計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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オイルバス(おいるばす)

温度センサーの校正に使用する機器。

オートコリメータ(おーとこりめーた)

ミラーの角度・精度等を測定する機器。

オクターブ分析(おくたーぶぶんせき)

(Octave Analysis)パワースペクトルが分析周波数を一定の幅に分割して(定幅型)各帯域毎のパワーを表すのに対し、音響分野での周波数分析器では周波数軸を対数スケールにとり、対数スケール上で等分に分割する定比幅の帯域フィルタを通過させることにより、周波数分析を 行う場合が多くある。帯域幅は1オクターブ幅および1/3オクターブ幅が一般的で、このような分析をオクターブ分析という。IEC 61260(JIS C 1514)の規格では、オクターブバンドの中心周波数、およびフィルタ特性が定められていて、アナログまたはディジタルのオクターブ分析器はこれに統一されている。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より。詳しい数式は小野測器HPを参照。)

音響イメージャー(おんきょういめーじゃー)

産業用超音波カメラ Fluke ii900の2モデル目として2020年発売の「ii910」の品名。競合は国産のJFEアドバンテック。

音響インテンシティ(おんきょういんてんしてぃ)

SI(Sound intensity)または AI(Acoustic intensity)のこと。音場のある点を含む単位断面積を単位時間内に通過する音のエネルギーで、その点の音圧(時間の関数) と粒子速度 の積の時間平均で定義されるベクトル量。SI測定法の応用例をいくつかあげる。(1) 音源のパワーレベル測定:音源を中心とする半球面で、球面と直交する方向にて、分割された面積における音響インテンシティの測定から、音響パワーが算出される。(2) 遮音測定:SI法によって部位ごとに透過パワーを測定することにより、複数の部位からなる壁の遮音性能や隙間からの漏音の程度を定量的に測定できるので、現場での遮音測定に有効である。(3) 音場解析:SI値はベクトル量であるから、音の伝播方向と大きさを2次元、もしくは3次元表示することにより、音のエネルギー流を視覚化して捉えることができる。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より。詳しい数式は小野測器HPを参照)

音響校正器(おんきょうこうせいき)

マイクロホンの校正をする機器。(=ピストンホン)

温湿度計(おんしつどけい)

温度や湿度を測定する機器の総称。一般には温度と湿度の両方を測定できる機器を意味する。温度だけを測定する温度計には多くの種類があり、また測定後の記録ができる温度ロガーのようなモデルも含んで、「温度計」と呼ぶ大きな機種群(カテゴリー)を形成している。温湿度計と温度計を総称して「温湿度計」と表現していたり、温度・湿度を検知するセンサーを「温湿度計」と呼んでいるときもある。形状は可搬型の測定器本体とプローブ(センサー)で構成される。本体が箱型で設置型のものもある。測定値を表示画面にデジタル表示するモデルが多い。温湿度データを電圧値にして出力するので「温湿度変換器」の品名で呼ぶメーカもある。気象観測・産業用計測機器メーカーのVAISALA(ヴァイサラ、本社:フィンランド)の温湿度変換器は有名。PA(プロセスオートメーション)などの計測・制御機器の大手メーカであるチノーには温湿度計の多くのラインアップがある。小型の温湿度計を工場などの各場所に設置しておいて、測定値を通信で収集することで温度測定の大幅な効率化を実現したのがティーアンドデイの「温湿度記録計」、愛称「おんどとり」である。各場所に設置された測定器を子機として、親機に無線で測定値を送るモデルが普及し、現在は日置電機など大手計測器メーカも同等製品を発売している。このような記録計(データロガー)は、場合によって「温度計」か「温湿度計」のどちらかに分類されている。このように「温湿度計」の意味する範囲は大変広い。

温湿度センサ(おんしつどせんさ)

温度や湿度を検出するセンサ。温度センサとしては熱電対や側温抵抗体がある。温湿度計と組合せて使用される。

温湿度変換器(おんしつどへんかんき)

温度や湿度を電圧(または電流)に変換する機器。工業分野で、気体の水分測定に使える高精度の湿度計は、フィンランドのヴァイサラが世界的にNo.1で、日本でもシェアが高い。同社の製品名に温湿度変換器というモデルが多くある。 参考用語:湿度

温度計(おんどけい)

