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- 周波数特性分析器(しゅうはすうとくせいぶんせきき)
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FRA(Frequency Response Analyzer)のこと。一般にFRAの方が名がとおっている。計測器メーカはエヌエフ回路設計ブロックが有名(ほぼ1社で独占状態のためFRAといえばエヌエフともいえる)。FFT技術を使っているため、当サイトのカテゴリーでは「FFTアナライザ」の1カテゴリーに分類している。
- 周波数分解能(しゅうはすうぶんかいのう)
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(Frequency Resolution) FFTアナライザの仕様の1つ。周波数分解能は、その時の周波数レンジを分析ライン数(解析データ長/2.56)で割った値になる。例えば、周波数レンジが10 kHzでサンプル点数(解析データ長)が4096の時は、分析ライン数が1600ラインのため、周波数分解能⊿fは、6.25 Hz(=10000/1600)となる。ズーム解析時での周波数分解能は「周波数スパン/分析ライン数」となる。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)
- 周波数分析器(しゅうはすうぶんせきき)
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周波数を分析する機器の総称。スペクトラムアナライザ・FFTアナライザなどがある。
- 振幅確率分布関数(しんぷくかくりつぶんぷかんすう)
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(Amplitude Probability Distributions Function)変動する時間軸信号の瞬時値がある振幅レベル以下にある確率を表す。振幅確率分布関数は振幅確率密度関数を積分することにより求められる。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)
- 振幅確率密度関数(しんぷくかくりつみつどかんすう)
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(Amplitude Probability Density Function)小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には次のようにある。振幅確率密度関数は、変動する信号が特定の振幅レベルに存在する確率を求めるもので、横軸は振幅(V)、縦軸は0から1で正規化される。小野測器のソフトウェアでは振幅を電圧レンジの 1/512 に分解する。振幅確率密度関数から入力信号がどの振幅付近でどの程度の変動を起こしているかが解析でき、その形状による合否判定等に利用することができる。
- ズーム機能(ずーむきのう)
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(zooming function) 小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には次のようにある。通常のFFT解析では、0から周波数レンジまでの範囲をライン数分(例えば800ライン)解析するが、任意の中心周波数で、ある周波数スパンで分析する機能をズーム機能とよぶ。この機能を使うことにより、高い周波数帯域でも高周波数分解能(⊿fが小さい)の分析が可能となる。このときデータの取り込み点数はズーム倍率分必要になるので時間がかかる。 現在、スイッチング方式の直流安定化電源の主力機種群となったワイドレンジ電源は1990年代に高砂製作所が発明した。同社は「ズーム機能がある、広い出力範囲の電源」(ズーム電源)と銘打ってリリースした。同社のワイドレンジ電源の品名はズーム電源(ズーム機能がある電源)である。
- 相関関数(そうかんかんすう)
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(correlation function) 自己相関関数 と相互相関関数 の2つがある。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より) 参考記事:FFTアナライザの基礎と概要 (第1回)
- 相互相関関数(そうごそうかんかんすう)
