計測関連用語集

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VSWR(ぶいえすだぶりゅあーる)

(Voltage Standing Wave Ratio)電圧定在波比の略記だが、VSWRやSWRという表記の方が良く使われている。高周波の伝送に関する基本的な単語。デジタルではなくアナログの基礎用語。

VNA(ぶいえぬえー)

Vector Network Analyzerの略記。ネットワークアナライザ(NA)には従来、スカラー(※)型とベクトル型(VNA)があり、前者は下位モデルで安価、後者は上位で高額だった。最近はスカラー型が減り、ほとんどのNAがVNAになり、特別にいわないでもNAといえばVNAが多い。ただしキーサイト・テクノロジーの技術資料にはVNAの表記がある。またNanoVNAなる計測器がAmazonなどの通販で販売されている。1万円でGHzオーダの測定ができる安価で、カードサイズの小型VNAで、ホビー向け電子工作の記事を満載している月刊誌、トランジスタ技術などにNanoVNAで実測した例が掲載されている。(※)ベクトルは大きさと向きを持っている。圧力、加速度など多くの物理量がベクトルである。特に電気信号はベクトルで表現される(電子回路理論の複素数表記)。スカラー(scalar)とは大きさのみを持つ量の事をいい、ベクトルに対比して使われる用語。VNAは大きさ(dB)と向き(位相など)のベクトル量(実数部と虚数部の2つを持つ複素数)で測定できるが、大きさだけを測定する安価なモデルがスカラー型NAだった。昔はNAは高価な測定器だったが、技術革新によって安価なVNAが流通するようになった。

フォーティブ(ふぉーてぃぶ)

(Fortive) 大手計測器メーカのTektronix(テクトロニクス)とFluke(フルーク、グループ会社含む)の持ち株会社。経緯を書くと、両社は別々に米国の投資会社ダナハー・コーポレーションに売却され、その傘下となった。その後、ダナハー・コーポレーションは2つに分かれ(2016年に、ダナハーの25%を占めていた工業機械関連会社がフォーテイブとして独立し、ダナハーには化学・健康機器関連の企業が残った、という説明もできる)、その一方のフォーティブ・コーポレーションの傘下に株式会社フルークと株式会社テクトロニクスは入った。発足当初の日本の社名は「株式会社TFF」で、その下に両社があった。後にフルーク社とテクトロニクス社を内包した社内カンパニー制度をとる「株式会社テクトロニクス&フルーク」となった(2021年)。それ以前は「テクトロニクス社/ケースレー社」と名乗っていた時期もある(Tektronixは2012年に、同じくダナハー傘下のKEITHLEYを吸収している)。 TFFはあくまで日本での会社名で、日本以外ではTFFなる組織は存在しない。日本以外ではテクトロニクス、フルーク、フルーク・キャリブレーション、フルーク・ネットワークスはすべて別会社だが、日本だけTFFがあり、フルーク・キャリブレーションは「TFF社の校正器営業部」、フルーク・ネットワークスは「TFF社のフルーク・ネットワークス営業部」という組織となっている。現在はTFFとは言わないが、フルークグループの各社が、日本では営業部という組織であることは変わらない。全世界にフルークの現地法人があり、フルークジャパンのトップは「株式会社テクトロニクス&フルークの特約店営業部(あのオレンジ色のハンドヘルドの機種群を日本で販売する組織の名前は“特約店営業部”である。日本では直販をほぼしないで商社経由で売っている。)」の営業部長になる。フルークジャパンの社長ではなく、特約店営業部の部長である。 海外ではM&Aが盛んで、大手計測器メーカといえども、キーサイト・テクノロジーやローデ・シュワルツ以外はほとんどが買収・合併されている。テクトロニクとフルーク以外の主要な海外通信計測器メーカはEXFO(エクスフォ)とViavi Solutions(ヴィアヴィ)に集約されている。計測器に限らず、市場原理によって企業は整理統合される。それが当たりまえだが、日本では海外ほど淘汰が進まず、中規模以下の計測器メーカが健在である。これを日本的な風土と評価するか、産業の新陳代謝が進まず水が澱んでいるとするかは意見が分かれる。メーカは技術者が一攫千金を夢見て操業する(ソニーやホンダなど)が、計測器は市場規模が大きくないため、各計測器メーカは独自路線の中小企業になりがちで、同業他社との合弁がなかなか進まない(自社で独立する気概が高い、逆に言えば創業者の名前を大事にしていて、似た技術分野の競合と合弁する気はなくて、頑固に独立を維持する傾向が伺える)。そのため、海外のキーサイト・テクノロジーのような国産の総合計測器メーカが育っていない。 1960年頃までの横河電機はその有望株だったが、その後HP(現キーサイト・テクノロジー)とYHP(横河ヒューレットパッカード)をつくり、高周波の測定器は(YHPと競合するので)つくらない方針となった。ただし、3G(携帯電話のデジタル化)など無線測定器の市場拡大の中で、RF の測定器群に参入し、2000年頃には方針転換して計測の事業を拡大し、安藤電気を吸収した。ところが時すでに遅かったのか、10年やらずにほぼすべての計測関連事業から撤退してしまった。計測器の現在の後継会社である横河計測株式会社は、国内シェアは10%に届かず、光測定器以外は通信計測器がないので、総合計測器メーカではない。 過去に存在した国内外の計測器メーカの例: Wandel&Goltermann(ワンデル・ゴルターマン)、JDSファイテル、Acterna(アクテルナ)、安藤電気、三栄測器

