計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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カーブ・フィッティング(かーぶふぃってぃんぐ)

(Curve Fitting)機械などの構造物の動的特性の測定では、通常、構造物にハンマーでインパルスを加えて得られるインパルス応答を、FFTで処理して系の伝達関数を求めている。しかし、FFTを用いた伝達関数は、有限の等間隔周波数分解能をもつ離散値データであるため、振幅曲線が急激に変化する固有振動数付近では測定点が非常に少ない。そのため、これから求めたナイキスト線図は理想的な円軌跡とはならないので、正しいピーク値、固有振動数などのモーダル・パラメータを得るためには、この等間隔データ間を補間しながら計算する、曲線あてはめ(カーブ・フィット)が必要である。カーブ・フィッティングと呼ばれる手法は、伝達関数の解析式を想定し、この式中の固有振動数、減衰比、振動モードなどのモーダル・パラメータを適当な値にすることにより、実測された伝達関数とモデルの伝達関数をできるだけ近似させるようにするものである。これは、モーダル解析において、構造物の動的応答を理論的に決定づけるものである。実際のカーブ・フィッティングでは、まず測定して得られた離散系の複素伝達関数の実数部と虚数部を用いて、複数個の点をナイキスト線上にプロットする。次に、これらの点との誤差が最小になるような、理論上のナイキスト線図を算出し、このナイキスト線図から改めて伝達関数を計算して求め、測定した伝達関数にこれをフィットする。測定された伝達関数のカーブ・フィッティングには、主として2つの方法が用いられる。各振動モードのピークが離れていて、相互に影響を及ぼさない場合には、1自由度系のカーブ・フィット(SDOF:Single-Degree-of-Freedom curve fit)が使われる。一方、隣接する振動モードの特性が互いに重なり合った場合には、多数の振動モードの影響を考慮する必要があり、伝達関数を解析的に表現している多数のモーダル・パラメータを、測定された伝達関数に同時に適合させる計算アルゴリズムが要求される。この方法は、多自由度系カーブ・フィット(MDOF:Multi-Degree-of-Freedom curve fit)と呼ばれている。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)

回転次数比分析(かいてんじすうひぶんせき)

(Rotational Order Ratio Analysis) 小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には次のようにある。回転次数比分析とは、回転機械の振動や騒音の周波数分析を行う場合、回転体に取付けたパルス発生器のパルスを外部サンプリングクロックとして、信号のサンプリングを行う方法である。周波数分析で、1 Hzは1秒間に1周期を完了する成分だが、これに対して回転次数比分析で回転1次とは、基準とする回転体の1回転について1周期を完了する成分をいう。回転2次は1回転について2周期を完了する成分で、回転1次の2倍となる。このように1回転当りの変動を基準とする分析を行うためには、回転数に同期したサンプリングを行う必要がある。内部サンプリングクロックそのままでは、回転速度が変化すれば1回転当りのサンプリング点数は変わってしまうが、回転パルスに同期したクロックをサンプリングクロックとした場合には、1回転当りのサンプリング点数は常に一定となる。例えば、600 r/minで回転している回転体ならば、回転1次は(600 r/min)/60 =10 Hz、回転2次は20 Hzとなる。回転速度が上昇して700 r/minになると、回転1次は11.7 Hz、回転2次は23.3 Hzに上がる。このように周波数は回転速度の変化に伴って変動してしまうが、次数として正規化すれば、回転変動による影響を受けず、ある成分に着目することも容易となる。

回転トラッキング分析(かいてんとらっきんぐぶんせき)

(Rotational Tracking Analysis) 回転次数比分析の応用として、回転トラッキング分析がある。回転トラッキング分析は、ある次数成分の振幅の変化を回転速度を横軸のパラメータとしてトレースすることによって、ある回転速度に対して、回転機器のどのコンポーネントが共振しているのか、あるいは回転速度の何倍(何次)の成分が共振しているのかを見極めるもの。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)

開ループ・閉ループ演算(かいるーぷへいるーぷえんざん)

(Open-Loop/Closed-Loop Operation)測定した開ループおよび閉ループ伝達関数はそれぞれ演算により閉ループ、開ループ伝達関数にすることができる。フィードバック要素がない場合、得られた開ループ伝達関数をG0とすると閉ループ伝達関数GCは、GC=G0/(1+G0)。得られた閉ループ伝達関数をGCとすると開ループ伝達関数G0は、G0=GC/(1-GC)となる。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)

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