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(cross-correlation function) 2つの信号の類似性を確認するときに使われる。関数の配列の結果がすべて1ならば相関があり、すべてゼロのときは無相関、すべて -1 は負の相関がある。 FFTアナライザや音・振動解析が得意な小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には以下の解説がある。相互相関関数は2つの信号のうち一方の波形を時間τだけ遅延させたときのずらし量τの関数として定義され、2信号間の類似度や時間遅れの測定に利用される。もし、2信号が完全に異なっているならば、τに関わらず相互相関関数は0に近づく。2つの信号がある系の入力と出力に対応するものであるときに、その系の持つ時間遅れの推定や、外部雑音に埋もれた信号の存在の検出および信号の伝播径路の決定などに用いられる。相互相関関数はクロススペクトルの逆フーリエ変換により求めている。(詳しい数式は小野測器HPを参照。) 参考用語:相関関数 参考記事:FFTアナライザの基礎と概要 (第1回)
- ダンピングファクタ(だんぴんぐふぁくた)
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(Damping Factor)FFT解析関連の用語。ダンピングファクタ(減衰比)は周波数毎の減衰比のこと。これにより求めたい周波数の減衰比を得ることができ、固有振動数と共に材質の選定において影響を及ぼす。値は%で表示され、ダンピングファクタが大きいとその周波数での減衰が速く、小さいとその周波数での減衰が遅いとを示す。ダンピングファクタξ(クサイ)は、FFTアナライザにより各共振周波数について、その3dBダウンした周波数幅⊿fと共振周波数f0とから、半値幅法で求められる。ダンピングファクタξ=⊿f/2f0。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)
- チャンネル間ディレイ機能(ちゃねるかんでぃれいきのう)
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(channel delay function) FFTアナライザの機能の1つ。小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には次のようにある。 音響系や機械系などの伝達関数測定時に、その系における信号の伝播時間が長く、系の入力信号と出力信号との間に時間的なずれが生じると、正確な伝達関数の測定ができない(コヒーレンス関数が低下する原因となる)。ディレイ機能はこのようにチャンネル間に時間的なずれがある場合、マスタチャンネルのサンプリング開始に対し、スレーブチャンネルのサンプリング開始を遅らせ、時間的なずれを補正する機能である。
- DFT(でぃーえふてぃー)
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(Discrete Fourier Transform)日本語では「離散フーリエ変換」だが、DFTという表記も頻繁に使われている。
- トリガ機能(とりがきのう)
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(Trigger Function) 計測器が測定を開始する(測定対象からの連続した信号を取り込んで記録や表示をする)タイミングを設定する機能。オシロスコープ、レコーダ、プロトコルアナライザなど多くの測定器が持っている、計測器の代表的な機能。 FFTアナライザで有名な小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には以下の解説がある。入力信号のある点、または外部信号を合図にサンプリングを開始する機能。入力信号そのものをサンプリング開始の信号すなわちトリガ信号として、それが設定電圧に達した時点を基準にサンプリングを開始する内部トリガと、外部からパルス信号を入力しその時点を基準にサンプリングを開始する外部トリガがある。この機能により波形のうちの解析したい部分を効率よく捕らえて分析することができる。また時間波形の平均化を行う際はトリガ機能によって波形を同期させる。1)トリガ極性:信号が立ち上がって設定電圧に達したときにトリガをかけるか(+)、立ち下がって設定電圧に達したときにトリガをかけるか(-)、両方でかけるかの3種類がある。2)トリガポジション(※):トリガがかかった点(トリガ点)に対して何点前から、または後からサンプリングを開始するかを指定する。トリガ点より前からサンプリングを開始することをプレトリガ(※)、トリガ点より後からサンプリングを開始することをポストトリガという。3)トリガレベル:トリガがかかる電圧レベルを設定する。4)トリガの種類:次の3種類のモード(※※)、シングルトリガ、リピートトリガ、ワンショットトリガがある。5)シングルトリガ:一旦トリガがかかり1フレーム分取込まれると待ちの状態となるモード。6)リピートトリガ:トリガがかかるたびに1フレーム分ずつ取込むモード。サンプリングの途中でトリガパルスがきてもそれは無視される。7)ワンショットトリガ:一旦トリガがかかるとトリガフリー(トリガをかけていない状態)となるモード。) 上記の解説はFFTアナライザの機能説明も兼ねている。トリガ機能が充実しているオシロスコープでは以下のように別の解説もある。 (※)トリガポジションについては以下の用語解説(オシロスコープの機能説明)に図解がある。「プレトリガ」は別名「プリトリガ」と表記されることの方が多い。 (※※)トリガの種類をオシロスコープでは「トリガモード」と呼称する。以下の用語解説はオシロスコープの機能説明である。オシロスコープではオート(auto)、ノーマル(nomal)、シングル(single)がある。オシロスコープは多くの電子・電気技術者が使うので、このモードの名称は良く知られている。