複素平面(ふくそへいめん)

電子回路理論では、インピーダンスを複素数(実数部と虚数部の和)で表す。実数部を横軸、虚数部を縦軸にしてインピーダンスを記載したものを複素平面と呼んでいる。複素平面の原点から、インピーダンスの値をプロットした点に線を引いたものをベクトルといい、その長さ(インピーダンスの絶対値、振幅)と、横軸(実軸)との角度(位相)によって交流信号を数式で表現できる。複素平面の横軸(実軸)は周波数によらないR(抵抗)成分で、縦軸(虚軸)はリアクタンス(コンデンサやコイルなど、静電容量やインダクタ)成分による。複素平面に実部が一定、また虚部が一定の値の軌跡を描くと円になる。円が書かれた図をスミスチャートという。周波数やリアクタンスを変化させたときにスミスチャート上でどのような軌跡(グラフ)になるかを、ネットワークアナライザは測定して表示する機能がある。

浮遊容量(ふゆうようりょう)

(stray capacitance、stray capacity)電子部品のコンデンサなどの静電容量(キャパシタ)は2つの導体間の電荷である。そのため、機器内で近接する2枚の金属があると、その間には静電容量が発生する。この静電容量は設計では意図しない成分で、浮遊容量(または寄生容量)と呼ばれる。わざわざコンデンサなどの電子部品によって回路上に静電容量をつくるわけではなく、不要なキャパシタ成分である。 電子部品のリード線や、接続ケーブルにも浮遊容量があり、交流信号を扱うときは周波数によっては、意図しない浮遊容量が影響して、測定が正しくできない場合がある。たとえばLCRメータやネットワークアナライザで、DUTまでの2本の接続ケーブルが平行して並んでいると、2本のケーブルの間にはキャパシタが発生する。これは測定の邪魔になる意図しない静電容量、つまり浮遊容量である。

分布定数回路(ぶんぷじょうすうかいろ)

(distributed constant circuit) 回路素子の物理的寸法がその回路で対象とする信号の波長に対して無視できず、インダクタ(コイルL)、キャパシタ(静電容量C)、抵抗(R、G)を独立した回路素子として取り扱うことができない回路。分布定数回路では、伝送線路上における基本構成として下図のような等価回路が単位長あたりに存在するとして取り扱う。 集中定数なのか分布定数なのかは、その線路を伝わる信号の変化の速さ(立ち上がり/立ち下がり時間)で決まるので、画一的な数値でその境界線は示しにくい。一般的には高周波になると分布定数で評価している。目安としては、信号の周波数がGHz(おおよそマイクロ波)以上なら分布定数回路で、未満だと集中定数回路の事が多い(あくまで目安)。ネットワークアナライザは高周波でインピーダンスを測定するが、分布定数回路なためSパラメータで回路の特性を規定している。LCRメータやインピーダンスアナライザなどの回路素子測定器 は集中定数回路のL、C、Rを測定し、等価回路で表示している。

