計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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過渡回復時間(かとかいふくじかん)

(transition recovery time)電源装置の負荷電流の急変に対する出力電圧の瞬間的な影響度を表わすもの。定電圧電源において急激な負荷電流変動時に、設定した定電圧状態に回復する時間。出力急変に対し定常状態に回復する時間の指標。「過渡回復」と略したり、「過渡応答時間」ともいう。応答速度が速いといくつかの利点がある。(株式会社高砂製作所の用語集より)

逆Lの字保護(ぎゃくえるのじほご)

計測用電源が過電流状態になった時の復帰のタイプには「フの字保護」と「逆Lの字保護(自動垂下方式)」の2種類がある。逆Lの字保護タイプは、過電流状態になると出力電圧が低下して僅かな電流が流れ続け、障害復旧すると元の状態に戻る。(株式会社高砂製作所の用語集より)

供試体(きょうしたい)

性能を調べるために実験や試験などに提供する物。たとえば自動車のバッテリーとつながるモータ、インバータ、減速機などを供試体として、回生直流電源をつないで試験を行う。

ケンウッドティー・エム・アイ(けんうっどてぃーえむあい)

(KENWOOD TMI CORPORATION.) ケンウッド(KENWOOD、旧トリオTRIO)の計測器を設計・製造・販売していた部門が分社化(1996年~2006年に存在)。横河電機の計測器事業部門が横河計測になったようなもの(岩崎通信機の計測器部門も2000年頃は岩通計測という子会社だった)。アンリツが「アンリツ電子」、松下通信工業(パナソニック)が「首都圏パナソニックFA」などのように、計測器メーカが1980~1990年代に営業部門を販売子会社にしていたのとは違い、ケンウッドの計測器事業部が分社したもの。文教市場向けのオシロスコープと直流電源でシェアが高かった。 ケンウッドの計測器は会社名が何度も変わっているので、以下に沿革を述べる。1946年、有限会社春日無線電機商会が設立される。1954年、測定器に参入。1960年、トリオ株式会社に社名変更(TRIOといえば老舗のオーディオブランドだった)。1965年にオシロスコープを販売開始、1973年に直流安定化電源を開発。1986年 、株式会社ケンウッドに社名変更。1996年に計測器部門は株式会社ケンウッドティー・エム・アイとなる(親会社のケンウッドは2011年に日本ビクターと合併し株式会社JVCケンウッドとして存続している)。2002年にニッケグループがケンウッドTMIの株式を取得しニッケグループ傘下となる。ニッケとはウールで有名な日本毛織のこと。2006年、株式会社テクシオと社名変更。2009年、株式会社ニッケテクノシステム/テクシオ事業部となる。2012年、Good will Instrument Co.,Ltd.(台湾の計測器メーカ)がニッケテクノシステムからテクシオの計測事業を譲受し、株式会社テクシオ・テクノロジーを設立(ブランド名はTEXIO)。2014年、テクシオ・テクノロジーは株式会社インステック ジャパン(Good Willの日本法人)と合併し、GWInstekブランドを継承。 現在のテクシオ・テクノロジーには開発部門は無く、技術者は保守・サービス部門にしかいない。Good WillではなくTEXIOブランドの製品群もあるが、開発はすべて台湾で行っている。純国産企業で計測器の老舗であるケンウッドは、中華資本に買収され、台湾計測器メーカの日本での販売店となった。家電メーカのシャープが中華系企業になったように、計測器市場でも中華系の資本参加が起きたという事例といえる。テクシオ・テクノロジー(というかGood Will)は安価なオシロスコープから始まり、RFのスペクトラムアナライザや、安全試験の耐圧試験器、LCRメータなど様々なカテゴリーの新製品を発売している。同様に中華系のRIGOL(リゴル)がオシロスコープを中心にラインアップを広げているのとは違う戦略がうかがえる。 英語社名KENWOOD TMI Corp.のTMIはTest Measure Instrumentsの略称と思われる。日本語にすると「テスト・測定機器」で、つまり測定器(計測器)のことである。海外では計測器の事をT&Mと略記することが多い。日本の計測器業界ではT&Mなどどいう表記はほとんどされてこなかったが、最近は一部の国内計測器メーカが使っている例がある。ケンウッドが計測器を分社化した時にTMを社名に入れたのは海外ビジネスを視野に入れていたと考えられる。日本で社名に「ティー・エム」とあっても計測器をイメージする人は当時はほとんどいなかったと思われる。 ケンウッドは1987年に昭和リース株式会社と昭和ハイテクレント株式会社を設立し、計測器レンタルに参入した。略記:SHR(Syowa High tech Rent)。計測器レンタル会社としてはオリエント測器レンタル(現オリックス・レンテック)、テクノレント(三井物産のリース事業部門として発足、現在はリコーリースの子会社)、マイテック(リコーの子会社、1991年に横河レンタ・リースに統合)、日本エレクトロレント(USのレンタル会社エレクトロレントの日本進出、というキャッチフレーズで1986年頃に営業開始)、東京リース(日本勧業銀行、現みずほ銀行のリース会社)のレンタル事業本部、日立キャピタル株式会社(現日立リース)のレンタル営業本部などに続く7社目がSHR。昭和リースは協和銀行(現りそな銀行)系のリース会社なので、銀行系のリース会社と計測器メーカでつくった計測器レンタル会社である。同じく1987年に横河電機と芙蓉総合リース(富士銀行、現みずほのリース会社)が出資して、8番目の計測器レンタル会社、横河レンタ・リース株式会社(略記YRL:Yokogawa Rental & Lease)が設立される。SHRとYRLはその設立母体(親会社の構成)が似ている。ケンウッドティー・エム・アイの技術部門からSHRに出向者があったり、岩崎通信機の営業部門からSHRに複数名の転職者があったりしたが、2007年にSHRは昭和リースに吸収され、事業としての計測器レンタルからは撤退している。

