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- GEセンシング(じーいーせんしんぐ)
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(GE sensing)正式社名:GEセンシング・ジャパン株式会社。圧力計(マノメータや圧力キャリブレータなど)のDruck(ドラック)社と流量計のPanametrics(パナメトリックス)社がGE(米国の総合電機メーカであるゼネラル・エレクトリック)社のセンシング部門に2002年に買収され、その日本法人の名称。Druckの日本法人であるドラックジャパン株式会社とPanametricsの日本法人である日本パナメトリクス株式会社の販売員がほとんどGEセンシング・ジャパンに移籍した。2002年から2017年に存在した。2017年にGEの事業再編で、GEの資本から離れ、2つの計測器はBaker Hughes社になり、現在は日本ベーカー・ヒューズ株式会社である。DruckとPanametricsは2つとも計測器の老舗ブランドだが、GEセンシングの時代はDruckやPanametricsというブランドの使用を禁止し、GEを前面に出していた。Baker Hughesになってからは元のブランドを復活している。DruckとPanametricsは別の組織で、各人の名刺にはそのロゴが印刷されている(2022年現在)。正確には、2017年から2021年頃まではGEセンシング&インスペクション・テクノロジー株式会社で(Baker HughesとDruck/Panametricsの両方のロゴを併記していて)、2021年頃に日本ベーカー・ヒューズ株式会社に社名変更している(2017年にBaker Hughesになったが、日本での会社名は2021年頃まではGEセンシングという社名が続いた)。 GEセンシング・ジャパンの本社は東京都武蔵野市(吉祥寺)にあり、Druck部門は「プレッシャー・プロダクト(つまり圧力計)営業部」で、全国の原子力発電所(原発)を主な顧客にしていた。Panametricsは「フロー&ガス・モイスチャー営業部」といった。中央区月島にテクニカルセンターがあり、流量計や分析機器の校正を行った。Baker Hughesになってからはドラック事業本部、パナメトリクス事業本部である。 GEには工業用内視鏡(ファイバースコープ)や超音波探傷機器もあり、2002年にGEインフラストラクチャー・ジャパン株式会社となっていたが、それらすべてがBaker Hughesに引き継がれた。2017年にGEセンシング・ジャパンと統合して、GEセンシング&インスペクション・テクノロジー株式会社となり、(前述のように2021年頃に)日本ベーカー・ヒューズ株式会社になっている。非破壊検査機器(内視鏡など)は2020年頃にWaygate Technologies(ウェイゲート・テクノロジーズ)という新ブランドを創設した。Baker Hughesの製品群にはタービンもあり、機械設備の状態監視(振動測定など)を行うBently Nevada(ベントリーネバダ)も(発電所の振動計測で実績が高い)計測ツールの1つである(原発にタービンや発電機などを納品する三菱重工、日立製作所、東芝はベントリーネバダの振動計測器を設備として保有している)。Baker Hughesの非破壊検査機器は複数のプロダクト(複数社の製品群)があるためDruckやPanametricsのように既知のブランドではなく、新しいブランドが必要だったと推測される。 まとめると、Baker Hughesは複数の異なる製品群を持っていて、日本法人は日本ベーカー・ヒューズ株式会社になる。ただし3つのブランドDruck、Panametrics、Waygate Technologiesを前面に押し出していて、そのロゴを名刺に印刷し、3つのブランドの製品を掲載しているHPは全く別に3つ存在している。 Druck製品は丸文株式会社が販売店をしていているなど、Baker Hughesの計測器の直販比率は高くはない(外資はどこもそうなる)。原発では計測器としての圧力校正器や圧力計を多く使用するが、Druckと横河計測(当時は圧力計などの現場測定器は横河メータ&インスツルメンツ株式会社)が競っていた。3番手が露点計で有名なMichell Instruments社(日本にはミッシェルジャパン株式会社がある)。2011年の東日本大震災以降、多くの原発が稼働していないので、圧力計各社は別の顧客を模索している。
