計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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擬似ランダム・ワード・ストリーム(ぎじらんだむわーどすとりーむ)

(Pseudo Random Word Stream) 複数の擬似ランダム・ビット・ストリーム(PRBS)から構成されるワード・ストリームで、信号発生器のパラレル出力から送出される。シリアライザやマルチプレクサのテストによく使用される。略記:PRWS。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

キャリア(きゃりあ)

(carrier)和訳は「搬送波」。無線通信を行うときに、送りたい信号を変調してのせる周波数の信号のこと。たとえばラジオ局のFM東京は80.0MHzである。これは80.0MHzの電波(搬送波)にFM変調した信号(音声や音楽)をのせて送信している。キャリアは無線通信の最も基礎的な用語である。NTTドコモやauなどの通信事業者も「キャリア」と呼ばれる。

キャリア周波数(きゃりあしゅうはすう)

搬送波(キャリア)の正弦波周波数のこと。無線通信ではキャリアはある周波数の値をもっているので、「キャリアは〇〇MHz」というようにわざわざ周波数とはいわないことも多いが、正式には「キャリア周波数は〇〇MHz」である。

QPSK(きゅーぴーえすけー)

(Quadrature Phase Shift Keying)日本語では「四位相偏移変調」だが、QPSKという表記の方が良く使われている。デジタル変調の方式の1つ。搬送波の位相の変化に4つの値を持たせる変調方式。PSKの1種だが、位相が90度ずつ離れた4つの波を切り替えて送る。無線LAN(IEEE802.11)などで利用されている。

高周波アッテネータ(こうしゅうはあってねーた)

(RF Attenuator) 高周波信号レベルを適切なレベルまで減衰させるコンポーネントあるいは電子機器。高周波(Radio Frequency)、アッテネータ(Attenuator)から "RF ATT"と略表記されることもある。 この信号レベルを減衰させる量を「減衰量」と呼び、通常デシベル(dB)という単位を用いて表す。例えば 10 dBのアッテネータは、信号レベルを10分の1に減衰させる。アッテネータは、通常通過する信号の周波数に影響されない無誘導抵抗体で構成されていて、抵抗減衰器とも呼ばれる。

コールサイン(こーるさいん)

(call sign) アマチュア無線局の名称。呼出符号ともいい、JA1ABCやJ1FQのような英数字の文字列。総務省が発行する免許状では識別信号と書いてある。アマチュア無線局を開局した個人を識別する番号である。「CQ、CQ、こちら○○(コールサイン)・・・」などと電波に乗せて発信(呼びかけ)して、電波を受信した未知のアマチュア無線家との出会いや会話を楽しむために使われる。

国際電気(こくさいでんき)

日立製作所系の通信機器・電子部品メーカ。1949年~2000年に存在した会社名。 簡単な沿革を述べる。 1940年、政府系の国際電気通信が東京・狛江市に自家用通信機工場を建設。1949年、民営化されて国際電気株式会社となる。1955年、日立製作所と技術提携。1960年代に半導体関連分野に進出(1980年代には半導体ウェーハをつくる、シリコン引き上げ装置などをラインアップ)。1973年に日本電信電話公社(現NTT)からポケットベル製造メーカの指定を受け、情報機器部門を拡大。2000年10月、日立電子、八木アンテナと合併し、日立国際電気となる。 つまり、1980年以降にインフラ設備が進む移動体通信の事業と、後の株式会社KOKUSAI ELECTRICとなる半導体製造装置の2つを事業にしていた(2つの顔を持つ)のが国際電気である。青梅の羽村工場では1990年代から移動体通信用の計測器を使って設計・開発をしていた。携帯電話ではなく基地局などの無線装置メーカとして、計測器レンタル会社のターゲット顧客の1社だった。ただし、日立国際電気となった2011年の売上構成(%)は半導体製造システム43、通信情報システム31、放送映像システム25、その他1、海外売上比率42%、なので、半導体関連の会社になったといえる。 通信と半導体は計測器と関係が深い事業(市場)である。計測器関連の用語(基礎的な常識)として国際電気は有名な会社名であるが、日本電気や富士通のようには知られていない。ただし1980年頃には半導体や通信の関係者には日本電気や富士通と同様に良く知られていた会社(メインプレーヤ)である。 2017年7月に同社を紹介するネット記事では「主に無線通信システムに力を入れていて、過去には携帯電話やポケットベルの普及に大きな貢献をしてきた。現在の売上高は連結で1800億を超える大企業」と書かれている。2018年6月に日立国際電気は成膜プロセスソリューション事業を米国の投資会社KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)に売却し、この事業は株式会社KOKUSAI ELECTRICとなる。日立系半導体製造装置メーカとして2023年10月に東京証券取引所に上場し、高値をつけた。半導体製造プロセスの「成膜」技術が強く、バッチ成膜装置やトリートメント装置などをラインアップ。ウェ―ハに薄膜を形成する「成膜」に特化して、縦型と呼ばれるバッチ式成膜装置では世界シェア1位。半導体製造装置メーカとしては2022年売上高で国内メーカ4位。国際電気が1960年代に参入した半導体製造装置ビジネスが大きな成果を残したといえる。 現在の日立国際電気は売上構成を公表していないが、R&D部門に5G技術開発部があり、プロダクト本部には放送機器改革推進プロジェクトがある(2023年会社案内より)。

