計測関連用語集

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モノクロメータ(ものくろめーた)

(monochromator) 単色光を得る分光機構のこと。白色光などの多くの波長を含んだ光をプリズムや回折格子で分散させ、任意の波長成分のみを分離する(単色光にする)分光器。別名、単色計、単色光器。回析格子で分離した光はフォーカスミラー(またはフォーカスレンズ)の焦点に出射スリットとフォトダイオードを配置して、特定の波長の光パワーを検出する。単色光に対する物体の反射、透過、散乱、化学反応などを調べる分光測定装置の主要部分として広く採用されている。波長帯域などの測定条件に応じて、光学部品の種類や配置方式が異なる。 構造として、入射スリットと回折格子の間は離れていて(焦点距離がある)、焦点距離10cmで波長分解能1.0nm(ナノメートル)、1mで0.01nmなどの商品がモノクロメータの名称で販売されている。ダブルモノクロメータという品名の商品もある。通常はシングルモノクロメータのことをモノクロメータと呼んでいることが多い。 モノクロメータの原理を応用して、同時に複数のスペクトルの測定を可能にした物をポリクロメータという。モノクロメータは特定の波長の光のみをスリットで取り出すが、ポリクロメータは複数の波長を取り出す。ポリクロメータは一定の波長幅を測定できるので、スペクトロメータ(※)と呼ばれることもある。分散分光方式で光スペクトルを測定する装置(光スペクトラムアナライザなど)は回析格子を使ったモノクロメータ(かポリクロメータ)を使っている(以下の参考記事が詳しい)。 モノクロとはカラーと違って「白と黒だけで表現されている」ことを指す。つまり1色という意味(1色は1波長と同じ意味で使われている)。mono(モノ)は単一性、poly(ポリ)は多様性を表す(ポリエチレンやポリリズムは複数の要素を含む)。 透過電子顕微鏡で電子ビームを単色化させる装置もモノクロメータと呼ばれる。科学分析機器のトップベンダ、島津製作所は分光関連の多くの機器をラインアップしていて、「紫外可視の分光光度計におけるシングルモノクロメータ方式とダブルモノクロメータ方式」について、自社製品を例に解説している(2024年5月)。 (※)(spectrometer) 「スペクトルの計測器(メータ)」ということだが、一般には日本語でスペクトロメータ(またはスペクトルメータ)とはX線などの放射線のエネルギー測定器などの科学分析機器を指している。spectrometerを和訳すると「分光器」だが、日本語のスペクトロメータは分光器ではない。スペクトル(spectrum)は広範な意味や用法があり、簡単には説明できないやっかいなことばで、英語と日本語で意味が同じではない。 同様に英語と日本語(英語のカタカナ表記)が違う意味になる代表例がマイクロスコープである。英語のmicroscopeは顕微鏡(実体顕微鏡などの光学顕微鏡を含む)を指すが、日本語のマイクロスコープは映像素子で画像をモニタに映しだす「特殊なデジタル顕微鏡」である。日本語のマイクロスコープはmicroscope(顕微鏡)とは別のカテゴリー(機種分類)になっている。マイクロスコープはレーザー顕微鏡と仕様(分解能)や用途が似ているが、要素技術が同じではない。

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