温度を測定する機器。計測器としては温度センサを使った接触式のものと、赤外線による被接触式がある。温度計というと一般的には接触式を指すことが多いが、2020年からの新型コロナウイルス対策で、非接触式のサーマルカメラが市場に多く普及した。水銀を使った棒状の寒暖計は条約によって2021年から原則製造・販売が禁止されている(水銀レス、水銀フリー)。温度計には、現場用の可搬型から標準室に置く据え置き型の標準器まで多くの種類がある。可搬型は温度を記録する機能を持っている機種もあり、温度ロガーなどと呼ばれる。参照用語:温度測定器

温度校正器(おんどこうせいき)

従来の温度校正は被試験体の温度センサと基準温度計を用意し、それぞれを油などの液媒(オイルやエタノール)が入ったオイルバスに浸け、基準温度計と被試験体を比べていたが、現在はドライウェル式が主流になった。温度制御されたメタルブロック(均熱ブロック)を使い昇降時間を大幅に短縮した方式である。Fluke Calibrationの9190Aは高精度な温度指示計器を内蔵(オプション)すると、外部の基準白金抵抗温度計との比較で工業用温度計の校正作業を1台でできるため、現場で温度センサを校正できるフィールド用として重宝されている。八洲貿易が保守も含めて輸入販売しているJOFRA(ジョフラ、現AMETEK DENMARK)のRTC、PTC、CTCなどのシリーズは製薬業界(製剤機器の業者含む)にはシェアが高いと言われている。WIKA(ビカ)も日本法人がありドライウェル式温度校正器を販売している。国産ではチノーには低温用小形校正装置 KT-Hxxxなどのラインアップがある。

温度指示調節計(おんどしじちょうせつけい)

温度を表示・制御する機器。

温度測定器(おんどそくていき)

分類の仕方は様々で、デジタル式、光ファイバ式、温湿度計、などたくさんある。大きく温度センサによる接触型の温度計(ハンディ型が多い)と非接触型の放射温度計(赤外線の放射熱を利用)がある。温度計は計測器のデジタル化・コンピュータ化によって記録機能を装備し、記録容量も増し、「温度ロガー」が1つの大きな機種群となっている。ティアンドデイ(T&D Corporation)は「おんどとり」の通称で小型温度ロガーの老舗。放射温度計は赤外線で非接触に温度を計測するが、温度分布を測定し色画像で表示するものをサーモグラフィ(熱画像計測装置)と呼ぶ。サーモグラフィはセンサの進歩などにより、この10年で形状の小型化、精度の向上、低価格化して、普及が進んだ。最近はSARS(サーズ)や新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により、人の顔の表面温度を測定して、空港や会場の入口で検査を行う機材の設置が増えた。監視カメラに温度センサを組込んでソフトウェアによって体表面温度を計測・表示する「サーマルカメラ」と呼ばれる製品群がベンチャー企業などから多く発売されている。温度計の計測器メーカとしてはガラスの棒状温度計をつくる佐藤計量器製作所やファイバ式温度計をラインアップする安立計器が、温度計専業メーカとして有名。非接触型では堀場製作所、チノー、日本アビオニクスがある(堀場は放射温度計だけでサーモグラフィは無い)。放射温度計、サーモグラフィではFLIR(フリアー)が世界的に高シェアだが、Flukeもラインアップが多い(工業分野に強いRaytek社製品はFluke Process Instruments社の扱いとなった)。日本の医療・計量・計測メーカであるエー・アンド・デイも「サーマルイメージカメラ」や「赤外線放射温度計」という品名のモデルがある。現場・環境測定器のtesto(テストー)にも赤外放射温度計がある。センサが豊富なキーエンスには「デジタル放射温度センサ」がある。温度の正確な計測にはセンサが欠かせないとして、「温度のチノー」を自称している株式会社チノーはセンサ開発に注力している。株式会社東亜計器製作所 には「日本薬局方温度計」や「JIS規格温度計」がある。このように温度測定器は大変広範である。

おんどとり(おんどとり)