- シース熱電対(しーすねつでんつい)
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(sheath thermocouple)熱電対の素線の酸化・腐食を防ぐには外気との遮断が有効なため、一対の熱電対素線を絶縁物で覆い、さらに金属被覆で覆った熱電対のこと。金属の裸素線を碍子に通して金属管に挿入した、いわゆる一般的な熱電対は、絶縁が悪い、汚染が早い、空気的なクリアランスが大きい(空気のある隙間がある)ために熱伝導が悪い、などの欠点がある。シース熱電対は密な構造で作りこんでいるため応答性が高く、産業用途では圧倒的に使われる。産業向けの熱電対の国産メーカは山里産業株式会社と株式会社岡崎製作所が2強。sheathは鞘、覆いのこと。参考記事:【展示会レポート】IIFES(アイアイフェス)2022/1ページ目。山里産業の製品を取材。
- JSAP EXPO(じぇいさっぷえきすぽ)
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(The Japan Society of Applied Physics Exposition) 公益社団法人 応用物理学会(JSAP)の春と秋の学術講演会における展示会。JSAP EXPOを直訳すると「日本の応用物理学会(Society of Applied Physics)の博覧会」である。JSAPの学術講演会は2回/年、開催されている。学会HPには「毎年、春と秋に学術講演会を開催。春季は約7000名、秋季は約6000名が参加し、4000件におよぶ講演と活発な討論が行なわれる」とある(2025年3月現在)。JSAPは規模が大きい学会で、講演会は3~4日間の日程で年に2回も行われ、併設する展示会は大規模で、約150団体が参加している(企業が中心だが、大学のパネル展示もある)。 JSAP EXPOの会場は大学キャンパスのホールや体育館などを使い、広さが約1畳程度のコマに企業展示が並ぶ(数コマを使う企業もある)。出展は理化学機器メーカが多く、科学分析機器(堀場製作所、島津製作所、ブルカーなど)や顕微鏡(レーザーテック、エビデント ※)などが展示されている。 東陽テクニカは物理計測(低温や磁気)のグループが毎年展示している。2019年には横河計測(光通信測定器)、2025年にはリゴル(オシロスコープやAWGなど)やテクトロニクス(旧ケースレーインスツルメンのDMMなどを展示)が参加している。テレダイン・ジャパンは計測器(オシロスコープ)ではなくカメラ部門の社内カンパニーが毎年出展している。santec(サンテック)やソーラボ、アルネアなどの光測定器メーカも出展。2023年から日本人スタッフを採用したZurich Instruments ※※(ロックインアンプやインピーダンス計測器)も、大学向けに需要があるので出展を始めた。輸入商社のハイソル株式会社は半導体の後工程で使う複数の海外製機器を数コマの広さに並べている(毎年出展している)。 つまり半導体の製造工程の機器が並び、光などの物性の分野の研究者が見学する展示会である。半導体製造装置に使われる産業用ポンプメーカなども展示をしている。半導体の材料や製造装置の展示会であるSEMICON Japanは出展社の多い大規模なイベントで、2024年は累計10万人の参加者があった。半導体関連の学会の展示会がJSAP EXPOといえる(なので、他の学会の定期大会・講演会で併設する展示会とは桁違いに参加企業が多い)。出展企業の募集は株式会社日刊工業コミュニケーションズがしている。 ※ 株式会社エビデントはオリンパス株式会社の顕微鏡(デジタルマイクロスコープ含む)や非破壊検査機器、工業用内視鏡などの科学事業が2022年4月1日に分社化した会社。社名は「鮮明な」「明白な」を意味するラテン語のevidentemから命名。 ※※ Zurich Instruments(チューリッヒ・インスツルメンツ)はスイスの計測器メーカ。オプトサイエンスなどの商社が取り扱っていたが、2023年頃から西新宿のローデ・シュワルツ・ジャパンの本社内に日本人エンジニアなどのスタッフが駐在するようになった。