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- 5G(ふぁいぶじー)
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(5th Generation Mobile Communication System) 日本語では「第5世代移動通信システム」。現在商用化されている4Gの次の規格。全世界で導入が計画されている。韓国が一番早く2019年に導入予定。日本は2020年のオリンピックに向けて導入が進んでいる。次世代無線通信システムとも呼ばれる(2019年3月現在)。英語の5th Generationを「5G」と略記している。 現在のスマートフォンにつながる小型の携帯電話として、1991年4月にNTTはmova (ムーバ)4機種を発売した。当時はアナログ通信で、NEC、富士通、三菱電機、松下通信工業(後のパナソニック モバイルコミュニケーションズ)の4社が特徴ある端末を提供した。94年には端末は従来からのレンタル制から買取り制になり、普及が加速した。当時の携帯電話は国により通信方式が違ったため、国際電気通信連合 (ITU) が次世代の世界共通のデジタル通信の規格を勧告し、2001年にNTTドコモが世界に先駆けてこの勧告に準拠するW-CDMAの商用サービスを開始した。これが3G(第3世代移動体通信、スリージー)で、それ以前の方式を2Gといって区別した。現在(2019年)の通信規格はさらに次の4Gである。
- VSA(ぶいえすえー)
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(Vector Signal Analyzer)キーサイト・テクノロジーの製品名(現在は製造中止)。周波数軸と時間軸の両方の波形表示ができる同社のユニークな製品。デジタル無線の黎明期にメーカなどのR&D部門では、変調信号の解析に威力を発揮した。計測器の外観は箱で、外部にコントローラ(コンピュータ)をつないで使用した。現在は無線通信に使う変調信号の解析はもっぱらシグナルアナライザ(スペクトラムアナライザ)が使われるが、1990年頃にはVSAは有効な測定器の1つであった。
- フェージングシミュレータ(ふぇーじんぐしみゅれーた)
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フェージング(fading)とは、無線通信で時間差をもって到達した電波の波長が干渉し合い、場所によって電波の強弱が生まれる現象。ビルなどの地上の障害物や大気中の電離層に電波が反射することで生まれる。 反射して複数経路で到達するので、マルチパスフェージングとも呼ばれる。各種無線通信の電波伝播上に発生するマルチパスフェージングをシミュレーションする測定器がフェージングシミュレータ。別名:擬似電波路ともいわれる。 計測器情報:「フェージング」が品名につく製品の例
- フォーティブ(ふぉーてぃぶ)
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(Fortive) 大手計測器メーカのTektronix(テクトロニクス)とFluke(フルーク、グループ会社含む)の持ち株会社。経緯を書くと、両社は別々に米国の投資会社ダナハー・コーポレーションに売却され、その傘下となった。その後、ダナハー・コーポレーションは2つに分かれ(2016年に、ダナハーの25%を占めていた工業機械関連会社がフォーテイブとして独立し、ダナハーには化学・健康機器関連の企業が残った、という説明もできる)、その一方のフォーティブ・コーポレーションの傘下に株式会社フルークと株式会社テクトロニクスは入った。発足当初の日本の社名は「株式会社TFF」で、その下に両社があった。後にフルーク社とテクトロニクス社を内包した社内カンパニー制度をとる「株式会社テクトロニクス&フルーク」となった(2021年)。それ以前は「テクトロニクス社/ケースレー社」と名乗っていた時期もある(Tektronixは2012年に、同じくダナハー傘下のKEITHLEYを吸収している)。 TFFはあくまで日本での会社名で、日本以外ではTFFなる組織は存在しない。日本以外ではテクトロニクス、フルーク、フルーク・キャリブレーション、フルーク・ネットワークスはすべて別会社だが、日本だけTFFがあり、フルーク・キャリブレーションは「TFF社の校正器営業部」、フルーク・ネットワークスは「TFF社のフルーク・ネットワークス営業部」という組織となっている。