計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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生活騒音(せいかつそうおん)

目に見えない音は、個々の生活環境によって不快に感じる程度が異なるため、騒音は肉体的にも精神的にも大きなストレスの原因になることがある。最近で は環境騒音に加え、深夜営業店舗の自動車等による駐車場騒音や、路上での人の声がトラブルになるケースもある。70dB以下の等価騒音レベルが、生涯 にわたって曝露されても聴力障害は生じないと期待されている。「生活騒音」についても数値基準を設ける検討をする自治体が増えてきた。騒音を受ける 側も、いつ騒音を与える側になるかわからない。(共立電気計器株式会社の用語集より)

静的ひずみ(せいてきひずみ)

(static strain)測定されるひずみ量が時間とともに変化しない場合、および緩やかに変化する場合のひずみ。時間の経過に対して変化が少ないひずみを「静ひずみ」、変化の速いひずみを「動ひずみ」と呼ぶ。(ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所の「測定器の概要と主な用語」より)

静電容量式レベル計(せいでんようりょうしきれべるけい)

液面の高さを測定するレベルセンサの1種。2つの金属板の間にある物質の誘電率によって静電容量が決まるため、液体タンクの底と上面に2つの電極を設置して、静電容量の変化によって液面の高さを算出する。 静電容量を測定していてもLCRメータのような回路素子測定器ではない。またここでいうレベルとは液面の高さ(距離)のことで、通信分野の伝送交換などで、信号のパワーを測定するレベル計や選択レベル計のことではない。静電容量式レベル計は液面の高さという距離(長さ)を測定するので測長機のような物理量計測器であるが、どちらかというと分類は計装の機器(工業計器、プロセス用途の計器)である。ここでいうレベル計が工業計器に分類されることが多いためである。 通信分野の技術者にとっては前述のように電気信号の電力(パワー)がレベルで、通信の電力計がレベル計だが、計装分野の技術者にとってはレベルもレベル計もまったく違う意味である、計測器は使う分野によって同じことがば全く違う意味になり素人にはわかりにくい。 液面の高さをレベルと呼称しているからといって、静電容量式レベル計をCapacitive level meterと英訳したら誤訳である。あえて翻訳するならCapacitive height meterであろうか。

静ひずみ(せいひずみ)

(static strain)大きさが時間的に変化しないひずみ及び変化しないと見なすことができるひずみ(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)。参照用語:静的ひずみ、動ひずみ

静ひずみ測定器(せいひずみそくていき)

時間的な変化の少ない変形(静ひずみ)を測定する機器。たとえば橋のたわみなど。製品例では、株式会社東京測器研究所のTDS-630高速高機能データロガー、株式会社共和電業のUCAM-60Cデータロガー。参照用語:ひずみ測定、静的ひずみ、動ひずみ測定器

精密騒音計(せいみつそうおんけい)

騒音研究や評価で使用することを目的とした騒音計。

赤外検出素子(せきがいけんしゅつそし)

赤外線を検出するセンサのこと。日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」には「赤外検出素子:物体からの放射エネルギーを電気信号に変換する電気部品」とある。近年の赤外線検出素子の進歩は、サーモグラフィー(熱画像計測器)の小型化、精度向上、低価格化を進めた。サーモグラフィーはこの10年で産業界や一般・民間製品へ普及した。さらに2020年からの新型コロナウイルスの感染対策では、空港や会場の入口で検査を行うサーマルカメラ(検温・体温測定装置)の設置が進んだ。

赤外線(せきがいせん)