LCRメータなどのインピーダンス計測や、超電導の量子コンピュータの制御機器などのラインアップがある。 JSAP EXPO Spring 2019は以下の参考記事で取材している。JSAP EXPO Spring 2023は3月15日(水)~18日(土)、上智大学 四谷キャンパス 第3体育館(PA)・アクティブコモンズ(PB)で開催。JSAP EXPO Spring 2024は3月22日(金)~25日(月)、東京都市大学 世田谷キャンパス 9号館2階メインアリーナで開催。JSAP EXPO Spring 2025(第72回 応用物理学会 春季学術講演会)は、2025年 3月14日(金)~17日(月)に東京理科大学 野田キャンパス 森戸記念体育館で開催された。計測器メーカとしては、テクトロニクス、リゴル、Zurich Instrumentsは2025年春がほぼ初参加のようである。テクトロニクスは半導体業界に強いケースレーを、Zurich Instrumentsは大学研究室にロックインアンプをPRしている。リゴルは市場ポテンシャルの大きい計測器であるオシロスコープなど、基本測定器を並べて、学校に知名度アップを狙っている(2025年の電気学会や電子情報通信学会の展示会にも出展している)。 JSAPをジェイサップと読めるのは業界関係者だけだが、JECA FAIR(ジェカ フェア)やIIFES(アイアイ フェス)など、計測器が関連する展示会名には、読み方が強引なものもあり、JSAPのことをとやかくいうことはできない。似た略称にJASPAがある(ジャスパ、「日本福祉用具・生活支援用具協会」や「一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会」など)。筆者はJSAPをジェイサップとは読めず、JASPと書き間違うこと多々。
- JPCAショー(じぇいぴーしーえーしょー)
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(JPCA Show) 正式名称は「国際電子回路産業展」。本部事務局を一般社団法人 日本電子回路工業会(東京都杉並区西荻北の回路会館2F)が行う、「電子機器トータルソリューション展」を構成する展示会の1つ。他にJIEP:マイクロエレクトロニクスショー(最先端実装技術・パッケージング展)などの複数展で構成されている。JPCAとは 日本電子回路工業会(Japan Electronics Packaging and Circuits Association)の略称。つまり、JPCAショーとは「日本電子回路工業会の展示会」という意味である。 2025年6月4日~6日に開催された展示会から、14社の計測器を紹介する。 1. 株式会社フィッシャー・インストルメンツ:各種の膜厚計。 2. 株式会社日立ハイテク:生産ライン向けのX線膜厚計を展示。説明員には株式会社日立ハイテクアナリシス(旧日立ハイテクサイエンス)も。 3. リゴル:オシロスコープや信号発生器など。昨年から出展している様子。説明員には販売店の太陽計測株式会社も。 4. ローデ・シュワルツ:昨年から出展。2025年4月に開催したR&S Technology Symposiumで展示していたヤマハファインテックの高周波ベアボードテスタ(開発中の試作品)を展示(R&SのVNAを併用)。 5. シチズン・ファインデバイス株式会社:光プローブ電流センサ OpECS(Optical probe Electric Current Sensor、オペックス)。新方式の電流プローブ。2013年から信州大学と共同研究。開発~製造はシチズン・ファインデバイスのマイクロデバイス事業部が行うが、販売のみ岩崎通信機に委託。岩崎通信機が持つ、オシロスコープやプローブの販売チャネルを活用。 2018年のJPCAショーでOpECSの試作品を展示。その後製品化し、2024年には、より小型の新製品(黒色の2号器)を発売。岩崎通信機は2023年から共同開発者となり、2号器の開発・製造に関与している様子。ロゴスキーコイルや一般的なクランプ式電流プローブ、シャント抵抗での電流測定と比較しても、周波数や電流などの性能が良好なので、今後のパワー半導体の評価などに期待される。 