、フルーク・キャリブレーション、フルーク・ネットワークスなどの4社の日本組織(営業部)があるが、2025年4月1日から「フルーク・ジャパン」に社名変更し、4社は各営業部門となった(株式会社テクトロニクス&フルークではなくなった)。米国のフルーク本社はフォーティブのインテリジェント・オペレーティング・ソリューションに所属している。TechEyesOnlineの記事「ハンドヘルド・デジタル・マルチメータの基礎と概要 (第3回)」(2025年12月公開)の巻末で、フルーク・ジャパン社長が今後の戦略について語っている。 ラリアント傘下のテクトロニクスはパワーエレクトロニクスに注力すると発表している(米国 ラリアントのプレスリリース)。TechEyesOnlineの【イベントレポート】テクトロニクス イノベーション カンファレンス(TIC) 2025(2025年8月公開)ではパワエレ関連製品が紹介されている。また、同社は2025年9月に新しい広帯域オシロスコープ 7シリーズDPOを発表し、従来のソリューション(高速デジタルなど)も強化している。 ラリアントはテクトロニクスを中心とした「プレシジョン(計測器)の会社」と説明されているが、実態や戦略はまだ不透明である(筆者の感想)。2024年にフォーティブ傘下になった直流電源のEAエレクトロニクス社(EA-Elektro-Automatik)はテクトロニクスのファミリー企業で、主力製品に回生電源があるので「テクトロはパワエレのラインアップが充実した」といわれている(回生電源はインバータやバッテリなどの評価に使われる)。ただし回生電源は競合が多くレッドオーシャンである。以前からDC電源をラインアップするキーサイト・テクノロジーでも回生電源の販売には苦戦している。パワー半導体の評価に使う光絶縁プローブはテクトロニクスの顔であるオシロスコープとの相乗効果があるが、回生電源はそうではない。ラリアントになったテクトロニクスはフォーティブの縛りから放たれ、発展が期待される。 ダナハーはフルーク買収後に、2007年にテクトロニクスを、2010年にケースレー・インスツルメンツを傘下に収めた。Keithley(ケースレー)はブランドとしては残っているが会社はなくなりテクトロニクスに吸収された。2016年にこれら3社を含む産業計測機器部門は分離されフォーティブができた。テクトロニクスとフルークは製品群がほとんど重複しないので「株式会社テクトロニクス&フルーク」は広いラインアップのある強力な計測器メーカになった。これは第2のキーサイトのような総合電気計測器メーカを彷彿させた(筆者の感想)。日本ではテクトロニクスの本社(品川インターシティ)の同じフロア(6階)にフルークは転居し、総務部門などのスタッフ系インフラは2社で共有された(着々と確実な統合が進んだ)。ただし、2社の新製品開発や販売戦略は融合することはなかった。フルークの現場測定器(ハンドヘルドのデジタルマルチメータなど)とテクトロニクスのオシロスコープや高周波の製品は顧客や販売方法が違うので、融合する素地はなかったらしい。テクトロニクスの技術マネージャが「フルークの校正機器はテクトロと合体してほしかった」とこぼしたのを筆者は耳にした(2025年5月)。つまり現場測定器はいらないが、高額な標準器はほしい。その心は「キーサイト・テクノロジーの高周波製品と競いたいから」と筆者は推測する。 フォーティブには従来、3つの戦略的セグメント「インテリジェント・オペレーティング・ソリューション」「精密技術」「先進ヘルスケア・ソリューション」があった。2024年9月に精密技術部門を分離・独立し、新会社「ラリアント」の設立を発表。2025年6月末に分離が完了し、ニューヨーク証券取引所でシンボル「RAL」で取引を開始。 ラリアントは、試験・測定機器、センサ、安全システムなどの精密技術製品を事業とする。他方の新生フォーティブは、インテリジェント・オペレーティング・ソリューションと先進ヘルスケア・ソリューションの2つのセグメントに注力する。フルークはオペレーティング・ソリューションを受注する際の重要な部材(現場測定器というハードウェア)に位置付けられている。 ただし筆者には疑問がある。フルークには現場測定器ではない研究開発向けのモデルもある。フルーク・ネットワークスの製品群はケーブルテスタのような現場作業用途が多く、研究開発用のモデルが少ないと筆者は感じるが、校正室で使われるフルーク・キャリブレーションの標準器は世界トップブランドである。校正室や実験室で使われるフルーク製品を、フォーティブ経営陣はどう認識しているのだろうか。「良くわからない製品群」と思っているならば、テクトロニクスのビデオ事業部を「コア事業ではない(良くわからない)」と、いとも簡単に売却したように、フルーク・キャリブレーションも売られてしまうかもしれない。そんなことはない、運用のための重要パーツであるDMMを管理するための機材(校正用の標準器)も重要である、ということかもしれない。
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