計測関連用語集

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差圧(さあつ)

2つの圧力の差を表す圧力。計測器としての圧力計にはゲージ圧、絶対圧、差圧など測定可能な圧力が仕様で謳われている。

差圧計(さあつけい)

差圧(2点間の圧力の差)を測定する機器。

サーマル(さーまる)

(thermal)サーマルは熱、温度のこと。計測器としては、熱を使った機器であるサーマルカメラ、サーマルレコーダなどの略称。

サーマルカメラ(さーまるかめら)

「サーマル(thermal:熱、温度)を検知するカメラ」の意味。サーモグラフィとほぼ同義。物体表面からの発熱を赤外線で検知して、温度分布として色表示するカメラ。温度のある物(や人)は赤外線を発している。それを検知するセンサがサーマルカメラには搭載されている。赤外線のエネルギーの強さは温度の高さに相関するので、赤外線の強弱を検知することで温度を計測することができる。ある範囲(2次元)で計測した温度に、画像処理で色を付けると視覚的に温度の分布になる。原理は温度ではなく赤外線を計測していることである。1点の温度を計測するのではなく面で温度分布を計測・記録する製品群を、サーマルカメラ(略して「サーマル」)と呼んでいる。監視カメラに温度検知機能が付加された海外製品が、SARS(サーズ)や新型コロナウイルス対策で普及したため、最近の数年間で急増した(発熱者検知用と称したサーマル製品は2020年度におよそ8万台が普及したとされる)。従来の非接触温度計測器である「サーモグラフィ」や「熱画像計測装置」よりも「サーマルカメラ」が、面で温度分布を測定する非接触温度計の通り名になりつつある。この機種群の先駆者で世界No1のFRIA(フリア)社は「サーモグラフィカメラ」「サーマルカメラ」という表現をして「カメラ」であるという主張が伺える。日本の計測器各社は「(赤外線)放射温度計」や「サーモグラフィ」「熱画像計測装置」などの表記で“「カメラ」ではなく「温度計、計測器」”という主張が伺える(「カメラ」という表現はエー・アンド・デイでは一部製品で使われている)。Fluke系の製品は総称では「放射温度計」と「サーモグラフィー」だが、製品の品名は「赤外線カメラ」や「サーマルカメラ」が多い。このように、放射温度計とサーマルカメラ(サーモグラフィ)の区別は、メーカ各社によってバラバラで、1点測定か、面で測定かは、名称や製品名からは判別できない。“サーマルカメラ(サーモグラフィ)も放射温度計である”という解釈で、1点測定モデルを「スポット放射温度計」と表記しているメーカもある。防犯カメラメーカやITベンチャー企業の製品名はサーモグラフィではなくサーマルカメラが多い。

サーミスタ温度計(さーみすたおんどけい)

センサ としてサーミスタ を利用した温度計。

サーモ(さーも)

(thermo)計測器としては、非接触温度計のサーモグラフィ(Thermography) の略称。Thermoは熱の意味なので、他の熱に関連するものの略記の場合もある。たとえば、サーモストリーム、サーモパイルなど。 サーマルは、同じ熱のことだがサーモとは少し略記の範囲が異なる。

サーモグラフィ(さーもぐらふぃ)

(Thermography) 物体表面の温度分布を非接触で測定する温度計。物体から放射される赤外線(熱)を捉えて、温度に換算し、表面温度の分布を色画像で表示する計測器。放射温度計(非接触型の温度計)に画像処理機能が付いたカメラ。従来、放射温度計は1点の温度を測定するが、サーモグラフィは面で温度測定をする。製品カテゴリは温度計の中の放射温度計(非接触型という意味)に分類される。正式には赤外線サーモグラフィ(Infrared Thermography)のこと。Thermographyは「thermo(熱)をgraphy(グラフ化、図式化、から転じて、記述法、表現法)」なので、本来は「熱を表現する」手法のことだが、装置をさすことばとして定着している。別名、「サーモトレーサ」、「サーマルカメラ」とも呼ばれる。「サーモグラフィー」の表記もある。熱画像計測機器として、工業計測用(電気設備の保守・保全用途)に使われてきたものは「サーモグラフィ」(略して「サーモ」と呼ばれる)。最近はやりの、建物の入口に設置して顔の表面温度を計測し、画像で録画し、発熱をチェックする用途で使ったり、監視カメラに体温検知機能を搭載したものは「サーマルカメラ(thermal:熱、温度)」、略して「サーマル」と呼ばれることが多い。エー・アンド・デイはラインアップに多くの計測器があるメーカだが、機種群の第一は「医療・健康」製品で、「サーマルイメージカメラ」という品名の製品があるが、外観や主な仕様はハンドヘルド型のサーモグラフィとほぼ同じである。参考用語:赤外線放射温度計、熱画像計測装置