ベクトルネットワークアナライザ(べくとるねっとわーくあならいざ)

振幅・位相特性を測定する一般的なネットワークアナライザ。

方向性結合器(ほうこうせいけつごうき)

(directional coupler) 信号と信号を結合させる機器。高周波(RF)で使用されるカップラのこと。 マイクロ波などの無線通信の計測器メーカ(キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツ、アンリツなど)がつくっている。

マイクロ波(まいくろは)

(microwave) 周波数3×10(8乗~11乗)(つまり数十MHz~数十GHz程度)の電波の総称。文献によっては「周波数300MHzから30GHz(波長1m~1cm)程度の電磁波」と説明される。携帯電話やテレビ放送(地上波デジタル、BS/CS衛星放送)、無線LAN、レーダー(気象や船舶)、電子レンジなど、幅広い用途に使われている。マイクロ波の波長はμm(マイクロメータ)ではない。電波は周波数が高くなるほど波長が短くなる。技術の進歩によって従来より高い周波数が使えるようになると、波長が小さいという意味で「マイクロ」と呼んだのではないかと想像される。さらに高周波の30GHz〜300GHz(波長1cm〜1mm)は波長の長さから、ミリ波と呼ばれる(下の周波数をマイクロ、といってしまったのに、さらに上の周波数が使えるようになると波長の長さで命名したと推定)。電波の分類ではマイクロ波よりミリ波のほうが波長が短い。波長が短いマイクロ波やミリ波は、もはや電線のような導体を伝搬することができず、導波管という筒状の導体で伝送される。 総務省HPの「周波数帯ごとの主な電波の用途と特徴」によれば、マイクロ波は3GHz〜30GHz(10cm〜1cm)で略記はSHF(Super High Frequency)。その下が極超短波(300MHz〜3GHz、1m〜10cm、略記UHF:Ultra High Frequency)で、携帯電話やテレビ放送、電子レンジに使われる、とある。さらに下が超短波(30MHz〜300MHz、10m〜1m、略記VHF:Very High Frequency)で、業務用移動通信(列車無線や防災無線)やラジオのFM放送に使われる。たとえばラジオ放送のFM東京は80.0MHzである。

マイクロ波増幅器(まいくろはぞうふくき)

数十GHzまで対応する増幅器(アンプ)。

マイクロウェーブ展(まうくろうぇーぶてん)

(Microwave Exhibition) 電子情報通信学会のAPMC国内委員会が主催する、マイクロ波技術関連イベントの展示会を指す。正式にはMicrowave Workshop&Exhibitionで、略記のMWEという記述を多く見かける。学会が開催するワークショップと併設する展示があり、毎年11月末にパシフィコ横浜を会場として展示会は開催される。RFに関係する計測器メーカはほとんど出展する。 一般法人などの業界団体ではなく学会が主催していることが特長。無線通信の新しい技術などが展示される(たとえば2018年には自動車に無線給電する展示があった)。コロナ禍で2020年~2022年はオンライン開催となった。2023年にはCeyear社(中国山東省青島)やSiglent Technologies(シグレント)などの中華系計測器メーカがネットワークアナライザなどの高周波のモデルを出展している。EMCアンテナやシールドボックス(電波暗箱)などの計測器周辺機器(計測用途で使われる機材)や導波管、高周波プローバなどの部品を、国内、海外メーカが出展している。 展示会の出展品目は(展示会の案内によると) ①材料・基板、➁半導体素子、➂通信用モジュール、部品、④電子部品、 ➄測定装置・加工装置(オシロスコープ、スペクトラムアナライザ、デジタル信号発生器、ネットワークアナライザ、RFパワーメータ、テストフィクスチャ、自動測定システムなど) ⑥ソフトウェア・シミュレータ(高周波の電磁界解析、高周波回路シミュレータ、フェージングシミュレータ、ノイズ解析など) ➆エンジニアリング・製造委託(フィルタ・アンテナ等各種マイクロ波回路設計・製造、材料評価、EMC評価 など)