(infrared) 電磁波の波長区分では、可視光より長く電波(ミリ波)より短い0.7μm~1mm(周波数3THz~400THz)あたりを指している。 可視光で最も周波数の低い(波長の長い)光は赤色である。可視光の赤色の外側なので日本語では赤外線と呼ぶ。英語では「周波数が赤の下」ということで「infra(下の)red(赤)」からinfraredと呼ばれ、infraとredをとってIRと略記される。可視光に近い順番に「近赤外線」(NIR:Near Infrared、約0.76〜1.5μm)、「中赤外線」(MIR:Mid-Infrared、約1.5〜5.6μm)、「遠赤外線」(FIR:Far Infrared、約5.6〜1000μm)という呼称もある(※)。 物体は温度に応じた強さの赤外線を発するので、赤外線センサを利用したサーモグラフィ(非接触の温度計)がある。また赤外線は近距離通信として、家電製品のリモコンにも使われている。サーモグラフィは赤外線の放射エネルギーを検知して温度に換算するので、赤外線放射温度計や放射温度計と呼ばれる。サーモグラフィの国産代表メーカである日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」では次の解説がある。「赤外線は波長が可視光の波長よりも長く、およそ1mm(1000μm)よりも短い電磁波。赤外線画像装置(※※)では、一般に大気の吸収の影響の小さい3〜5μmおよび8〜12μmの波長のものが用いられることが多い。」(※※ 熱画像計測装置、いわゆるサーモグラフィ) 可視光で赤色と反対に周波数が高い(波長が短い)紫色よりも短い波長で、X線より長い範囲を紫外線というが、英語では「周波数が紫より高い(超える)」ということで「ultra(超える)violet(紫)」、UVと呼称されている。IRやUVのinfraやultraは英語の言い方だが、UVは一般に広く知られる日本語になり、IRも赤外線関係者にはお馴染みの日本語である。 余談だが、通信用途で実用化された光ファイバは、3つの波長(0.85μm、1.31μm、1.55μm)が信号の伝送損失が少ないという特性を持っている。そのためこの3波長のいずれかのレーザー光を使って光ファイバ通信は行われている。電波の波長による分類だとこれは中赤外線なのだが、通信の分野では赤外線とはいわず、レーザーや光と表現される。自然界にある赤外線ではなく人工的につくったレーザー光を使うためである。重要なインフラとして世界中の基幹通信網の土台となっている光通信は特殊な専門分野である。 (※)赤外線の分類は文献によって波長が様々で、近赤外0.76〜2.5μm、中赤外2.5〜4.0μm。遠赤外4.0〜1000μmや、近赤外0.76〜3μm、中赤外3〜40μm。遠赤外40〜1000μmなどがある。波長数μm以下を近赤外,波長25μm以上を遠赤外(その間を中間赤外)と呼んだり、波長25μm、30μm、50μmを境として、それ以上を遠赤外線、以下を近赤外線と呼称していることもある。

赤外線カメラ(せきがいせんかめら)

対象物から自然に放射されている赤外線を検出して、映像として見るカメラ。

赤外線測定器(せきがいせんそくていき)

赤外線関連の測定器はたくさんあるが、筆頭は赤外線の放射エネルギーを利用した非接触温度計で、サーモグラフィや熱画像計測装置、サーマルカメラなどの各種呼称がある。赤外線カメラという呼称もあり、2020年初頭から大流行した新型コロナウイルス(COVID-19)によって、体温測定をする機器が国内で爆発的に普及した。 赤外線を使った分光機器もあり、分光放射測定器を赤外線測定器に掲載しているECサイトもある。色彩計も赤外線測定器の1種に分類されるときがある。赤外線の透過率の測定器や、赤外線レンズの評価装置を紹介するWebサイトもある。このように赤外線測定器は広範である。

赤外線放射温度計(せきがいせんほうしゃおんどけい)

物体から放射される赤外線の強度を測定することで、物体の温度を測定する温度計。略して「放射温度計」とよばれることが多い(赤外放射温度計という表現もある)。 物体から放射される赤外線(熱)を赤外線センサで捉えて、温度に換算して表示する。物体表面の温度を非接触で測定できるので、接触式の温度計より速く、簡便に測定できるが、使い方には制約もある(接触式温度計は、熱伝導によって測定対象とセンサが同じ温度になるのに一定の時間が必要)。放射温度計で、画像表示機能によって、ある範囲の場所(空間)の温度分布(2次元)を色で表現できるものを「サーモグラフィ(またはサーマルカメラ)」とよぶ。サーモグラフィは放射温度計の1区分と説明されたり、2つは別カテゴリーであったりする。温度の計測器メーカによっては「サーモグラフィ」を「熱画像計測装置」のような名称で「放射温度計」と別分類にしていることもある。2つは同じ測定原理(赤外線による非接触の温度計)だが、一般には放射温度計というと1点の温度を測定してデジタル表示するもの、サーモグラフィ(サーマルカメラ)というと温度分布を色で画像表示するもの、と解釈される(メーカによっては違う場合がある)。