現在はTFFとは言わないが、フルークグループの各社が、日本では営業部という組織であることは変わらない。全世界にフルークの現地法人があり、フルークジャパンのトップは「株式会社テクトロニクス&フルークの特約店営業部(あのオレンジ色のハンドヘルドの機種群を日本で販売する組織の名前は“特約店営業部”である。日本では直販をほぼしないで商社経由で売っている。)」の営業部長になる。フルークジャパンの社長ではなく、特約店営業部の部長である。 海外ではM&Aが盛んで、大手計測器メーカといえども、キーサイト・テクノロジーやローデ・シュワルツ以外はほとんどが買収・合併されている。テクトロニクとフルーク以外の主要な海外通信計測器メーカはEXFO(エクスフォ)とViavi Solutions(ヴィアヴィ)に集約されている。計測器に限らず、市場原理によって企業は整理統合される。それが当たりまえだが、日本では海外ほど淘汰が進まず、中規模以下の計測器メーカが健在である。これを日本的な風土と評価するか、産業の新陳代謝が進まず水が澱んでいるとするかは意見が分かれる。メーカは技術者が一攫千金を夢見て操業する(ソニーやホンダなど)が、計測器は市場規模が大きくないため、各計測器メーカは独自路線の中小企業になりがちで、同業他社との合弁がなかなか進まない(自社で独立する気概が高い、逆に言えば創業者の名前を大事にしていて、似た技術分野の競合と合弁する気はなくて、頑固に独立を維持する傾向が伺える)。そのため、海外のキーサイト・テクノロジーのような国産の総合計測器メーカが育っていない。 1960年頃までの横河電機はその有望株だったが、その後HP(現キーサイト・テクノロジー)とYHP(横河ヒューレットパッカード)をつくり、高周波の測定器は(YHPと競合するので)つくらない方針となった。ただし、3G(携帯電話のデジタル化)など無線測定器の市場拡大の中で、RF の測定器群に参入し、2000年頃には方針転換して計測の事業を拡大し、安藤電気を吸収した。ところが時すでに遅かったのか、10年やらずにほぼすべての計測関連事業から撤退してしまった。計測器の現在の後継会社である横河計測株式会社は、国内シェアは10%に届かず、光測定器以外は通信計測器がないので、総合計測器メーカではない。 過去に存在した国内外の計測器メーカの例: Wandel&Goltermann(ワンデル・ゴルターマン)、JDSファイテル、Acterna(アクテルナ)、安藤電気、三栄測器
- FOMA(ふぉーま)
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2001年に商用開始したNTTの3G(第3世代移動体通信)サービス「W-CDMA」及び、それに使われる携帯電話の名称。一般のユーザには、携帯電話の呼称として知られている。FOMAは「NTTドコモのIMT-2000サービス」とも説明できる。語源はFreedom Of Mobile multimedia Access(自由なモバイルマルチメディアへのアクセス)の頭の文字から取っている。固定電話網と同等の通話品質を実現し(それまでの2Gのデジタル通信は固定電話より品質が悪かった)、携帯電話からインターネットやメールを利用できるサービスであるiモードを始め、TV電話、映像配信などのデータ通信もカバーした(なので、マルチメディアのアクセス)。NTTドコモは「2026年3月31日にFOMAとiモードのサービスを終了する」と2024年3月21日に発表している。 2G時代(1990年代)にはmova(ムーバ)というサービス(及び携帯電話)があった。 1985年9月に携帯電話の元祖、ショルダーフォン(車外兼用型自動電話)が発売された(重量:約3kg。肩から下げて持ち運ぶ、自動車から離れても利用できる自動車電話)。1987年4月には本格的な携帯電話TZ-802型(体積500cc、重量約900g)を発売。一部の営業マンが契約し、持ち歩いて使うなどの事例があったが、固定電話(黒電話)の受話器ほどのサイズで重たく、手軽な携帯電話ではなかった。その後mova、FOMAと現在に近いサイズ・重量の端末となった。FOMA以降(2010年代)はアップルのiPhoneが採用され、FOMA端末(モデルN2001やP2101Vなど)などを提供した国産メーカ(モデル名のNは日本電気、Pはパナソニック)はほぼすべて携帯電話から撤退している。FOMAは国産携帯電話を使い、iモードなどの先進サービスをNTTドコモが運用した、ある意味、輝ける日本の携帯電話時代(ろうそくの灯が消える前の輝き)といえる。ガラケーということばがそれを象徴している。 NTTはNTTドコモを含むグループ会社の再編を進め、強い(世界をリードする)通信インフラ(キャリア)に復権しようとしている。2019年にIOWN(オールフォトニクス・ネットワーク構想)を発表した。世界に先駆け、次世代の通信ネットワークを開発し、ゲームチェンジをはかる(もうFOMAやiモードのようなガラケーはつくらない)という戦略は、世界No.1半導体メーカのインテルなどを巻き込んで進んでいる(2024年現在)。