電気学会 産業応用部門大会(2025年8月19日~21日、徳島大学)で岩崎通信機はOpECSを展示。信州大学 曽根原先生は大学見本市(2025年8月21日/22日、東京ビッグサイト西4ホール)にOpECSを展示。信州大学、シチズンファンデバイス、岩崎通信機の3団体が各種の展示会にOpECSを出展している。 6. 日本バーンズ株式会社:計測器の輸入商社。ロックインサーモなどを展示(サーモとはサーモグラフィ)。 7. 株式会社アルゴ:商社。顕微鏡サーモを展示(同じくサーモグラフィ)。 8. J-RAS株式会社:マイグレーションテスタ。 9. アンドールシステムサポート株式会社:英国 Pickering社のPXIモジュールの販売店。 10. 井原電子株式会社:プリント基板が主力事業だが、測色計や色差計もラインアップ。 11. santec:3D OCT(光学三次元測定器)。 12. 株式会社ハイロックス:マイクロスコープ。本体は1種類だが、レンズのラインアップが多い。 13. エスペック株式会社:神戸R&Dセンターが2023年に開発した卓上/小型サイズのワンデバイスチャンバを展示。同じく開発品のサーモストリームは大型のためパネル展示のみ。 14. 株式会社村田製作所:製品の90%以上が海外で販売される、世界的な電子部品メーカ。医療・ヘルスケア機器統括部がつくる「疲労チェッカ」の測定体験会を実施。疲労の度合いを測定し、数値化して表示。 2025年の出展品を眺めると、膜厚計、色差計、マイクロスコープなどの科学分析機器や光学・視覚測定器から、3次元測定器(長さの測定器)のような物理量測定器や電流プローブのようなオシロスコープ関連製品、マイグレーションテスタなどの環境試験器、ベアボードテスタまで、電子機器の実装や検査に使う評価機材(計測・分析機器)が出展されている。環境試験器や硬度計、高速度カメラが並ぶTEST(総合検査機器展)と、視点は異なるが似た展示会といえる。
- JPt100(じぇいぴーてぃーひゃく)
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RTD(測温抵抗体)の代表であるPt100で、1989年のJIS改訂前のものをJPt100と呼んで、改訂後(現在)のPt100と区別している。
- ジェスチャーコントロール(じぇすちゃーこんとろーる)
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(gesture control) タッチスクリーンに触れることなく、手のひらをかざして動かすだけで、操作を可能にする技術。接触しないのでパネルが汚れない、傷かつかないというメリットがある。2020年に世界的に感染拡大したコロナウイルスなどの対策として、他人が触った箇所を触らないことが衛生的なため、さらに注目されている。 2017年のCES(Consumer Electronics Show)において、ドイツの電装品メーカ BOSCH(ボッシュ)は最新のジェスチャーコントロール技術として「ウルトラハプティック・ジェスチャーコントロール」と呼ばれるテクノロジを公開した。ハプティクスは振動などで人の皮膚に触感を与える技術である。 ジェスチャーコントロールに使う測距センサを浜松ホトニクスがつくっている。ハプティクス製品はコーンズテクノロジーが早くから取り扱っている。2社ともにTechEyesOnlineは展示会で取材して記事を公開している(2017年の国際画像機器展とセンサエキスポジャパン)。
- 紫外線(しがいせん)
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(ultraviolet) 波長が10~400nm(可視光より短くX線より長く、人間の目には見えない)の電磁波(※)。可視光線の紫色の外側という意味で日本語では紫外線と呼ぶ。英語では「周波数が紫より高い(超える)」ということで、「ultra(超える)violet(紫)」からUVと略記される。 (※) X線の波長は0.01nm~1nmなので、紫外線は1nm以上(~400nm)とする文献もある。また100nm~280nmを深紫外線と呼び、短波長帯の紫外線として扱っているので、実質、紫外線は100nm~400nmを指している(この波長範囲が取り上げられることが多い)のかもしれない。 