- ナイキスト周波数(ないきすとしゅうはすう)
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(nyquist frequency) サンプリング周波数の1/2の周波数のこと。標本化(サンプリング)したい信号がナイキスト周波数よりも大きい周波数のとき(ナイキスト周波数よりも高い周波数成分を含んでいるとき)は、サンプリングした信号には折り返しひずみ(エリアシング)が生じる。また、サンプリングしたデータから元の信号を再生しようとしても(ナイキスト周波数より高い周波数が欠落しているので)正確な元の信号には戻らない(再現に限界がある)。 測定器にはサンプリング周波数が規定されている(サンプリング周波数は無限大に大きくはない)。また、測定した信号に含まれる周波数成分は未知である。そのため、測定器に信号を入力する前にフィルタ(LPS:ローパスフィルタ)で帯域制限(高い周波数をカット)して、エリアシングを防止(回避)する。 サンプリング(標本化)とは連続した信号(アナログ値)をある時間間隔で間引いて瞬間の値(デジタルデータ)にすることで、AD(アナログ・デジタル)変換である(表記:ADコンバータ、ADC、A/D変換器、アナログ/デジタル変換器)。AD変換器は計測器に限らず、電子回路を搭載した電気機器に多く使われている。自然界の現象はアナログだが、デジタルデータに変換して取り扱うと、コンピュータで処理を行うことができるので、AD変換器は数多く使われる。たとえばスマホで歩数を計測できるのは振動センサ(加速度ピックアップ)が検知したアナログ値をADCで変換して画面に表示している。 AD変換器の性能(分解能、ビット数)によってサンプリング周波数は決まる。電子部品であるAD変換器のメーカ(Analog Devices アナログ・デバイセズやTexas Instruments テキサス・インスツルメンツなどの半導体デバイスメーカ)の製品データブックにはナイキスト周波数が記載されている。電子回路の設計技術者は、信号周波数から適切なADコンバータを選定してエリアシングが起こらないように機器設計を行う。 1928年にハリー・ナイキストはサンプリングの再現限界について発表し、サンプリング定理(標本化定理)の元となったことが、この用語の由来。サンプリング周波数はオシロスコープ(もちろんデジタルオシロスコープ)ではサンプリングレートやサンプルレートと呼称され、ナイキスト周波数ということばは使われない。FFTアナライザではナイキスト周波数やナイキスト線図という用語は良く使われる。
- ナイキスト線図(ないきすとせんず)
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(nyquist diagram) 周波数応答関数(伝達関数)の実数部を横軸に、虚数部を縦軸にとり、周波数に関して描かれたものをナイキスト線図といい、主に制御系の安定性の判別に利用する。他にゲイン(利得)と位相で示したものにニコルス線図がある。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)
- ニコルス線図(にこるすぜんず)
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(Nichols Diagram) 周波数応答関数(伝達関数)を表示する図の1種で、縦軸をゲイン(利得)、横軸を位相で示す。他に実数部と虚数部で示したナイキスト線図がある。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)
- パワースペクトル(ぱわーすぺくとる)
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(power spectrum) 信号のパワーを一定の周波数帯域毎に分割し、その帯域毎のパワーを周波数の関数として表したもの。単位は振幅の2乗(V2rms)(※)。 FFTアナライザは、フーリエ変換によって、時間軸波形(時間関数x(t))から周波数軸波形(周波数関数X(f))を求める。X(f)は複素関数で、時間関数x(t)のフーリエスペクトルとよばれる。またフーリエスペクトルがわかっていれば元の時間軸波形を再生することができる。実際には、有限のサンプル値から数値計算を行うため、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)を行っている。FFT アナライザでは高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)を用いるが、これはDFTを高速演算する算法である。パワースペクトルの次元は振幅の2乗だが、リニアスケールのときは「√(V2rms)」としている。したがって、その周波数の時間波形の実効値と一致する(計測器のメニューにより「V2rms」の表示も可能)。初期状態では、X軸は周波数、Y軸は1(V2rms)を0(dBVrms)とする対数スケールで表示される。パワースペクトルのリニア/ログ換算は簡便にできるが、計算値は有効桁の関係から真値と完全には一致しない場合がある。 (小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より) (※)rmsは実効値 のこと。