高調波電流(こうちょうはでんりゅう)

(harmonic current) 一般に「高調波 」とは、ある周波数の信号の、整数倍の周波数の信号のことを指す(2倍の周波数の信号は2次高調波、3倍の周波数なら3次高調波、とn次高調波と呼ばれる)。電力供給システムでは商用周波数の整数倍の周波数成分を持つ正弦波を高調波と呼び、電源の品質に関する説明で良く使われる。 計測用電源の代表メーカである菊水電子工業の製品総合カタログ(電源・電子負荷に関する用語)には「高調波電流とは、商用電源ラインの負荷に流れる電流 で、基本波以外の周波数成分のこと」と説明されている。一般に基本波の整数倍という意味がある「高調波」は、無線通信(RF)から音響まで、電気の各分野で使われる幅広い概念であるが、「高調波電流というと、特に電源の分野を指す」という説明である。

効率(こうりつ)

電源機器の入力電力に対する、出力電力の比を百分率で表したもの。但し、交流入力/直流出力の直流電源の場合は、交流入力電力と力率の積に対する出力電力の比を百分率で表したものとなる。(株式会社高砂製作所の用語集より)

交流安定化電源(こうりゅうあんていかでんげん)

交流の電圧・電流を発生する測定器。(=交流電源)

交流電源(こうりゅうでんげん)

交流の電圧・電流を発生する測定器。(=AC電源)

コンデンサインプット型整流負荷(こんでんさいんぷっとがたせいりゅうき)

交流を直流に変換する回路で、整流の後でコンデンサを挿入した回路。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)

サイリスタ制御形(さいりすたせいぎょがた)

計測用電源の入力部にサイリスタ制御整流素子を使用して、出力を内部基準電圧と比較する。その出力の変動分を位相制御回路の移相パルス発生のタイミングにより、サイリスタの導通角をコントロールすることで出力を安定化させる方式をいう。この方法は、高効は極めて優れているが高安定、低リップルを期待できないため、次段にシリーズレギュレータを挿入して高精度化を計っている。(株式会社高砂製作所の用語集より)

3出力電源(さんしゅつりょくでんげん)

1台で出力数3chの多出力直流電源。

CR(しーあーる)

直流電子負荷装置には4つの動作モード、定抵抗(CR:Constant Resistance)、定電圧(CV:Costant Voltage)、定電流(CC:Constant Current)、定電力(CP:Constant Power)がある。CRモードでは電子負荷は固定抵抗のように動作するため、入力電圧に対して負荷電流は比例して直線的に変化する。

シーケンス出力(しーけんすしゅつりょく)

