計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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冷接点補償器(れいせってんほしょうき)

熱電対の冷接点が常に0℃になるように電気的に補償を行う機器。 別名:ゼロコントローラ。製品としてはコパル電子の0℃基準温度装置(ZERO-CON)、チノーの基準接点温度補償器、エム・システム技研のカップル変換器(冷接点補償精度が良い)などがある。

レーザー干渉計(れーざーかんしょうけい)

レーザー反射光の干渉を利用して、ミラーやレンズなどの光学部品・精密部品の表面形状誤差(平面度、球面度)を高精度に測定する機器。

レーザー式変位センサ(れーざーしきへんいせんさ)

非接触で対象物の移動距離(変位)を検出するセンサー。

レーザー測長器(れーざーそくちょうき)

レーザーを利用して、工作機械の性能を測定する機器。

レーザードップラ振動計(れーざーどっぷらしんどうけい)

(laser doppler vibrometer) 非接触で対象物の振動(速度)を測定する測定器。非接触式振動センサの代表的な製品。一般的な振動計は接触式振動センサを使用している。ただし対象物が小さかったり、回転していたりするとセンサを取り付けることができない。そのような場合にレーザーを使って計測するレーザードップラ振動計が使われる。 海外のpolytec(ポリテック)社が世界トップ。国産ではアクト電子(株)や小野測器がつくっている。

レーザー変位計(れーざーへんいけい)

(laser displacement meter) 非接触で対象物の移動距離(変位)を測定する変位計の1種。HP(現キーサイト・テクノロジー)はレーザー変位計の老舗で、同社ホームページには「レーザー干渉計/レーザー測定器ポジショニング・システム」の名称で製品ページがある(2025年現在)。「YHP、HP、アジレントから引き継がれるレーザ干渉計ソリューションのラインナップ」とPRしている。レーザー変位計による超精密位置決めシステムは、寸法測定や移動制御において、非常に精度の高い位置情報や距離情報を収集できる。

レゾルバ(れぞるば)

(resolver) 回転体の速度を検知するために使われるセンサ。実際は回転角を検出して電気信号を出力する角度変位センサがレゾルバで、角度変位から回転体の速度を算出する。速度制御が必要なモータなどは、回転している速度を知ることが必須なため、ロータリーエンコーダやレゾルバが必ず使われている。 レゾルバの原理は電磁誘導で、励磁コイルと検出コイルの間に生じる磁界変化から回転角度を検出する。モータと同様にステータ(固定子)とロータ(回転子)で構成され、ロータの角度に応じた起電力が発生するようにつくられている。出力するのはアナログ信号である(ロータリーエンコーダの出力はデジタル信号)。 レゾルバは堅牢性や耐久性に優れ、過酷な環境下でも長期間使えるため、自動車の電動化(xEV)で脚光を浴びている。レゾルバの特許を科学技術情報サイト J-GLOBAL(科学技術振興機構)で探すと、2007年にモータメーカである日本電産(現ニデック)が「レゾルバの製造方法」を出願している。

レベル計(れべるけい)

(level meter) 主に2つの意味がある。 1.通信回線内の信号の電圧レベルを測定する測定器。1980年頃まで電電ファミリーの アンリツや安藤電気 がラインアップしていた。アナログの伝送路の評価に使われる。選択レベル計は、現在の「広い変調帯域幅をもつデジタル通信」で活躍するスペクトラムアナライザ(スペアナ)のように、アナログ通信時代には使われた測定器なので、スペアナの1種と解説している文献もある(TechEyesOnlineの記事【基礎と概要】スペクトラムアナライザ 第1回の2ページ)。アンリツの選択レベル計にはセレモなどがあったが、すべて生産終了している。通信工事用途の計測器をラインアップしている大井電気にはレベル計がある。 2.液体の高さ(液面のレベル)を測定する、計装の機器(工業計器、プロセス用途の計器類)である レベルセンサには静電容量式レベル計などがある。いくつかの方式によって名称が違うので、一括りにして「レベル計」と表記(呼称)している。 レベル計というと、アナログの通信計測器と、工場やプラントで使われる工業計器の2つがある。以前なら通信計測器のレベル計の方が圧倒的に市場規模が大きかったので、「レベル計といえば通信だ」と断言できたが、今は生産額が激減している。そのため現在では工業計器のレベル計のことを指しているという説明もできる。 上記以外にも振動計の1種に「振動レベル計」があり、リオンが複数モデルをラインアップしている。東京計器は超音波流量計だけでなく、電波レベル計なる製品もつくっている。

レベルセンサ(れべるせんさ)

液体タンクやポンプなど、液体の入ったものの液体の高さ(液面のレベル)を測定する機器のこと。別名レベル計とも呼ばれる(※)。方式により、静電容量式レベル計 などがある。広義には気体と液体、気体と粉粒体、など状態の違う2つの境界面をレベルと呼び、その位置を測定するものをレベルセンサやレベル計と呼んでいる。 (※)一般に計測器でレベル計というと、通信計測器の内、アナログ伝送路の信号レベル(信号の大きさ、dB)を測定する計測器を指していて、液面をレベルと呼んで高さ測定をする機器のことを指すことは無い。そのため当用語集では「レベル計」をカテゴリー「伝送/交換装置用測定器」に分類している。

レベルレコーダ(れべるれこーだ)

(level recorder) 騒音測定に使用する専用のレコーダ。騒音計や振動レベル計などを接続して、レベルの時間変動を記録する。環境計測のメーカであるリオンの記録計の品名でもある。現在はモデルLR-07が現役機種(2022年12月)。LR-07は記録紙と専用ペンで各種信号の時間変動を記録する。メーカの製品説明には「騒音、振動レベル記録のほか、各種音響機器の特性試験や電圧のリニア記録まで幅広く使用できる」とあるが、自動平衡式記録計、つまりペンレコーダである。なので、振動・騒音用途以外にも使える、一般的なペンレコーダである。 ペンレコーダは特殊用途以外にはほとんど見かけなくなった(記録計の計測器メーカはほとんど生産終了している)が、同社がいまだにレベルレコーダを1モデルつくっているのは、それなりに需要と売上があるためと思われる。騒音計や振動レベル計は屋外で使用する現場測定器である。計測したデータをその場で紙(チャート)に印字して残す、という需要(習慣)がいまでも続いていると推測される。そのための小型の1ペンのペンレコーダがLR-07である。記録計が測定した電圧変化を紙に印字して目視で確認する、という検査手法もあり、チャート式の記録計は一部のアプリケーションで健在である。 「レベルを記録する」のでリオンはレベルレコーダと呼んでいるが、この名称は一般的な測定器の名称ではない。英語でlevel recorderといっても英語圏では伝わらないと思われる。

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