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- Yawasa(やわさ)
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株式会社テック技販が2014年7月にリリースし、製造・販売している触感(やわらかさ)の測定器。京都工芸繊維大学の繊維学系 教授 佐久間 淳氏は「やわらかさ」を見える化する理論を構築し、民間企業(テック技販)と共同研究して計測デバイス(計測器)をつくった。「やわらかさ」という触感の計測器は他にほとんどない。 やわらかさ、硬さなどは、物理量と心理物理量(人が感じる量)が混在する領域である。(質感などの手触りや味覚は心理物理量といえるかもしれない)。これらを数値化する測定・分析機器があるが、機種群(カテゴリー)は物理量測定器(温度計や変位計、硬度計など)か、科学分析機器(元素や大気、水質などの分析器)かの区分は容易ではない。 金属などの硬さを測定する「硬さ試験器」がTEST(総合試験機器展)に出展されているが、触感のやわらかさとは異なる。また、科学分析機器や非破壊検査機器が並ぶnano tech(国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)や併設展のSURTECH(表面技術要素展)にはナノインデンテーション(硬さや弾性率)の測定器が出展されている。こちらは金属のような硬い物ではなく、圧入によって窪む物を対象にしているが、やはり触感のやわらかさとは異なる。どちらにせよ、触感(やわらかさ)の測定器は電気計測器よりも科学分析機器に分類されるようである。 物理的な単位があるから物理量測定器、化学分析に使うから科学分析機器、というわけではない。温度や湿度、長さは物理量で、ガスクロは科学分析で異論はないが、その他には分類が難しいモデルが多くある。抵抗(単位:Ω、オーム)は電気計測器メーカがつくるDMMなどで測定できるが、抵抗率(単位:Ω・m)はマルチメータでは測定できず、科学分析機器である水分計などで測定する。抵抗と抵抗率はどちらも電気の基本的な物理量だが、実は測定する用途(アプリケーション)が異なり、測定器メーカも異なり、測定機器も計測器と分析器に分かれる。水分計とは別に探針プローブを使う抵抗率測定器があるが、抵抗測定器である電圧・電流・電力測定器のDMMや回路素子測定器の絶縁抵抗計とは異なり、科学分析機器に分類されている。ただし、測定原理が似ているDMMと抵抗率測定器を同じカテゴリーに分類することも間違いではない。計測器・分析器の分類は一通りに決まらない(統一できない)ことを示す例といえる。計測器はメーカや使用者の考え方が影響するニッチな世界である。 テクスチャ―アナライザを取り扱う株式会社入江は、毎年JASIS(科学分析機の総合展示会)に出展しているが、2025年には「匂い検査機」(アンリツ)や、味認識装置(味覚センサー) INSENT TS-6000A(※)を出展している。触感(やわらかさ)の測定器であるYawasaもJASISに出展されても違和感はないと筆者は思う。 (※) 株式会社インテリジェントセンサーテクノロジーは、味覚センサを使った分析機器TS-6000Aを2024年に発売した。サンプルを入れた小型容器を装置に装着して測定を行う。外観は科学分析機器である。九州大学(都甲潔氏)とアンリツ(研究所センシング技術プロジェクトチーム)は1980年代から味覚センサを共同開発していて、1990年代から味認識装置を数機種 発売した。2002年にアンリツから独立したINSENT(株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー)が設立され、装置の開発も継続し、最新モデルがTS-6000A。 アンリツにはPQA事業(Products Quality Assurance、品質検査機器)を担う、インフィビスカンパニーがあり(2025年現在)、X線で食品の異物を検査する機器や重量選別機、におい検査機などをラインアップしている。2025年7月に開催した130周年記念の個展(Techno Plaza)でも、多くのPQA製品が紹介された。同社は「食品や医薬分野の研究開発や検査の機器」の市場・需要が大きいとして傾注している。いまやアンリツは無線通信が主力事業の通信計測器メーカではない。
- YEW(わいいーだぶりゅ)
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(Yokogawa Electric Works) 横河電機製作所(現横河電機)の略号。1986年頃まではYEWがCI(コーポレート・アイデンティティ)だった。 横河電機は1915年に電気計器の研究所として設立し、1920年に「株式会社横河電機製作所」になった。1986年に横河電機株式会社に社名変更し現在に至る(同社ホームページより)。1983年頃までは「YEW」が企業ロゴとして表記されている製品が多かった。同社の指示計器(針が振れるアナログ式の電圧計、電流計、電力計)は黒い箱型で、弁当箱の愛称があった。最上部には接続端子、その下の約半分くらいが(針が振れる)表示窓で、下半分の何もない黒い箇所に大きく「YEW」と刻印してあった。大学・専門学校などの工学系の学生は黒いYEWを使い実験を行ったので、YEWは電気測定器の代表と広く認識された。 YEWは1963年(昭和38年)9月にhp(ヒューレット・パッカード、現キーサイト・テクノロジー)との合弁企業、YHP(横河ヒューレット・パッカード株式会社)を設立するなど、日本の計測器のトップブランドであった。ただし1975年に世界初のDCS(分散形制御システム/総合計装制御システム「CENTUM」)を発表するなど、横河電機はFA/IA/PAメーカ(工業計器の会社)である。1988年にはYHPから資本を引き上げ、高周波測定器(移動体通信など)に参入し、2002年には(NTTに測定器を納入する)大手通信計測器メーカの安藤電気を100%出資のグループ会社とし、有線通信計測器や半導体テスタをラインアップに加えるなど電気計測分野を拡充したが、現在はそれら全部から撤退している。2010年には測定器ビジネスを分社化し、横河メータ&インスツルメンツ(現横河計測)に統合するなど、今の横河電機のコアコンピタンスに従来の「電気計測」は感じられない。 余談だが、現在の計測器としての記録計の主流であるメモリレコーダではなく、計装の記録計としてのデータロガーは横河電機の主力機種の1つである。ただしこれは電気計測器というより工業計器の一部である(電気計測器の総覧などにはこのデータロガーも掲載されているが、メモリレーダとは用途や顧客が全く異なる計装の記録計である)。計測器の記録計か、計装の記録計かは素人には判別が難しいので、やっかいである。 計装の国内トップベンダーとなったYEWは、同業の北辰電機製作所を1983年に吸収して会社名を横河北辰電機とし、1986年には現在の横河電機株式会社(Yokogawa Electric Corporation)になり、YOKOGAWAを新しいCIとし、YEW時代は終わった。現在の横河電機は、工業計器・プロセス制御システム専業の国内大手電機メーカである。この分野では世界6大メーカ(グローバル・ビッグ6)の一つといわれ、売上の70%が海外事業、従業員の70%が外国籍のグローバル企業である。メーンバンクはみずほで、芙蓉クループの代表企業といえる。 一方で、横河の計測器を継承する子会社の横河計測は、電気計測器の日本市場シェアとしては10%以下(推定)。横河計測は大手計測器メーカの1社ではあるが、「横河」は現在では計測器のトップブランドではなくなった。「横河」と聞いて一目置くのは、YEWを知っている高齢の電気技術者だけである。 計測器情報:YEWの指示計器(電圧計、電流計)の製品例
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