固定アッテネータ(こていあってねーた)

減衰量が固定の減衰器。(=固定減衰器)

固定抵抗減衰器(こていていこうげんすいき)

減衰量が固定の減衰器。(=固定アッテネータ)

コムジェネレータ(こむじぇねれーた)

(comb generator)スペクトラムアナライザのオプションで、スペクトラムアナライザと組合せて使う発信器。combは櫛のこと。基本波だけでなく、2倍、3倍・・の高調波が櫛の歯のように並ぶ。掃引信号発生器(スイーパ)が高額なため、コム・ジェネレータで代用して周波数特性(f特)の測定に使われる。

コンスタレーション(こんすたれいしょん)

(constellation) 直訳は「星座」。デジタル変調の評価をIQ座標の点で表示する手法。表示が星座のように見えることに由来する。 携帯電話がアナログからデジタルに変わると(日本では2001年に第3世代方式、3GのW-CDMAサービスが開始された)、デジタル変調による通信方式が盛んになり、この分野の計測器(ワンボックステスタ、シグナルアナライザ、信号発生器など)はIQに対応して、コンスタレーション表示をするようになった。 参考用語:I/Q信号、I/Q変調、I/Q変調信号発生器、I/Qジェネレータ、QAM

サーキュレータ(さーきゅれーた)

高周波電力を1方向にだけ通す電子部品。

雑音発生器(ざつおんはっせいき)

(noise generatot)幅広い周波数成分を持つノイズ波形を発生する信号源。雑音指数(Noise Figure)測定などに使われる。雑音には白色雑音(ホワイトノイズ)やピンクノイズなどがあり、それらを出力する雑音発生器が用途によって使い分けられている。参考用語:雑音指数測定器、白色雑音発生器、フリッカ雑音 参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第1回)・・・さまざまな信号発生器・発振器を列記して概説している。

C/N(しーえぬ)

S/N(Signal/Noise)は変調方式によって値が違うため、放送などではC/N比(Carrier to Noise Ratio)を指標にする。

CQ(しーきゅう)

無線通信で通信可能な全ての無線局を一括して呼び出す符号のこと。19世紀に英国の有線電信用の通信略符号として使われたという記録がある。現在はアマチュア無線 のコールサインで、通信への参加を求める呼びかけ(挨拶)の言葉として使われている。Call to Quartersの略という説があるが、定かではない。日本のCQ出版はアマチュア無線の専門誌「CQ ham radio」やホビー向け電子工作の月刊誌「トランジスタ技術」を刊行している。これらの雑誌は電気・無線の趣味をもつ、高尚(おたく)な人々の愛読書である。

CW(しーだぶりゅ)

(Continuous Wave) 直訳すると「連続波」。変調されていないRF正弦波(連続波)をCW信号という。CW信号発生器は周波数と振幅が一定の正弦波を出力する。逆に、連続せずに、ある間隔を置いて送出する信号をバースト信号と呼ぶ。

GPS(じーぴーえす)

(Global Positioning System)人工衛星を利用して自分が地球上のどこにいるのかを正確に割り出すシステム。

GPS信号発生器(じーぴーえすしんごうはっせいき)

GPS信号を発生する測定器。GPSはGlobal Positioning Systemの略(直訳:全地球測位システム)。測定器としては株式会社計測技術研究所・目黒電波測器事業部(旧株式会社目黒電波測器、2016年に計測技研に合併)のGNSS(※)疑似信号発生器などがあり、GPS製品の検査に活用されている。※GNSS:(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)。GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)などの衛星測位システムの総称。

ジェネレータ(じぇねれーた)

(generator) 日本語では「発生器」と呼ばれ、多くの計測器がある。信号を発生する計測器を信号発生器と呼ぶ。ファンクションジェネレータからパルス発生器、標準信号発生器、雑音発生器、電圧電流発生器など多くの種類のジェネレータが、現在の現役計測器にはある。似た製品に発振器(oscillator)と発信器(transmitter)がある。 発生器のことを日本語でゼネレータと表記することもあるが、現在はゼネレータよりもジェネレータの方が圧倒的に多い(テクトロニクスは映像用の信号発生器をゼネレータと呼んでいたが、2019年にビデオ事業部をTelestream社に売却して、オーディオ・ビデオ測定器から撤退したので、今は同社にはゼネレータという製品はない)。 発電所などの発電機(power generator)のことを略してジェネレータと呼ぶ。ジェネレータは計測器では発生器だが、このようにほかの意味もある。

周波数シフト・キーイング(しゅうはすうしふときーいんぐ)

(Frequency Shift Keying)デジタル変調の一種で、周波数偏移変調とも呼ばれる。搬送波が2 つの周波数(中心周波数とオフセット周波数)間で切り替わる(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)。略記である「FSK」という表記が一番多く使われている。