計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

3

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

NetAlly(ねっとあれい)

高速化が進む無線LANのハンディテスタなどのブランド。源流は1990年代のフルーク。企業ロゴは「netAlly」。筐体やゴロの色が緑色なのはフルーク(黄色)との差別化と思われる。 まず、歴史から述べる。フルークは1993年に「モデル675 トークンリング/イーサネット LANMeter」を発売(2003年中止)。LanMeterはブランドとなった。フルークのフェニックス・チームは、ネットワーク技術者に密着して情報収集し、「ネットワークの問題がハードウェア、ソフトウェア、またはケーブル配線のいずれに関連しているかを調べる簡単な方法がない」ことに着目し、複雑なネットワークのトラブルシューティングの簡素化をめざして製品群の開発を始めた(現在のフルーク・ネットワークスの製品群の誕生)。LAN ケーブルテスタなどの通信工事用途の現場測定器(と技術開発部門)はFlukeNetworksに分社化した。2008年5月にはLANプロトコルアナライザの「EtherScopeシリーズ II ネットワーク・アシスタント Ver.4」を「携帯型ネットワークアナライザ」と称して発表している※1。ハンドヘルドの無線LANテスタの代名詞、AirCheckをフルーク・ネットワークスは発売したが、会社名(メーカ名)は2014年頃からNetScout(ネットスカウト)※2になった。 インターネットの計測器販売サイトに以下の出品がある(サイトの表記を転載。2024年6月現在) メーカ:FLUKE networks 商品名:AIRCHECK Wi-Fiテスター(NETSCOUT) 型番:AIRCHECK G2 ネットスカウト社は、2014年10月にフルーク各社の持ち株会社であるダナハー(Danaher Corporation)を26億ドルで買収・統合したと発表した。つまり、2014年以降にフルーク・ネットワークス製品の一部はNetCsoutブランドになったようである※3。その後、NstScoutはTool製品部門(現場計測器など)を民間投資会社のStoneCalibreが所有する独立した組織NetAllyとして継続した。また、秋葉原の計測器ショップで有名な東洋計測器が、現在はNetAllyの総代理店になっている(契約開始時期は2022年頃と推定)。 ※1 プロアナに「ネットワークアナライザ」と命名したモデルを発売したことは、見識ある計測器業界の関係者に激震が走った(と筆者は感じた)。元来、ネットワークということばは通信回線を指しているが、計測器(特に高周波)の世界では、回路網のことをネットワークと呼称し、入出力の関係(Sパラメータなど)を使って電子回路のf特(周波数特性)などを評価する測定器をネットワークアナライザと呼ぶ。通信回線のアナライザであるプロトコルアナライザにネットワークアナライザという品名をつけるのは禁じ手(タブー)である。ネットアナの世界的トップベンダのキーサイト・テクノロジーもネットワークアドバイザなどの製品群でNetwork Analyzer J6800シリーズなどを発売し、大いに関係者を混乱させた。現在ではこの品名のモデルはなくなったが、フルーク・ネットワークスとキーサイト・テクノロジーの関係者には猛省してほしいと筆者は今でも強く思っている。それでなくてもニッチでわかりにくい計測器を、業界の大手メーカのあなたたちがわかりにくくすることをしてはいけない! 逆に計測器の名称を統一するなど、ユーザにとってわかりやすくする活動(計測器入門者のハードルを下げる活動)を率先して行うのが、リーディングカンパニーの使命ではないのか? ※2 「ネットワークのモニタ機器」の開発・販売をする、ネットスカウトシステムズ(NetScout Systems, Inc.)社は1984年設立。米国マサチューセッツ州に本社がある。セキュリティーソフトのArborを吸収し、ネットワークセキュリティーの会社という顔もある。計測器はNetAllyブランドで別にしているので、NetScout社の本業ではないと筆者には思える。 ※3 Fluke Networksの国内販売店のHPで以下の記述をみつけた。 ・NetScout社はネットワークパフォーマンス・マネジメント市場のリーディングカンパニー。 ・ネットスカウト社の製品ラインアップに加わったFluke Networks製品群は、有線、無線、低速、高速をカバーする以下の4つ。OptiviewXG(オプティビューエックスジー)シリーズ、Visual TruView(ヴィジュアル トゥルービュー)シリーズ、ClearSight Analyzer(クリアサイト アナライザ)シリーズ、AirMagnet Enterprise(エアーマグネット エンタープライズ)シリーズ。 同様に、Fluke NetworksのHPのニュース欄に次のようにあった(2024年6月現在はない)。 NetScoutが所有するFluke Networks Enterpriseビジネス ユニットの製品ポートフォリオには、Visual TruView™、TruView™ Live、OptiView® XG、OneTouch™、LinkSprinter™、LinkRunner™、AirMagnet™、AirCheck™ ソリューションなどが含まれる。