- 輻輳(ふくそう)
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(convergence)ネットワーク設備で通信が混雑した状態。輻輳が起きると電話などがかかりにくくなり、通信障害となる。KDDIが運営するauでは、2022年7月に大規模な通信障害が起き、完全復旧宣言は約86時間後という異例の事態となった。原因の1つは輻輳であった。2022年9月4日には楽天モバイルでも昼の約2.5時間にわたり約130万回線で音声やデータ通信がつながりにくい状態になり、総務省は「電気通信法上の重大な事故に該当する」と発表した。楽天モバイルは原因を輻輳と報告している。 電気機器に不具合が起きると、計測器は障害の起きている機器や部位を特定するために、障害の切り分けに使用される。ただし、輻輳はそのメカニズムがか必ずしも明確ではなく、計測器によって原因究明や復旧をすることは困難と思われる。保守や運用維持のために計測器は必須で、必ず常備されているが、輻輳の対応に活躍しているという話は聞かない。通信装置はほとんどコンピュータである。コンピュータは不具合が起きると、故障した部位や、怪しいと思われる箇所をユニットごと(たとえばプリント基板など)交換して、正常な動作に戻す。通信機器の不具合も解決が困難になっていると推測される。 日本の通信インフラの脆弱性が露呈している。今後、サイバー攻撃などで通信インフラが遮断されることはおおいに想定される。2022年2月に起きたロシアのウクライナ侵攻では、ロシアはウクライナの基幹通信網を麻痺させたが、ウクライナの情報システム管理当局は個人のスマホやSNSを使った情報伝達の仕組みを準備していて、国民に正確な情報が伝わり、また戦地の状況もリアルタイムに共有されたという。このような有事に対する事前の備えが、数日でウクライナを占領できるとしたロシアの思惑を挫き、戦闘の決着を開戦当初の予想とは違う展開にしている。中国による台湾有事には同じことが日本に起こらないという保証はまったくない。日本の社会インフラは通信だけでなく水道や電力もサイバー攻撃に弱いことがすでに報じられているが、具体的な対策はこれから始まろうとしている(2022年9月)。通信網を不通にして、国民に情報が伝わらなくして戦争を有利に展開する手法が、現実的に使われるようになっただけでなく、(有事ではない)平時でも認知戦による攻撃が日常化している。
- 復調(ふくちょう)
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(Demodulation) 変調の逆。伝達したい情報に応じて変化させられた搬送波(被変調波)からその情報を取り出すこと。復調のことを「検波」ともいう。参考用語:変調
- フジソク(ふじそく)
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2007年まで存在した、無線通信の計測器メーカ。正式名称:株式会社フジソク。1947年設立。本社住所(2007年当時):神奈川県川崎市中原区木月住吉町1890番地。主力事業は産業用機器向けスイッチだが、電子機器やその応用製品として無線測定器をつくっていた。産業用機器向けスイッチ事業を強化したい日本電産が、2007年にスイッチ事業の子会社、日本電産コパル電子の100%子会社にフジソクをした。2007年にフジソクは無くなり、フジソク製品は日本電産コパル電子製品となったが、計測器は2020~2021年にかけて生産中止を発表し、2022年にはすべての計測器の受注を中止した。フジソクの無線測定器は創業期からの歴史があり、高周波電力計(終端型や通過型のRFパワーメータ)、無線機テスタ(アナログ無線用)、電波測定器(メジャリングレシーバ)などである。2000年代に基幹通信網である公衆回線は、アナログ無線からデジタルに切り替わった(3G、第3世代システム)。