計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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Acterna(あくてるな)

2000~2005年に存在した通信計測器メーカ。短期間で無くなったので、今となっては実態が良くわからず「謎の通信計測器メーカ」である。ただしネット上にはActerna製の製品カタログも検索でき、(日本だけでなく世界の)通信計測器業界に爪痕を残した。WWG(Wavetek Wandel Goltermann)は米国の計測器メーカWAVETEK(ウエーブテック)とドイツの通信計測器メーカWandel&Goltermann (ワンデル・ゴルターマン)が1998年に合弁した会社だが、さらにハンドヘルドの計測器メーカTTCが2000年にWWCに合併してActerna(アクテルナ、またはアクターナと呼称)が設立された。当時の日本はCATVの普及期で、Acternaはケーブルテレビ用の計測器をInterBEE(インタービー、映像関連の大きな展示会)などに出展していたが、当時の日本での正式な企業名は今となっては不明。 2001年に有線通信測定器の老舗、安藤電気が大株主をNECから横河電機に変更(つまり横河電機に身売り)することに造反して、安藤電気の計測器事業部門の技術マネージャ以下複数の技術者がActernaに転職している。Acternaは光ファイバ用計測器をラインアップするJDSU(旧JDSファイテル)に2005年に買収され、さらに2015年に計測器部門が分割されて現在はViavi Solutions(ヴィアヴィソリューションズ)になっている。 2000年当時は、ドイツのワンデル・ゴルターマンと米国ウエーブテックという老舗計測器メーカが合体したWWGは、キーサイト・テクノロジーに対抗する通信計測器の1極であったが、それを継承したActernaはJDSUに吸収され、数年間で消滅した。JDSUがWWGを飲み込んだのは、従来のデータ通信や伝送・交換装置用測定器という機種群は、光通信を主体にしたモデルに移行していったという背景がうかがえる。光通信測定器と無線測定器を継承したViavi Solutions以外の海外の通信測定器メーカとしては、EXFO(エクスフォ)が光通信の基本測定器(光パワーメータや光スペクトラムアナライザなど)とネットワーク用測定器(伝送装置などの評価)をラインアップしている。国内の光通信の測定器は横河計測(旧安藤電気の光通信の製品群)が健在。LANやOTDR(光パルス測定器)などの可搬型のケーブルテスタではFlukeNetworks(フルークネットワークス)が専業メーカとして有名。 参考用語:伝送交換

ARIB(あらいぶ)

(Association of Radio Industries and Businesses) 無線通信分野の国内標準化機関。日本語名は「一般社団法人 電波産業会」。通信・放送分野の電波利用について、調査、研究、コンサルティングなどを行っている。 設立:1995年(平成7年)。財団法人電波システム開発センター(RCR)と放送技術開発協議会(BTA)の事業を引き継ぎ、1995年に郵政省(現総務省)の許可を受けて設立(電波法の規定により「電波有効利用促進センター」として郵政大臣から指定され)、2011年に内閣府の認可を得て一般社団法人へ移行。 設立趣旨:通信・放送分野の新たな電波利用システムの研究開発や技術基準の国際統一化等を推進し、国際化の進展や通信と放送の融合化、電波を用いたビジネスの振興などに迅速、的確に対応できる体制の確立を目指す。 会員数:正会員 191、賛助会員 64、規格会議委員所属法人 12(2023年10月2日現在) 日本語正式名称の「電波産業会」よりも略称であるARIB(アライブ)の方が大変よく使われている。似た名前の団体に「一般財団法人 電波技術協会」(REEA)があり、両者を並べると、産業会より技術協会のほうが格式や権威ある名称のように素人には思えるが、ARIBの方が有名で権限がある。

ASK(えーえすけー)

(Amplitude Shift Keying)日本語では「振幅偏移変調」だが、ASKという表記の方が良く使われている。「振幅シフトキーイング」とも呼ばれる。搬送波の振幅の変化によって伝送するデータを表現する変調方式。 デジタル変調方式の1つ。アナログ変調のAM(Amplitude Modulation、振幅変調)のデジタル変調版。