サーモグラフィカメラ(さーもぐらふぃかめら)

非接触式の温度計の1種。原理は赤外線の放射エネルギーをセンサで受けて温度に換算する。サーモグラフィー、赤外線サーモグラフィ、サーモカメラ、熱画像計測装置、など複数の表現がある。一般に「放射温度計」というと1点の温度を測定して表示するもの、「サーモグラフィ」は温度分布を色で画像表示するもの、と区別される。メーカによっては放射温度計を広義にとらえて、サーモグラフィカメラも放射温度計に含めている場合もある。

サーモトレーサ(さーもとれーさ)

(Thermo Tracer)サーモグラフィの別名。計測器メーカによってどちらかの表現をしている。サーモグラフィの国産代表メーカである日本アビオニクスでは、両方の表現・表記がみられる。違い(区別)は不明。サーモグラフィによる温度監視、という意味でトレーサー(追跡者)の表現を使っていると思われる。「サーモトレーサ―」の表記もみかける。

サーモパイル(さーもぱいる)

(thermopile)熱エネルギーを電気エネルギーに変換する電気部品。複数の熱電対(thermocouple)を直並列に接続した構成でつくられている。日本語で「熱電堆(ねつでんたい)」と表記するが、サーモパイルはもはや日本語である。pileは「山」や「重なり」という意味。熱電対(thermocouple)を複数使って、性能を高めたというのが語源と推測される。 温度差や、温度勾配に比例した電圧を出力する。また、赤外線センサでもある。用途は、耳で体温を測定する温度計や熱流量計に使われている。サーモパイルを使った日射計もあり、熱電式と呼ばれている。 「サーモパイルアレイを使った、小型の、サーモグラフィ用モジュール(赤外線センサのモジュール)」なる製品が販売されている。これを使えば人や物を検知する監視カメラシステムや、人体などの表面体温計測(サーマルカメラ)を容易につくることが可能である。

サーモビュア(さーもびゅあ)

(Thermo Viewer) 物体表面の温度分布を非接触で測定する温度計。サーモグラフィの別名。「Thermo(温度)をView(見える状態)にer(するもの)」という意味。「温度のチノー」を標榜している株式会社チノーは温度の計測・制御で定評があり、多くの温度計測製品をラインアップしている。非接触温度計の校正ができる国内唯一のJCSS事業者でもある。 2020年に新型コロナウイルスの蔓延に際し、体表面温度監視装置を発売した。製品の通称はThermoview(サーモヴュー)という。なので、「サーモヴュー」というと「チノーのサーモグラフィ(熱画像計測装置)の通称」である。 参考用語:放射温度計、サーマルカメラ 参考記事:トレーサブルな体表面温度測定~チノーThermoview赤外線サーモグラフィカメラ

Termoview(さーもびゅー)

チノーのサーモグラフィ(熱画像計測装置)で、体表面温度測定モデルの通称。同社はサーモグラフィCPA-L4シリーズをベースにした体表面温度測定に特化した専用機種Thermoview CPA-L25TVを、新型コロナウイルスが蔓延する2020年4月に発売した。カタカナ表記は「サーモヴュー」である。「Thermo Viewer( さーもびゅあ)」だと、一般的にサーモグラフィ(2次元の温度分布を色で表示する、非接触の温度測定器)の別称である。

最小検知温度差(さいしょうけんちおんどさ)

非接触温度計のサーモグラフィー(熱画像計測器)で、検知し得る被写体の最小温度差。映像信号中に含まれる雑音電圧を、等価的に温度差に換算した数値で表す。表記の例:0.1℃ at 30℃。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

