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- FAMOS(ふぁもす)
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(fast analysis and monitoring of signals) 元々の英語を翻訳すると「信号の高速分析と監視(モニタリング)」。ひずみ測定が得意なドイツの計測器メーカimc(正式にはimc Test & Measurement GmbH)社は1987年にWindows3.11版のFAMOSをつくった。画像解析など、測定結果を視覚的に表示する、グラフィカル データ分析プログラムである。多くのサイズのデータの高速表示と処理を行えることが特長である。 Imc社の日本での販売を行っている東陽テクニカは「imc FAMOS 波形解析ソフトウェア」と題したリーフレットをつくっている。「1989年にWindows波形解析ソフトウェアとして開発されたimc FAMOSは、試験計測技術者に対して試験計測後のPCを使った測定データの観察・解析・報告書作成をサポートする」とある。 FAMOSは自動車産業、輸送機器産業、電力産業、重工業などの多くの産業で、試験計測の後処理業務(バックエンド)で採用され、試験計測業務の効率改善(測定データの観察・解析・報告書作成など)に寄与している。 imc社にはハードウェアとしてのデータロガー(CRONOS PLやCRONOS compactなど)があるが、他社の計測器で収集したデータをFAMOSで処理している技術者もいる。それくらい、振動やひずみの解析ではシェアがあるソフトウェアがFAMOSである。自動車業界で導入されたデータロガーであるDEWETRON(デュートロン)も強力な解析ソフトであるDEWEsoft(デューソフト)が強みだった。
- フィールドバランサ(ふぃーるどばらんさ)
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(field balancer) フィールドバランサやバランシングマシン(動釣合試験機)は、回転体の不釣合いを測定する機器。回転中心と重心がずれていると、回転させたときに余計な振動が発生する。振動の原因は余分な質量があるためなので、それが何度の位置に何グラムあるかを計測して、それを相殺する重りをどこに付けるか(あるいは削るかして)振動が軽減するか計測する。計測器を現場に持っていき、対象機器に振動センサ(回転センサ)を付け、対象機器自身の軸受けや回転機構を使ってバランスをとる計測器をフィールドバランサという。 回転機構がある様々な機器(送風機、電動機、ポンプなど)の回転体の不釣り合いを修正することで、振動や騒音の軽減を行う。現場作業向きのポータブルサイズで、バランシングマシンのように専用の駆動装置を必要としない(バランシングマシンは駆動機構を備えているので、大型の試験機器である)。測定対象や用途に応じて種類を選ぶ。一般回転体や精密研削盤用には一定速フィールドバランサ、弾性ロータや超精密機械用には多速フィールドバランサなどがある。回転機器の調整や保守に不可欠なツールとして、工作機械や電動機などの高精度な加工/運転が求められる機械で使われる計測器といえる。 フィールドバランサは、シグマ電子工業株式会社が30年位前からつくる老舗(国内トップシェアを自負している)。従来は技術者が電卓で計算しながらバランス修正していたのを、同社が初めて自動で修正指示量の表示までする計測器にしたといわれている。エレベータ用振動計などの振動計測専門メーカの昭和測器株式会社や、設備診断機器を手掛ける旭化成テクノシステム株式会社もラインアップがある。精密測定機器の商社である日本海計測特機株式会社も取り扱いがある。
- 風向風速計(ふうこうふうそくけい)
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風の速度(風速)だけでなく向き(風向)も測定できる機器。センサー(感部)が2つを検知できるようになっている。測定方式は超音波式や風車型などがある。風向の測定機能がある風速計というよりは、気象観測機器メーカがつくっていて屋外に設置されて使われる機器である。風速計のトップメーカ「日本カノマックス(加野五郎が1943年に設立した日本企業。海外メーカのカノマックスの日本法人ではない。)」や環境測定器のtesto(テストー)には品名「風速計」はあるが「風向風速計」は見当たらない。風速(速度)という物理量の測定器というより、気象観測機器である。
- 風速計(ふうそくけい)
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風速(風の速度)の測定器の総称。センサー部分で風圧を測定して風速に換算する方式以外に、熱線式、ベーン式、ロビンソン式など複数の種類がある。測定器メーカとしては、加野五郎が1943年に設立した「日本カノマックス(海外メーカのKANOMAXの日本法人ではない。)」や環境測定器のtesto(テストー)がラインアップが豊富。
- フォーティブ(ふぉーてぃぶ)