株式会社ティアンドデイ(T&D Corporation)の小型温度ロガーの通称。温度計がデジタル化すると、メモリを内蔵しデータ収集する機能を持った。つまり温度計とデータロガーが一体化した温度ロガーという機種群が生まれた。温度ロガーは物理量測定器の中の温度計に分類される。記録計・レコーダのカテゴリのデータロガーは熱電対などのセンサ入力が可能で温度測定できる製品が多い。おんどとりは温度ロガーと測定できる項目は同じだが、一般にデータロガーは測定速度が遅い温度ではなく、電圧を測定するのが主な機能である(低速の温度や、高速の振動・歪を測定できるデータロガーもある)。 温度ロガーは温度を測定することに特化した製品である。温度計の計測器メーカがつくっていた温度ロガーは今よりも大型であった。そんな時代の1994年におんどとりの初号機、「Thermo Recorderおんどとり」型式TR-71が発売された。独自の測定方式、省電力設計による電池駆動など、当時は画期的な小型製品だった。翌年TR-72をリリースするなどラインアップを増やし、1999年には無線モデルでシェアを伸ばし、おんどとりは小型温度ロガーの代名詞となった。現在は従来の計測器メーカが同等品を後発で発売している(温度計の安立計器やチノー、データロガーの日置電機など)。 無線式の小型温度ロガーとしては2015年にアドバンテストの(計測器部門ではなく)新企画商品開発室が、まったく別のコンセプトでユニークな製品で参入している(AirLogger WM1000/2000シリーズ)。おんどとりの出現、普及によって新しい小型温度ロガーという機種群が生まれ、市場ニーズがあるために各計測器メーカが参入した。今後も各社がラインアップの更新をして機種群がブラッシュアップしていくことと思われる。

温度幅(おんどはば)

非接触温度計のサーモグラフィカメラ(熱画像計測器)の用語としては、「一画面内に熱画像として表示される温度の範囲。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)」

温度補償範囲(おんどほしょうはんい)

(temperature compensation range)ひずみ測定関連で紹介されている解説例を2つ示す。定格出力と零バランスが、仕様を越えないように補償されている温度範囲(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)。自己温度補償ゲージで、熱出力が規定を満たす温度の範囲(株式会社東京測器研究所の「ひずみゲージの基礎知識」より)。参考用語:自己温度補償ゲージ

温度ロガー(おんどろがー)

温度計に記録機能(ロガー)が付いた測定器。メーカによっては品名は「温度記録計」である。部屋の温度を長時間にわたりロール紙に記録する、設置型の温度記録計は昔からあり、現在も標準室などの温度管理が必要な部屋で使われている。「温度記録計」というと、このタイプを指すことが多い。温度計にはアナログ出力などで測定データを外部機器(レコーダなど)に記録できるモデルが多いが、最近の温度計はデジタル式になり、メモリを内蔵して、測定器自身に記録機能がある。そのようなモデルは温度記録計(または温度ロガー)といえるので、温度計と温度記録計の堺は曖昧ともいえる。 温度測定器のトップメーカである安立計器には温度計、温度記録計など多くの温度測定の製品群がラインアップされている。1994年にティーアンドデイは小型の温度データロガー、品名「おんどとり」を発売した。今までにない斬新なコンセプト(小型・軽量・安価、校正対象外(当時))であった。工場などの多くの場所に設置して温度を記録し、温度測定のデータ収集を効率良く行えるため大変重宝で、1999年には無線で測定データを送るモデルも発売された。温泉の浴槽におんどとりが使われている例もある。現在、「温度ロガー」というとこのおんどとり(か他社同等製品)をまず指すようになった。最近では計測器大手の日置電機もおんどとりとほぼ同じコンセプトの温度ロガーを発売している。老舗の安立計器は2019年に多チャンネル温度ロガーのシリーズ(有線と無線の2方式)を発売している。 無線式の多チャンネル温度ロガーとしては、おんどとりとはコンセプトが違うモデルを、アドバンテストの新事業企画部門が2015年に発売した。PCのUSB端子に装着する通信ユニットと、目的に応じた測定ユニット(小型の箱)で構成され、同等品が無いユニークな製品である。2017年には温度以外に電圧、ひずみも測定できるモデルをラインアップに加え自動車市場などで無線式ロガーとしてシェアを伸ばしている(AirLogger WM1000/2000シリーズ)。自動車業界向けの計測器が多い小野測器は2022年に「無線温度計測システムWC-1000 / WT-1000シリーズ」を発売したが、製品構成はアドバンテストのAirLoggerとほぼ同じである(競合の登場によってAirLoggerはオンリーワンではなくなった)。

温熱環境計(おんねつかんきょうけい)

温熱環境を測定する機器。

音量計(おんりょうけい)

騒音計の1種。自動車の車検などで使われる騒音計を音量計と呼んでいる。自動車整備の分野で使われている騒音計の名称。株式会社アルティアの警音器・排気騒音計測用の「音量計IM2801-A000」のキャッチコピーは「年一度の日本自動車機械工具協会の校正が、その他の車検機器と同時に受けられる。国土交通大臣が定める技術基準に適合」である。

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