計測関連用語集

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位相シフト・キーイング(いそうしふときーいんぐ)

(Phase Shift Keying)デジタル変調の一種で、位相偏移変調とも呼ばれる。搬送波が2位相間で切り替わる(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)。略記である「PSK」という表記が一番多く使われている。

位相変調(いそうへんちょう)

(Phase Modulation) 変調方式の一つ。搬送波に対して変調信号の変化に合わせて位相(θ)の大きさを変化させる。位相変調(Phase Modulation) の頭文字をとって "PM"と略表記される。また位相を”φ”と表記することがあり、位相変調を”φM”と表記することもある。

インピーダンス整合(いんぴーだんすせいごう)

(Impedance matching) 回路要素(回路素子あるいは測定機器)から伝送線路(例えば同軸ケーブル)へ、あるいは伝送線路から回路要素へ、あるいは特性インピーダンスが異なる伝送線路へ電気信号を伝達する場合、それぞれの特性インピーダンスが異なるとエネルギーの一部が反射して、電気信号を効率良く伝達できない。そのため境界部に整合回路を挿入してそれぞれの特性インピーダンスを合わせることをインピーダンス整合という。特に高周波回路においてはあらゆる伝送線路やコネクタについて特性インピーダンスを指定して電気信号の反射による効率低下を防ぐようにしている。

ASK(えーえすけー)

(Amplitude Shift Keying)日本語では「振幅偏移変調」だが、ASKという表記の方が良く使われている。「振幅シフトキーイング」とも呼ばれる。搬送波の振幅の変化によって伝送するデータを表現する変調方式。 デジタル変調方式の1つ。アナログ変調のAM(Amplitude Modulation、振幅変調)のデジタル変調版。

AM変調(えーえむへんちょう)

「振幅変調(Amplitude Modulation)」の略記。変調信号の変化に合わせて振幅(A)の大きさを変化させるアナログの変調方式。振幅変調よりもAMと表記されることが多い。AMだとa.m.(午前)もあるので、本解説ではタイトルを「AM変調」とした。ラジオ放送ではFM(周波数変調)に対比してAMと言っている。つまりAMやFMは搬送波に信号を乗せるための方式でもある。テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」では「AM:搬送波(キャリア)の振幅を、送信信号(変調信号)の波形に応じて変化させる方式」とある。AMはFMに比べて回路が簡単、周波数占有幅が狭くて済む、などのメリットがあるがノイズに弱く、音楽を聞くときはAMよりFMのほうが音質が優れていることは良く知られている。つまりAMとFMは使い分けられている。

ATT(えーてぃーてぃー)

Attenuator の略。この表記(略記)で読み方は「アッテネータ」の場合も多い。(=減衰器)

S/N(えすえぬ)

(Signal/Noise) 信号(Signal)とノイズ(Noise)の比率。感度を示す指標。RFなどの無線通信測定器で良く使われる用語。S/Nの単位は[dB]を使うことが多い。たとえば(一般的な計測器の仕様である)60dBとは、信号電力が雑音電力の 10の6乗倍(100万倍)、または雑音電力が信号電力の10の-6乗倍 (100万分の1) である。信号を受信する測定器(スペクトラムアナライザなど)では測定器自体のノイズに対してどれだけ小さな信号を測定できるかの目安となり、出力する計測器(SGなど)では規定出力とノイズとの比を示す。「SN比」や「S/N比」、「SNR」(Signal to Noise Ratioの略記、信号対雑音比)などの表記もある。SNだと磁石の両極になるので、「S/N」と“/”を表記したり、「SN比」と表現している。

SNR(えすえぬあーる)

Signal to Noise Ratioの略で、日本語では「信号対雑音比」。S/N、SN比、S/N比などの表記もある。S/NやSNRという表記は、信号対雑音比という記述よりも多く見かける。低周波から高周波まで、アナログ回路の一般的な性能指標として、計測器だけでなく音声、画像、通信など多くの分野で使われている。計測器はRFで良く出てくる。単位は無次元で、dBで示すことが多い。

SN比(えすえぬひ)

(Signal to Noise Ratio) 設定感度における規定出力とノイズとの比。デシベル(dB)で表す。デシベル=20log10((2x出力電圧)/雑音電圧)。log10:常用対数。(ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所の「測定器の概要と主な用語」より) S/NやSNRという表記も良く見かける。日本語では信号対雑音比だが、この表記の頻度は少ない。

SG(えすじー)

2つ意味がある。 1.Signal Generator の略記。「標準信号発生器」や「信号発生器」など使われる場面によりSGが何を指しているかは様々。主にRF帯域の高周波の発生器を指していることが多いが、低周波でもSGと略記されることもある。FG(ファンクションジェネレータ)やPG(パルスジェネレータ)なども総称して「信号発生器」と呼ばれるので、FGのことをSGと略記していることもある。信号発生器は低周波からRFまで周波数に無関係に使われる単語なので、注意が必要。低周波では「信号発生器」より「発振器」と呼ぶこともある。たとえばRC発振器など。ただし電流電圧発生器は、高周波ではないが発振器(oscillator)でなく発生器(generator)である。 2.Signal Groundの略記。信号のグランド。信号線とペアになるグランドラインのこと。プリント基板ではSGとPG(パワーグランド)は使い分けて設計される。 「SGというとRFの信号発生器をさしている」という解釈で、本用語集ではカテゴリー「信号発生器(通信)」にしている。

