計測関連用語集

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水質計(すいしつけい)

(water quality meter) 読んで字のごとく「水質を測定する計測器」の総称。水質測定器とも呼称される。水質の具体的な測定項目はpH(ペーハー)やORP(Oxidation-Reduction Potential)、濁度など様々で、それぞれpH計(ぺーはーけい)やORP計(酸化還元電位差計)、濁度計(だくどけい)がある。それ以外にも測定項目はDO(溶存酸素)、電気伝導率、塩分、全溶存固形物量、海水比重、淡水EC、クロロフィル、光量子など多岐にわたる。メーカは堀場製作所や東亜ディーケーケーが有名だが、工業計器メーカ(富士電機や横河電機など)も自治体(上下水道)向けに水質計を販売している。水質センサのメーカも民間向けの水質計をつくっている。 用途はラボ(R&Dなどの実験室)から屋外(河川などのフィールド)まである。センサ式水分計の国産メーカでは東亜ディーケーケーがあり、ラボ用の水質測定に使う吸光光度計のトップブランドHACK(ハック)社の総代理店もしている。水の汚染具合を示すCOD(Chemical Oxygen Demand)を測定するUV計なども水質計の1種で、水環境計測が得意なJFEアドバンテックなどがラインアップしている。 柴田科学の「ハンディ水質計 アクアブ AQ-200シリーズ」のように、名称が「水質計」となっているとわかりやすいが、そうでない製品が多くあり、水質計の範疇は広範である。また水質計は科学分析器と計測器の両方に分類される。富士電機ホームページの製品ページの大見出しは「計測機器」で、その下にサブタイトル「水質計」がある。東亜ディーケーケーは「総合計測器メーカ」を自認し、IIFES(アイアイフェス、旧計測展)の常連出展社である。計測器と科学分析器の厳密な区分は難しい。

水質測定器(すいしつそくていき)

pH(ペーハー)値や塩素濃度などを管理するために水質を測定する機器の総称。水質計とも呼ばれる。ORP(Oxidation-Reduction Potential、酸化還元電位。溶液の酸化還元状態を表す値)や溶存酸素(DO:Dissolved Oxygen。水に溶解している酸素量)、COD(Chemical Oxygen Demand、化学的酸素要求量。水中に含まれる有機物による汚濁を測る指標の1つ)など、具体的な測定項目は多岐にわたる。参考用語:pH計、ORP計、水質チェッカ

水質チェッカ(すいしつちぇっか)

水質を調べる水質計の1種。水質計のモデル名(品名)に「水質チェッカ」は使われる。水質計の測定項目はpH(ぴーえっち)やORP(Oxidation-Reduction Potential)、濁度(だくど)など様々で、 pH計(ぺーはーけい)やORP計(酸化還元電位差計)、濁度計(だくどけい)などがある。水質チェッカは多項目を1台で測定できるハンディ(可搬型)モデルが多い。そのため具体的な測定項目を示すpH計などといわずに「水質」という名称を使っている。小型で安価な製品は通販でも購入できる。水質チェッカは計測器と科学分析器の両方に分類される。 堀場製作所のマルチ水質チェッカU-50シリーズは、1台で最大11項目を同時測定できる。河川などのフィールドでの水質チェックを想定している製品である。東亜ディーケーケーのWQC-22A水質チェッカは1台でpH、電気伝導率、塩分、温度、濁度、溶存酸素が測定できたが、2017年11月に生産中止になり、後継は簡易ポータブル多項目水質計WQC-30になる(後継モデルは水質チェッカが品名ではない)。 水の汚染指標にCOD(Chemical Oxygen Demand、化学的酸素要求量)があり、COD測定器にはUV計などがある。これらは水質チェッカ同様に河川などの屋外で使用される水質計の1種といえる。

水素濃度計(すいそのうどけい)

