計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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PIV(ぴーあいぶい)

(Particle Image Velocimetry) 日本語では「粒子・画像・流速測定(または測定法)」。複数台のカメラを使い、気流や水流などの流体の動き(速度や方向)を非接触で可視化し、解析する手法。流れの大きさや方向を色のついた矢印で2次元に表示する。高速度カメラと画像解析ソフトウェアで構成されている。撮影するカメラの性能(撮影速度、fps)が、解析ソフトウェアの矢印の精度に影響する。 製品はピンキリで、R&D用途の高額なものから、初心者用の使い方が簡単な安価なものまで幅広い。低速域のハイスピードカメラメーカ、株式会社ディテクトのPIV製品、画像流速計測ソフトウェアFlownizer(フロウナイザ)はマニュアル設定がないので、使い勝手が良い初心者向きの製品である(R&D用途ではない)。 国土技術政策総合研究所は、文献「波動場計測における可視化技術」(国総研資料No.259)で、PIVを使った解析について論じている。明治大学の理工学部 機械工学科 流体工学研究室はPIVを使った研究(流動場に混入された粒子に光を照射し、散乱光をカメラで撮影し、二次元または三次元的の速度ベクトルを計測するなど)をしている。

光ファイバ(ひかりふぁいば)

(optical fiber) 現在の有線通信網の主力のケーブル。線材が細いこと、電気でなく光なので電磁ノイズの影響を受けないことから、細い管の中を検査する内視鏡や、強磁場で使う温度計にも使われている。表記は「ファイバ」と「ファイバー」の2つがある。光は屈折率の異なる媒体を通過するとき、境界面で進路がわずかに曲がる性質がある。透明なコップに水と箸を入れ横から見ると、水面の上下で箸はわずかに曲がって見える。これは空気(水面の上)と水(水面の下)の屈折率が違うので光が曲がったためである。曲がり具合は2つの物質の組合せによって決まる固有値になる。光は境界面を通過するとき全て透過せずわずかに反射する。曲がり具合の大きな2つの物質を選ぶと、曲がる角度がだんだん大きくなってついには透過せず、ほとんどが反射するようになる。そのような組合せの2つ物質(ガラス)を筒状にして、一方の筒の外側にもう一方を筒状に被せた2重円筒形構造を作り、内側の筒(物質)に光を入射したら、光は外側の物質に閉じ込められて全反射し続け、遠方まで伝わり光通信を実現できる。この理論を日本人の西澤潤一氏が考案したが、あまりにも先進的な理論であったため、日本では特許は却下されてしまった。光ファイバの実用化はアメリカの大手ガラス会社のコーニング社が行い、現在も光ファイバの世界的なトップメーカである。国産の電線メーカ、住友電気工業、古河電気工業、フジクラがコーニングに続く光ファイバメーカである。内側の筒(物質)をコア、外側をクラッドと呼ぶ。材料がガラス製ではコア径は50(または62.5) μm、クラッド外径は125 μmの細さで、外側を被覆して強度を保つ。光ファイバの接続は融着によって行う。先述の電線メーカは光ファイバ融着器のメーカでもある。光ファイバを曲げるなどの外圧を加えると、通信パワーが減衰する。わずかな外圧による微量のパワー変化を検知できるので、ひずみセンサとしても使われる。山の斜面やトンネルなどに敷設して、地面のずれを検知して防災に役立てている。計測器メーカは横河計測(旧安藤電気、光通信測定器)、 共和電業(ひずみ測定器)、安立計器(温度測定器)などがある。 光ファイバ関連の計測器や機器の解説: OTDR、光パルス試験器、光ファイバアナライザOLTS、光ロステスタ、IDテスタ、光ファイバ心線対照器、光ファイバ温度計、ファイバースコープ、ファイバーレーザー 計測器情報: 横河計測の光測定器、光ファイバアンプ、安立計器の光ファイバ温度計

ビデオスコープ(びでおすこーぷ)

最近の工業用内視鏡の名前。内視鏡の世界トップメーカであるオリンパス(※)の工業用内視鏡の品名。以前は工業用内視鏡はファイバースコープと呼ばれたが、コンピュータやカメラ、画像処理技術の進歩によって光ファイバを使わない方式が主流になった。 (※)治療機器事業と内視鏡事業をしているオリンパスは、医療分野と科学分野のそれぞれの事業特性に合った経営体制を確立する、として工業用内視鏡を含む科学事業を2022年4月に分社化して株式会社エビデントを設立、さらに同年8月にはBain Capital Private Equity(ベインキャピタル)にエビデントを譲渡する契約を締結したと発表。

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