計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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マイクロウェーブ(まいくろうえーぶ)

(Microwave)300MHz~30GHzの周波数の電波をマイクロ波やマイクロウェーブと呼んでいる。現在の携帯電話で利用されている周波数である。本用語集の「マイクロ波」の項目を参照されたい。無線通信関連企業には「マイクロウェーブ」を会社名に使う企業が多くある。

マイクロストリップライン(まいくろすとりっぷらいん)

(Microstripline)高周波信号をプリント基板上で伝送するために、部品実装面側に線状の信号パターンを作成し、裏側のグランド導体との間で電磁界を形成することで、同軸ケーブルと同様の効果をだすもの。ストリップラインとはプリント基板内に形成する信号経路のこと。

マイクロウェーブ展(まうくろうぇーぶてん)

(Microwave Exhibition) 電子情報通信学会のAPMC国内委員会が主催する、マイクロ波技術関連イベントの展示会を指す。正式にはMicrowave Workshop&Exhibitionで、略記のMWEという記述を多く見かける。学会が開催するワークショップと併設する展示があり、毎年11月末にパシフィコ横浜を会場として展示会は開催される。RFに関係する計測器メーカはほとんど出展する。 一般法人などの業界団体ではなく学会が主催していることが特長。無線通信の新しい技術などが展示される(たとえば2018年には自動車に無線給電する展示があった)。コロナ禍で2020年~2022年はオンライン開催となった。2023年にはCeyear社(中国山東省青島)やSiglent Technologies(シグレント)などの中華系計測器メーカがネットワークアナライザなどの高周波のモデルを出展している。EMCアンテナやシールドボックス(電波暗箱)などの計測器周辺機器(計測用途で使われる機材)や導波管、高周波プローバなどの部品を、国内、海外メーカが出展している。 展示会の出展品目は(展示会の案内によると) ①材料・基板、➁半導体素子、➂通信用モジュール、部品、④電子部品、 ➄測定装置・加工装置(オシロスコープ、スペクトラムアナライザ、デジタル信号発生器、ネットワークアナライザ、RFパワーメータ、テストフィクスチャ、自動測定システムなど) ⑥ソフトウェア・シミュレータ(高周波の電磁界解析、高周波回路シミュレータ、フェージングシミュレータ、ノイズ解析など) ➆エンジニアリング・製造委託(フィルタ・アンテナ等各種マイクロ波回路設計・製造、材料評価、EMC評価 など)

巻き取り(まきとり)

NTTの用語。携帯電話などの通信サービスで、古いサービスの契約者に新しいサービスに契約変更してもらうこと。たとえばアナログの携帯電話(2G)からデジタル(3G)に契約者の移行を促進して、古いサービスを終了させるなど。800MHz帯域のサービスをやめて1.5GHz帯で新しいサービスを始めるときは、「800Mを1.5Gで巻き取る」という言い方をする。 無線の通信計測器メーカの営業マンは計測器レンタル会社の購買部門に訪問して「モデル〇〇は巻き取り需要があります」という情報提供を行う。このことばの意味は「モデル〇〇の品揃え(在庫状況)に注意してください。巻き取り需要でこのモデルの急な引合がきても在庫が無いと対応できなくて、他のレンタル会社(競合)に受注されてしまいますよ。モデル〇〇の発注を(他社に先駆けて)検討してください。当社は御社にだけ情報提供していないので、納期は発注順ですよ。」である。無線通信計測器にはこのような巻き取り需要がある。 NTTの用語ではあるが、無線通信の関係者は良く知っているため、一般的なエレキの技術誌でも使われている。たとえば「地上波放送は5Gに巻き取られる」という趣旨のタイトルの記事が2022年にある。総務省が4Kや8Kの次に次世代地デジ放送の技術を検討中だが、8Kは事実上は失敗していて、このままだと放送は通信の5Gに取って代わられてしまいそうだ、という内容の記事を、巻き取るという用語を使ったタイトルにしている。 無線通信の分野でNTTが使っている方言である「巻き取る」を記事に使う場合は脚注をつけて説明するのが望ましいと思える。無線通信の分野では、上記のように計測器メーカが使うので当用語集では説明しているが、「巻き取り」はニッチな方言で、計測器の技術者が全員知るべき基礎用語ではない。

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