計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ONU(おーえぬゆー)

(Optical Nertwork Unit)光回線の終端装置。NTTの光通信サービスであるフレッツ光などに契約すると、家にONUが必要になる。従来の電話電(銅線の加入者線)を使ったアナログ通信ではモデムが使われたので、ONUのことを光モデムと呼称しているケースが散見されるが、それは正しい表現ではないと筆者は考える。一方で「変復調はしているが、デジタルとアナログの変換をする装置がモデム」だから、「ONUは技術的にはモデムである」という主張もある。この説は間違いではないが、大変乱暴な主張と思える。モデムとは変復調装置である。ONUは変復調装置ではない、またモデムは電気で、通常は光ではない(余談だが、一部のメーカの商品に光モデムなるものがあり、定義を混乱させるので私は困ったネーミングだと思っているが、他社の商品名に文句はつけられない)。ONUとモデムについてはネットのQ&Aでも「両者は違う」という見解が多いが、上記のように「ONUはモデムである。違うというのは素人の間違った回答」という自信に満ちた書き込みもある。 2000年頃にFTTHを推進する方式として考案されたPON(Passive Optical Network)で加入者宅(契約をしているユーザ)側の装置としてOMUということばが使われるようになった。

OFC(おーえふしー)

(Optical Fiber Communication Conference & Exhibition)世界的な光通信の会議&展示会。毎年、3月下旬に米国カリフォルニア州(サンフランシスコやサンディエゴなど)で開催される。OFCの公式サイトには「光通信およびネットワーキングの専門家向けの最大のグローバル会議および展示会。テレコムおよびデータセンターオプティクスのプレミアイベント」とある。世界中の通信機器メーカが最新の商品を出展する。2021年には光伝送装置の最新のモデルであるOpen ROADMが出展されている。

OFDM(おーえふでぃーえむ)

(Orthogonal Frequency Division Multiplexing) 直交周波数分割多重。無線通信で使われるデジタル変調の技術の1つ。Wi-Fi、無線LANなど、近年導入が進んでいるはやりの無線通信方式で使われている。デジタル変調の解析ができるスペクトラムアナライザ(シグナルアナライザ)で測定を行う。 高速無線LANのWi-Fi 6からはOFDMを改良したOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、直交周波数分割多元接続)が導入されている。

Open APN(おーぷんえーぴーえぬ)

APN(All Photonics Network)は従来の電子技術(エレクトロニクス)ではなく光技術(フォトニクス )を使い、通信網のすべてを光化(フォトニクスに)するというNTTの構想(IOWN )。Open APNは既存の光伝送装置であるROADM (Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)を機能分離し、その一部をユーザ拠点の近くまで伸ばすという新しい提案で、2022年1月に「IOWN Global Forum」が発表した(機能が分離してマルチベンダーになると仕様がオープンになる必要がある)。これは2015年設立の団体Open ROADM MSMの方向とも一致していて、2022年はIOWN構想の進展する年となった。 通常APNというと「Access Point Name」(アクセスポイント名)の略。「アクセスポイント」とはスマホをインターネットに接続するための「中継地点」のこと。今後ROADMの機能分離やIOWNの進展が進むとAPNはフォトニクスネットワークの略記としてWeb検索上で地位を得るかもしれない。

オープンRAN(おーぷんらん)

(Open RAN) 無線の送受信装置などの仕様を公開(オープンに)して、多くのベンダーの機器が相互接続できるようにした、標準化されたRAN(Radio Access Network、無線アクセスネットワーク)。RANは、各端末(スマートフォンなどの携帯電話)からの通信データを整理し、基幹通信網(バックボーン、コアネットワーク)に渡す無線通信の部分を指す。具体的にはアンテナや基地局、回線制御装置などが相当する。 RF(Radio Frequency)を「無線周波数」というようにRANも無線アクセスネットワークと呼ばれているが、きちんと説明を聞かないと、「無線はワイヤレス」なのになぜラジオが無線なのか?と瞬時にはRANと無線アクセスネットワークが結びつかず、腑に落ちない。 オープンRANというワードは2021年頃からいわれるようになったと筆者は感じる。NTT技術ジャーナルでは「NTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル」(Vol.30、No.1、2022年4月)で解説されている。2024年3月6日の朝のNHKニュースでは、トレンド情報として、以下のような放送があった。「携帯電話の基地局の機器は1つのメーカに仕様が統一されている。利点は運用の安定性が高いことだが、改良の自由度が低く、コストが下がらないことが課題。通信大手各社(キャリア)は異なるメーカの機器でも接続できるオープRAN方式の導入に力を入れる。NTTドコモはNECと新会社を設立すると今年2月に発表した。オープンRANを海外の携帯電話各社(キャリア)にも広げるとしている。」 オープンRANは、理系ではない一般のビジネスマンが知るような、お茶の間の技術用語といえる。 通信計測器は携帯電話などの移動体通信機器の開発から試験、修理まで深く関与しているので、オープンRANは計測関連用語である。世界的な無線計測器ベンダーのアンリツHPで、電子計測器の製品ページには「モバイル/ワイヤレス通信⽤測定器」として「Open RAN関連測定器」という項目があり、O-RAN Radio Unit Test Solution MX772000PC/MX773000PCなどのモデルが掲載されている(2024年8月現在)。 略記:O-RAN(読み方:オーラン)という表現が散見される。O-RAN ALLIANCE(オーラン アライアンス)という世界的な組織がドイツにある。2018年2月に、AT&T、China Mobile、Deutsche Telekom、NTT DOCOMO、Orangeによって設立された(つまり米国、中国、ドイツ、日本、フランスの移動体通信事業者が設立)。現在は他の会社もメンバーになっている。IT系の技術セミナで、「O-RANの基礎と、同期に関する試験手法」などのタイトルの講座が2024年には開催されている。「Open RAN」や「オープンRAN」ではなく「O-RAN」(オーラン)である。本稿のタイトルもオープンRANはもう古くて、O-RANが妥当(最新・現役の表現)かもしれない(2024年5月現在)。 NTTドコモ、au、ソフトバンクに次いで通信事業者(キャリア)になった楽天モバイルは、従来の高額な通信機器を使わずにコンピュータとソフトウェアでシステムを構築して、設備の低価格化を実現しているといわれている。従来のように基地局に機器を置かず、クラウド上で通信処理を行う仮想化技術の導入を推進している。楽天グループは「仮想化Open RANネットワーク構築の知見を活かして国内外でOpen RANを展開している」と自社技術をPRしている。筆者は2022年4月から楽天モバイルの電話アプリ「Link(リンク)」を携帯電話で使用している実ユーザだが、呼接続の安定性など、品質は他3社に比べて明らかに悪く、2024年4月現在もあまり改善されたと感じられない。通信機器(ハードウェア)の品質をコンピュータとソフトウェアで置き換えるのは並大抵ではないと想像する。 光伝送装置であるROADM(ローダム)の仕様公開(Open APN)など、最近の通信ネットワークはオープン化がはやりである。

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