NetScout(ねっとすかうと)

1984年設立の「ネットワークのモニタ機器」の開発・販売会社。正式会社名:ネットスカウトシステムズ(NetScout Systems, Inc.)。NETSCOUT(全部大文字の表記)もある。2014年に「ダナハー(Danaher Corporation)を買収・統合した」と発表。フルーク・ネットワークスの一部製品はNetScoutのNetAlly(ネットアレイ)ブランドになった。無線LANアナライザのAirCheckも現在は(フルーク・ネットワークスではなく)NetAllyで、日本の総代理店の東洋計測器が販促活動をしている。 セキュリティで有名なArberをNETSCOUTが買収した。そのためNetScout社はセキュリティのベンダである。計測器は本業ではないので別ブランドのNetAllyに分けた、と筆者は理解している。大手輸入商社は以下のように説明している。 NETSCOUT ArborはDDoS(ディードス)攻撃対策ソリューションの代名詞(東陽テクニカホームページ、セキュリティ&ラボカンパニーより)。東陽テクニカはインターネット通信の展示会 Interop(インターロップ)でNETSCOUT(旧Arbor)を展示している。東陽テクニカ/Spirent Communicationsと東陽テクニカ/ネットスカウト・システムズ・ジャパンの2つのブースで出展。つまり、情報通信システムソリューション部が取り扱う通信計測器であるスパイレントの負荷試験機と、セキュリティ&ラボカンパニーのセキュリティソリューション、NetScoutを別ブースで展示している。 NETSCOUT (旧Arbor Networks)社は、米国マサチューセッツ州に本社をおくセキュリティ会社で、ミシガン州のアナーバーにセキュリティ研究、技術開発の拠点を持っている。同社のDDoS攻撃対策関連製品は、ワールドワイドで、90%以上のTier1キャリア(Tier1サービスプロバイダ)が採用している。(NETSCOUTの販売店である日商エレクトロニクスのホームページより)

NWC(えぬだぶりゅしー)

(Mobile World Congress) 日本語では「モバイル世界会議」だが、業界内(たとえば無線通信の計測器メーカなど)ではMWCと表記されている。MWCは、世界の移動体通信関連企業が出展する、世界最大規模の移動体通信イベント(携帯電話業界の見本市)。スペインのバルセロナで毎年開催されるため、「MWC Barcelona(バルセロナ)」とも呼称される。 2024年3月1日にローデ・シュワルツは「MWC2024でメディアテック(MediaTek※)社と5G NTN-NRリリース17対応の接続デモンストレーションを行う」と日本で発表(配信)した(MWC2024はバルセロナ時間の2/26~2/29に開催された)。メディアテック社のNTN-NRデバイスをDUTとして、ローデ・シュワルツのR&S CMX500ワンボックス・シグナリング・テスタで、最新の3GPPリリース17仕様に基づく5G非地上系ネットワーク(NTN)NR接続を実証する。このようにMWCは移動体通信の計測器メーカの発表の場でもある。 ※ MediaTek Inc.は台湾の半導体メーカ(1997年設立のファブレス)。5G リリース17が策定された2022年に、キーサイト・テクノロジーとメディアテックは、「世界初でRedCapの接続に成功した」とプレス発表している。上記のローデ・シュワルツと同じく、移動体通信の計測器メーカがメディアテックと共同で接続(実証実験)を行った事例である。海外メーカはこのようなデモンストレーション(宣伝)が得意である。

  • 1