計測関連用語集

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可変アッテネータ(かへんあってねーた)

(variable attenuator) 減衰量を可変できる抵抗器のこと。別名、可変抵抗減衰器やステップアッテネータとも呼ばれる。RFではアッテネータ、低周波では減衰器という品名が多い傾向があるが、明確な定義はない。

可変抵抗減衰器(かへんていこうげんすいき)

減衰量を可変できる抵抗器 。可変アッテネータやステップアッテネータとも呼ばれる。「減衰」を略して「可変抵抗器」と呼称されることも多い。

高周波アッテネータ(こうしゅうはあってねーた)

(RF Attenuator) 高周波信号レベルを適切なレベルまで減衰させるコンポーネントあるいは電子機器。高周波(Radio Frequency)、アッテネータ(Attenuator)から "RF ATT"と略表記されることもある。 この信号レベルを減衰させる量を「減衰量」と呼び、通常デシベル(dB)という単位を用いて表す。例えば 10 dBのアッテネータは、信号レベルを10分の1に減衰させる。アッテネータは、通常通過する信号の周波数に影響されない無誘導抵抗体で構成されていて、抵抗減衰器とも呼ばれる。

高周波電圧計(こうしゅうはでんあつけい)

高周波の電圧を測定する機器。(=電子電圧計)

高周波電力計(こうしゅうはでんりょくけい)

高周波信号の電力を測定する機器。別名:高周波パワーメータ、RFパワーメータ。計測器で電力を測定する機種群には3つある。1.デジタルパワーメータは商用周波数(50/60Hz)から100kHz程度の低周波の電力をデジタル表示する。代表機種である横河計測のWT5000は0.1Hz~1MHzに対応。センサ直結型とクランプ入力型の2種類があり、従来は前者は横河計測、後者は日置電機がラインアップが多かった。2.高周波(RF)に対応した高周波電力計。スタンドアロン型でデジタル表示のモデルが主流。アンリツやキーサイト・テクノロジーがモデルが多い。センサが複数あり、用途によって使い分けられる。技術はほぼ確立しているため大きな機種更新はない。3.指針型のアナログ表示のモデルを「電力計」と呼ぶ。ただし1のデジタルパワーメータを単に「電力計」と記載している資料もあるので注意。

高周波パワーメータ(こうしゅうはぱわーめーた)

高周波信号の電力を測定する機器。別名:RFパワーメータ、高周波電力計。通信計測器メーカのアンリツやローデ・シュワルツ、キーサイト・テクノロジーなどがラインアップしている。パワーメータには低周波の機種群もあり、これはアプリケーションが違う全く別のカテゴリーだが、アンリツやキーサイト・テクノロジーは高周波パワーメータしかつくっていないが品名は「パワーメータ」で、わざわざ「高周波パワーメータ」とはいっていない。アンリツは無線通信測定器のほぼ専業メーカなので高周波のパワーメータであることは推測できるが、低周波から高周波までほぼ全製品をラインアップするキーサイト・テクノロジーが低周波のパワーメータはつくっていないことを知っていないと、キーサイトの「パワーメータ」が高周波パワーメータであることを瞬時に理解することは難しい。低周波のパワーメータもメーカによって表記が異なる。横河計測の品名は「デジタルパワーメータ」、日置電機は「パワーメータ」。品名からは高周波パワーメータかどうかはまったく判別ができない。光通信に使われるパワーメータは通常「光パワーメータ」や「OPM(Optical Power Meter)」と記載されるので間違うことはない。

校正係数(こうせいけいすう)

(Calibration factor) 高周波電力の測定に使用されるパワーメータ(高周波電力計)の周波数特性を補正する係数(K)で、通常[%]で表示され下式で与えられる。ここで、Pi : パワーメータへの入力電力[mW]、Pd : パワーメータが表示した電力[mW] である。

国際電気(こくさいでんき)

日立製作所系の通信機器・電子部品メーカ。1949年~2000年に存在した会社名。 簡単な沿革を述べる。 1940年、政府系の国際電気通信が東京・狛江市に自家用通信機工場を建設。1949年、民営化されて国際電気株式会社となる。1955年、日立製作所と技術提携。1960年代に半導体関連分野に進出(1980年代には半導体ウェーハをつくる、シリコン引き上げ装置などをラインアップ)。1973年に日本電信電話公社(現NTT)からポケットベル製造メーカの指定を受け、情報機器部門を拡大。2000年10月、日立電子、八木アンテナと合併し、日立国際電気となる。 つまり、1980年以降にインフラ設備が進む移動体通信の事業と、後の株式会社KOKUSAI ELECTRICとなる半導体製造装置の2つを事業にしていた(2つの顔を持つ)のが国際電気である。青梅の羽村工場では1990年代から移動体通信用の計測器を使って設計・開発をしていた。携帯電話ではなく基地局などの無線装置メーカとして、計測器レンタル会社のターゲット顧客の1社だった。ただし、日立国際電気となった2011年の売上構成(%)は半導体製造システム43、通信情報システム31、放送映像システム25、その他1、海外売上比率42%、なので、半導体関連の会社になったといえる。 通信と半導体は計測器と関係が深い事業(市場)である。計測器関連の用語(基礎的な常識)として国際電気は有名な会社名であるが、日本電気や富士通のようには知られていない。ただし1980年頃には半導体や通信の関係者には日本電気や富士通と同様に良く知られていた会社(メインプレーヤ)である。 2017年7月に同社を紹介するネット記事では「主に無線通信システムに力を入れていて、過去には携帯電話やポケットベルの普及に大きな貢献をしてきた。現在の売上高は連結で1800億を超える大企業」と書かれている。2018年6月に日立国際電気は成膜プロセスソリューション事業を米国の投資会社KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)に売却し、この事業は株式会社KOKUSAI ELECTRICとなる。日立系半導体製造装置メーカとして2023年10月に東京証券取引所に上場し、高値をつけた。半導体製造プロセスの「成膜」技術が強く、バッチ成膜装置やトリートメント装置などをラインアップ。ウェ―ハに薄膜を形成する「成膜」に特化して、縦型と呼ばれるバッチ式成膜装置では世界シェア1位。半導体製造装置メーカとしては2022年売上高で国内メーカ4位。国際電気が1960年代に参入した半導体製造装置ビジネスが大きな成果を残したといえる。 現在の日立国際電気は売上構成を公表していないが、R&D部門に5G技術開発部があり、プロダクト本部には放送機器改革推進プロジェクトがある(2023年会社案内より)。

