計測関連用語集

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JDSファイテル(じぇーでぃーえすふぁいてる)

(JDS Fitel)1980年代から1999年まであった、光ファイバなどの光測定器メーカ。事業の主力は光ファイバ関連の装置や部品だが、光ファイバの評価用測定器をラインアップしていたので、他社にはないユニークな光通信測定器のメーカだった。 1981年に光関連製品のメーカ、JDS Opticsがカナダで設立される(JDSは設立者4人の姓の頭文字)。後に光ファイバや光コネクタの会社Fitel(ファイテル)と提携し、JDS Fitel(JDSファイテル)に社名変更。1999年Uniphase(ユニフェーズ)と合弁しJDS Uniphase(JDSユニフェーズ、略記:JDSU)に社名変更。2005年に通信計測器のActerna(アクテルナ)を買収(Acternaはワンデル・ゴルターマンやウエーブテックという老舗計測器メーカの後継会社)。2015年、JDSUはViaviSolutionsとLumentumHoldingsIncに分かれる。JDSUのNetwork Enablement(NE)、Optical Security and Performance Products(OSP)事業などは、Viavi Solutions Incとなる。つまりJDSUは光部品やレーザー機器を計測器と分割し、計測器はViavi(ヴィアヴィ)ブランドになった。日本法人はViaviソリューションズ株式会社である(2022年現在)。 1990年代にはJDSファイテルというと、光通信測定器でもOPM(光パワーメータ)のような基本測定器ではなく、波長分散のような光ファイバの特性測定の高額な専門計測器が有名だった。日本の販売会社にはキーサイト・テクノロジー(当時は日本HPやアジレント・テクノロジー)から転職した人もいた。JDSユニフェーズという会社名になってからは、ウエーブテック、ワンデル・ゴルターマン、アクテルナなどの通信計測器メーカが合流し、日本では実態が良くわからない状態になった。 無線通信を開発したイタリアのMarconi(マルコーニ)を会社名にする無線通信器メーカ、マルコーニ・インスツルメンツ社は、社名がAeroflex(エアロフレックス)、IFRシステムズ、Cobham(コバム)と変遷し、現在はViavi Solutions LLC社になっている。以前から日本では菊水電子工業が代理店で、エアロフレックスブランドの無線機テスタなどを販売していた。現在のViaviソリューションズ株式会社はこれらの製品群をAvionics(アビオニクス)関連製品と呼び、菊水電子工業を継続して代理店としている。 ViaviのCST製品(PCI Expressなどのプロトコルアナライザ)は伯東が販売店をしている。このようにViaviは欧米の通信計測器の合体継承ブランドだが、日本では直販をしないため、ユーザには実態が良くわからない。商流について補足すると、たとえばテレダイン・レクロイのプロトコルアナライザ(プロアナ)も、日本法人(テレダイン・ジャパン)が販売していない機種群がある。特にプロアナは、メーカの日本法人とは別の会社が販売権を持っている例があり大変わかりにくい。通信計測器の中でもプロアナ、バスアナライザなどはM&Aによって所有会社が良く変わるが、メーカ名が変わっても商流(その地域の販売会社)は変わらないためである。 計測器情報:Viavi製品の例

受信機(じゅしんき)

(receiver)信号を受信する機器のこと。部品から装置まで多様。アンテナは受信機と送信機の両方に使われる。別名:レシーバ

ShowNet(しょーねっと)

通信ネットワークの展示会、Interop(インターロップ)で構築される大きなインターネット環境。出展者の製品2600台以上が接続され、出展者はShowNet上で実際的なデモなどを行う、実稼働ネットワーク。

シングルモード(しんぐるもーど)

光ファイバ の種類の1つ。基幹網で長距離伝送に使われる。光ファイバは伝播するモードの数によってシングルモードとマルチモードの2つがある。

シリコンフォトニクス(しりこんふぉとにくす)