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(Fortive) 大手計測器メーカのTektronix(テクトロニクス)とFluke(フルーク、グループ会社含む)の持ち株会社。経緯を書くと、両社は別々に米国の投資会社ダナハー・コーポレーションに売却され、その傘下となった。その後、ダナハー・コーポレーションは2つに分かれ(2016年に、ダナハーの25%を占めていた工業機械関連会社がフォーテイブとして独立し、ダナハーには化学・健康機器関連の企業が残った、という説明もできる)、その一方のフォーティブ・コーポレーションの傘下に株式会社フルークと株式会社テクトロニクスは入った。発足当初の日本の社名は「株式会社TFF」で、その下に両社があった。後にフルーク社とテクトロニクス社を内包した社内カンパニー制度をとる「株式会社テクトロニクス&フルーク」となった(2021年)。それ以前は「テクトロニクス社/ケースレー社」と名乗っていた時期もある(Tektronixは2012年に、同じくダナハー傘下のKEITHLEYを吸収している)。 TFFはあくまで日本での会社名で、日本以外ではTFFなる組織は存在しない。日本以外ではテクトロニクス、フルーク、フルーク・キャリブレーション、フルーク・ネットワークスはすべて別会社だが、日本だけTFFがあり、フルーク・キャリブレーションは「TFF社の校正器営業部」、フルーク・ネットワークスは「TFF社のフルーク・ネットワークス営業部」という組織となっている。現在はTFFとは言わないが、フルークグループの各社が、日本では営業部という組織であることは変わらない。全世界にフルークの現地法人があり、フルークジャパンのトップは「株式会社テクトロニクス&フルークの特約店営業部(あのオレンジ色のハンドヘルドの機種群を日本で販売する組織の名前は“特約店営業部”である。日本では直販をほぼしないで商社経由で売っている。)」の営業部長になる。フルークジャパンの社長ではなく、特約店営業部の部長である。 海外ではM&Aが盛んで、大手計測器メーカといえども、キーサイト・テクノロジーやローデ・シュワルツ以外はほとんどが買収・合併されている。テクトロニクとフルーク以外の主要な海外通信計測器メーカはEXFO(エクスフォ)とViavi Solutions(ヴィアヴィ)に集約されている。計測器に限らず、市場原理によって企業は整理統合される。それが当たりまえだが、日本では海外ほど淘汰が進まず、中規模以下の計測器メーカが健在である。これを日本的な風土と評価するか、産業の新陳代謝が進まず水が澱んでいるとするかは意見が分かれる。メーカは技術者が一攫千金を夢見て操業する(ソニーやホンダなど)が、計測器は市場規模が大きくないため、各計測器メーカは独自路線の中小企業になりがちで、同業他社との合弁がなかなか進まない(自社で独立する気概が高い、逆に言えば創業者の名前を大事にしていて、似た技術分野の競合と合弁する気はなくて、頑固に独立を維持する傾向が伺える)。そのため、海外のキーサイト・テクノロジーのような国産の総合計測器メーカが育っていない。 1960年頃までの横河電機はその有望株だったが、その後HP(現キーサイト・テクノロジー)とYHP(横河ヒューレットパッカード)をつくり、高周波の測定器は(YHPと競合するので)つくらない方針となった。ただし、3G(携帯電話のデジタル化)など無線測定器の市場拡大の中で、RF の測定器群に参入し、2000年頃には方針転換して計測の事業を拡大し、安藤電気を吸収した。ところが時すでに遅かったのか、10年やらずにほぼすべての計測関連事業から撤退してしまった。計測器の現在の後継会社である横河計測株式会社は、国内シェアは10%に届かず、光測定器以外は通信計測器がないので、総合計測器メーカではない。 過去に存在した国内外の計測器メーカの例: Wandel&Goltermann(ワンデル・ゴルターマン)、JDSファイテル、Acterna(アクテルナ)、安藤電気、三栄測器
- 不活性気体(ふかっせいきたい)
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(inert gas)[湿度関連の用語]窒素、ヘリウム、アルゴンなどのように化学的に反応性のない気体。(「気体中の水分管理」の会社、株式会社テクネ計測の「湿度で良く使われる用語」より)
- 付属ケーブル(ふぞくけーぶる)
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(Supplied Cable)変換器から取り外しのできるケーブルで、標準として付属している入出力用のケーブル。参考「入出力ケーブル:変換器から取り外しのできない結線されたケーブル。」(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)
- 普通騒音計(ふつうそうおんけい)
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(ordinary sound level meter) JIS C 1509で規定されているクラス2に該当する性能を持った騒音計を指す。一般的な環境騒音測定など、屋外(現場)で使用することを目的とした騒音計。 一般に普通騒音計と精密騒音計の2種類があり、主な違いは精度、測定できる周波数範囲、適用されるJIS規格など。普通騒音計の精度は約±1dB、測定周波数20Hzから8kHzに対応。もっと高精度、高い周波数、厳しいJIS規格に対応するには精密騒音計が必要。普通騒音計よりも安価な製品がECサイトで販売されていて、簡易騒音計と呼んでいる。周波数範囲の規定はなく、精度も良くないので、個人での使用に使われる。 メーカはリオン、アコーのような騒音計・振動計に注力している会社から、FFTアナライザや振動解析が得意な小野測器、環境測定器(テストー(testo)など)や現場測定器(カスタム、マザーツール、日置電機)メーカまで様々である。 小野測器は普通騒音計、精密騒音計以外に高性能騒音計 LA-7000がある。