紫外線関連の測定器では、EPROMのデータ消去に使うROMイレーサがあるが、計測器メーカはつくっていない。UV計というと紫外線の計測器(メータ)なのだが、紫外線強度の測定器ではなく、紫外線を利用したCOD(Chemical Oxygen Demand、水中に含まれる有機物による汚濁)の分析器である。 紫外線は肌など、人間に損傷を与えるため、化粧品メーカが「UVケア」などの単語を使っているので、「UV=紫外線」は広く認知されている。そのため、紫外線の強さを測定する紫外線強度計が通販サイトで数多く掲載されている。UVメータやUV計というと、一般にはこちらが思い浮かぶ。紫外線測定器のタイトルで、紫外線モニタや紫外線チェッカなどの品名のハンドヘルドモデルが販売されている。 紫外線(特にUV-B)が肌に照射されると、体内物質からビタミンDが生成される。ビタミンDは食物からのカルシウム吸収を促進し、血液中のカルシウム濃度を一定に保つという重要な働きがあるが、食事からだけでは十分な量が摂取できない。そのため、適度な日光浴が必要になる。紫外線はシミの元になるが、手のひらを毎日、太陽光に数分程度当てることは、骨粗鬆症防止など、健康のために必須なことが最近、喧伝されている。 紫外線には波長別に次の分類がある。 100~280nm(UV-C、短波長紫外線)、280~315nm(UV-B、中波長紫外線)、315~400nm(UV-A、長波長紫外線)。波長の長い(周波数が低い)方から、A、B、Cと命名している。UV-CとUV-Bは地球のオゾン層に吸収され、地表に届く紫外線は約90%がUV-Aである。UV-Cは別名、深紫外線と呼ばれる。UV-Aは可視光に近いので近紫外線とも呼ばれる。 可視光で紫色と反対の赤色の外側の電磁波を紫外線と同じように赤外線と呼ぶ。IRと略記され、赤外線を使った温度計などがある。
- 自記圧力計(じきあつりょくけい)
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都市ガス・LPガスなどの供給設備の気密試験に使用される機器。自記記録計同様に、自記とは「自動で記録する(または機器が自分で記録する)の意味である。 ガスメータのメーカ、愛知時計電機株式会社には「機械式気体用自記圧力計」があり、圧力管理のために使われる。圧力計+記録計で、設置型の計測器といえる。旭計器工業株式会社の自記圧力計は、配管などからの漏れ確認を行うために、常設で圧力を記録する。外観は樹脂製の防滴形で、円形の記録紙にサインペンで描く。 「自記圧力計の表示値を読み取り、マノメータの測定値と比較検査をする」事例がある。
- 自記温湿度計(じきおんしつどけい)
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(thermo hygrorecorder) 温湿度計で、機器が自動で記録をするもの。温湿度の記録計の1種で、記録期間などの設定をした後は、測定器が自動でチャート(記録紙)に温湿度の変化を記録して残す。自記は「自動で記録」や「(機器が)自分で記録」の意味だが、英語ではthermo hygrorecorder(温湿度記録計)で、自記は日本語特有の言い方である(温度計:thermometer、湿度計:hygrometer、記録計:recorder)。自記記録計と呼称されることも多い。湿度は測定できず温度だけの製品は自記温度計と呼ばれている。以下のようなモデルがある。 【メーカ名、品名 形名など】 ・佐藤計量器製作所、温湿度記録計 シグマⅡ型。製品カテゴリーは「自記記録計(温湿度)」。 ・日本計量機工業株式会社、自記温度計 NWR-9901、自記温湿度計 NWR-9903。 ・いすゞ製作所、自記温湿度計 TH-27R-MN7(2022年生産中止、2023年11月現在は在庫あり)。 TH-27Rは7モデルあり、TH-27R-MN1は記録速度が12.1mm/時で記録日数は1日間、-MN365は0.80mm/日で365日。記録速度によって記録できる日数が1日、1週間、1か月、2か月、3か月、6か月、1年の7モデルが用意されている。単二乾電池2本でクオーツ円筒時計を駆動している。
- 自記記録計(じききろくけい)
