計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ES-2000Eシリーズ(いーえすにせんいーしりーず)

(ES-2000E series) エヌエフ回路設計ブロックの交流安定化電源で、リニアアンプ方式(リニア電源)のESシリーズの内、2kVAベースでシステムアップできるコンポーネントスタイルの機種群のこと。「プログラマブル交流電源ES-E」、「リニアパワーES-E」という表現(表記)もされている。 単相マスタES2000ES、ブースタES2000EB、単相3線マスタES2000ED、三相マスタES2000ET、スレーブES2000EPを組合わせて、顧客の仕様にあった容量(kVA)の電源環境シミュレータを実現できる。同業の菊水電子工業のPCRシリーズ(リニアアンプ方式のPCR-LE)は容量によってモデルが1つ決まり、増設(追加購入)によって容量を増やすことは難しい。 2010年頃にFIT導入で普及が加速したPV(太陽光発電)のインバータ(パワーコンディショナ)の開発では多くのメーカがES-2000Eを使って試験を行った。最小限の設備品とレンタル調達品を上手に組み合わせて使えることも大きなメリットだった。 計測器情報:ES-2000シリーズの製品例

EV充電器(いーぶいじゅうでんき)

電気自動車(EV)を充電する装置のこと。ガソリン車のガソリンスタンドに相当するため充電スタンドともよばれる。普通充電器や急速充電器などがあり、充電時間や装置のサイズなど、まだまだ進化の途中にある。ノルウェーを筆頭に整備はEUが先行していて、日本はまだ普及率が低い。自動車の電動化の普及のための重要なインフラだが、世界的に規格が複数あることや、日本では今までEVよりハイブリッドなどに力を入れてきたことなど、普及が遅れている理由はいくつかある。ただし菅(すが)政権になって温暖化ガス削減の政策推進のために、2020年度には普及策が検討されている。メーカはGSユアサ、東光高岳、NECなど多彩な業種である。計測用電源のメーカである高砂製作所や菊水電子工業も参入している。装置の寿命は約8年で、集中設置された2万基が2021年度から順次、更新期に入るという課題がある。電気自動車や充電スタンドの開発・試験には多くの計測器が使われている。

移動体通信用電源(いどうたいつうしんようでんげん)

携帯電話の生産ラインで検査用に使われた計測用電源の総称。1995年にNTTドコモから4種類の形状の携帯電話が発売され(mova、ムーバ)、端末のレンタル制から買い取り制への移行、3G(デジタル方式の無線)の導入、と日本の電機メーカ各社はこぞって携帯電話の端末に参入した。NEC、富士通からソニー、パナソニック、デンソー、日本無線など、最盛期には10社以上があった。携帯電話の生産ラインにはGP-IB機能の無い菊水電子工業やケンウッド(現テクシオ・テクノロジー)の15~18V/3~5AのDC電源とは別に、GP-IB機能がある電源が使われた。キーサイト・テクノロジーの663xxシリーズやケースレーの2303-PJなどである。従来日本の計測用電源メーカのDC電源はGP-IB対応の物がほとんどなく、電源専業ではない海外の計測器メーカがGP-IB機能のある電源をラインアップしていた。それら、携帯電話製造ラインで使われるGP-IB機能のあるDC電源を「移動体通信用電源」と呼称した。これらモデルの品名にはそのような名称は全くないが、アプリケーションとして自動計測をする製造ラインでの使用があり、当時、製造ラインで大量にそのような電源を使うのは携帯電話が突出していたので、このような呼び方がされたと推測される。 携帯電話の生産ラインの計測器は各メーカがレンタルをフル活用したため、計測器レンタル会社は通信(無線)の計測器だけでなく、移動体通信用電源を大量に在庫して運用した。2010年代に日本には携帯電話を設計・製造するメーカはほぼ無くなったので、計測器レンタル会社の移動体通信用電源の在庫もほぼ無くなった。

INTERMEASURE(いんたーめじゃー)

「計量計測展」、「インターメジャー」と呼称され、隔年秋に開催される、計量法に関係する展示会。日本メーカだけでなく世界の計量メーカが出展しいている。総合検査機器展(JIMA)、センサエキスポジャパン(SENSOR EXPO JAPAN)との併設で開催。センサエキスポジャパンは毎年開催で、INTERMEASUREと測定計測展(Measuring Technology Expo)が交互に開催される。 国内の計量法に関連するイベントでは、日本NCSLI技術フォーラムが、毎年秋に開催されている。こちらは日本の計量関連企業の総会といえる。

インバータ(いんばーた)

(inverter) 直流を交流に変換する装置。交流モータの速度を連続的に、かつ広範囲に制御するもので、エアコン、ポンプ、ブロアなどの可変速駆動に使われている。商用電源をいったん直流に変換しフィルタを通し、サイリスタインバータやトランジスタインバータに入力し異なった周波数に変換する装置。(共立電気計器株式会社の用語集より) 交流 (AC)を直流 (DC)に変換する機器をコンバータ(converter)という(可搬型のパソコンにコンセントから電源を供給したり、スマホに充電するACアダプタはコンバータである)。逆にDCからACに変換する機器をコンバータの反対という意味のin-converterを略してinverter(インバータ)という。ACをDCに変換するコンバータを順変換装置、逆にDCを任意周波数のACに変換するインバータを逆変換装置と呼んでいる文献もある。インバータは広義には計測器ではないが、電源関連の機器メーカ(計測用の安定化電源メーカや、ノイズカットトランスで有名な電研精機研究所など)がつくっているので、カテゴリー「電源装置」に分類している。 太陽光パネルはDC出力する電池なので、PV(太陽光発電)用のインバータであるパワーコンディショナで適切なACに変換されて、家庭の電気機器や電力系統に供給される。太陽光発電の発電効率はインバータの性能が大きな要因の1つである。 EV(電気自動車)はバッテリの電力(DC出力)を効率よくモータ(ACを供給して動く)に伝えるために、自動車用インバータの性能アップが各メーカで研究開発されている。日本のエアコンはほとんどがインバータを採用していて、省エネを実現している。このように私たちの生活のいたるところにインバータは使われ、また性能向上が日々進んでいる。 インバータを構成するパワー半導体として従来の元素であるSi(シリコン)に代わりSiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガン)などの、小型で電力変換効率が優れた素子を使ったデバイスが開発され、そのような半導体を使い、従来より小型で性能が良いインバータ製品が日進月歩で製品化されている。 半導体デバイスの主要メーカ(世界のキープレーヤ)は欧米や台湾・韓国で日本メーカではないが、パワー半導体では日本メーカは世界的に最先端である。パワー半導体の世界トップ3のデバイスメーカはインフォニオンテクノロジーズ(ドイツ)、オンセミコンダクター(米国)、STマイクロエレクトロニクス(スイス)だが(2021年統計)、それに続くのは日本の三菱電機や富士電機、東芝などである。SiCの商用化ではロームが早かった。ルネサスエレクトロニクスも注力をしている。これらの半導体を使い、各メーカがインバータをつくっている。インバータは広範な分野に製品があるため、代表的なメーカを述べるのが難しい。

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