計測関連用語集

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チャージアンプ(ちゃーじあんぷ)

振動測定に使う機器、または振動計そのものを指す。 電荷出力型の振動センサ(加速度ピックアップ)の出力は電荷なので、それを電圧信号に変換して(増幅し)、データ処理する計測器(DAQ、FFTアナライザ、オシロスコープなど)に入力できるようにする。振動やひずみなどのセンサからの信号微弱なので、計測器に入力できるような電圧の信号に変換(増幅)する機器が必ずある。振動計測のフロントエンドといえる。 環境計測が得意な国産計測器メーカのリオンは、騒音計や振動計を多数ラインアップしている。ハンドヘルドではなく多チャンネルの振動計はUV-15/16というモデルがある。1(または2)入力できる箱型で、複数台数を横につなげてチャンネル数を増やしていくスタック型である。それぞれの品名は、UV-15は振動計ユニット、UV-16は2チャンネルチャージアンプ。UV-15とUV-16の主な違いは入力数で、両方とも「圧電式加速度ピックアップやプリアンプ内蔵型加速度ピックアップ(IEPE/ICP)の入力に対応」している。 プリアンプ内蔵型センサは電源(定電流源)を供給する必要があるため、通常はチャージアンプではなく「定電流電源付きセンサアンプ」を使い、センサからの信号を計測器に入力する。ところがリオンのUV-16はチャージアンプといいながら、「定電流電源付きセンサアンプ」の機能を持っている。また、チャージアンプといいながら振動計そのものである(UV-15は振動計といっている!)。なので、この解説の冒頭に、「振動計そのものを指す」と書いたのである。 整理すると、チャージアンプとは1.「電荷出力型の振動センサのフロントエンド」なのだが、振動計のトップベンダーのリオンの製品名では2.「プリアンプンプ内蔵型の振動センサからの信号も受けられる、振動計の名称」である。

超音波式リーク検知カメラ(ちょうおんぱしきりーくけんちかめら)

(ultrasonic air leak detection camera) 空気漏れ(エアリーク)を可視化するカメラ。Honewell(ハネウェル)の形名「Search Sonic Imager(サーチソニックイメージャー)」の品名。ガスや圧縮空気のリーク(漏れ)を高周波音の測定によって、正確な位置をピンポイントで特定する。各種ガスや気体のリーク検知だけでなく、コロナ放電の検知によって設備の劣化防止や保全作業を効率化することに使われる。 2017年頃にJFEアドバンテックは親会社のJFEと共同開発で、エアリークビューアー MK-750を開発した。これはまさに、前述の用途に使う世界初の超音波式リーク検知カメラだった。2019年に現場測定器の雄、フルークは産業用超音波カメラ ii900を開発する(TechEyesOnlineは2019年7月にフルークのマネージャーを取材して、製品紹介記事を掲載した)。このモデルはMK-750のサイズ・質量・形状などと比較すると、現場での作業がしやすい、使い勝手が良いモデルだった。JFEアドバンテックもii900とほとんど外観が似たMK-750STを2020年に発売。フルークも2020年にii900を改良した音響イメージャー ii910を発売した。ii900、ii910、MK-750ST、Search Sonic Imagerはほぼ同じ外観である。 測量機から測定器/計測器まで幅広く現場機器をレンタルする株式会社ソーキは上記3社のモデルを取り扱っている。2024年9月にはSearch Sonic Imagerの広告をだしている。 サーモグラフィの世界的トップブランドであるFLIR(日本法人:フリアーシステムズ)は音響カメラ Si124を2023年に発売した。このモデルは上3社の製品より小型・軽量である。サーモグラフィと超音波式リーク検知カメラはどちらも同じ現場で使われる製品のため、FLIRが参入したのは当然といえる。どちらも温度やエアリークという人間が目に見えない、感知できない場所を、画像で表示する計測器である。FLIR製品は日本の計測器メーカ(岩崎通信機やアンリツ)が販売店になっている。 Honewellは計装(工業計器)分野の機器をつくっていて、ガス検知器や流量計がある。フルーク製品(ii900/ii910)と同じものをつくれる要素技術を持ち、また市場(顧客)もつかんでいることからSearch Sonic Imagerで超音波式リーク検知カメラに参入したと推測される。 エアリークビューアー、サーチソニックイメージャー、音響イメージャー、産業用超音波カメラ、超音波式リーク検知カメラ、音響カメラ、これらは全部同じ製品の呼称である。一番わかりやすい名称は「超音波式空気漏れ(エアリーク)検知カメラ」であると筆者は思う。

超音波風速計(ちょうおんぱふうそくけい)

超音波を利用して、乱流度や気流速度ベクトルを測定する風速計。

超音波流量計(ちょうおんぱりゅうりょうけい)

超音波の伝播時間を利用して流量を測定する機器。ドップラ方式・時間差方式・反射方式などがある。

チョッパーレス(ちょっぱーれす)

(chopperless)シャッター機構がない種類のサーモグラフィ。サーモグラフィカメラは周囲温度の変化によりセンサへの入射光条件が変化するため測定中に校正をしている。機械的にシャッターを閉じて行うので、その間の約1秒は測定できない。生産ラインの温度監視ではこれが許されず、チョッパーレスが使われる。「温度のチノー」をキャッチフレーズにしている株式会社チノーは産業向けのサーモグラフィでシェアが高く、チョッパーレス製品をラインアップしている。

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