水素の濃度を測定する機器。ガス検知器・警報器のトップメーカ、新コスモス電機には水素ガス濃度の測定器がある。発電所用水質調整装置をつくっている日機装には「水素ガス濃度計」がある。プロセス制御(PA)・工業計器の国内トップメーカである横河電機にはガス分析計の製品群があり、「水素純度計」という製品がある。糖度計・濃度計のトップメーカ、アタゴには過酸化水素水濃度計( モデルPAL-39S)がある。このように多彩なメーカ(ガス検知器、産業機器、工業計器、濃度計)が「水素濃度計」と呼ばれる製品をつくっている。 当サイトではカテゴリー「科学分析機器」に分類している。

水分計(すいぶんけい)

水の含有率を測定する機器。科学分析機器の1種。原理によって電気の特性を利用するものと、光を利用するものがある。前者は電気抵抗値や電気容量を測定して水分に置き換える。後者は光の吸収度合いを調べる。測定対象によって、材木用、穀物用、紙用などがある。通販で購入できる小型・安価なものから据え置き型の測定器まで様々。ケット科学、アズワン、島津製作所などがつくっている。固体の水分量を測定するのが水分計で、気体中の水分量の測定は露点計で行う。同じ水分測定でも対象物やアプリケーションによって使う測定器は異なる。水分の測定ならすべて水分計ではない。このあたりが素人には難しい測定器の世界である。

スペクトル(すぺくとる)

(spectrum) 2つの意味がある。 1. 光を分光器で分解して波長の順に並べたもの。光スペクトルの略。(虹のように)光が7色に分離されることは良く知られている。 2.複雑な組成を分解し強度(パワー)の順に並べたもの。一般に光学や分析の分野ではスペクトルと呼んで、ある物理量を横軸に、その強度の変化を縦軸に示したグラフを指す。周波数ごとの大きさ(f特)の波形(グラフ)を「周波数スペクトル」と呼ぶ。横軸に波長、縦軸に強度のグラフは「波長スペクトル」という。 ただし、電気計測や通信の分野では「スぺクトラム」と呼んでいる。スペクトルもスペクトラムも英語は同じSPECTRUMである。無線通信測定器で電波の強度を測定し、周波数成分ごとのパワーを表示するのはスペクトラムアナライザといわれる。同様に光通信測定器で、横軸が波長のものに光スペクトラムアナライがある。なぜスペクトルでなくスペクトラムといったのかは不明。日本語の物理用語としてはスペクトラムよりもスペクトルのほうが一般的である。計測器は一般的ではなく特殊な言い方をする例といえる。計測器では横軸は周波数や波長のため、強度の順では並んでいない。周波数や波長の小さい方から大きい方へ(左から右へ)パワーを表示する。 別の角度からの解説を以下に箇条書きで述べる。 ・スペクトルとは電磁波(電気信号や光など)を成分ごとに分解して、成分の大小(強度やパワー)を見やすく配列した図(グラフ)のこと。 ・分光や電気計測では成分(横軸)は波長や周波数で、測定結果(表示画面)のグラフはエンベロープの最大値(連続したスペクトル)が表示される。 ・試料の化学的な組成を調べる(計測して分析する)科学分析計では連続のグラフではなく、元素などが線で表示される(連続スペクトルではなく線スペクトル)。分析装置の画面に表示された大きな縦線を見た使用者は、「これは○○(元素など)が多く含まれていることを表している」と語る(科学分析機器の使用者はその縦線が何を意味するかを理解する知識を持っている)。 ・分光では横軸は波長、縦軸は強度(intensity)である。電波(スペクトラムアナライザ)では横軸は周波数(Hz、ヘルツ)、縦軸はパワー(電力、dB)である。光通信やDVD(光を使った記憶媒体)で使われる光スペクトラムアナライザの横軸は波長で、縦軸はパワー(電力、dB)である。

spectrum(すぺくとる)

スペクトルとは、ある物理量の数値ごとの大きさのこと。たとえば周波数ごとの数値を示したグラフである「周波数スペクトル」はf特(周波数特性)のことである。 無線信号などの周波数スペクトルを表示する測定器は(スペクトルアナライザではなく)スペクトラムアナライザと呼ばれている。日本語のスペクトルもスペクトラムも英語は同じspectrumである。

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