計測関連用語集

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ラインモニタ(らいんもにた)

(line monitor) オンラインモニタの略称。以前はLINEEYE(ラインアイ)社のプロトコルアナライザ(プロアナ)の品名だったので、「ラインモニタといえばラインアイ」だったが、現在は「プロトコルアナライザ―」を品名にしていて、ラインモニタという表現は製品説明などにされている。 プロアナは、モデムやアナログ公衆回線(アナログの電話網)が遠方への主力の通信手段だった時代から、コンピュータの発達や銀行などのオンラインシステムの普及によって、通信計測器 の1カテゴリーとして多彩なメーカと製品群を形成した。1980年代には、国産では安藤電気、海外メーカではキーサイト・テクノロジーがRS-232Cプロアナの2大メーカであった。現在は、より高速の無線LANやバス通信が主力となり、プロアナは最先端の高速通信規格に対応するバスアナライザ や無線LANアナライザと、従来の低速なRS-232Cなどのオンラインモニタに2極化した。プロアナより「バスアナライザ(バスアナ)」と「ラインモニタ(オンラインモニタ)」の品名が目立つ。 PCのインタフェースは1990年代はRS-232Cだったが、現在は(USBが標準になり)使われていない。ただしプラントなどの工業分野や、鉄道などのインフラではRS-232やRS-449などの低速通信は今でも主流である。そのような分野向けに製品群を提供しているラインアイ社が低速プロアナメーカとして有名。ラインアイは住宅大手の積水化学工業の電子機器開発部門を祖に2000年に設立した。プロアナには後発で参入したが、大手計測器メーカがすべて撤退し、今では「ラインアイ」は低速用プロアナの代名詞である。ラインアイ社の競合はビッツ社のみえちゃん(※)やキャロットシステムズ社のキャロちゃんで、3社とも従来の計測器メーカではない。つまり、プロトコルアナライザは往年の計測器メーカではなくIT機器ベンチャー企業がつくる機種群になった(低速に限らず、ギガビットLANなどの高速通信も同様)。 日置電機などの電力測定器メーカは、電源ラインの品質を評価する「電源ラインアナライザ、PQA」をつくっている。パワーラインモニタなどの呼称がある。そのため、「ラインモニタ」を検索すると電源ラインのモニタ機器(計測器)もでてくる。ただしこちらは「電源ラインモニタ」であり、ラインモニタというと一般にはプロアナを指している。 (※)ビッツ社のみえちゃんはハンドヘルドのラインモニタの草分けだったが、2010年代に すべて販売中止になり、保守も終了した。同社は現在はプロアナはラインアップしていない。

ラップトップ型計測器(らっぷとっぷがたけいそくき)

ラップトップ(laptop)「膝の上」という意味。1990年代のPCはデスクトップ (卓上)からハンドキャリーできる小型化が進み、板状のノートPCと、その中間のサイズでポータブル型のラップトップが発売された。ラップトップPCはノートPCほど小型ではないが、可搬できるサイズと重量で、使いたい場所に持ち運んで利用できた。欧米で使われている可搬型のタイプライターに外観は似ている(PCなので重量はタイプライターより重い)。手前のカバーを開けるとキーボードがあり、開閉した蓋の裏側は表示器(ディスプレイ/モニタ)になる。 1990年代の計測器でプロトコルアナライザ(プロアナ)などのデジタル系のものは、ラップトップPCに似た形状のモデルがあった。国内プロアナのトップベンダーだった安藤電気がAE-5105の次に開発した可搬型のAE-5106は構造がラップトップPCに似ている(余談だが、さらに小型のハンドヘルド型のAE-5108は、まるでビッツやラインアイのような形状だったが、競合に勝てずに短い販売期間で生産中止になったと記憶している)。当時、オシロスコープの老舗計測器メーカである日立電子も、ラップトップPCに似た構造の小型・可搬型のオシロスコープを発表していた(VC-5430は小型のB5サイズだが、構造はラップトップ。2ch、30MS/s、50MHz)。 当時普及しはじめたLANを評価するプロアナの代表であるsniffer(スニファー)などは(プロアナが屋外の現場で使うという特性から)可搬型のラップトップPCを流用して、ハードウェアはPCで、内部にプロアナをソフトウェアとして内蔵させ、外観はラップトップPCで、プロアナのモデル名を印字した機種があった。最先端技術の製品である小型化された可搬型PCを使って、最先端の計測器であるLANプロトコルアナライザを実現した例である。 HP(現キーサイト・テクノロジー)の1990年代のプロアナの代表であるネットワークアドバイザは、当時の通信規格であるLANやWANに広く対応した、可搬型の箱型の筐体だった。取っ手が付いた箱を使いたい場所に置き、蓋を開けると、キーボード(入力をする操作部)と表示部(モニタ)が現れるので、構造的にはラップトップPCに似ている。2023年現在、すでに生産中止だが、同社には「J7332A 無線LANアナライザ・ラップトップ」という名称のプロアナがあった。 「ラップトップ型キーボードを採用し、小型軽量でありながら優れた操作性を発揮」というキャッチフレーズのプロアナが現役モデルで販売されている(2023年1月現在)ので、ラップトップ型計測器は、数は減ったがいまだに健在である。

LAN(らん)

(Local Area Network) 広域通信網(WAN)とは違い、限られた範囲の閉じたネットワークのため、日本語では「構内通信網」や「ローカルネットワーク」と呼ばれたが、現在ではLANが日本語になっている。1990年代に、より対線(ツイストペア)・同軸ケーブル・光ファイバを使って同じ建物の中にあるコンピュータ同士を接続し、データをやり取りすることで普及した(つまり構内のネットワークだった)。当初は通信速度10G(10ギガ)bpsの規格として、10BASE-T(テンベースティー)、10BASE-2、10BASE-5などがあり、現在のPCの標準インタフェースとしてRJ45(モジュラージャック)が採用されている。LANはイーサネットとほぼ同義である。 現在ではWi-Fi(ワイファイ)などの無線LANが普及したため、当初のLANは区別して有線LANと呼ばれる。有線LAN(Ethernet、IEEE 802.3)と無線LAN(Wi-Fi、IEEE 802.11)はIEEE(アイトリプルイー)の規格が違う。また高速のギガビットLANや工場などの産業用途のEtherNet/IP、自動車内への導入が進む車載Ethernet など、LAN(やイーサネット)は各種に応用されていて、単にLANというだけでは特定できないようになっている。LANやイーサネットということばが使われる高速通信規格は、実はLAN(イーサネット)の基本仕様とは異なっていることも多いが、LAN(イーサネット)が大変普及したことばのために、新規規格の名称にLANやイーサネットが良く使われる。LANを正確に説明することは大変難しくなった。

LANケーブルメータ(らんけーぶるめーた)

LANに使用するケーブルの性能を試験する機器。LANが普及したことで、LANケーブルメータは工事や保守などで使うレイヤ1テスタとして重宝されて入れている。ケーブルテスタの計測器メーカとしては海外のフルーク・ネットワークス社が有名(元はフルーク社だったが、別会社になった)。別名:デジタルケーブルアナライザ。参考用語:ケーブルテスタ

LANプロトコルアナライザ(らんぷろとこるあならいざ)

LANでデジタル通信を行っている機器間に設置し、プロトコル(機器間で定められた通信方式)の検査や通信障害の解析を行う機器。略称:LANアナライザ。

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