サウンドスコープ(さうんどすこーぷ)

異音を測定する機器。

三栄測器(さんえいそっき)

1948年に創業し、1983年まであった老舗の計測器メーカ。正式な会社名は三栄測器株式会社。「レコーダのサンエイ」として有名で、東京都小平市(天神町など)に工場があった。計測器(記録計など)とME機器(医療機器)の事業をしていた。計測器はレコーダとアンプ(絶縁アンプやひずみアンプ、シグナルコンディショナ)があり、横河電機製作所(YEW)の計測器と似たラインアップである。計測器の代表的な機種群である記録計の主要なメーカは、1970年代までは横河電機、三栄測器、渡辺測器(現グラフテック)の3社である(日置電機がメモリハイコーダの初号器8801を発表したのは1983年)。3社のレコーダには各社特長があるが、3社ともに「レコーダの老舗で、わが社の歴史がレコーダの王道(当時としてはオシロスコープと並ぶ計測器の主要機種)」という自負が伺える。三栄測器のレコーダはオムニエースの通称(形名RT1000~RT3000、RA1000など)で普及した。鉄道関係に強く、たとえばひずみアンプAS1803Rは対ノイズ性能が高く、新幹線の応力測定で採用されている。 自動車メーカが多く採用していたDEWETRON(デュートロン)社のデータロガーの販売代理店を1990年代にしている。2007年頃に販売契約は無くなり、三栄測器(当時はNECが資本参加して社名は「NEC三栄」)はDEWETRONと競合するモデルを開発している。NEC三栄でDEWETRONを販売していた部署(特販部)は独立してデユートロン・ジャパンになった(現在はデュージャパン株式会社で、DEWETRONから分離したDEWEsoftを取り扱っている)。 NEC三栄は非接触温度計(サーモグラフィ)もラインアップしていた。同じくNEC系列でサーモグラフィをつくっているNECアビオニクスに、NEC三栄の計測器部門は吸収された(同社のME機器はNECの医療部門に統合吸収されている)。後にサーモグラフィ以外の計測器(レコーダやアンプ)は株式会社エー・アンド・デイ(秤などの計量器のメーカ)に譲渡された。結果だけ見れば、NECの事業再編によって、サーモグラフィをNECグループ内に強化し、それ以外の三栄測器の創業からの計測器は売却された。レコーダやアンプはエー・アンド・デイの工業計測機器として現在もラインアップが健在で、2020年3月にはデータアクイジション装置RA3100を発売している。 三栄測器の計測器は社名変更が多いので、以下に概要を述べる。1971年11月にNECが資本参加。1983年4月にNEC三栄株式会社に社名変更。2006年6月に日本アビオニクスがNEC三栄を子会社化。2008年4月に社名をNEC Avio赤外線テクノロジー株式会社に変更(計測の老舗である三栄の名前は消滅)。2012年10月に日本アビオニクスがNEC Avio赤外線テクノロジーを吸収合併。2013年4月に三栄インスツルメンツ株式会社設立(旧三栄測器の営業マンが日本アビオニクスから独立)。2015年7月に株式会社エー・アンド・デイに計測事業(レコーダやアンプ)を譲渡。2021年4月にエー・アンド・デイは三栄インスツルメンツを吸収合併。こうして、三栄測器の計測器はエー・アンド・デイの工業計測機器として存続している。 参考用語:動ひずみ測定器、 計測器情報:レコーダ(オムニエース)の製品例、ACストレインアンプASシリーズ、チャージアンプAG3103

産業用超音波カメラ(さんぎょうようちょうおんぱかめら)

2019年5月にフルークが発売した、気体漏れ箇所を可視化するii900の品名。64個のマイクを装備し、SoundSight™ テクノロジーで漏れの大きさを紫から赤までの色で表現し、音の発生場所を直観的に認識できる。2020年には2モデル目のii910音響イメージャーを発売している。ii900と基本性能がほぼ同じものが2016年に国内の計量・計測器メーカ、JFEアドバンテックからMK-750エアリークビューアーとして発売されている。

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