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円筒形(ロール状)の記録紙に温度(や湿度)を記録する温湿度計(記録計)のこと。別名、自記温湿度計。電気計測器を校正する標準室など、温湿度を一定範囲で管理している部屋に置かれ、何か月もの長期にわたり温湿度の変化を記録することに使われている。 原理は、温度についてはバイメタル(またはブルドン管)の変位(熱膨張)を、湿度については毛髪の伸縮を拡大して、記録計のペンを動かしてチャートに描く。白金抵抗温度計を使い、抵抗の変化を電流に変えて、電流計が温度を記録する方式もある。 「自動的に記録ができる記録計」を略した名称と思われる(「自分で記録する」ので自記、という解説もある)。一度設置して稼働させたら、チャート(記録紙)の交換以外には(原則)操作しない。自動で温度(や湿度)を記録するレコーダ(であり温湿度計)である。機種分類(カテゴリー)を温湿度計にするか、記録計にするかは判断が分かれる。メーカによっては「自記計」や「自動記録計」とも略称される。 温度全般の計測器をラインアップする佐藤計量器製作所 は、シグマⅡ型温湿度記録計などがあり、「自記記録計(温湿度)」のタイトルで4モデルを販売している(2023年11月)。いすゞ製作所は自記温湿度計の老舗だが、2022年に生産中止した(毛髪やドラム時計などの部品が入手できなくなったため)。日本計量機工業株式会社ホームページには、自記温度計・温湿度計としてNWR-9901(温度のみタイプ)、NWR-9903(温度・湿度タイプ)が掲載されている。記録日数を1~99日の間で変えることができる、食品・薬品倉庫、美術・博物館、標本庫、クリーンルーム、研究所などに販売実績がある、国家標準へのトレーサビリティ書類を発行可能、などの説明がされている。 JIS Z 8806(湿度測定方法)では、毛髪湿度計が定義されている。自記記録計(温湿度計)は、毛髪の湿度による伸縮から湿度を算出している。機構が機械的な毛髪式自記記録計は、湿度センサと、紙を使った記録計の組み合わせより安価なため、日本では標準室や美術館などで導入されている。紙で残すのは改ざんされにくいという理由もあるらしい。温度の測定と記録なら、小型のデータロガーで性能が良くて安価な製品が増えたが(たとえばおんどとり)、自記記録計はいまでも置き換わらずに多く稼動している。
- シグナルコンディショナ(しぐなるこんでぃしょな)
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広義にはある種の電気信号を別の種類の信号に変換する機器を指す。計測器ではセンサの微弱な信号を増幅して記録計などに入力する測定器のこと。株式会社共和電業や株式会社エー・アンド・デイのひずみ測定器の品名。ひずみ測定用の直流アンプ。センサである歪ゲージの信号を増幅して、レコーダやロガーなどの記録計に出力する測定器。共和電業HPには「ひずみ測定ではひずみゲージブリッジに加える電源の方式により、交流方式を動ひずみ測定器、直流方式をシグナルコンディショナと、当社では区別している」とある。旧三栄測器の販売会社である三栄インスツルメンツ株式会社HPでは「シグナルコンディショナー(アンプ、増幅器、指示計) :ひずみゲージやひずみゲージ式変換器(荷重、圧力、変位、加速度、トルク)の信号を増幅するためのアンプ」と説明している。エー・アンド・デイの工業計測機器(旧三栄測器、NECアビオニクスの製品群)はシグナルコンディショナとしてストレンアンプ(Strain Amp、歪増幅器)やアイソレーションアンプ(絶縁アンプ)を掲載している。ACブリッジ方式のモデルAS1000シリーズの品名は「ACストレンアンプ」で、ノイズ耐性に優れたAS1803シリーズは新幹線など鉄道車両の歪測定に活用されている。AS1803の共和電業の相当品はDPM-900シリーズだが、(前述のように)ブリッジ電源が交流のため、「シグナルコンデイショナ」ではなく「動ひずみ測定器」が品名である。エー・アンド・デイのシグナルコンデイショナには「アイソレーション直流アンプ」ALシリーズが掲載されている。これはひずみ測定用ではなく一般的な絶縁DCアンプで、以前は横河電機が同等品をつくっていた(横河電機としてはロガーなどの関連製品である)。このように、シグナルコンディショナ、ストレインアンプはひずみ~記録計(レコーダ、ロガー)と広範な用語であるが、当サイトでは動ひずみ測定の用語ととらえている。