AM変調(えーえむへんちょう)

「振幅変調(Amplitude Modulation)」の略記。変調信号の変化に合わせて振幅(A)の大きさを変化させるアナログの変調方式。振幅変調よりもAMと表記されることが多い。AMだとa.m.(午前)もあるので、本解説ではタイトルを「AM変調」とした。ラジオ放送ではFM(周波数変調)に対比してAMと言っている。つまりAMやFMは搬送波に信号を乗せるための方式でもある。テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」では「AM:搬送波(キャリア)の振幅を、送信信号(変調信号)の波形に応じて変化させる方式」とある。AMはFMに比べて回路が簡単、周波数占有幅が狭くて済む、などのメリットがあるがノイズに弱く、音楽を聞くときはAMよりFMのほうが音質が優れていることは良く知られている。つまりAMとFMは使い分けられている。

au(えーゆー)

KDDI(ケーディーディーアイ)と傘下のセルラー・グループ各社が提供する移動体通信事業の統一ブランド名。日本移動通信(IDO)とセルラー・グループが行っていたcdmaOne(※1)とPDC方式サービスを、2000年10月のKDD(※2)との合弁を前提に同年7月から名称変更したもの。NTTドコモに次ぐ携帯電話の通信事業者だが、ソフトバンクの参入によって2位とはいえなくなった(2022年現在)。(※1)cdmaOne(シーディーエムエーワン):携帯電話がPDC方式だった2G時代の1998年に、IDOやDDI(第二電電)は次世代の3Gで使われるCDMA技術を使い、PDCより通信速度が速いcdmaOneというサービスを開始し、2.5G(2.5世代)と呼ばれた。NTTドコモが3GサービスのW-CDMAを開始するのは2001年である。 (※2)KDD:国際電信電話株式会社、1953年設立の国際電話の通信事業者。当時は国内はNTT、海外はKDDだった。

AirCheck(えあーちぇっく)

フルーク・ネットワークス社がつくった、無線LANテスタの通称(各モデルごとに形名や品名がある)。2000年頃に発売され、現在はNetScout (ネットスカウト)社が管理するNetAlly(ネットアレイ)がブランドになっていて、Fluke Networksではない。 NetAllyの総代理店である東洋計測器の販売サイトに、NetAlly Wi-Fi 6 ワイヤレス アナライザ テストアクセサリキット AirCheck G3E PR-TKTなどが掲載されている(2024年6月現在)。定価987,800円(税込)で、AirCheck G3E PR-TKTが形名である。これはWi-Fi 6 Wireless Analyzer AirCheck™G3 Proのアクセサリセットである。このようにAirCheckは、高速化する無線LANに次々と対応するモデルが発売され、AirCheck™ G3 Wireless Testerなどの呼称がある。 無線が伝搬する空間(エアー)のチェック(照合)とは、無線のテスタ(ハンドヘルドの現場測定器、チェッカ)を示すネーミングといえる。 1980年頃、まだ音楽媒体がCDではなくレコードが主流だったとき、筆者はFMラジオ放送で流れる音質の良い音楽をテープなどに録音し、デッキで再生して楽しんだ。レコードは高額で、多くの音楽作品(曲)を買うことはできず、FM放送は洋楽、クラシック、邦楽など多くの番組があった。好みのFM番組で曲を録音する趣味を、FM放送で音楽家や曲をチェックするということで「エアチェック」(放送のチェック)と称した。 元々は、英語でOn Air(オンエア、電波にのせた、放送された)の内容を後で確認するために録音したのでAir check(エアチェック)。放送事業者が生放送番組をアーカイブ保存するためにリアルタイムに録音することが、一般視聴者が気に入った番組や楽曲などをテープなどに記録することを指すようになった。 音楽愛好家のエアチェックが現在の生きたことばかどうかは不明だが、測定器(特定のニッチな通信計測器)のAirCheckよりメジャーであることは確かである。

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