アナログ無線用の無線機テスタやメジャリングレシーバは需要が激減していった。デジタル無線時代の無線機テスタは、ワンボックステスタと呼称され、アンリツ、キーサイト・テクノロジー、ローデ&シュワルツが3強として競い、アドバンテスト、横河電機、安藤電気、日本無線などは撤退していった。フジソク製の無線機テスタが2020年まで残ったのは、古いアナログ無線インフラのメンテナンスの為だったと想像する(アンリツもキーサイト・テクノロジーもフジソクよりかなり早い時期にアナログの無線機テスタを生産中止にしている)。 アナログ表示のRFパワーメータは、アンリツやキーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツにはないので、フジソクは数少ないメーカだった。国産の日本高周波(株)と海外のBIRD(バード、国内の販売は丸文株式会社)が、アナログ表示のRF電力計をつくっている(2024年1月現在)。 計測器情報:フジソク(日本電産コパル電子)の製品例
- Bluetooth(ぶるーとぅーす)
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近距離無線通信の規格のひとつ。 PCやスマートフォンなどの情報機器やオーディオ機器にインタフェースとして普及した。最近は可搬型の計測器にも機能が搭載されるようになった。大変普及したため、携帯機器で重要な低消費電力の規格、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy、BLE)が登場し、さらに普及が進んでいる。 無線規格は通信距離と伝送速度によっていくつかの規格があり、用途によって使い分けられる。Blutoothとほぼ通信距離が同じで伝送速度が遅い下位規格に ZigBee(ジグビー)がある。伝送速度がほぼ同じで通信距離が長い(上位)規格に、国産のWi-SUNがあり、Wi-SUN FANはIoTに活用されつつある。Blutoothとほぼ通信距離が同じで伝送速度を上げたのがUWB(超広帯域無線通信)である。UWBの伝送速度は480Mbpsで、無線LANの代名詞であるWi-Fi(600Mbps)より少し遅いが、使用周波数(キャリア)はWi-Fi(2.4GHz/5GHz)より高い4GHz帯と8~10GHz帯を使用する。 Bluetoothの名称は規格を開発したスウェーデンのエリクソン社の技術者がつけた。ノルウェーとデンマークを交渉により無血統合したデンマーク王の歯が青かったことに由来して「青い歯(blule tooth)」。「乱立する無線通信規格を統合したい」という願いを込めた。(Wikipediaより)
- Bluetoothアナライザ(ぶるーとぅーすあならいざ)
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(bluetooth analyzer) Bluetoothは無線の通信規格のため、無線(RF)の測定器と、プロトコルの測定器の2種類がある。代表的なモデルを紹介すると以下。 1. RF関連 アンリツ ・MT8852B Bluetooth テストセット ・MT8870A ユニバーサルワイヤレステストセット 2. プロトコル関係 テレダイン・レクロイ ・ComProbe Sodera LE Wideband Bluetooth Low Energy Protocol Analyzer ・ComProbe Sodera Wideband Bluetooth Protocol Analyzer ただし国内販売の代理店は、オシロスコープなどを販売するテレダイン・ジャパンではなく、コーンズテクノロジー株式会社が取り扱っている。 ELLISYS(日本総代理店 ガイロジック株式会社) BEX400-STD-EDR Bluetoothエクスプローラ400プロトコルアナライザなど。 参考情報:商流のお問合せの事例
- ブルートゥースローエナジー(ぶるーとぅーすろーえなじー)
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(Bluetooth Low Energy)ボタン電池程度の低電力で動作する無線通信規格。小型センサやウエアラブル端末で使われる。 IoTに活用できる技術として注目されている。
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