積雪計(せきせつけい)

積雪を計る気象観測機器の1つ。構造的には距離計といえる。上部の測定部と雪面との間の距離を測ることで積雪の深さを求める。測定部にはレーザーや超音波の送信部と受信部がある。日本では気象業務法などの法令により、公共的な気象観測における積雪の観測手段を「雪量計」として規定している。 雨量計に次ぐ、代表的な気象観測機器だが、いわゆる電気計測器メーカはつくっていない。気象観測機器の専業メーがラインアップしている。

絶縁増幅器(ぜつえんぞうふくき)

接続される2つの回路の間に、互いの回路が干渉し合わないようにするために挿入するアンプ。(=アイソレーションアンプ)

接触式振動センサ(せっしょくしきしんどうせんさ)

加速度や歪みの測定に使用され、用途により多種多様のものがある。振動センサは別名、加速度ピックアップと呼ばれる。接触式の圧電型加速度ピックアップは販売以外にレンタルでの利用もされている。 振動計や振動レベル計などの振動計測器メーカであるリオンやひずみ計測器メーカの共和電業がラインアップしている。

絶対圧計(ぜったいあつけい)

絶対圧(真空を基準にした圧力)を測定する機器。

絶対湿度(ぜったいしつど)

(absolute humidity)[水分用語] 空気中に含まれる「水蒸気の自体の量」を表す。 たとえば気温30℃、相対湿度50%だと、絶対湿度は15.2g/㎥になる。 「気体中の水分管理」の会社、株式会社テクネ計測の「湿度で良く使われる用語」には次の解説がある。絶対湿度は、与えられた温度および圧力における湿潤空気の単位体積中に存在する水蒸気の質量。SI(メートル)単位系では水のグラム毎立方メートル(g/㎥)である。気象学では絶対湿度を「水蒸気濃度」と呼ぶ。また「質量濃度」、「体積水分含有量」などの用語も同じ意味で用いられることがある。 参考用語:湿度、相対湿度

ゼロコン(ぜろこん)

1.ゼロコントローラ(冷接点補償器 )の略称。 2.コペル電子株式会社の「0℃基準温度装置」の品名(通称)。同社のゼロコンは正確な0℃を高精度に作り出す。電子冷却式のためスイッチを入れるだけの操作で、熱電対の冷接点にしたり、温度センサの校正に使われる。同社HPには「ZERO-CON (ゼロコン)」という表記がされている。

ゼロコントローラ(ぜろこんとろーら)

熱電対の冷接点が常に0℃になるように電気的に補償を行う機器。別名:冷接点補償器。略称:ゼロコン。温度センサの校正にも使われる。 メーカとしてはコペル電子株式会社が有名。熱電対メーカとして米国で創業したオメガエンジニアリングもつくっている。「温度のチノー」を標榜する国産の計装(工業計器)の会社、チノーにもある。

零点温度特性(ぜろてんおんどとくせい)

(Zero Temperature Characteristics)零点の温度特性。周囲温度の変化による零点の変化の度合い。センサ、ロードセル、変換器などの仕様で使われることが多い用語。株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」によれば「零点の温度特性(Temperature Effect on Zero):周囲温度の変化に起因する変換器の無負荷時の出力。周囲温度1℃当たりの変化を定格出力に対するパーセンテージで表す(%RO/℃)」とある。

零バランス(ぜろばらんす)

(Zero Balance)無負荷時における変換器の出力電圧で、通常定格出力の百分率で表わす(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)。無負荷時の出力(×10-6ひずみ)(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)。