計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ASK(えーえすけー)

(Amplitude Shift Keying)日本語では「振幅偏移変調」だが、ASKという表記の方が良く使われている。「振幅シフトキーイング」とも呼ばれる。搬送波の振幅の変化によって伝送するデータを表現する変調方式。 デジタル変調方式の1つ。アナログ変調のAM(Amplitude Modulation、振幅変調)のデジタル変調版。

AM変調(えーえむへんちょう)

「振幅変調(Amplitude Modulation)」の略記。変調信号の変化に合わせて振幅(A)の大きさを変化させるアナログの変調方式。振幅変調よりもAMと表記されることが多い。AMだとa.m.(午前)もあるので、本解説ではタイトルを「AM変調」とした。ラジオ放送ではFM(周波数変調)に対比してAMと言っている。つまりAMやFMは搬送波に信号を乗せるための方式でもある。テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」では「AM:搬送波(キャリア)の振幅を、送信信号(変調信号)の波形に応じて変化させる方式」とある。AMはFMに比べて回路が簡単、周波数占有幅が狭くて済む、などのメリットがあるがノイズに弱く、音楽を聞くときはAMよりFMのほうが音質が優れていることは良く知られている。つまりAMとFMは使い分けられている。

au(えーゆー)

KDDI(ケーディーディーアイ)と傘下のセルラー・グループ各社が提供する移動体通信事業の統一ブランド名。日本移動通信(IDO)とセルラー・グループが行っていたcdmaOne(※1)とPDC方式サービスを、2000年10月のKDD(※2)との合弁を前提に同年7月から名称変更したもの。NTTドコモに次ぐ携帯電話の通信事業者だが、ソフトバンクの参入によって2位とはいえなくなった(2022年現在)。(※1)cdmaOne(シーディーエムエーワン):携帯電話がPDC方式だった2G時代の1998年に、IDOやDDI(第二電電)は次世代の3Gで使われるCDMA技術を使い、PDCより通信速度が速いcdmaOneというサービスを開始し、2.5G(2.5世代)と呼ばれた。NTTドコモが3GサービスのW-CDMAを開始するのは2001年である。 (※2)KDD:国際電信電話株式会社、1953年設立の国際電話の通信事業者。当時は国内はNTT、海外はKDDだった。

FSK(えふえすけー)

(Frequency Shift Keying)日本語では「周波数偏移変調」だがFSKという表記の方が良く使われている。「周波数シフトキーイング」とも呼ばれる。周波数を変えることで情報を伝達する変調方式。無線通信がデジタル化されて、デジタル変調方式がいくつも考案された中の1つ。アナログ変調のFM(Frequency Modulation、周波数変調)のデジタル変調版。

FM変調(えふえむへんちょう)

「周波数変調(Frequency Modulation)」をFMと略記する。周波数変調よりもFMという表記の方が多く使われている。搬送波に対して変調信号の変化に合わせて周波数(f)を変化させるアナログの変調方式。FMはラジオ放送で良く知られている。AM(振幅変調)ほど送受信回路は簡単ではないが、音質の良い音楽をFM放送は受信することができる。FMというとFM放送の略記の意味もあるので、本解説ではタイトルを「FM変調」とした。

FTTH(えふてぃーてぃーえっち)

(Fiber To The Home)2000年代にCATVやADSLが普及し始めると、従来からアクセス網の光ファイバ化を構想していたNTTが「家まで光ファイバを引き込む」をスローガンに(コアネットワークだけでなく)アクセス系の通信網も光通信にすることで高速・大容量化を進展させようとした。家だけでなく事業所も含めてFTTP(Fiber To The Premises、敷地までファイバを)と呼ぶときもあった。アクセス系光通信網を完成することによって、広範囲にわたるユーザに高品質の通信を提供することを目指した。具体的な方式としてPON(Passive Optical Network)などが導入された。2022年現在はあまりFTTHということばは聞かなくなったので、ISDNと同じように、通信用語としては過去のもの(死語)になりかけている。

MWE(えむだぶりゅいー)

(Microwave Workshop&Exhibition) 電子情報通信学会 APMC国内委員会が主催する、マイクロ波技術の学術、産業、教育に関する国内最大級のイベント。MWEと略記されることが多い。パシフィコ横浜の展示ホール/アネックスホールで開催され、マイクロウェーブワークショップ(マイクロ波工学の初学者を対象にした基礎・入門講座、一流研究者が先端技術の発表を行う特別セッションなど)とマイクロウェーブ展 (Microwave Exhibition)で構成される。 展示会には主要なRFの計測器メーカが出展する(キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツ、アンリツ、森田テックなど)。計測器としてはスペクトラムアナライザ、デジタル信号発生器、ネットワークアナライザ、RFパワーメータなどが出展する。無線給電や5G、6Gなどの最新の無線通信方式も技術展示される。当サイトでは2回、展示会を取材している。 MWEのHPによると、古くは1990年に池袋サンシャインシティで開催された記録がある。コロナ禍で2020年~2022年はオンライン開催(リアルな展示会などは中止)となった。

エリアテスタ(えりあてすた)

(area tester) 携帯電話の基地局 設置後、基地局から発射された電波を受信し、その電波伝搬特性を評価する測定器。いわゆる電界強度計測器で、広義にはスペアナの1種。自動車に積んで、場所ごとの電界強度(電波の強さ)を測定して、マッピングといって電界強度の地図を作成する。車載で使うのでハンドヘルド(小型・軽量)の計測器である。 無線通信計測器の老舗で、日本の移動体通信インフラを評価ツールで支えているアンリツには、ML87xxシリーズのエリアテスタがある。世界的なデジタル方式の移動体通信の規格である3G(第3世代移動体通信システム、スリージー)をNTTが世界に先駆けて2001年に運用開始したときの名前はW-CDMAだった。アンリツはW-CDMAエリアテスタML8720Aを発売した。その後、4G(フォージ―)、5G(ファイブジー)と携帯電話の新しい通信ネットワークが構築されると、それに対応した同社のエリアテスタが開発された。5G用のモデルとしてML8780Jが現役機種である(2023年11月現在、LTEに対応したML8761Aもある)。 シグナリングテスタやワンボックステスタなど、移動体通信分野で競合するキーサイト・テクノロジーは、5G向けのエリアテスタNemoシリーズをラインアップしている。車載の計測器(ハードウェア)であるドライブ テスタ Nemo Handyは大変小型で、スマートフォンサイズなので、箱(カバー)に収納して使用される(参考記事に写真を掲載)。

LPWA(えるぴーだぶりゅえー)

(Low Power Wide Area)低消費電力、低コスト、長距離通信が可能(10 km~)、小データサイズ、低スループットという特徴がある。その中で大きく分けるとセルラー系のLTE-M、NB-IoTという規格と、携帯電話事業者でなくても誰でも使えるLoRa(ローラ)という規格の2種類がある。2018年から携帯電話事業者がサービスを開始した。

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