- パワースペクトル密度(ぱわーすぺくとるみつど)
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(Power Spectral Density)ディジタルFFTアナライザでは分析周波数レンジによりバンド幅(⊿f)が異なる。たとえば 1/800分解能のとき、20kHzレンジでは25Hz(=20kHz/800)がバンド幅に相当する。ここで、ホワイトノイズなどの広帯域にわたる(分布する)信号を周波数分析すると、そのパワーはバンド幅ごとの積分値として得られる。したがって分析レンジを変更すると、この値が変化し比較できない。そこで単位周波数(1Hz)あたりのパワースペクトルを求め、これをパワースペクトル密度(略してPSD)という(ただしラインスペクトルの信号では意味はない)。計算式は各ウィンドウに対応したバンド幅で得られたパワーを規格化している。また、このパワースペクトル密度を求める場合はなるべくハニングウィンドウまたはレクタンギュラウィンドウにて測定することを推奨している。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より。詳しい数式は小野測器HPを参照。)
- 標本化定理(ひょうほんかていり)
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(sampling theorem) サンプリング定理の別名。連続信号(アナログ値)からデジタルデータを作成する標本化の際に、サンプリングする周波数(サンプルレート)について記述した定理。オシロスコープやFFTアナライザなどの多くのデジタル計測器に関連する法則で、計測器の利用者が知っておく基礎知識の1つ。 参考記事:デジタルオシロスコープの基礎と概要 (第2回)・・オシロスコープの重要な仕様の1つであるサンプリング周波数について解説。
- ヒルベルト変換(ひるべるとへんかん)
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(Hilbert Transform)実関数f(t)をヒルベルト変換してg(t)にすると、 f(t)のエンベロープを求められ、さらにそれから対数減衰率や減衰比を計算することができる。エンベロープはシステムの瞬時のエネルギーの時間変化を表す。またf(t)を単に振幅だけではなく、瞬時位相というもう一つのパラメータから観測することができる。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より。詳しい数式は小野測器HPを参照。)
- フーリエ変換(ふーりえへんかん)
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(Fourier Transform) 数学の理論で、時間的な現象を周波数に置き換える手法。時間領域(時間を引数※とした関数式)では微分方程式などで表され、具体的な答え(システムへの入力が変化したときの出力など)を計算する(数式を解く)ことが簡単ではないとき、フーリエ変換で周波数の関数式に変換して解を求め、時間関数に戻す逆の変換(逆フーリエ変換)をして時間領域の答えを算出する。微積分方程式などの難しい数式を、簡単な代数計算に変換する手法をラプラス変換というが、フーリエ変換は工学などの分野で大いに利用される解析手法である。関係式を数学的に計算が簡単になるような領域に変換して解を求め、逆変換で元の領域での結果を計算する解析手法が、工学などの実利的な分野で使われる。 電気の物理現象(アナログの測定値)をADコンバータでサンプリングして有限のデジタルデータにしてフーリエ変換する手法を、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)という。FFTを使った振動・音・ひずみなどの主に低周波の周波数分析器がFFTアナライザで、高周波(RFなどの無線通信の周波数)で使われるスペクトラムアナライザと使い分けられている。 FFTアナライザの国産トップブランド、小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には以下の解説がある。 フーリエ変換は、時間関数からそれに対応する周波数関数を求め、逆フーリエ変換は周波数関数から時間関数を求めるものである。時間関数x(t)と周波数関数X(f)との関係を示す2つの変換式はフーリエ変換対、またはフーリエ積分対といわれる。周波数fの関数であるX(f)は複素振幅(またはフーリエスペクトル、周波数スペクトル)と呼ばれる。 ※ 上記のtやfが関数の引数。