- プッシュプルゲージ(ぷっしゅぷるげーじ)
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物を引っ張る力や押す力を測定する機器。(=デジタルフォースゲージ)
- ブリッジ(ぶりっじ)
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(bridge) 電気工学ではブリッジ回路(bridge circuit)と呼ばれるもので、電気抵抗を測定する手法の1つ。四角形の各辺が回路素子(抵抗など)で構成され、対角線の1組の端子を入力(電池などの直流電源をつなぐ)に、他の1組を出力(検流計などをつなぐ)にしている。可変抵抗器や検流計を併用して平衡状態を作り、未知の抵抗の測定を行う。ダブルブリッジ、ケルビンブリッジ、抵抗ブリッジ、ホイートストンブリッジなどがある。 ひずみゲージを使ったひずみ測定にも利用されている。対角線の一対の端子を入力と出力にする回路をブリッジと呼ぶならば、全波整流回路は四辺にダイオードがあるブリッジである。 回路図が橋(ブリッジ)の橋げたのように見えることが語源らしい。ブリッジ回路は抵抗値を精密に測定する手法だが、同じ原理で電位差を精密に測定する機器は電位差計と呼ばれる。両者の回路は同じである(TechEyesOnlineの入門記事「電気測定器を基礎方学ぶ(第1回)」に電位差計の図解がある)。
- ブリッジ電源(ぶりっじでんげん)
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(bridge excitation) ひずみ測定においてブリッジ回路に加える電源のこと。電圧(または電流)と、直流と交流の別を示す。ブリッジ電源をパルス状に加える測定器では、パルス幅を示してある。またブリッジ電源が交流の場合は、周波数を示してある。(ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所の「測定器の概要と主な用語」より) 参考用語:平衡調整範囲
- ブリッジボックス(ぶりっじぼっくす)
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ひずみゲージ と一緒に使用するアクセサリ。ゲージの微弱な信号をアンプ(ひずみ測定のフロントエンド)に伝えるための仕組み。
- フルーク・キャリブレーション(ふるーくきゃりぶれーしょん)
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(Fluke Calibration) 世界的な大手計測器メーカFluke(フルーク)の校正用計測器、標準器部門。日本では、現場測定器のハンドヘルドDMMなど、黄色の製品群で有名なフルークと、DMなどの広告・宣伝活動を一体で行っている。元々Flukeはデジタルマルチメータから校正用標準器までラインアップしていたが、校正関連の機器を分社化してFluke Calibrationをつくった。日本以外ではFlukeとFluke Calibrationは別会社だが、日本では同じ会社の別組織になっている。2社の米国本社ホームページを日本語に翻訳しているため、フルーク(fluke.com)とフルーク・キャリブレーション(flukecal.com)の2つの日本語サイトがある。Fluke Calibrationは世界的な校正機器ブランドで、「電気、RF、温度、圧力、流量、ソフトウェアの6つの分野の校正器を1つのブランドのもとに統合している(https://jp.flukecal.com/about/fluke-calibration-brandsより)」。 Flukeは以下の会社を吸収して校正機器の範囲を拡大した。 Hart Scientific(温度)、DH Instruments(圧力、流量)、Pressurements(圧力)、Ruska(圧力)。 これらの会社の製品はFlukeブランドになったが、圧力の日本での販売は株式会社大手技研が以前から行っていて、現在も総代理店をしている(つまり日本のフルーク・キャリブレーションは電気、RF、温度を担当し、圧力と流量は大手技研が取り扱う)。大手技研は圧力機器のScanivalve(スキャニーバルブ)社の販売店として有名な輸入商社だが、つくばの校正センターで受託校正を行う技術商社である。 Hart Scientific(ハート・サイエンティフィック)は温度の校正機器で有名だったが、会社名はFluke Calibrationに統一されて、聞かなくなった。DH InstrumentsはDHIと略記されるなど、まだブランド名として使われている。Ruska(ラスカ)は高精度なマノメータとしても使われ、いまでもブランドとして残っている(会社名とブランドの関係はDruckに似ている)。 