計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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D級アンプ(でぃーきゅうあんぷ)

オーディオ機器に使われるパワーアンプには、A級・AB級・D級などの種類がある。それぞれ増幅する方式が違い、どんな音をスピーカから出すか特長がある。A級アンプは大音量ではなく小音量でクリアな音を出すので、音質重視である。D級アンプはデジタルアンプ、スイッチングアンプとも呼ばれ、スイッチング動作で波形をつくり、入力信号のレベルに応じてパルス幅を変調して出力する方式。 スイッチング動作は高効率のため、大出力でウーファーなどを鳴らすのに向いている。音色は重視していないがA級などより安価なアンプ。 参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第3回)・・スマホやPCに使われるD級アンプの駆動回路をファンクションジェネレータで構築してスピーカを駆動させる例が図解されている。

DVI(でぃーぶいあい)

(Digital Visual Interface) PCとディスプレィを接続するためのデジタルインタフェース規格の一つ。ODWG(Digital Display Working Group)というコンソーシアムによって開発され、従来のアナログインタフェースが全盛だった1999年に発表された。

DVD評価用測定器(でぃーぶいでぃーひょうかようそくていき)

DVD(Digital Versatile Disc)を翻訳すると「デジタル多用途(多目的)ディスク」。デジタルデータの記録媒体である第2世代光ディスクの1つだが、2000年代以降に映像記録の主要メディアになり、2020年現在も使われている。VHS(家庭でTV録画に普及したテープ)や1980年代に流行ったレーザーディスク(LD)を置き換える形で普及した。 形状や記録・読取方式はCD(コンパクトディスク)とほぼ同じだが記録容量がCDの約6倍になるため、CDでは不可能だった長時間映像の記録が可能になった。CDと同じく細かい溝の彫られた樹脂製の円盤をドライブ装置内で高速回転し、溝に沿ってレーザー光を照射してデータの読み取り/書き込みを行う。規格策定は業界団体のDVDフォーラムが行なっている。コンピュータなどのIT機器(情報機器)でもデータ記録メディアとして利用されている。 DVDが普及する時期には、ジッタを評価するジッタメータやタイムインターバルアナライザなどのオーディオ・ビデオ測定器が活躍した。菊水電子工業や横河電機(現横河計測)がつくっていた。2004年秋に電波新聞社が刊行した電子計測器&システム[ガイドブック]2005の「オーディオ・映像機器用測定器&システム」の冒頭では「DVDなどの光ディスクに関する規格とその評価測定器」について菊水電子工業が解説している(もちろん計測器としては同社のタイムインターバルジッタアナライザKJM6775が写真付きで紹介されている)。静岡県浜松市にあるパルステック工業には光ディスク評価装置があり、現在も現役である。 青色LEDの発明によって、2003年頃からBlu-ray Disc(ブルーレイディスク)の生産が始まり、DVD評価用の測定器は活況になった。アドバンテストからエーディーシーに移管された計測器群の中には光パワーメータがあるが、光通信で使う波長ではなくBlu-rayのようなより短波長の領域をカバーしたセンサをラインアップしている。同社HPの光測定器ページには「光ディスクの開発や生産ラインに最適」や「ブルーレイ対応まで選べる9品種のセンサ」などのうたい文句が書いてある(2022年12月)。つまり同社のOPMはアンリツや横河計測(旧安藤電気)のような光通信(光ファイバ通信)向けではなく、DVDなどの家電製品をターゲットにしていることが明白である(同社の光計測器はOPMだけで光源や光スペクトラムアナライザ、OTDRなどの光通信測定器はない)。

DisplayPort(でぃすぷれいぽーと)

液晶モニタなどのディスプレイのデジタルインタフェース規格。一般のOAパソコンなどはHDMIだが、ビジネス/プロユースのPCはDisplayPortが採用されている(2023年現在)。 1990年代までPCのモニタの主流だったCRTはVGA(アナログインタフェース)だった。2000年代にDVI(デジタルインタフェース)に置き換えが始まったが、2010年代にはデジタル家電のHDMIも登場し、PCへ普及した。ノートパソコンなどの可搬型機器ではDVIよりもサイズを小型化したい要望があり、標準化団体VESA(Video Electronics Standards Association)によってDisplayPortが策定された(2006年5月に1.0を発表)。2007年1月には、UDI(Unified Display Interface)規格を推進してきたインテルがDisplayPort支持に転向したことで普及が加速した。

テクニクス(てくにくす)

(Technics)松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)のオーディオ製品の登録商標で、1965年に始まった。1960~1970年代はオーディオブームで、大学生の趣味としてスピーカやアンプなどの音響機器を自作することが流行った。富裕層はオープンリールのテープレコーダを購入して高音質の音楽再生を自宅の部屋で楽しんだ。大手総合家電メーカの1社として松下電器も中~高級機の音響機器にこのブランドで参入した。1970年代にはFM放送の音楽番組のスポンサーとなりCMを流した。2010年に一度終了したが、2014年から欧州や日本で再展開された。2010年代からアナログのレコードが再評価されていることも追い風といえる。同社は、ダイレクトドライブ式レコードプレーヤーの実用化に世界で初めて成功したという歴史を持っている。

Telestream(てれすとりーむ)