SWR(えすだぶりゅあーる)

(Standing Wave Ratio) 電圧定在波比の略記。文献などでは電圧定在波比よりもSWRと記載されることが多い。 参考用語:定在波

FSK(えふえすけー)

(Frequency Shift Keying)日本語では「周波数偏移変調」だがFSKという表記の方が良く使われている。「周波数シフトキーイング」とも呼ばれる。周波数を変えることで情報を伝達する変調方式。無線通信がデジタル化されて、デジタル変調方式がいくつも考案された中の1つ。アナログ変調のFM(Frequency Modulation、周波数変調)のデジタル変調版。

FM変調(えふえむへんちょう)

「周波数変調(Frequency Modulation)」をFMと略記する。周波数変調よりもFMという表記の方が多く使われている。搬送波に対して変調信号の変化に合わせて周波数(f)を変化させるアナログの変調方式。FMはラジオ放送で良く知られている。AM(振幅変調)ほど送受信回路は簡単ではないが、音質の良い音楽をFM放送は受信することができる。FMというとFM放送の略記の意味もあるので、本解説ではタイトルを「FM変調」とした。

MWE(えむだぶりゅいー)

(Microwave Workshop&Exhibition) 電子情報通信学会 APMC国内委員会が主催する、マイクロ波技術の学術、産業、教育に関する国内最大級のイベント。MWEと略記されることが多い。パシフィコ横浜の展示ホール/アネックスホールで開催され、マイクロウェーブワークショップ(マイクロ波工学の初学者を対象にした基礎・入門講座、一流研究者が先端技術の発表を行う特別セッションなど)とマイクロウェーブ展 (Microwave Exhibition)で構成される。 展示会には主要なRFの計測器メーカが出展する(キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツ、アンリツ、森田テックなど)。計測器としてはスペクトラムアナライザ、デジタル信号発生器、ネットワークアナライザ、RFパワーメータなどが出展する。無線給電や5G、6Gなどの最新の無線通信方式も技術展示される。当サイトでは2回、展示会を取材している。 MWEのHPによると、古くは1990年に池袋サンシャインシティで開催された記録がある。コロナ禍で2020年~2022年はオンライン開催(リアルな展示会などは中止)となった。

OFDM(おーえふでぃーえむ)

(Orthogonal Frequency Division Multiplexing) 直交周波数分割多重。無線通信で使われるデジタル変調の技術の1つ。Wi-Fi、無線LANなど、近年導入が進んでいるはやりの無線通信方式で使われている。デジタル変調の解析ができるスペクトラムアナライザ(シグナルアナライザ)で測定を行う。

カップラ(かっぷら)

(coupler) マイクロ波で、信号と信号を結合させる機器。日本語では方向性結合器だが、マイクロ波の機器(部品)としては「カップラ」や「カプラ」という表現がされ、カップラはすでに日本語といえる。 キーサイト・テクノロジー、アンリツなどがつくっている。 高周波の通信の1種である光通信で、信号を結合させる機器を光カプラやフォトカプラ と呼称する。

可変アッテネータ(かへんあってねーた)

(variable attenuator) 減衰量を可変できる抵抗器のこと。別名、可変抵抗減衰器やステップアッテネータとも呼ばれる。RFではアッテネータ、低周波では減衰器という品名が多い傾向があるが、明確な定義はない。

可変抵抗減衰器(かへんていこうげんすいき)

減衰量を可変できる抵抗器 。可変アッテネータやステップアッテネータとも呼ばれる。「減衰」を略して「可変抵抗器」と呼称されることも多い。

QAM(かむ)

(Quadrature Amplitude Modulation) 読み方:カムまたはキューエイエム。日本語では「 直交振幅変調(または直角位相振幅変調)」だが、QAMという表現(表記)の方が良く使われている。デジタル変調の1つ。位相が直交する二つの波を合成して搬送波にして、振幅を変化させてビット値を割り当てる変調方式。たとえば64QAMは1つの搬送波に8段階の振幅変調をして64値(6ビット)を送れる。現在主流のデジタル無線通信で利用されている変調方式。 IQ座標軸(I:In-Phase、同相。Q:Quadrature-Phase、直交位相)で変調の様子を表した波形をコンスタレーションと呼ぶ。 参考用語:I/Q信号、I/Q変調、I/Q変調信号発生器、I/Qジェネレータ

擬似ランダム・ビット・ストリーム(ぎじらんだむびっとすとりーむ)

高速シリアル通信の波形評価では、ランダムな信号がテストパターンとして使われる。別名:擬似ランダム信号。 テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説では「擬似ランダム・ビット・ストリーム(PRBS):ランダムに繰り返される数字の列から構成される1 組のシーケンス。乱数のように見えるが、実際は予測可能な数学的パターンに従う。デジタル・システムでランダム・ノイズを作成するために使用される。」とある。略記:PRBS:Pseudo Random Bit Stream(or Sequence)。