計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ガスクロマトグラフィー(がすくろまとぐらふぃー)

(Gas Chromatography) 化学分野で使われる定性・定量分析手法の1つだが、装置をさしていることが多い。装置は科学分析機器の1種。医療や製薬、食品、環境などの分野で広く使われている。「ガスクロ」と称されることが多い。メーカは日本では島津製作所が有名。日本だけでなく海外にも多くのメーカがある。分析する対象物が気体の場合はガスクロ、液体の場合は液体クロマトグラフィ(液クロ)。科学分析機器といえば、液クロ、ガスクロが、いの一番に浮かぶ、分析装置の代表製品。日本分析機器工業会(JAIMA:Japan Analytical Instruments Manufacturers' Association)のHPに詳細説明が掲載されている。

ガス検知器(がすけんちき)

(gas detector) ガスを検出し、知らせる機器。危険なガスの濃度を測定(検知)して、知らせる。設置型と可搬型がある。ガスによる危険がある場所で、作業員が身に着ける。最近では無線技術を使い、作業員個人でなく、統括する上位者にデータを送り、作業員全員の安全を守るような機器も発売されている。また、工業用途では各種の場面でガス濃度を測定して警報を出すなどの必要があり、ガス検知器は産業用途から家庭用まで幅広く、各種のガスに対応した製品が発売されている。 ガスの分析機器といえば(定性・定量分析の装置として)ガスクロマトグラフィーが有名だが、ガス検知器もガスを測定するセンサなどの要素技術が似ているため、ガス検知器はガスクロと同じ科学分析機器のカテゴリーに(当サイトでは)分類している。ガス(水素や酸素、二酸化炭素など)の濃度測定器もガス検知器と同じ機種群といえる。 ガス検知器のメーカは工業用途の製品では理研計器がトップシェア。新コスモス電機は法人向け(工業用途)だけでなく家庭用もつくっている。光明理化学工業もガスモニター、ガス採取器などの名称の製品がある。工業計器の会社である横河電機は酸素濃度計(O2計、オーツーメータ)をつくっていた。このようにガス関連の測定器・分析器は幅広い。

ガス流速計(がすりゅうそくけい)

気体の流れる速さを測定する機器。特定メーカで「ガス流速計」と呼ぶ製品があったが、現在はあまり聞かない。

ガス流量計(がすりゅうりょうけい)

気体の流れる量を測定する機器。気体用の流量計のこと。「気体用流量計」の名称でラインアップを掲載しているメーカとしてオーバルがある。

カラーアナライザ(からーあならいざ)

カラー液晶やディスプレイの色・輝度を測定する機器。コニカミノルタのフィルタ型の輝度計CA-400シリーズの品名。分光放射輝度計に近い性能があり、輝度のほか色度測定ができる。別名:色彩輝度計(こちらの名称の方が一般的)。

渦流探傷(かりゅうたんしょう)

Eddy current Testing(またはElectromagnetic Testing)の翻訳で、金属などの導体の表面付近にある割れや腐食などの欠陥を検査する、非破壊検査の手法。渦電流探傷(うずでんりゅうたんしょう)とも呼ばれる。略記:ET。 交流電流を印加したコイルを検査対象に近づけると対象物表面に渦(うず)電流が発生する。その大きさが欠陥の有無や材質の不均一性によって変化することを利用して検査する。センサと検査対象の距離を一定に固定する必要があるが、前工程や後工程が無いために自動化・無人化に向いているという利点がある。最も普及している探傷方式である超音波探傷(UT:Ultrasonic Testing)は対象物とセンサの間に水が必要で、対象物を水で濡らす、水の中に入れる、などの前処理と、水を拭き取る後処理が必要になる。 ドイツのローマン社(Rohmann GmbH)は対象物がセンサとの距離を変化させても、装置が自動で距離を補正して検査をするモデルを製品化している。高性能な渦流探傷装置としてベアリングなどの検査に導入されている。

カロリーアンサー(かろりーあんさー)

(calorie answer)食品のカロリー(熱量)などの栄養成分を、(専門機関で分析しないでも)測定できる装置。従来、食品のカロリーを知るためには、専門の分析機関に依頼し、結果がわかるまで数日を要していたが、この測定器はわずか数分で計測できる。 (地独)青森県産業技術センターがジョイ・ワールド・パシフィックと共同開発した(販売はジョイ・ワールド・パシフィックがしている)。世界で初めて近赤外線で食品のカロリーや栄養成分の測定を可能にした測定器の品名が「カロリーアンサー」。 ジョイ・ワールド・パシフィック以外にも計測機器の商社が販売している。たとえば2006年から食品・医薬品市場をターゲットに、味や匂いの感覚を数値化する製品の取り扱いを始めた入江株式会社は、その分野の製品としてテクスチャーアナライザ(物性試験機)と、カロリーアンサーを販売している。「栄養成分自動測定器~カロリーアンサー」と題してHPに製品紹介している商社もある。これらの製品掲載ではカロリーアンサーのメーカ名は明確には明記していない。つまり前述のジョイ・ワールド・パシフィックの独占販売ではない。ジョイ・ワールド・パシフィックの「カロリーアンサーのメーカ名はジョイ・ワールド・パシフィックである」という主張に従って、当サイトでは掲載している。 参考記事(会員専用):【展示会レポート】JASIS(Japan Analytical & Scientific Instruments Show)2019・・食感を数値化する物性試験機(テクスチャーアナライザ)を取材。 計測器情報:カロリーアンサーCA-HMの仕様や製品カタログ