固定アッテネータ(こていあってねーた)

減衰量が固定の減衰器。(=固定減衰器)

固定抵抗減衰器(こていていこうげんすいき)

減衰量が固定の減衰器。(=固定アッテネータ)

サーキュレータ(さーきゅれーた)

高周波電力を1方向にだけ通す電子部品。

信号対雑音比(しんごうたいざつおんひ)

(Signal to Noise Ratio) 「通信の品質」を示す指標として、対象となる情報の信号レベルと雑音レベルとの比率を信号対雑音比といい、これを対数表示でデシベル [dB]で表す。この信号対雑音比(Signal to Noise Ratio)はSNR またはSN比、S/Nなどの略記をされることも多い。

振幅変調(しんぷくへんちょう)

(Amplitude Modulation) 一般に,搬送波の信号は下式のようにあらわせる。ここでA: 振幅,ω: 角速度(=2πf ,f: 周波数),θ: 位相 である。この搬送波に対して、変調信号の変化に合わせて振幅(A)の大きさを変化させるのが振幅変調である。振幅変調(Amplitude Modulation)の頭文字をとって "AM"と略表記される。

ステップアッテネータ(すてっぷあってねーた)

(step attenuator) キーサイト・テクノロジーの可変抵抗減衰器の品名など、RFの可変抵抗器にこの名称が多い。

スプリアス信号(すぷりあすしんごう)

(Spurious signal) 不要信号と呼ばれ、一般的には目的信号以外の信号を指す。受信機ではイメージ信号や局部発振の高調波によって受信される信号のほか,受信機内部で使用するほかの発振器の周波数やその高調波の信号もスプリアス信号である。また,送信機では目的信号以外に発射される信号をスプリアス信号と呼んでいる。

セミリジットケーブル(せみりじっとけーぶる)

(semi-rigid coaxial cable) マイクロ波などの高周波(RF)で使用される同軸ケーブルの1種。外部導体を金属管にすることにより伝送特性を改善している。外観は金属の棒のようだが、被覆などを剥がすと内部は同軸ケーブルになっている。外部導体に継目のない金属チューブを使用するなど(各メーカによって構造に違いはあるが)、通常の同軸ケーブルよりも特性が良いため、従来の導波管からの置き換えも進んでいる。絶縁体にテフロンを使用して誘電体損失(tanδ)を低減している製品もある。 通常の同軸ケーブルは取扱いがしやすいように、外部導体を編組構造にして柔軟性を持たせている。そのため周波数が高くなると遮蔽効果が弱くなり、伝送損失が増加する。導波管のように金属の菅にして空気を誘電体にすると性能は上がるが取り扱いは簡便ではない。セミリジットケーブルは導波管のメリットを取り入れた同軸ケーブルといえる。 マイクロ波などの高周波部品メーカがつくっている。スペクトラムアナライザと併用するFETプローブなどをつくっているスタック電子もラインアップしている。

線形回路網(せんけいかいろもう)

(Linear network) 入力信号の周波数成分と出力信号の周波数成分とが同じ回路網をいう。ただし、各周波数成分の振幅と位相は、回路網を構成する回路要素によって異なってくる。即ち、非直線性を示す回路要素を含まない回路網をいう。

相互変調歪み(そうごへんちょうひずみ)

(Inter-modulation distortion) 周波数の多重化に伴い、デバイスや通信システムに近接した基本波を通すことが多くなってきた。この場合デバイスや通信システムにおける非直線性により、近接する基本波同士あるいは基本波の高調波と基本波の間で高調波歪みが発生し、これを相互変調歪みという。特に、2つの近接した基本波を通した場合に一方の基本波と他方の基本波の2次高調波との間で発生する高調波歪みを「3次相互変調歪み」といい、基本波の近傍に現れるためにフィルタで除去できず、デバイスや通信システムを評価する重要なパラメータとなる。「歪」は「ひずみ」と表記されることもあるが、この用語では「歪み」と記載されることが多い。

増幅器(ぞうふくき)

小さい電圧信号を大きく(増幅)する機器。 「アンプ」と表現されることも多い。高電圧対応の電力増幅器や高周波対応のプリアンプなどがある。

ソースマッチング(そーすまっちんぐ)

(Source matching) 信号源(ソース)と伝送線路とのインピーダンス整合をとること。