計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

388

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

吸着(きゅうちゃく)

(adsorption)[水分用語]吸収された物質が固体の表面にたまっている状態のこと。固体の内部まで移動した状態は収着(sorption)といわれる(または吸収と吸着を合わせて収着という)。水分に関する学術用語である。 

凝結物(ぎょうこぶつ)

[水分用語]凝結した物質、例えば液体状態の水あるいは氷。(「気体中の水分管理」の会社、株式会社テクネ計測の「湿度で良く使われる用語」より)

許容印加電圧(きょよういんかでんあつ)

(Allowable Applied Voltage)機器に入力可能な最大電圧のこと。計測器の大変一般的な仕様を規定する用語であるが、たとえば過入力に注意が必要なスペクトラムアナライザでは「最大入力レベル」という表現が普通で、「許容印加電圧」といういいかたはあまりしていない。「許容印加電圧」はFA、センサ、ひずみ測定などの分野で良く使われている。株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」には「許容印加電圧(Allowable Exciting Voltage):変換器に有害な永久変化を生じることなしに連続して加え得る最大の電圧(V)」とある。

許容過負荷(きょようかふか)

(Over Load/Safe Overload/Maximum Safe Overload)仕様を超える永久変化を生じることなしに連続して加え得る負荷で、容量に対するパーセンテージで表す(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)。特性上、仕様を越える永久変化が生じることのない負荷で、定格負荷の百分率で表わす(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)。

許容曲げモーメント(きょようまげもーめんと)

(Allowable Bending Moment)変換器に有害な永久変化を生じることなしに加え得る最大曲げモーメント(kN・m)。(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)

距離計(きょりけい)

距離を測定する機器。レーザで距離を測定するレーザー距離計が有名。可搬型で通販サイトで販売している。メーカとしてはライカ(Leica)が有名だが、現場用の測定器を多くラインアップしている計測器メーカ(日置電機やカスタムなど)も製品を販売している。ニコン製品の名称は「ゴルフ用レーザー距離計」である。

近接拡大レンズ(きんせつかくだいれんず)

非接触温度計(サーモグラフィカメラ、サーモトレーサ、熱画像計測装置)の用語。微小物体の温度分布測定のため検出部に装着されるオプションレンズ。関連用語:広角レンズ。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

クオーツ温度計(くおーつおんどけい)

水晶振動子をセンサーとした高精度の温度計。(=水晶温度計)

クライオスタット(くらいおすたっと)

試料を低温に保つための装置。物性測定、構造解析、光学測定などで計測器とともに使われる。

繰り返し性(くりかえしせい)

(repeatability) 同一の負荷条件ならびに同一の環境条件において同じ負荷を繰り返した時の出力の最大差。定格負荷において測定し、その値を定格出力に対するパーセンテージで表す(%RO)。(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)

クリモマスター風速計(くりもますたーふうそくけい)

カノマックスの風速計の品名。略称:クリモマスター。

グローブ温度計(ぐろーぶおんどけい)

直径15cm程度の黒いグローブ球の内部に温度センサーを設置した温度計。

CRONOS compact(くろのすこんぱくと)

CRONOSはドイツimc社のひずみデータロガーの名称。2002年発売で日本の鉄道車両(特に新幹線)の試験で使われたモデルCRONOS PLの、後継機種として2010年代に発売されたモデルがCRONOS compact。CRONOS PLは中止品で、CRONOS compactは現役(2022年12月現在)のため、鉄道車両の試験ではPLかcompactが使われる。ユーザはJR東海や鉄道車両メーカで、設備としての購入とレンタルが活用されている。 製品はメインフレームと測定モジュール(アンプ)で構成される。新幹線などの車両の試験には、32ch程度の入力ができる構成にしたCRONOSを1車両に1台乗せ、場合によっては数台をつないで同期させて試験を行う。32ch構成では概算価格は約1千万円になる、大変高額なデータロガーである。ユーザがレンタルを活用するのは、製品が高額でかつ、短期間に複数台が必要で、使用期間が事前にわかるので調達しやすいからである。携帯電話のメーカが日本に数多くあったガラケー時代に、無線機テスタやシグナリングテスタなどの数百万円~1千万円/台する高額な通信測定器が複数台、定期的に携帯電話メーカにレンタルされた。通信の専用器にはこのような事例があるが、データロガーは(一般的には)安価な低周波の基本測定器である。ところが運輸機器(特に飛行機、鉄道)向けの多チャンネルのひずみ測定には、高額な専用器であるひずみデータロガーが使われる(一般のデータロガーとは違うので筆者は特別に「ひずみデータロガー」と呼称している)。専用器というのは、ここで示した特別なアプリケーション以外には使わない、という意味である。たとえば1千万円のデータロガーで温度測定をすることはない。 CRONOSとよく似たひずみデータロガーにDEWETRON(デュートロン)やDEWEsoft(デューソフト)がある。JR東海がCRONOS PLを採用する以前に、新幹線車両を製造する日立製作所や日本車両などのメーカはCRONOSやDEWETRONを評価している。CRONOSよりDEWETRONが優れているという認識だった車両メーカもあったようだが、JRがCRONOSを設備導入後は、各車両メーカの試験機材はCRONOSに統一された。2000年代の早い時期に(JRより早く)CRONOS PLを使って実際の車両で試験をしたのは日立製作所といわれている。