電圧や周波数や任意入力した波形等を順次変えていく機能のこと。(株式会社高砂製作所の「交流電源」用語解説より)

CC(しーしー)

直流電子負荷装置には4つの動作モード、定抵抗(CR:Constant Resistance)、定電圧(CV:Costant Voltage)、定電流(CC:Constant Current)、定電力(CP:Constant Power)がある。CCモードでは電子負荷は設定された電流を維持する(一定に保つ)ように、入力電圧を変化させる。試験対象の装置にどのような電圧変動があっても設定電流が流れるように電子負荷が調整する(ただし定格範囲内で)のがCCモード。直流安定化電源は、CC動作モードでは(設定した電流値の範囲内で)、負荷状態に応じて自動的に定電流(CC)で動作する。直流安定化電源にはもう1つ定電圧(CV)モードもある。そこで、直流安定化電源は「CV/CC電源」とも呼ばれる。

CCCV(しーしーしーぶい)

(Constant Current,Constant Voltage)定電流/定電圧。直流安定化電源の動作モードのこと。設定した電流(または電圧)値の範囲内で、負荷状態に応じて自動的に定電流(CC)モードや定電圧(CV)モードで動作する。CVCCと記載されることも多い。その他、CV/CC、cc-cvなど表記は多様。CCCV充電というと、定電流充電と定電圧充電を組み合わせた充電方法のことで、バッテリーの評価にはCCCV充電が良く使われる。

CP(しーぴー)

直流電子負荷装置には4つの動作モード、定抵抗(CR:Constant Resistance)、定電圧(CV:Costant Voltage)、定電流(CC:Constant Current)、定電力(CP:Constant Power)がある。CPモードでは電子負荷は設定した一定の電力で動作する。電子負荷は検知した入力電圧から電流値を計算し、その電流を流す。電力は電圧と電流の積(掛け算)で、電流と電圧は反比例する。そのためI-Vカーブ(グラフ)は曲線になる(CPモード以外の3つは直線)。

CV(しーぶい)

直流電子負荷装置には4つの動作モード、定抵抗(CR:Constant Resistance)、定電圧(CV:Costant Voltage)、定電流(CC:Constant Current)、定電力(CP:Constant Power)がある。CVモードでは電子負荷は設定した電圧を維持する(一定で変化させない)ように負荷電流を変化させる。試験対象の装置がどのように電流を変えても、設定電圧を変えないように電子負荷が調整する(ただし定格範囲内で)のがCVモード。直流安定化電源は、CV動作モードでは(設定した電圧値の範囲内で)、負荷状態に応じて自動的に定電圧(CV)で動作する。直流安定化電源にはもう1つ定電流(CC)モードもある。そこで、直流安定化電源は「CV/CC電源」とも呼ばれる。

CVCF(しーぶいしーえふ)

(Constant Voltage Constant Frequency)日本語では「定電圧定周波数装置」。直訳すると「絶え間ない電圧、絶え間ない周波数」なので、規定の電圧と周波数を安定して供給する装置(交流電源)のこと。計測用電源のメーカである高砂製作所の交流電源の用語解説には以下のようにある。「CV/CF:設定された、出力電圧(又は波形)と出力周波数を多少の負荷変動が有っても一定に保つ為の交流電源で、固定出力の意味ではない。当社の交流安定化電源には、0Vから連続可変できる製品や周波数も直流又は0.01Hzから連続可変できる製品もある。このような製品は可変中に負荷変動が発生しても電圧、波形、周波数とも高安定である。」

CV/CC電源(しーぶいしーしーでんげん)

定電圧/定電流方式の電源(Constant Voltage Constant Current power supply)。設定された電圧や電流を、多少の負荷変動が有っても一定に出力する機能があり、固定出力の意味ではない。株式会社高砂製作所の交流電源には、交流定電圧電源として0Vから連続可変できるものや、交流定電流電源として交流モータ、トランス、ブレーカなどの試験に最適な、0Aから連続可変できる機種をラインアップしている。(同社の「交流電源」用語解説より)

システム電源(しすてむでんげん)

1.測定器単体(スタンドアロン)での使用以外に、コンピュータから制御できる電源全般を指す表現。2. キーサイト・テクノロジーの直流電源の品名。