ミキサ(みきさ)

(mixer) 入力された2つの電気信号を混合する回路素子あるいは電子機器。混合器あるいは周波数変換器ともいう。ダイオード等のもつ非直線性を利用して、2つの電気信号(周波数を f1 と f2 とする。ただしf2 > f1 とする)からそれらの”和( f1 + f2)”や”差(f2 - f1)”の信号を作り出す。実際には必要な片方の一つの信号(一般に受信機等では上記の差信号)を取り出す場合が多い。この差信号を中間周波数(IF: Intermediate Frequency)ということがある。またこの周波数変換するために加える一方の信号を局部周波数、その発振器を局部発振器という。 スペクトラムアナライザ内部にも使われている。

ミリ波(みりは)

(Millimeter wave) 現在の携帯電話やテレビ放送で使われるマイクロ波より高い周波数の30GHz〜300GHz(波長1cm〜1mm)の電磁波。波長がミリメートルであることが語源。5G(第5世代移動通信システム)で使われるFR2という帯域はミリ波である。総務省HPの「周波数帯ごとの主な電波の用途と特徴」では、EHF(Extra High Frequency)と略記されている。

4端子法(よんたんしほう)

(four-terminal method) 一般にテスタなどで抵抗を測定する場合は2本の線でDUTに接続する(2端子法と呼ぶ)。ただし、抵抗値が小さい場合は接続ケーブルの抵抗分などが測定値に影響して大きな誤差になるため、4本の線で接続する。これを4端子法(または4端子測定法、4端子接続、4線接続)と呼ぶ。別名:ケルビン接続。電圧測定線(2本)と電流測定線(2本)を用意して4本の接続線で測定を行う。LCRメータなどのインピーダンス測定器は4端子法を採用している。 信号をDUT(試料)に印加するケーブルと測定するケーブルを別にすることによって、ケーブルによる電圧降下や接触抵抗の影響を除き、低インピーダンスの測定を1Ω程度まで可能にしている。しかしケーブル間の浮遊容量の影響は残るため10kΩ以上の高インピーダンスの測定は不向きである(5端子法により高インピーダンス測定が可能になる)。 参考記事: LCRメータの基礎と概要 (第2回)の2ページ目・・試料との接続方法を図解。

ランダム誤差(らんだむごさ)

(Random error) 偶然誤差とも呼ばれ、測定ごとにばらつく誤差をいう。この誤差は毎回ランダムな値をとるので測定後に取り除くことができない。

リアクタンス(りあくたんす)

(reactance) 【電子工学で使われる電気に関する量】 電気工学ではインピーダンスを複素数(実数部と虚数部の和)で表現する。実数部は周波数によって変化しない抵抗成分で、虚数部はキャパシタやインダクタなどの、周波数によって値が変化する成分で、これをリアクタンスと呼ぶ。単位はΩ(オーム)。 インダクタによるものを誘導性リアクタンス、キャパシタによるものを容量性リアクタンスと呼ぶ。この2つの成分が打ち消し合って、見かけ上ゼロになると「共振」という現象が起きる。共振が起きる周波数を共振周波数と呼ぶ。

リターンロス(りたーんろす)

(Return Loss) 反射係数をデシベル[dB]で表したもの。ただし反射係数は |Γ|≦1 であるからデシベルで表現すると「-(負表示)」なるので、左式のようにあらわす。これをVSWR(ρ)で表すと、右式のようになる。

ロードマッチング(ろーどまっちんぐ)

(Load matching) 負荷(ロード)と伝送線路とのインピーダンス整合をとること。

ロードミスマッチ誤差(ろーどみすまっちごさ)

(Load mismatching error) 負荷(ロード)と伝送線路とのインピーダンス不整合による誤差をいう。ネットワークアナライザによる測定においても生じる測定誤差で、受信側ポートにおいてDUTからの伝送信号が受信部で反射してDUTに再入射することに起因する誤差である。事前に受信側ポートに標準器(ショート端やオープン端)を接続し、補正することができる。