テクトロニクスはオシロスコープと2枚看板だった映像測定器(TVなどの映像機器を評価する映像信号発生器や波形モニタなど、ビデオ関連計測器)を2019年にTelestream社に売却して、テレビ・オーディオ測定器から撤退した。国内ではNHKなどの放送局向けだけでも億円単位/年の売上があったと推測するが、親会社(フォーティブ)の意向だったという。 Telestream社は放送、デジタル・メディア市場で、ビデオ・テスト、モニタリング、品質保証ソリューションを提供している。テクトロニクスのビデオ事業部(映像測定器の開発部門)は、顧客へのQoS(Quality of Service、サービス品質)とQoE(Quality of Experience、ユーザ体感品質)に貢献していくことになる(2019年5月29日報道発表)。 2023年3月現在、Telestreamが映像測定器の新製品を開発したというニュースはなく、テクトロニクスの従来品のサポートも国内ではどれだけ行われているか不明である。つまり、1946年からの歴史あるテクトロニクスの映像測定器は(特にそのことに言及はないが)2019年以降に生産縮小・製造中止していくと筆者は推測している(現役品のサポートもそのうちに終了すると予見される)。テクトロニクスの撤退で、同業の国産メーカ、リーダー電子は(シバソクのアサカへの譲渡も重なり)国内トップシェアとなり、海外市場に進出している。 Telestream社のVantage®は、放送、制作、配信など各種メディアで使われる、映像ワークフロー統合型プラットフォームである。テクトロニクスのメディア ファイルであるTektronix Aurora(ビデオ関連商品)は、Telestream Vantageと統合することができ、製品カタログには「時間とお金を節約して品質管理の自動化ができる」と謳っている。高速度カメラの国産トップメーカのフォトロンは、「放送・映像制作 映像伝送サービス」として、Telestream Vantageに対応するソリューションがある。つまり、Telestreamは映像・ビデオ業界では有名な会社といえる。 計測器情報:テクトロニクスの映像測定器の例

テレビ・オーディオ測定器(てれびおーでぃおそくていき)

別名「オーディオ・ビデオ測定器」、「オーディオ・映像測定器」、「オーディオ・TV測定器」。TVなどの映像用の測定器(映像信号発生器、テレビ試験波形発生器、波形モニタ、ラスタライザなど)とオーディオ用の測定器(DVDなどを評価するジッタメータ、オーディオアナライザなど)を総称した呼称。 計測器メーカは国産ではリーダー電子、アストロデザイン、アサカ(シバソクから2015年に計測器を移管)など。海外はオーディオプレシジョンが有名。ローデ・シュワルツもラインアップがある。キーサイト・テクノロジーはオーディオアナライザを生産終了している。アンリツもデジタル放送のアナライザがあったが、現在は製造中止。

テレビ試験波形発生器(てれびしけんはけいはっせいき)

テレビ機器用の信号を発生する信号発生器。(=映像信号発生器)

テレビ信号発生器(てれびしんごうはっせいき)

テレビ機器用の信号を発生する信号発生器。(=映像信号発生器)

電磁界強度計(でんじかいきょうどけい)

電磁界の強さを測定する機器。略して「電界強度計」とも呼ばれる。メーカによっては「シグナルレベルメータ」の品名もある。「電波測定器」や「電測計(電波測定計測器の略)」の呼び名もある。新しい無線通信方式が実用化されると、電波の受信状態などの検査や保守に使われる。たとえばPHS(Personal Handyphone System)は1995年から日本のキャリアでサービスが開始されたが、無線通信測定器の雄、アンリツからPHS用電界強度計が発売されていた。ケーブルテレビ(CATV)が普及したり、TV放送がデジタル化されるとそれに対応した電界強度測定器が、映像・放送測定器メーカのリーダー電子から発売される。最近では2019年4月に4K/8Kに対応したモデルが発売されている。マイクロニクス(日本メーカ)の電界強度自動測定システムは電測車にのせ高速走行しながら、ラジオ、業務無線(警察・消防・防災など)、VICSなどの電界強度を自動測定できるので、高速道路の保守用に導入されている。測定器の表示は周波数ごとの電波の強さなので、特定の無線通信に特化した可搬型のフィールド用スペクトラムアナライザ(スペアナ)の亜種ということもできる。カテゴリーは障害試験器とテレビ・オーデイオ測定器の両方がある。

電測計(でんそくけい)

電波測定計測器の略。電界強度計、シグナルレベルメータなど計測器各社で名称が異なる。

電波技術協会(でんぱぎじゅつきょうかい)

通信技術、放送技術の円滑な普及、発展に貢献することを目的に1952年設立。1953年にはテレビ修理試験業務を開始し、テレビジョン技術者養成所を設置。 ホームページ(HP)に会社概要は無い。名称が「一般財団法人 電波技術協会」であること、略称がREEA(Radio Engineering Electronics Association)であることがHPより推測される。「通信技術、放送技術の調査、試験研究、普及啓発などの事業を行い、日本の電波利用の発展に微力ながら貢献してきた」旨が書かれている。理事長の氏名以外は不明(評議員や役員がいるもよう)。HPには「賛助会員入会案内」と「賛助会員専用ページ」がある。(2023年9月現在) 素人には電波産業会(ARIB、アライブ)と間違いやすいと筆者は思う。

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