CRONOS PL(くろのすぴーえる)

CRONOSはドイツimc社のひずみデータロガーの名称。CRONOS-PLは日本の鉄道車両の試験で使われているモデル。JRが新幹線の走行試験で多チャンネル(16~32ch)モデルを設備導入していて、民間の車両製造会社(川崎重工、日本車輌、日立製作所などの新幹線車両のメーカ)も同じ機材を試験で使用している(imc社の日本での販売は東陽テクニカ)。同様のひずみデータロガーとして自動車車体の試験にはDEWETRON(デユートロン)やDEWEsoft(デューソフト)が良く使われている。 CRONOS PLは2002年にリリースされ、2010年代に後継モデルCRONOS compact(コンパクト)が発売されている。メインフレームはPL-4、PL-8、PL-16がある(数字が大きいほどモジュール用のスロット数が多いので、測定できる入力chを多くできるが、寸法は大きくなる)。測定モジュール(アンプ)はSC2-32やBR-4などがある。たとえばバンドル形名CRONOS-PL-8(/BR-4x8/OFA/GPS/ONKL)は、アンプモジュールBR-4を8枚、メインフレームのPL-8に挿入し、OFAやGPS、ONKLというオプションが付いている(BR-4は入力2chなので、この構成は32ch入力になる)。SC2-32は32ch入力できるが、サイズが大きく4スロットを占有する。測定モジュールは仕様によって数種類あり、選択できる。 鉄道車両の試験ではPL-8にBR-4かSC2-32を装着して16~32chにする構成で使われた(概算価格で約1千万円程度になる、高額な多チャンネルデータロガーである)。ユーザは自社資産とレンタルを組合わせて上手に利用した。JR東海やJR東日本が新型の新幹線車両を継続して開発し、北陸新幹線などの整備新幹線が新設された2000年~2010年代に、JR及び各車両メーカはCRONOS PLで盛んに試験を行った。 imc(正式にはimc Test & Measurement GmbH)社はドイツのベルリンに本社がある、ひずみ計測を主体にしたメーカ。センサから計測器まで幅広いソリューションがあり、自動車の通信規格であるCANバスに対応したCANSAS(カンサス)などの製品もある。自動車は2~8ch程度のチャンネル数が少ないモデルも使われる(鉄道は16~32点/1車両で、数車両を測定するので、32chタイプのCRONOSを複数台同期させることもある)。 またimc社のデータ解析ソフトウェアFAMOSはバックエンドとしての波形解析に優れているので、ハードウェアとしてのデータロガーはCRONOS(つまりimc)を使わないが、解析用途ではFAMOS(つまりimc)を使っている技術者もいる。ひずみだけでなく振動などの物理量測定では、データ収集後の解析が重要で、DEWEsoftは元々、DEWETRONの解析ソフトウェアの名称である。ソフトウェアの世界では日本は弱く、欧米企業が世界標準になることはMicrosoftに限らず計測器業界も同じである。

傾斜計(けいしゃけい)

物の傾斜(水平度)を測定する機器。水準器を使うものなど複数の種類がある。メーカは新潟精機や大菱計器製作所など。計量用品、工具の分類で、いわゆる計測器メーカはつくっていない。通販で販売している。

軽量床衝撃音発生器(けいりょうゆかしょうげきおんはっせいき)

中・高音域の遮断性能に関する床の表面仕上材の性能をチェックする機器。

ゲージ圧(げーじあつ)

大気圧を基準として表す圧力。計測器としての圧力計にはゲージ圧、絶対圧、差圧など測定可能な圧力が仕様で謳われている。

ゲージ圧計(げーじあつけい)

ゲージ圧(大気圧を基準にした圧力)を測定する機器。

ゲージ長(げーじちょう)

(gauge length)ひずみゲージのひずみ受感部の測定軸方向の長さ。(株式会社東京測器研究所の「ひずみゲージの基礎知識」より)

ゲージ抵抗(げーじていこう)

(gauge resistance)ひずみゲージの電気抵抗のこと。ひずみゲージは与えられたひずみに比例してゲージ抵抗が変化するため、物理量である応力(ひずみ)を検出できるセンサ。