(silicon photonics) 現在の半導体はシリコン(Si)を主な材料としている。シリコンのマイクロチップ上に光と電子の集積回路をつくる技術をシリコンフォトニクスと呼ぶ。2000年代から大手企業のR&D部門などで研究開発が進められてきた。最近ではデータセンターの通信量の増大(IoTの進展やビッグデータ)など、高速・高効率なデータ送受信への需要が高まり、シリコンフォトニクスが注目されている。2019年のNTTのIOWN(アイオン)構想もシリコンフォトニクスの進展を大前提にしている。2023年はいよいよ実用化フェーズに入ろうとしている(以下の参考記事「 Keysight World 」が詳しい)。 シリコンフォトニクスとは、シリコン基板上に、光導波路(optical waveguide)、光スイッチ、光変調器、受光器などの素子を集積する技術を指す。光集積回路や光半導体とも呼ばれる。シリコンCMOS集積回路の製造インフラを活用し、比較的安価に製造できるといわれている。従来のデバイスの小型化、低消費電力化により環境負荷の削減が期待される。端末からコアネットワーク(基幹通信網)まですべてが(電気を使わず)光だけで伝送するオールフォトニクスネットワークが実現すると、遅延がない超高速通信を超低電力で行える。従来の微細化技術による性能向上(ムーアの法則)が限界を迎えつつあるので、インテルやIBMなどの米国の大手企業を先頭にシリコンフォトニクスが研究されている。 全世界のシリコンフォトニクス関連の特許出願数は、インテルを筆頭に米国企業がトップ20社の大半を占め、アジアではNTT、Huawai(中国、ファーウェイ)、富士通などがランクイン(日経エレクトロニクス 2024年4月号)。日本では、AIST(産総研)のプラットフォームフォトニクス研究センターに「シリコンフォトニクス研究チーム」などがあるが(2024年4月現在の組織図より)、本来、材料に強い国産メーカの活動はまだ見えてこない。先頭を走るインテルに材料を提供する日本メーカがあるかは不明である。 2017年12月に開催された、半導体デバイス技術に関する国際会議「IEDM(IEEE International Electron Devices Meeting)」では、Silicon Photonics for Next-Generation Optical Interconnects(次世代の光インターコネクト・光接続に向けたシリコンフォトニクス)を、ベルギーの研究開発機関imec(※)が講演した。imecはシリコンフォトニクスの要素技術を研究している最先端機関で、「シリコン光導波路」と、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)で使われる「シリコン光波長フィルタ」について発表した。シリコン表面に光信号の伝送路である光導波路を、直線ではなく曲線でつくった。光信号を数μm(マイクロメートル)の半径で曲げるシリコン光導波路が紹介された。WDMは波長のわずかに異なる複数の光信号を1本の光ファイバに通して伝送する技術である。各波長の信号を取り出すのがシリコン光波長フィルタで、構造は共振器の両側(入射側と出射側)に光導波路があり、それぞれは近接しているが接触していない。8波長の光信号を入射光側の光導波路に入力すると8個の共振器の出射光導波路から、それぞれの共振波長に対応した光が出力される。 インテルは2020年12月の「Intel Labs Day 2020」で、従来のコンポーネントサイズから1000分の1にまで小型化した変調器を、シリコンフォトニクスの成果として発表した。NTTはシリコンフォトニクスを用いた光送受信モジュールの開発に成功したことを2020年に発表している。 (※) (Interuniversity Microelectronics Centre) ベルギーのルーベン市に1982年創設の国際研究機関。リソグラフィ技術や次世代エレクトロニクス技術を研究している。半導体研究開発機関としても世界最大で、「半導体製造装置の研究所」とも呼ばれる。回路幅(プロセスサイズ)3~5nm(ナノメータ)の最先端の露光装置であるEUVを研究し、オランダのASMLを技術支援して商品を完成させたといわれる。2022年に設立された国産の先端半導体デバイスメーカのRapidus(ラピダス)は、2023年3月に「imecとEUV露光技術の開発で連携」する契約を締結している。 計測器情報:シリコンフォトニクスで使われる偏波測定器(光測定器)の例

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