- 自己温度補償ゲージ(じこおんどほしょうげーじ)
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(self temperature compensated gauge)規定された温度範囲で、特定の線膨張係数を持つ測定対象材料に接着して用いる場合に、熱出力ができるだけ少なくなるように作られたひずみゲージ。株式会社東京測器研究所では1℃当たり±1.8×10-6乗ひずみ以内に納めたものを、自己温度補償ゲージと呼んでいる。(同社の「ひずみゲージの基礎知識」より)参考用語:温度補償範囲
- 地震計(じしんけい)
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(seismograph)地震の揺れを記録する機器。振動測定器の1種と言えるが、計測器メーカでつくている会社は少ない。振動と騒音、微粒子などの環境計測分野の計測器メーカであるリオン株式会社は地震計をラインアップしている。
- 湿球温度(しつきゅうおんど)
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(wet-bulb temperatur)[水分用語]ウィック(湿布)で覆われた温度計により表示され、ウィックからの蒸発速度に影響される温度。通常「乾球温度」対で用いられ、それぞれの測定値より相対湿度が算出される。(「気体中の水分管理」の会社、株式会社テクネ計測の「湿度で良く使われる用語」より)参考用語:dp
- 実効放射率(じっこうほうしゃりつ)
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非接触温度計(サーモグラフィ、放射温度計)の用語。非接触温度計で、測定対象物の状態(形状、表面状態)において、その計測方向についての放射率のこと。関連用語: 放射率。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)
- 湿式ガスメータ(しつしきがすめーた)
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水または他の液体でシールされたドラムを用いて気体の積算流量を測定する機器。
- 湿度(しつど)
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(humidity)[水分用語] 気体中の水分量を示す指標。いくつか種類がある。日常生活で使うのは相対湿度(RH:Relative Humidity)で、大気中に水蒸気として含まれている水分量を比率で示している(なので単位は%)。ほかに絶対湿度もある。湿度計は多くの温度計メーカ(佐藤計量器や安立計器など)がつくっているので、温湿度計と呼称される。 相対湿度が同じでも温度によって水分量が変わるため、工業分野では露点で評価する。露点は絶対水分量を示し、dpと表記される。dpはdew(デュー、結露)pointの略記で、「結露する点」、つまり露点温度のこと。露点とは、気体が冷えていくと含まれる水蒸気が水滴になる温度で、絶対水分量を示している。工業製品の技術者は湿度ではなく露点温度で(水分量を)評価する。 高精度な露点計である鏡面冷却式露点計は鏡(ミラー)が測定部にあり、温度が下がると結露して鏡に露(つゆ)が付く(この温度が露点)。ミラー式露点計ともいい、原理は原始的だが精度が良いため、一般の露点計(センサを使った静電容量式露点計など)の校正に使われる。 前述のように、湿度計は国内メーカがたくさんあるが、精度保証された工業用の温湿度計は国産がほとんどなく、海外製品の輸入が多い(温度計はあるが、ここでいう温湿度計とは水分管理に使えるもののことを指す)。工業用の温湿度計ではフィンランドのヴァイサラが世界No.1で日本でもトップシェア(温湿度変換器などの品名の製品がある)。静電容量式露点計を自社開発し、世界No.1のミラー式露点計であるスイスMBW社の日本総代理店をしている株式会社テクネ計測は、オーストリアのE+E Elektronik社の精密な湿度計を日本で販売している。 