輝度計(きどけい)

(luminance meter) 物体の表面から放射された光の量を測定する機器。輝度の単位はcd/m2(カンデラ/平方メートル)。光を測定する代表機種だが、人間の目の感度による光の波長に対する重みづけをしている測光量の測定器(心理物理量)。光パワーメータなどの光通信測定器のように光の電磁エネルギー量を放射量として測定する(物理量)のではなく、人の目が感じる明るさの量を測定している。 メーカはコニカミノルタとトプコンテクノハウスがラインアップが多い。大阪発祥のカメラメーカのミノルタには計測機器事業部があり、2003年に写真フィルムの「サクラカラー」で一世を風靡したコニカ(旧小西六)と合弁しコニカミノルタとなった。トプコンテクノハウスは元は東芝の計測器部門で、現在は別会社となり研究開発用途の輝度計などに注力している。 当サイトではカテゴリー「光測定器」に光パワーメータ、光スペクトラムアナライザなどの物理量の測定器(光通信測定器)を、「科学分析機器」に輝度計、照度計などの心理物理量の測定器(光と色)を掲載している。

吸光光度計(きゅうこうこうどけい)

試料に光を当て吸収した光(吸光度)から分析する機器。水質測定にも利用され、測定したい溶液と試薬を混ぜて発色させるなどの化学反応でpHだけでなく多くの項目を測定する。吸光光度計は科学分析機器の代表的な1つ。世界的な水質計メーカのHACH社の製品が有名。日本では東亜ディーケーケー株式会社がHACHの総代理店として取り扱っている。参考記事(会員専用):【展示会レポート】IIFES(アイアイフェス)2022/3ページ目。東亜ディーケーケーのポータブル水質計を取材。

金属探知器(きんぞくたんちき)

地中の金属を探知する機器。

クーロメトリ法(くーろめとりほう)

DIN EN ISO 2177に準拠した、金属皮膜の厚さを測定する電解法。目的成分を電流効率100%の条件下で電解し、これに要した電気量から定量分析を行う方法。膜厚測定器のフィッシャー社の方式は測定セルを皮膜定膜に密着させて、一定の測定面積・電解液・電流のもと皮膜定膜の電気分解を時間と電圧の変化により分析する。つまり、電気メッキの逆の工程を厳密に各数値を計測しながら行う。別名:電量分析法、電解式。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

屈折率計(くっせつりつけい)

屈折率を測定する機器。「屈折計」ともいわれる。日本薬局方に「屈折率測定法における屈折計の仕様に関する規定」が記載されていて、屈折率は医薬品の品質管理の指標として使われる。尿の比重や尿蛋白を液体の屈折率から測定する医療器から始まったアタゴ(国内メーカ)は糖度計・濃度計のトップメーカである。アタゴの「ポケット糖度計・濃度計PALシリーズ」には「屈折率目盛りの表示」モデル(PAL-RI)があり、薬品や化学製品のような屈折率で管理する液体の測定向けである。つまり屈折率計と糖度計は似たカテゴリーの測定器といえる。屈折率(refractive index)とは真空中の光速を物質中の光速で割った値で、物質中での光の進み方を記述する指標である(Wikipediaより)。

クライオスタット(くらいおすたっと)

試料を低温に保つための装置。物性測定、構造解析、光学測定などで計測器とともに使われる。

蛍光(けいこう)

発光現象の1種。試料に励起光を照射すると、当てた光とは違う波長の光(蛍光)が放出される。蛍光を分析すると試料の成分がわかる。X線を照射して発生した蛍光X線から分析するのが蛍光X線装置。光学や分析の分野では蛍光の原理を使った測定器、分析機器が多くある。ファイバ式温度計のセンサ部分にも蛍光が利用されている。

蛍光X線(けいこうえっくすせん)

物質に入射したX線によって発生した二次X線。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

蛍光X線分析装置(けいこうえっくすせんぶんせきそうち)

試料にX線を照射し、発生する蛍光X線のエネルギーを分析することで、試料を構成する元素の種類や含有量を調べる装置。 (=EDX装置)

蛍光分光光度計(けいこうぶんこうこうどけい)

(fluorescence spectrophotometer) 蛍光を測定して、化合物質の定量や構造を分析する機器。このような発光分析ではなく、吸光分析する手法が分光光度計には多い。

血圧計(けつあつけい)

血圧を測定する機器。医療、健康用品の分類で、オムロンヘルスケアやタニタがラインアップしている。電気計測器メーカはつくっていない。血圧ではないが、パイオニアが皮膚にセンサを当て内部の血管の血流を測定する「研究用レーザ血流計」を販売している。病院で使う医療用機器ではなく研究用の測定器である。

血流計(けつりゅうけい)

血流量を測る測定器。運動時の変化などを測定する。血流量は重要な生体情報のため、研究開発用用途の計測器が発売されている。

検量線(けんりょうせん)

標準試料と、標準試料の測定データとの相関を示す直線や曲線の関数のこと。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)