計測関連用語集

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ウィグナー分布(うぃぐなーぶんぷ)

(Wigner Distribution)FFT解析関連で使われる用語。量子力学の分野において、E. Wigner により提唱されたもので、非定常信号に対して拡張されたパワースペクトルというような性質をもつもの。従来のFFTでは時間分解能―周波数分解能が相補的な性質(周波数分解能を上がるとサンプル時間が長くなる。)を有しているため、非定常的な信号の瞬時的なスペクトルを良好な分解能で求めることは困難だったが、これに対しウィグナー分布では時間分解能―周波数分解能の相補的な制約を直接受けないため、周波数―時間平面上でパワースペクトルの良好な時間―周波数分解能を得ることができる。しかしながら、計算点数がFFTと比較して非常に多いことから、実用的ではなかった。小野測器のOscope 時系列データ解析ツール(ソフトウェア)のオプション OS-0263 時間-周波数解析ソフトを使用するとウィグナー分布の解析ができる。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)

ウインドウ(ういんどう)

(Window)小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には次のようにある。別名:時間窓 (Time Window)。FFT処理は、サンプリングされた数値データ系列のうち、ある区間(例えば1024点とか2048点)のデータについて行われるが、このように波形の一部を切取ることをウィンドウ(時間窓)で波形を切取る、またはウィンドウをかけるという。フーリエ変換は無限長のデータを処理することで定義されている。離散的フーリエ変換(DFT)においてもこれは変わらず、FFTアナライザでは、ウィンドウで波形を切取ると、その区間の波形が無限に繰返されるという仮定で信号解析を行う。このとき解析データ長(ウィンドウの長さ)がそれぞれの周波数の周期の整数倍になっていれば、FFTアナライザで仮定された波形は実際の入力波形と一致し、単一のラインスペクトルが得られる。ところが解析データ長が周期の整数倍と一致していない場合(周波数分解能にあてはまらない場合で、始端と終端がつながらない)は、ひずんだ波形を処理することになり、そのスペクトルはパワーが集中しないで、左右に広がり(サイドロープ)が生じてしまう。このパワーの漏れをリーケージ誤差と呼んでいる。そこでこのリーケージ誤差を防ぐのが、ウィンドウ処理になる。フレームの両端がゼロとなるような山型の関数をフレームに掛合せれば、始端と終端がつながり誤差が少なくなる。このような関数をウィンドウ関数と呼び、ウィンドウ関数により解析信号を同期させる処理のことをウィンドウ処理という。その結果、スペクトルの形はラインスペクトルに近づいている。ウィンドウとして代表的なものがハニングウィンドウだが、その他解析信号に応じてそれぞれ適したウィンドウを使用する。

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