このように、工業分野では「湿度」と「露点」、「気体中の水分測定」は密接に関連している。気体の水分測定は露点計が使われるが、食品や穀物などの固体/液体の水分量の測定には水分計が使われる(水分計ではケット科学研究所が有名)。測定対象によって水分測定は計測器が異なる。また水分計と似ているが水質計というと、液体中の物質の濃度を測定したり、分析したりする科学分析器の範疇で、pH計(ペーハーケイ)などがあり水分計とは全く違う機器になる(国産では東亜ディーケーケーがラインアップ多)。 「気体中の水分管理」の会社、株式会社テクネ計測の「湿度で良く使われる用語」には以下の説明がある。湿度は空気または他の気体中における水蒸気の存在。「湿度」を相対湿度だけの意味で用いる場合があるが、厳密にいえば、「湿度」は湿度の絶対的表示の全てにも適用される。非常に低い湿度に対しては、他の専門用語が用いられる傾向にある。 参考記事(会員専用):【展示会レポート】スマートエネルギーWeek春展(FC EXPO/二次電池展/スマートグリッドEXPO)の2ページ目・・テクネ計測ブースで水分測定や湿度について取材。
- 湿度計(しつどけい)
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(hygrometer) 湿度を測定する機器。計測器としては「温湿度計」といって、温度と湿度の2つを測定する機器が多い。メーカとしては精密温度計や基準温度計、棒状温度計(ガラスに水銀が入ったアナログ表示の温度計)などをつくっている佐藤計量器製作所はアスマン式通風乾湿計をラインアップしている。 工業向けの高精度な湿度計は、フィンランドのヴァイサラが世界No.1で日本でも高シェア。温湿度変換器などの品名の製品がある。水分管理に使えるような湿度計は国産がほとんどなく海外製品が輸入されている。 気体の水分管理をする場合は露点が重要になる。用語の「湿度」に露点、水分測定と湿度の関係を解説した。国産のテクネ計測はオンライン露点計をつくっている。 湿度計の学術的な説明は以下のようになる。 乾球温度と湿球温度の温度差から表により求める乾湿計や、吸湿材の電気特性の変化をセンサーで測定する電気式湿度計がある。精密観測用には露点計がある(Wikipediaより)。
- 質量測定機器(しつりょうそくていきき)
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(mass measuring equipment) 一般社団法人日本計量機器工業連合会の「2022/2023計量計測機器総覧」では、質量測定機器の機種名として、天びん(電子天びん、分析用天びんなど)、商業用はかり(一般小売用の上皿自動はかりなど)、台はかり(郵便用はかりなど)、工業用はかり(車両などの重量物を測定するトラックスケールなど)の記述がある。「はかり」や「天びん」という表記がされている(秤や天秤ではない)。 台はかり、電子天びんなどは国産の大手計測器メーカ、エー・アンド・デイがラインアップしている。一部の業種の工場の生産ラインでシェアが高い(TechEyesOnlineは計量計測展2022でエー・アンド・デイを取材)。精度の高い(精密な)分析天びんは、科学分析機器のトップベンダーである島津製作所が有名。大型で生産ラインに組み込まれるような製品や重量物を測定する工業用はかりを、国産の大和製衡やイシダ(新光電子)、クボタなどがつくっている。海外メーカのメトラー・トレド、ザルトリウスは世界市場トップシェアで、日本法人もある。エー・アンド・デイなどの国産メーカは、分析天びんは海外比率50%以上だが、安価なはかりの輸出比率は低い。日本では品質が重視されるが、海外では値段がすべてという地域も多く、あまり商売にならない。つまり国内メーカは輸出では分析天びんなどの高付加価値な機種群に注力している。
- 視野(しや)
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非接触温度計のサーモグラフィー(熱画像計測器)の用語としては、検出部から見た画面の広がり、水平と垂直方向の画角のこと。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)