計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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Termoview(さーもびゅー)

チノーのサーモグラフィ(熱画像計測装置)で、体表面温度測定モデルの通称。同社はサーモグラフィCPA-L4シリーズをベースにした体表面温度測定に特化した専用機種Thermoview CPA-L25TVを、新型コロナウイルスが蔓延する2020年4月に発売した。カタカナ表記は「サーモヴュー」である。「Thermo Viewer( さーもびゅあ)」だと、一般的にサーモグラフィ(2次元の温度分布を色で表示する、非接触の温度測定器)の別称である。

TC(てぃーしー)

(Thermo Couple) 直訳すると「温度の対」だが、日本語では「熱電対」と呼ばれている。温度センサの代表である。通常は「熱電対」と表すが、略記としてTCは良く表記される。構造は、2種類の金属を使い閉回路をつくる(2本の金属の線を2か所でつないでループにする)。つないだ箇所(接点)どうしに温度差があると電流が流れる(熱起電力が発生する)。電圧を測定すると温度を知ることができるため、温度センサとして利用される。TCを熱電対、RTDを測温抵抗体という日本語にしたのにはセンスが感じられる(単純に直訳しないで意味が伝わる熟語になっている)。

TEDS(てっづ)

(Transducer Electronic Data Sheet) 計測用センサに組み込まれた電子チップにセンサ固有の情報が記述されている仕組み。IEEE 1451.4規格によって定義されているため、TEDS対応のセンサは異なるメーカの計測器でも読み出せるので、(センサ固有の数値を)手動設定入力せずに測定ができる。データはセンサパラメータのテーブルであるテンプレートに格納され、電圧センサ、ひずみゲージ(ブリッジセンサ)、電流出力センサなど、多種類のテンプレートが用意されている。 TEDSは「センサ内でトレーサビリティデータを記録してあるEEPROMで、データを電子的に読み書きすることができるチップ」である。マイクロホン(マイク)では内部のプリアンプに内蔵されている(マイクは圧電素子を使った振動センサである)。マイクを複数使用するときは、センサの位置を特定するのにTEDS対応だと便利である。TEDSはひずみ、振動、音などのセンサ(トランスデューサ、変換器)を中心に普及しているが、センサを自社で独自開発している計測器メーカは、TEDSではなく自社規格の場合もある。風速計の国産トップメーカである日本カノマックスは、熱線式センサで風速や風温を測定している。代表的なアネモマスター風速計の1550/1560を約30年ぶりにリニューアルし、2021年に1580/1590を発表した。旧来は本体にEPROMで記録していたセンサの情報を、センサがつながっているプローブボックスに持たせて、操作性を向上させたが、TEDSではない(以下のHVAC&Rの記事が詳しい)。 計測器メーカでは共和電業や東京測器研究所(ひずみ測定器)、小野測器(振動測定)、東陽テクニカ(PCBなどの加速度ピックアップ)、TEAC(ティアック、加速度トランスデューサ、レコーダ)、HBM(センサ、DAQ)などがTEDS対応のセンサをラインアップしている。TEDS対応は海外メーカから普及したようで、ティアックの「ロードセルの製品サイト」にはTEDS対応への取組みについて 「国内で最初にマニュファクチャラーIDを取得。ワールドワイドでは16番目(現在登録数90社中)に取得済み。」とあり、国産メーカでは最も早くTEDS対応を完成させている。 読み方は「てっづ」と発音されている。ローマ字表記でDUは「づ」、ZUは「ず」なので、TEDSは「てっず」ではなく「てっづ」だと筆者は思うが、明確な読み方の表記は不明。最近はGoogleがAI検索を試験導入していて、「TEDS 読み方」で検索すると「てっず」と表示されるが、具体的に「てっず」と記述している文献はに当たらない(2025年1月現在)。

Trillion Sensors Universe(とりりおんせんさーずゆにばーす)

翻訳すると「1兆個のセンサを使う宇宙(社会)」。2013年頃に米国で提唱された「(10年後の)2023年には年間1兆個を超すセンサを活用し、あらゆるものをセンサにつなげ、ICT活用により、さまざまな分野で変革をもたらそう」とする構想。 各種の物理量を検知するセンサはIoTの重要な要素である。EV(電気自動車)などは多くのセンサをすでに搭載し、これから実現する自動運転(ADAS)ではよりセンサが増える。2023年に1兆個になるかは不明だが、Trillion Sensors Universeは、センサ技術がIoTなどの近未来のインフラに活用されることを象徴することばである。

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