YHP(わいえっちぴー)

(Yokogawa Hewlett Packard) hp(ヒューレット・パッカード)が日本につくった合弁会社(1963年~1998年)。YHP設立以前は、無線機器を取り扱う商社のセキテクノトロン株式会社(旧関商事株式会社)がhp製品を輸入販売していた。 1939年に、ウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードは米国カリフォルニア州でhp(Hewlett-Packard Company、エイチピーと呼称)を創業し、世界No.1の電子計測器メーカとなった。日本のYEW(横河電機製作所)は1963年にhpと合弁でYHP(横河ヒューレット・パッカード)を設立した。YEWは国産初の電磁オシログラフをつくるなど、日本を代表する老舗計測器メーカだった。高周波(RF)測定器はYHPがつくり、YEWはDC~低周波の記録計などをつくるという棲み分けをした(競合しないように機種群の分担を決めた)。当時のYEWはブリッジをラインアップし、回路素子測定器の要素技術を持っていたが、それらはすべて技術者とともにYHPに移ったと推測される。YHPはhpの日本法人(販売会社)でhp製品を販売したが、国内に開発拠点を持ちYHPとして計測器の開発も行った。回路素子・材料の測定器(LCRメータやネットワークアナライザなど)の開発拠点が神戸にあったと筆者は記憶している。1980年代に筆者は国内大手計測器メーカの技術部門にいたが、各計測器メーカの特許出願情報が回覧された。そこには「横河HP」という会社名でインピーダンス測定の多くの特許が掲載されていた。YEWのブリッジは生産終了し、後継機種となるLCRメータなどはつくられていない。インピーダンス計測器は、YEWではなくYHPが開発を行った。 高周波計測器を手掛けるYHPと、「レコーダ、低周波の電力計(デジタルパワーメータ)、ミドルクラスのオシロスコープ」をつくる横河電機(1986年に社名変更)との差は30年間で大きく開いた(YHPは計測器のトップメーカになっていた)。1995年に横河電機はYHPへの出資比率を下げ、高周波測定器の開発に着手した。時は携帯電話の3Gが商用開始する前夜で、1998年にはYHPから完全に資本を引き揚げ、携帯電話評価用の信号発生器を中心に、次々と通信計測器を発表した。 YHPは会社名を日本HPに変更していたが、2000年にhpがIT機器以外の事業(計測器と科学分析機器、ライフサイエンス事業)を分社し、Agilent Technologiesを設立したので、日本HPもアジレント・テクノロジーとなる。さらに2014年にはAgilent Technologiesは科学分析機器のみとなり、計測器はKeysight Technologies(キーサイト・テクノロジー)となり、現在に至る。 世界No.1の総合計測器メーカhpは日本では、高度経済成長期に設立したYHPに始まり、1998年以降に日本ヒューレット・パッカード、アジレント・テクノロジー、キーサイト・テクノロジーと社名が変わった。横河電機は2002年に幸運にも通信計測器大手の安藤電気を吸収し、安藤電気がアジレント・テクノロジーとシェアを競った光通信測定器をラインアップに加え、高周波測定器を強化した。ただし、2000年代後半には光通信以外の通信計測器はすべて中止し、2010年には横河メータ&インスツルメンツ(現横河計測)に計測器部門を移管した。これによって横河電機は(計測器をつくらない)計装(工業計器)のメーカに名実ともになり、(メモリレコーダなどの計測器ではない)計装ユースのDAQ(データロガーなど)をラインアップしている(計測器の記録計か、計装の記録計かは素人には判断が難しい)。 マイクロウェーブ展2022(2022年11/30~12/2、パシフィコ横浜)に、キーサイト・テクノロジーはPXIネットワークアナライザM983xA(新製品)を出展した。「Keysight TechnologiesのR&D拠点の1つであるキーサイトの事業所(兵庫・神戸市)で開発した製品である」ことが、展示会を取材した日経誌で報じられている。