カテゴリー検索
索引検索
検索用語一覧
3件
各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。
- ケーブル測定器(けーぶるそくていき)
-
ケーブル測定器というと、銅線ケーブルの障害箇所を検出するTDRや、LANケーブルメータなどのレイヤ1測定器がある。以前はケーブルのQ値や特性インピーダンスなどを測定するQメータ(回路素子測定器/RF測定器)があったが現在はほとんど生産中止になっている。光ファイバのTDRであるOTDRはケーブル測定器よりも光測定器(または光通信測定器)に分類されている。ケーブル測定器というと、電気信号を伝えているケーブルがイメージされる。「ケーブル測定器」という品名のモデルはないが、TDRやLANケーブルテスタなどの電気ケーブルの測定器を一言で括ると「ケーブル測定器」ということになる。一般の計測器の機種群(カテゴリー)として確立した呼称ではない。 ケーブル診断測定器というと、ケーブルの絶縁耐圧や絶縁不良などの絶縁診断の測定器群を指す。TDRはケーブルの診断をしているといえるが、障害位置検出器やロケーターと呼ばれることはあるが、ケーブル診断測定器といわれることはあまりない。計測器の名前や呼称は、素人にはわかりにくいニッチな世界である。 参考用語:ケーブルテスタ 計測器情報:ケーブル測定器の製品例(フルーク・ネットワークス)
- ケーブルテスタ(けーぶるてすた)
-
ケーブルの物理特性(導通、損失、反射など)を測定する試験器。大きくメタル(銅線)と光ファイバの2種類があるが、一般にはメタル用を指し、光のときはロステスタやOTDRということが多い。通信機能を階層構造に分割したOSI参照モデル(第1階層:物理層〜第7階層:アプリケーション層の7階層構造)にあてはめると、第1階層(レイヤ1)に相当するため、「レイヤ1(ワン)試験器」と呼称して、第2階層(データリンク層)・第3階層(ネットワーク層)の試験器である「プロトコルアナライザ(プロアナ)」、「オンラインモニタ」と区別される。最近の計測器は複合化(マルチ機能化)して、どの範疇の測定器か一目で判別がつきにくい。「ケーブルテスタ」という品名でプロアナのような外観のモデルもある。そんなときに機種群(機能がどこまであるか)を簡単に確認するには「レイヤ1試験器か?、プロアナか?」と聞くのが良い。参考用語:LANケーブルメータ
- 現場測定器(げんばそくていき)
-
(field measuring instrument) 主に屋外(フィールド)で使われるハンドヘルド(可搬型)の計測器を指す。代表的な製品は可搬型のデジタルマルチメータ。電気工事や、産業分野の設備の保守・点検で使用される測定器が、現場測定器と総称される。メンテナンス用測定器(保守・点検用測定器)とも呼ばれる。工場などの生産現場で、PA(プロセスオートメーション)、FA(ファクトリーオートメーション)の設備の故障・トラブルの防止対策、安全管理のための保守保全ツールも含まれる。毎年5月頃に開催されるJECAフェア(電設工業展)にはほとんどの現場測定器、メンテナンス用測定器が出展される。 現場測定器の計測器メーカといえば、まずフルーク(本社:米国)。同社ホームページの会社概要には「工業用電子機器の取り付け、保守、修理から、正確な測定、品質管理までFlukeのツールは世界中の会社を支援している」旨が述べられている(2023年11月)。同社の製品カテゴリーはDMM、電気のテスタ、クランプ、非接触温度計(サーモグラフィ、赤外線放射温度計)、オシロスコープ(ハンディタイプ)、プロセスツール(圧力校正器)などがある(2023年11月)。 国産では、1965年に国内初のクランプメータを製品化した共立電気計器が老舗で、絶縁抵抗計(メガー)などの電気工事市場向けの製品に注力している。現場測定器に特化して、ベンチトップの製品(レコーダやデジタルパワーメータ、オシロスコープなど)が少なく、国内より海外の売上が大きいため、日置電機や横河計測ほどのネームバリューはない。他には三和電気計器、マルチ計測器、カスタムなどが現場測定器のラインアップが多い。 横河電機はPA/FA/IA、工業計器(計装)の大手企業である。そのためプロセスツールを手掛けている。プラント内の計器の検査に使われる「電圧電流発生器&マルチメータ」で、横河計測のプロセスキャリブレータと呼ばれるモデルはトップブランドである。横河電機の計測器は横河計測に集約され、同社ホームページには次の順に製品群が掲載されている(2023年11月)。オシロスコープ(波形測定器)、パワーアナライザ(電力測定器)、データロガー(データ収集、DAQ)、光測定器(旧安藤電気の製品群)、校正器/標準発生器、現場測定器。現場測定器の内訳はプロセスキャリブレータCA300/CA500、圧力キャリブレータCA700、ハンディDMM、接地抵抗計などである。 電気工事関連で使われる通信計測器として、LANなどのケーブルテスタのフルーク・ネットワークスや、オンラインモニタ(プロトコルアナライザ)の株式会社ラインアイも、現場測定器メーカとしてJECAフェアの常連である。 空調向けの温湿度、風速などの現場測定器(環境計測器)に注力しているテストー(testo)はハンドヘルドのサーモグラフィも手掛けている。環境測定器とは湿度、温度、風速、騒音、日射などの測定器を指す。騒音計のトップメーカであるリオンには現場で使用するハンディ製品が多くあるが、現場測定器といういい方はあまりされない。一般社団法人日本能率協会が毎年開催するイベントのメンテナンス・レジリエンスにはプラント・メンテナンスショーがある。工場の保守用機器として、フルーク、testo、FLIR(フリアー)、日本アビオニクスなどの各社のサーモグラフィが出展される。 強電の電気設備である保護継電器の測定器(リレー試験器)や耐圧試験器をつくる双興電機製作所やムサシインテックもJECAフェアに出展する計測器メーカだが、現場測定器というより障害試験器に分類される。 上記以外にも現場測定器はあり、網羅した説明は難しい。 現場測定器は安価なモデルも多く、趣味の電子工作をする技術者も使う。秋葉原の電気街にある電子部品販売会社(ショップ)では現場測定器を販売している。東洋計測器は最も大手の計測器販売会社で、店頭販売以外にネット販売(ECサイト)も運営している。同社の本社にある計測器メーカ各社のショールームには国内10社、海外9社の計測器がメーカ別に陳列されている(2023年11月)。
- ◀
- 1
- ▶