フルーク製品は機種群によって、黄色い堅牢な筐体の現場測定器はFluke、校正関連機器はFluke Calibration、有線通信関連測定器はFluke Networks、産業向け温度測定機器(Raytek、Ircon、Datapaqブランド)はFluke Process Instrumentsなどの事業体がある。Flukeは1998年に米国ダナハー(現フォーティブ)の傘下になり、同じく傘下のテクトロニクスと連携が進んでいる。日本では2011年に株式会社テクトロニクス&フルーク フルーク社(会社名テクトロニクス&フルークの社内カンパニー)になった。フルーク社には、現場測定器のFluke(フルーク社 特約店営業部)と校正機器のFluke Calibration(フルーク社 校正器営業部)とネットワーク関連ツールのFluke Networks(フルーク社 フルーク・ネットワークス営業部)の3部門が所属している。
- ブルドン管(ぶるどんかん)
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(bourdon tube)断面が楕円形の薄い金属製の弾力のある管を、ほぼ円形に巻いたもの。管の変位によって管内の気体や液体の圧力を知ることができるので圧力計に使われる。ブルドン管というと、圧力計の代名詞である(計測器の圧力計ではなく、設置型の圧力計器の)。 ブルドン管式圧力計は1849年にフランス人のユージン・ブルドンが発明したもので、構造がシンプルであるため現在でも幅広い分野で使われている。日本では明治に和田嘉衡が国産で初めてブルドン管を用いた圧力計を作り、1986年に長野計器を創業している。長野計器は圧力機器のトップブランド。 参考用語:圧力計、マノメータ
- フレームタイム(ふれーむたいむ)
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非接触温度計のサーモグラフィカメラ(熱画像計測器)で、「一画面を作るために必要な時間(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)」。
- フレネルレンズ(ふれねるれんず)
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(Fresnel Lense)非接触温度計のサーモグラフィカメラ(熱画像計測器)に使われている。日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」によれば、「レンズの曲率だけを平面上に並べた構造をしている。凸型レンズに比べ平らで薄く、口径より短い焦点距離のレンズを作ることができる。」
- フローメータ(ふろーめーた)
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(flow meter) 気体、液体、蒸気の流れる量を測定する機器。流量計の別名。超音波式、電磁式、渦式などがあり、それぞれ超音波流量計、電磁流量計、渦式流量計と呼ばれる。ドップラ流量計は超音波流量計の1種である。気体の流量計をガス流量計という。 流量は英語ではquantity of flowやflow rateと表現される。つまりflowは流量。なので流量計はflowmeter。インターネットの販売店(ECサイト)では「フロー流量計」と題して、面積式流量計フローチェッカー、オリフロメータ、フローセル流量計、フロート式流量計などの名称(品名)の製品が掲載されている。 フローメータに似た製品に流速計がある(たとえば、風速計や風向風速計など)。
- 風量計(ふうりょうけい)
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(volume flow meter) 風として移動する空気の「量」の測定器。似た測定器の風速計(anemometer)は、風として移動する空気の「速さ」を測定するもの。風量は風速と似ているが定義や単位が違う。風量計は、天井や壁、格子口などの吹出・吸気口の空気量を測定する。 風量は「単位時間あたりに通過(移動)する空気の量(体積)」で、立方メートル毎分(m³/min)や、立方メートル毎時(m³/h)。風速は「1秒間に移動する空気(風)の距離(速さ)」でメートル毎秒(m/s)。換気扇は「1時間あたりに何立方メートルの空気を排気(給気)できるか」(風量)が仕様で示される。風速ではなく風量で規定される。風量と風速の関係は以下の式で表される。 Q(風量) = V(風速) × A(通過面積) 風速計に比べると風量計は少ない印象があるが、両者ともに重要で、使い分けられている。風速計の国産トップベンダ 日本カノマックスにも風量計がある。株式会社佐藤商事のHPには「風量計」が掲載されている。「サトテック 熱線式風速風量計 データロガー AM-4215SD」は「熱線式による風速(風の強さ)、風量、温度(風温)が測定可能」とある(2025年9月)。「サトテックは佐藤商事のブランド(SATOTECHR®)」と説明されている。商社である佐藤商事のメーカとしての自社製品がサトテックであるらしい。 「風量計は風速計と混同されることがあるが、風速計は風速のみを測定する機器で、風量計は風速と風量の両方を測定できる」と説明している計測器販売サイトもある。
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